ブラック・スワン(2010) | つぶやキネマ

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140文字以内(ぐらい)という制約を自ら課して、
"つぶやいて"みようと思います...ほとんど
「ぼやキネマ」になりそうですが。

★注意!!! 作品の内容に触れています★


ブラック・スワン(2010)


 「白鳥の湖」のプリマに抜擢された真面目で努力家
のニナ(ナタリー・ポートマン)は、自身の暗黒面を解放
するという課題に追いつめられて行く...というお話。
演出家のルロイ(ヴァンサン・カッセル)がニナに言う
「白鳥役だけなら君で決まりだ」は、女優ナタリー
自身に向けられた言葉でもあるよね(注1)。各映画賞
の候補になったりAFI(アメリカ映画協会)の2010年度
最優秀作品に選ばれただけあって完成度も高く面白
かったのだが、心理描写がホラーに寄り過ぎなのが
ちょっと残念。ライバル・ダンサーのリリーを演じた
ミラ・クニスはこういう役はホントに上手いし、
あまり評価されなかったのが不思議だがヴァンサン
・カッセルはまさにハマリ役だと思う(注2)。ラストを
観て確信したのだが、この話の元ネタはエドガー・
アラン・ポーの「ウィリアム・ウィルスン」だよね(注3)。


●スタッフ
監督:ダーレン・アロノフスキー
製作:マイク・メダヴォイ、アーノルド・W・メッサー、
ブライアン・オリヴァー、スコット・フランクリン
製作総指揮:ブラッドリー・J・フィッシャー、
アリ・ハンデル、タイラー・トンプソン、
ピーター・フラックマン、リック・シュウォーツ、
ジョン・アヴネット
原案・脚本:アンドレス・ハインツ
脚本:マーク・ヘイマン、ジョン・マクロクリン
撮影:マシュー・リバティーク
振付:バンジャマン・ミルピエ
音楽:クリント・マンセル


●キャスト
ナタリー・ポートマン、ヴァンサン・カッセル、
ミラ・クニス、バーバラ・ハーシー、ウィノナ・ライダー、
バンジャマン・ミルピエ


◎注1; ナタリー・ポートマンは本作でアカデミー賞主演
女優賞受賞。美人でハーバード大学卒の優等生の彼女は、
デビュー作「レオン(1994)」で一気にスターになった
ものの、ウディ・アレン監督作「世界中がアイ・ラヴ・
ユー(1996)」や「スター・ウォーズ三部作」、
「クローサー(2004)」ではストリッパー役に挑戦する等、
様々な作品に出演して来たが常に"お嬢さま”感が付き
まとい、今ひとつ突き抜けられなかったあたり、まさに
ニナそのもの。
◎注2; ラブコメからアクション、Sci-Fiまでと、最近
大活躍のミラ・クニスはウクライナ生まれだそうで、
不良っぽい役が多いせいか若いと思っていたが今年
30歳と知って吃驚。そして、最初は良く似たアメリカ人
俳優かと思ったほど、ヴァンサン・カッセルはいつもの
キッレキレ感が無く、厳しいバレエ演出家の雰囲気を
上手く演じていて思わず唸ってしまった。ちょっと
ショックだったのはニナの母役のバーバラ・ハーシー。
「去年の夏(1969)」「明日に処刑を…(1972)」「大い
なる決闘(1976)」「エンティティー/霊体(1982)」
「ライトスタッフ(1983)」等の、オジさん世代には
思い出の女優さんだったのだが、ラストのクレジットを
観るまで解らないぐらいの変貌で...。そういう意味では、
引退させられるプリマ・バレリーナのベスを演じた
ウィノナ・ライダーも同じ...ティム・バートン作品
「ビートルジュース(1988)」「シザーハンズ(1990)」
でファンになったオジさんは複雑な気分だ...自分も
歳をとった事を忘れてるんだが。
◎注3; エドガー・アラン・ポーの「ウィリアム・
ウィルスン」はドッペルゲンガーについての話で、
傲慢で残酷な振る舞いで寄宿学校内外で悪名高い
主人公の前に、同姓同名で外見もそっくりだが
正義感が強く優しい男が現れ、争った結果彼を
殺してしまい、それは自分自身だったという話。
映画化された中で最も有名なのは、ポー原作の3話
オムニバス作品「世にも怪奇な物語(1968)」の1話、
ルイ・マル監督アラン・ドロン、ブリジット・
バルドー共演の「影を殺した男」。その他にも、
ドイツではサイレント映画時代から合わせて3本
映画になっている。



 

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