2005-10-14 11:00:38

■百年恋歌 Three Times 最好的時光 侯孝賢

テーマ:映画

■百年恋歌 最好的時光
Zui hao de shi guang
Three Times (The Best of Times The Best of Our Times)

●そうだった…チャン・チェンの誕生日だったデスね。むむ、こーゆー偶然も、あるもんだと、なんだか感慨深い、などと…ま、そーゆーお話デス。
今年のカンヌ映画祭出品作ながら、無冠に終わった侯孝賢の「最好的時光」英題:Three Times。きっとコレ好きだと言える映画だと思う。潔いホウ監督に、長年相方の脚本家、撮影スタッフ揃い組で仕上がった本作もきっと深い思いを残してくれるものだと思っているデスよ。








この物語、過去からの年代を追っていくのかと思いきや、1966年に始まり、1911年に遡り、そして現在2005年と、描かれていくのだという。描かれるのは、その時代に生きていた恋する人。
三つの異なる時間、時代の中で語られる三つの恋の物語。恋というより、も少し深いところを探ったとすれば、愛か。それも実らぬ愛…の物語。
実らぬままでも、ひっそりとその花は咲くのだろう。咲いた花が散り際に心決めて、受け継がれる事の無い生涯を終える。ここに侯孝賢が描いた愛とは、そのような感傷をもたらすのではないか、と思う。








1966
KAOHSIUNG: A TIME FOR LOVE
1966年 場所は高雄。「愛の時」
チェンは、いつ兵役への呼び出しがあるか、気持ちが落ち着かない。チェンはビリヤードが好きだった。ふらりと立ち寄ったビリヤード場。そこにメイがいた。彼女はそのビリヤード場で働いていた。
二人は一緒にビリヤードを楽しんだ…そしてチェンは入隊。
やがて、兵役の間のつかの間の休暇がチェンに訪れる。彼はあのビリヤード場に向かう。
しかし、そこにメイの姿はなかった。メイは、彼が入隊した後に仕事を辞めた。
メイを捜すチェン。しかし、メイの消息は誰一人知るものもなく、どこにもメイの姿は無かった。







1911
1911, DADAOCHENG: A TIME FOR FREEDOM
1911年 台北民楽街「自由の時」
Mr.チャンには、お気に入りの娼婦がいた。彼は好きな娼婦アーメイに会いにいく。
彼は、明日、リャンに会うつもりだ、と彼女に話す。娼婦は驚きを隠せなかった…。
翌日、茶農園のオーナーとその息子は、若い娼婦との関係を金で片付けることを話し合いにやってきた。チャンは、その息子が彼女アーメイを妊娠させたのだと気づく。彼は考える。娼婦の今のパトロンである茶農園の息子のために、父親が娼婦との問題を片付けさせようとしている事。
チャンはその交渉を早く取りまとめるように促す。娼婦、愛人、彼女のその後は…。





2005
2005, TAIPEI: A TIME FOR YOUTH
2005年 台北「青春の時」
ツェンとジンは、情熱的な恋に落ちている。
早産で生まれたジンは持病の癲癇を押さえる薬を飲まなければならない。しかし、それは彼女の右目の視力を失うことを意味していた。
ジンは、母親と祖母と一緒に暮らしている。そこにレスビアンのミッキー。
ツェンはデジタル写真店で働いている。彼のガールフレンドはブルー。ブルーは、ツェンがジンに惹かれていることに気づき、頭に血が上る。彼ら4人は、この現状からどこに向かう事が出来るのか。
多分…、彼らの誰もが何も変えられないまま、流れていくのか…。





