2009-08-24 21:32:06

■扉をたたく人

テーマ:映画

■The Visitor 扉をたたく人

●アメリカのサンダンス映画祭で上映されて二年半。。。やっと見ることができた秀作「扉をたたく人」(原題:The Visitor)。
様々な映画で脇を演じるリチャード・ジェンキンス主演作としてアカデミー賞にもノミネートされた作品で既にご承知置きかと思う。これがやはり待ち続けながらスクリーンで見ることが出来て本当に良かった、と。

コネチカットに引き込んだ初老の大学教授が、長らく放っておいた感のあるニューヨークのアパートに仕事の都合で戻ったことから物語りは始まる。
公式サイトを見れば説明も詳しいがそういうのは後回しでご覧いただけると嬉しい。先入観は良い映画の邪魔をする場合が多々あるので、またブログで詳細を書くのもおこがましい。
さて、 では何を語ろうか。
脚本、監督を務めたトーマス・マッカーシー(トム・マッカーシー)の素晴らしい仕事振りに今更ながら頭を垂れる、我は映画ファンという気分だった。
巧いね、やっぱりこの人の映画…物語のまとめ具合の優れた面がここに、と。
この物語に小賢しい説明や解説めいた台詞はない。しかし、あのスカイクレーバー、摩天楼の姿が引きで仕込まれる場面が大きく二箇所。そこで、もしや・・・ああ、そうなのかと気付かされる。それが二年前の撮影。



この夏、アメリカから戻った知人がメキシコからの毎日の不法入国者の数が半端でない、と言っていた。数年前にアメリカのラティーノ人口は2050年には日本の人口を超えるなんて言ったものの、その日は加速をたてて近まっている。
この物語ではラティーノではないアメリカの人種事情が背景にある、がそれも勿体ぶった言い回しなどない。不法入国者の時間の経過。。。そこで扱いが大きく変わった理不尽な事情。

伏線に持ってきたピアノ、今そこにいない妻の存在などが見る側に想像させる仕組みを丁寧にしかし簡潔に組み込んでいる。
見る側によって想像は膨らみながらも物語りは進行する。
主人公の立ち位置を思いながら、そこに出会う者達への想像が重なって、この物語は大人のやるせなさを滲み出し、この世界の無慈悲な行いを見せる。しかし・・・だ。
それからは見るものがどう結末をつけていくかを諭すかのようにエンディングに導かれるのだから偉い。この監督の偉さに感服デス。

で、この脚本を書いた監督、「デュプリシティ ~スパイは、スパイに嘘をつく~」「父親たちの星条旗」「オール・ザ・キングスメン」「グッドナイト&グッドラック」「ラスト・ショット」・・・等、俳優として脇を固めたトーマス・マッカーシー。
どうして公開にならなかったのか未だ腑に落ちない
「The Station Agent:ステーション・エージェント」 の監督でもありましたデスね。プンプンッ!

さ、俳優の巧さ、です。
最近ある邦画の予告を見て、そりゃないだろうてな気分でした。主人公を演じる若い青年が自らの病を告知されて叫ぶという場面に遭遇したわけなのだが、そういう時にどこの誰がそんな風に叫ぶか!と、憤りさえ感じたのであります。我が身内なれば一発見舞って勘当ものやもしれん。



俳優は物語の筋を、監督の思いの先を読み、主人公の日常とその背景、世界を垣間見ながら台詞を噛み締めるのだろうと思うデスね。
リチャード・ジェンキンスという俳優は穏やかな紳士ではない、デス。斧持ってジョン・マルコヴィッチに歯向かう奴であります。
故ハンター・トンプソンの「The Rum Diary」撮影にはプエルトリコへ馳せ参じる、そーゆー御仁であります。
その俳優がここで演じた主人公の抑制の利かせ方、感無量であります。

少ない俳優で無駄のない台詞、そぎ落とされた場面で構成された「The Visitor」、久し振りに邦題も「扉をたたく人」、ま、よろしいのでは、と思うたデス。 (2007年/製作国アメリカ/アメリカ公開2007年/日本公開2009年6月27日)


▲Official site


▲Official site:Japan
オフィシャルでもTRAILERはご覧になれます。

●Directer&Screenwriter:Thomas McCarthy トーマス・マッカーシー
●Cast:Richard Jenkins リチャード・ジェンキンス Haaz Sleiman ハーズ・スレイマン Danai Jekesai Gurira ダナイ・グリラ  Hiam Abbass ヒアム・アッバス
AD
いいね!した人  |  コメント(1)  |  リブログ(0)
最近の画像つき記事
 もっと見る >>

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。