2007-12-29 02:01:55

■ブレイブ・ワン

テーマ:映画

■THE BRAVE ONE

●ここを通り過ぎないままでは全く前に進めないという不甲斐なさでアタフタ。。。いや、あやふやか。ったく、どういう映画として位置づけようかと思案にくれたのだが、映画ファンとしては見たものへの思い入れは当たり前と開き直ろう。

アーウィン・ショウの「街をさがし歩いて」という短編がある。ニューヨークの街角で出会う女に男は過去の捨てきれぬ思いを抱く。が女は違った。久しぶりに会った男の腕を取り、ご機嫌は良さそうなのだが…。彼女は「ワナメーカー」に行かねばならないと言う。ワナメーカー、というからにはちょいと古い時代のニューヨーク。今はなくなったワナメーカー百貨店はブロードウェイの東9番街の角を占有してあった。フィラデルフィアに全米最初の百貨店を立ち上げ、母の日にカーネーションを贈るという行為を行ったジョン・ワナメーカーが1937年に開店させていたニューヨーク店。




ワナメーカーに行かなくっちゃ、という女は過去を振り返ることを拒否した。男と過ごした頃を今更思い出しても仕方ないと決めていた。彼女は明日に向かって生きていくと決めていた。心は揺れながらも、彼女は立ち止まらなかった。男は彼女の事を思う時、ニューヨークシティでいちばんのっぽのハイヒール…という賛辞を胸に、深いため息をつくしか術はなかった…おれはここに長く住みすぎた、と。





映画「ブレイブ・ワン」は、シニカルな男と女のロマンスの匂いを残す…犯罪者の行方。そういう思いを残した物語だったと思う。この映画に出会ったことは脚本家や映像作家の意図するところを拡大させる映画ファンの面白みを深めた。
映画は既に公開を終え、賛否両論、否、否定的意見の方が多かったのではないかと思っている。

銃を手にした時の反射的、衝動的な行動…正当防衛といえるか否かよりも銃を手にできる社会という現実感が物語を形作る。「許せますか…彼女の選択」というキャッチフレーズめいた問いかけの公式サイトなど忘れてしまえ。
許せるのか、許せないのか、それ以前の問題がそこにある。そんな問いかけは二の次。
物語は銃社会を告発するというあからさまな色合いは感じられなかった。






ここでは犯罪者が出来上がっていく。犯罪者は生涯負い目を持っていく。彼女の行方がどうなるのかは知らない、が仕事はある時期まで続けるのかもしれない。そうして、この街で生きていく…ある日、過去に彼女を解き放った刑事にすれ違ったりもするだろう。軽い会釈で互いにすれ違っていくと信じている。
打ち明けられぬ秘密を共有した孤独な女と男は、それぞれに街の中で生きていく…。

牢獄の中に安息の時を向かえた男のひとときの至福場面を描いた「クライング・ゲーム」を思い出したじゃないか。
犯罪者を肯定するでなく、否定でなく、じゃどーよ彼らは…。ただただ世の中にこういう男や女がいると、知らされたことでそれから先を考えるのがいいと思っている。
カラードの刑事がホワイトの女の心も救うってことにはならないが、再び街にその身を解き放つ時を、いいじゃないかい、と思いながら見送っていた。暗闇、トンネルの向こうに明るい未来があるかといえば、もう戻れない彼女の未来がある。彼女はトンネルを抜けて独りで秘密を抱えてゆく。見送った男もまた独りでしばらくは「街をあるいて」に耳を傾けるのだろう。




それで、ショウの「街をさがし歩いて」とどう繋がるのか。繋がりはしないのだがね、思い出すのさ。経過やスタイルは全く違っていても、男と女のロマンスめいた匂い、淋しさが伝わったわけだ。だから、映画ファンの勝手な思い入れさな。
ジュディ・フォスターは、こちらの先入観も手伝ってますます性別が曖昧な様子に見えてくることが功を奏したか、とも思った。最後まで冷静に見続けていられたのは、彼女の役柄、その演じ方が観客の同情を得るなんてことをしてなかった、からかな。ギリギリで巧い、な。

テレンス・ハワードの形(なり)が素晴らしく良かった。ああ、街の変化、人の関わり方、人種の存在感、彼の演じた刑事の姿を見送った時に、この映画によって時代はまた一歩進んでいくのだな、と思った。
銃の撃ち方や撃った箇所なんてどうでもいいのさ。これはそーゆー筋書きで良いのだと独りほくそえんだ。相変わらず、支離滅裂な映画ファンやね、我。




ニール・ジョーダンのファンにとっては、聞いてみたいところ…「ブレイブ・ワン」のタイトル。
「BRAVE」は今の使われ方とは逆で、かつて俗ラテン語では乱暴、といった本来は悪い意味であったというのだが。(2007年/製作国アメリカ・オーストラリア/アメリカ公開2007年9月/日本公開2007年10月)



▲Official site
オフィシャルでもTRAILERはご覧になれます。

●Directer:Neil Jordan ニール・ジョーダン
●Screenwriter:Roderick Taylor ロデリック・テイラー
Bruce A. Taylorブルース・A・テイラー
Cynthia Mortシンシア・モート
●Cast:Jodie Foster ジョディ・フォスター Terrence Howard テレンス・ハワード Naveen Andrews ナヴィーン・アンドリュース Mary Steenburgen メアリー・スティーンバージェン Nicky Katt ニッキー・カット Jane Adams ジェーン・アダムス Ene Oloja
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