■Syriana シリアナ | ツボヤキ日記★TSUBOYAKI DIARY

ツボヤキ日記★TSUBOYAKI DIARY

映画 [新作・旧作・TRAILER] を中心に、ツボにはまり、ボヤキもチラホラの果てしない
日記になるか、カッカッしながらも、とほほの日記になるか・・・
ツボとボヤキで「ツボヤキ」日記。では参ります!


■Syriana

●映画「Syriana」(シリアーナ)もしくは(シリアナ)を勘違いしていた。
シリアの石油に関する裏事情の映画だと思っていた。シリア=シリア・アラブ共和国を指しているのかと思っていたら、アメリカ等で「Syriana」という場合は、シリア地方のみならず中東、紛争の絶えないその方面を指すことだ、そうだ。

シリアだけであるなら、トルコ、イラク、ヨルダン、パレスチナ、レバノンに接する、というより囲まれている国。英語表記は、Syrian Arab Republic。通称、Syria=シリア。で、そこに住む人々をシリアーナ、というんだと解釈していたのだから始末に負えない。その程度なのだ。中東方面の知識の希薄な事。で、今回の映画「Syriana」とは、CIAがあの一帯を指すときの造語、用語だそうだ。知らなんだな~。






映画「Syriana」。まず登場するのは誰だろう。主要人物として、ロベルト・ベアがいる。彼は、CIA工作員として21年を経たベテラン。ベアは、世界中でテロリストに関する調査を隠密裏に行なう仕事をこなしてきた。そんな彼の背景が再び活用されるべく、状況が動きつつあった。テロリズムの危険性が高まっていた…その矢先にCIAの資金提供が減額。現段階の諜報活動の重要性、危険性への警告は全く無視されたまま、反米の力と戦うツールなしで置き去りにされた格好の工作員ベア。政府は重大な判断ミスを犯している、とベアは見ていた。CIAの予算削減は大きな波紋を広げる。それを仕向けたのは国内では誰が主流だったか。国の外では誰が動いていたか。政府の中の利権、癒着、欲が見え隠れする…。

見過ごされた問題地域の実情は以後、どう変化していくのか。闘いは、まさに個人で引き受けなければならない過酷な瞬間の積み重ね!そうして、巧くいっていたはずの原油価格を分析する職にあった男は妻と共に、過酷な家族の悲劇に直面する。








映画「Syriana」(シリアナ)は、Trailerをご覧になれば即お分かりのように、ある作品がよみがえる。ソダーバーグの映画「トラフィック」。本作「Syriana」は、「トラフィック」で脚本を書いたスティーヴン・ギャガンが、世界的な石油利権に絡んだ陰謀を描く政治的なサスペンス、スリラーに挑んだ監督作第2作目。

ペルシャ湾の油田で精を出して働いている父と子。突然解雇された時にカリスマ的な聖職者の保護を受けた父と子の辿る試練、運命とは。ワシントンの密室での取引を仲介しているブローカーの真の狙い。這い上がってきた弁護士は、職務を越え、道徳的なジレンマに陥る。長年、テロに関する調査を行なっていたCIA情報部員は、彼の人生を注ぎ込んだ情報に不穏な事実を見つけ始め、危険を承知の行動に出る。エネルギッシュで野心家の男は、家族の悲劇の上に、理想主義的な王位継承者である王子と行動を共にする。
映画の筋書きは、富と力との激しい駆け引きの側にいる人間の行動と結果を直視させながら、特別視されるはずのない、なんの影響力もないはずの側にいた命が現実の野望にさらされて、複数の展開を小刻みに連動させ、加速をつけてきそうだ。






この映画「Syriana」(シリアナ)は、元CIA工作本部対テロ部門に籍を置いていたロバート・ベアによる自叙伝の邦題「CIAは何をしていた?」を元に、スティーブン・ギャガンが脚色・監督に乗り出した意欲作、と見られている。
原作は、ロバート・ベア自身の日記風な綴られ方だそうだ。この映画に登場するジョージ・クルーニーがロバート・ベア自身に扮する。
さて、ベアの原作をギャガンがどう脚色したかが、最も興味深い点。振り返れば、映画「トラフィック」は、麻薬にまつわる3つの場所での出来事が同時進行で展開する様子が見事だった。また見る側が、その場所を判別しやすいような画面の工夫も施されていた。場面が変わっても、どこで何が行なわれていたのか、誰がどこに出向いているのか、こまごまとした事まで巧くリンクした物語に仕上がっていた。ただ、あの映画の最も色濃く表情を見せていたメキシコ部分の台本はほとんどスペイン語によるものをデル・トロが書いたはずだ。その作品でデル・トロは、オスカーの助演男優賞を受賞した。




今回は、さあ、どうなるのか。アメリカ、スイス、中東…。プロデューサーに、ジョージ・クルーニー、スティーブン・ソダーバーグがいる。この二人、結構今後も絡んでいる。「トラフィック」はあれで良かったと思っているが、今回は麻薬から石油事情へと背景が異なった。同時に、911のテロに重なる場面、関係を臭わせる人物も垣間見えるようだ。クルーニーが、引っ張っていくのか。拉致の様子も半端じゃない、そういう危なげな緊張感はスチールから、Trailerから伝わってはくる。

この映画に関する予感は、クルーニーの役へのはまり方は良しとして、マット・デイモンの演じる男が心を変貌させていくのか?そこが、大事なんだと思う。デイモンが、どうこの物語の中で化けてくれるかが、後引く映画になるか、ならぬかの鍵かもしれない。
現段階での予感は、油田作業員の父と子に、心奪われるかもしれない。
また、悪なら任せてと顔に出過ぎや、と思いながらもクリス・クーパー、クリストファー・プラマーは、目が離せない。で、ウイリアム・ハートはどうだい!不思議な印象を残すよな~。ギャガンは、ココ正念場デス。(2005/製作国アメリカ/アメリカ公開2005年11月23日:拡大公開12月/日本公開2006年1月)



▲Trailer


▲Official site
オフィシャルは部分的に稼動中


●Directer & Screenwriter:Stephen Gaghan スティーヴン・ギャガン
●Cast:George Clooney ジョージ・クルーニー Matt Damon マット・デイモン Jeffrey Wright ジェフリー・ライト Chris Cooper クリス・クーパー William Hurt ウイリアム・ハート Tim Blake Nelson ティム・ブラック・ネルソン Amanda Peet アマンダ・ピート Christopher Plummer クリストファー・プラマー Alexander Siddig アレクサンダー・シディグ Michelle Monaghan ミッシェル・モナハン Max Minghella マックス・ミンゲラ