Trailerは、60年代の物語を描いている。そこから始まっていく。
侯孝賢は、60年代に台湾の軍に入隊。兵役は、今も台湾で継続している国民の義務。
彼は、当初この映画を3人の監督で撮ろうと考えていた、という。しかし、3人の監督という企画では映画は実現しない、ということに気づかされる。資金、製作の遂行、配給等に困難な兆しがあったのかもしれない。そこで、自らが監督で本作の製作を進める事になったのだと。
この物語を描いていくにあたり、侯孝賢は、自分の個人的な経験、記憶から得られる物語を描くことを決める。そこで彼は、まず1966年を選んだ。彼自身の兵役寸前の体験をよみがえらせた。
彼はビリヤードが好きだったという。ブールバーの周辺でそこにいる女の子を追いかけていた時代があった、という。その時代の、自分が経験した歴史の瞬間に目を向けた。
そこには、男の希望と女性の希望があった。それが互いの間にズレを生じさせ、ギャップを生む。
続いて、中国の革命時期を重ね合わせ、1911年を選ぶ。日本の縛りから台湾の解放に向かう願いを持った人間がそこにいる。そして、物語は現代の台北に飛ぶ。若い女性の実生活に基づく物語が2005年を背景に描かれる。
ただし、ここでは極端な政治的背景を意識することなく、あくまでも三つ時代の中で語られる三つのラブストーリーだった、と彼は語った。時代が違った中でどういう関係があったのか、異なる時代の中での愛情物語の差、彼等の感情の示し方や行動の正確な違いに興味が深まった、という。




ただ、侯孝賢の撮り方を以って、今の台湾で過去の時代の映画を製作することは、非常に難しくなったという。CGを使うならそれも可能になるだろうが、それをしない侯孝賢。背景、風景と同様に、演じる俳優の身体的な変化も考えねばならなかった、と。
1960年代、1910年代、さらに現在の中でも生きている人物を演じられる俳優の選択は、ますます困難になってくると示唆する。キャスティングは「ミレニアム・マンボ」以来のスーチー、彼女が最初に決まる。男優を決めかねていた時に、呉清源九段の生涯を田壮壮(ティアン・チュアンチュアン)監督の下で演じていたチャン・チェンに注目。田壮壮監督作の撮影は、侯孝賢の長年の仕事仲間であり、本作の撮影にも参加していた李屏賓(リー・ピンビン)だった事も縁なのだろう。時代を前に後に今に移動する中で、演じる俳優が揃った。



60年代の雰囲気を持った家屋や場所は、現在の台湾の都市部には皆無だった、という。ロケーションの難しさも身に沁みた、らしい。しかし、そんな中で彼は、1911年の物語に合致する家屋との幸運な出会いがあったという。その家屋はスチールのみになるが、目を奪われる。年代を経た色合いの扉にはめ込まれたガラスと桟の組み合わさった様子、照明が加味され、そこに鮮やかに時代を呼び込んでいるではないか。細々とした時代考証も経た身の回りの物が揃えられて、女優と男優の会話を遡らせる。

この三つの時代に描かれた「私達の最上の時間」は、私達にこのように素晴らしい記憶があるということではない、と。そこに出てくる人の「最上の」時を描くということは、その時代で彼らが迷いながら、そして去っていく姿。今はもういない、いずれいなくなる姿なのだと。失った愛は取り戻せない…そう、私達もいずれいなくなるのだ。この時代を去っていく。去りがたい思いを抱くのもそこまで。愛を抱きかかえて、どこに行けると言うのだ。愛はそこにしかないのだ。
やっぱり、これは愛の物語。曲、Trailerの曲、どなたか教えてください。初めて聴く曲、ぐっとくる。やっぱり、どーしよーオロオロするぞ。※曲、わかりました・・・ヴァンゲリスが最初に在籍したアフロディテスの「Rain and Tears=涙と雨」1968年に日本でもヒットした曲だった。

脚本は、朱天文(チュー・ティエンウェン)。1983年の「風櫃(フンクイ)の少年」から「少年」「冬冬(トントン)の夏休み」「童年往事/時の流れ」「恋恋風塵」「ナイルの娘」「悲情城市」「戯夢人生」「好男好女」「憂鬱な楽園」「フラワーズ・オブ・シャンハイ」「ミレニアム・マンボ」そして、2003年の「珈琲時光」まで一貫して侯孝賢の脚本を手掛けている。

先にも記述したが、撮影は、侯孝賢監督の「童年往時」からその仕事を開始し、以降の「恋恋風塵」「戯夢人生」「憂鬱な楽園」「フラワーズ・オブ・シャンハイ」「ミレニアム・マンボ」、王童監督「策馬入林」RUNAWAY、許鞍華監督「上海の休日」「女人、四十。」「半生縁」、王家衛監督「花様年華」、トラン・アン・ユン監督「夏至」、田壮壮監督「春の惑い」の李屏賓(リー・ピンビン ※最新作は邦画「春の雪」)。音響も候組の杜篤之(トゥ・ドゥーチー)。エドワード・ヤンの「ヤンヤン 夏の想い出」や「藍色夏恋」担当。(2005年/製作国台湾/台湾公開2005年10月/日本公開:間もなく開催される第6回東京フィルメックスのオープニング
上映だそーです。一般公開は来年なのか、な)


▲THREE TIMES 侯孝賢 2005-05-14


▲カンヌ国際映画祭 2005-05-20


▲Trailer


▲Trailer
画質はよくないのですが

Demis Roussos - Rain And Tears (Live In Bratislava)
アフロディテス・チャイルド時代から体型はド迫力になって
歌声はやはりデミス・ルソス、ええですネ。

RAIN AND TEARS
Rain and tears,
are the same
but in the sun
you've got to play the game
When you cry in winter time
you can pretend it's nothing but the rain

How many times I've seen
tears coming from your blue eyes

Rain and tears, are the same
but in the sun
you've got to play the game



●Directer:侯孝賢 HOU Hsiao Hsien ホウ・シャオシェン
●Screenwriter:朱天文 CHU TIEN-WEN チュー・ティエンウェン
●Cast:
張震 Chang chen チャン・チェン  舒淇 Shu QI スー・チー 高捷 Kao Jai カオ・ジエ(Jack Kao:ジャック・カオ)

コメント

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1 ■official site of the promise

this is the official site of the promise in chinese
http://www.thepromise.sina.com.cn

2 ■Dear Mr. tangka

To dear Mr. tangka
Thank you for seeing the Japanese movie. Moreover, I am looking at a
lot of movies of the supervisor in loved China. Let's wish a lot of
wonderful movies to be able to be seen. Thank you for writing the
comment.

3 ■楽しみです

この映画の情報が少なかったので興味深く拝見しました。

「悲情城市」「戯夢人生」「好男好女」の歴史3部作の変奏といった感じなのでしょうか。

このところホウ・シャオシェンの作品は出来不出来が激しい(「憂鬱な楽園」「フラワーズ・オブ・シャンハイ」は傑作だと思います)ので、期待と不安が半々といったところです。

4 ■ものすごく

観たいんですけど、日本公開するんでしょうか?
どうも最近、中華系は冷遇されてるように思います。(涙)

5 ■■■■■■■■■■■■■■■■ツボヤキ■■■■■■■■■■■■

★雄さんへ
はあ、そうですね、期待と不安、ですか、うむうむ。。。期待しておきましょう。3つの時代で1911が評判良いようですが、いいじゃないですか、それぞれ見るべきとことはあると、思いましょう!書き込んでいただいて有難うございます。「フラワーズ・オブ・シャンハイ」はスクリーンで見たかったな~~なんです。

★RINさんへ
公開はあるでしょね。特別上映は東京のみですが、他でも公開されるとは、思っています。いや、祈っています(祈願だ)

6 ■TBありがとうございます

はじめまして。
私もこの作品、とても楽しみにしています。
たくさんのスチールを見てさらに期待が高まりました。
FILMeXのチケットがとれたら是非観に行こうと思ってます。
また遊びに来させて頂きます。

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