2007-11-27 22:46:25

■THE MONGOL モンゴル

テーマ:映画

■THE MONGOL

●これは格闘しても始まらない…とお手上げ状態になった遥かな歴史物語。
モンゴル帝国、テムジン=チンギス・ハーンを主人公に据えた物語ならばと、探って探って…これはもう兎にも角にも映画を見るのみ、と思うしかないではないか。あまりの膨大な情報に翻弄されてしまった…。
映画の正式タイトルは「THE MONGOL」(モンゴル)。日本で公開されれば、多分サブタイトルなど邦題がつくやもしれない。公開されればの話だが…









物語の舞台はモンゴル。
主人公は、1206年にロシアを含む世界のおよそ半分を征服し続けていくことになるジンギス・ハーン。その幼年期に始まる彼の人生を描いた模様。実はモンゴル人にとって偉大なるハーンの人生について、今作のように壮大なテーマで撮影されるという映画はこれが最初ではないかと聞けば、製作人の意気込みも伝わってくる。本作はどうやら三部作の一部ではないか、という話も聞こえてきて、本作の圧倒的な重量感にこの後にどう続くのかも興味大となった。














世界史で最も有名な征服者の1人と語られるチンギス・ハーン。彼は地球の半分を征服した広大なモンゴルの帝国の創設者であり、その経緯を手繰り寄せれば、貧困と絶望を経験した後の情け容赦ない恐れを知らぬ戦士の姿と、自らのルーツである家族を守り、民族統一を目指した類まれなき男という姿が浮上する。









映画「モンゴル」の第1部(現段階では三部作と仮定して…)は、若いテムジンがチンギス・ハーンになるまでを描いたか。当時の奴隷制度から反撃し、立ち上がるまでの物語か。まずは、幼き日のテムジン。その父が目の前で殺され、彼自身も首枷というひじょうな姿ながら生きながらえる。当時は風葬だったのか…死者を葬る際の呪術師といった人物の様子も見える。

やがて若き日のテムジン…モンゴルの娘と恋に落ち、しかし二人は悲惨な別れを経験することになる。娘は捕らわれ、傷を負ったテムジンは奴隷として売られ…青年テムジンは投獄。長い年月に渡る投獄生活の中で彼は何を思ったか…目的は幼き日に父を奪い、穏やかな笑みを交わした娘を略奪された敵と戦うことだった。

脱獄の後のテムジン。奪われし思いを煮えたぎらせたテムジンが戦いに向かった時、徐々に拡大し、やがて壮大な戦いに関わっていくのだが、この戦いを通して彼自身が手にしたのは、戦士としての才覚、力であり、その先に見えたものはすべてのモンゴルの種族を纏め、統一することだった…。兎に角チンギス・ハーンだ。数々の逸話に満ちた生涯はネットにも書籍にも限りなく多いが、これは見逃せない一作!血飛沫に満ちた戦場、戦いの場面の迫力にも目を見張るものがある。

























本作の監督は、ジェイソン・スコット・リー(チャン・チェンは益々弟のような面構えデス)を起用し、カザフ族を描いた「NOMAD」、さらにゴールデングローブ賞やアカデミー賞外国語映画賞ノミネート他、96年度のカンヌ国際では「国際批評家協会賞」「観客賞」受賞、ソチ映画祭やカルロヴィバリ映画祭で「グランプリ」を獲得した「コーカサスの虜」(原題:The Prisoner of the Caucasus)の製作・監督・脚本家セルゲイ・ボドロフ。今作はロシア、ドイツ、カザフスタン、モンゴルが参加した共同制作の注目作といいたい。

ボドロフは監督することに加えて、短編とエッセイの多産な出版者でもあり、今回の脚本にもアリフ・アリエフとの共同作業で書き上げ、台詞はモンゴルの言語で撮られた。
撮影監督に「ボブ・ディランの頭のなか」「スクール・オブ・ロック」のロジェ・ストファーズ、ロシア映画「ナイト・ウォッチ」の監督ティムール・ベクマンベトフと組んでいるセルゲイ・トロフィモフが参加、という点は見逃せない。現在、映画は撮影を終え、ロサンゼルスで編集。フィルム編集者には「マトリックス」でオスカーを獲得したザック・ステーンバーグがあたっているというが、テムジンを描いた三部作というからにはこのボルドフ作品、これまで以上にインターナショナルなステージを目指した意欲作に違いない。

映画「Mongol」は、アメリカ公開も決まっていることがまた期待をもたせてくれる。アメリカ公開が年内であるように願うのみ、だ。つまりこの映画が年内にアメリカで公開されれば、「色戒」と共に両監督は再びアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされる可能性が高いのではないか、と思っている。無論、ロシア、デンマーク、その他欧州、アフリカ系もきそうな気配はするから、外国語映画賞ノミネート作品は見逃せない。(※文がやや古くなってしまったデス。実は結構前に予定していたのでありました。。。。ペコリ)















俳優人は主演のチンギス・ハーン(テムジン)に浅野忠信。おお、今日は誕生日ぞ!
彼の起用はボドロフ自身が最も好んだ俳優浅野忠信と映画の関連性によるものだったという。アレキサンダー大王などより遥か以前に世界の凡そ半分を征服し続けて言った男の驚異的な物語の主人公に彼は最も相応しかったというボドロフの視点は嬉しいの一言だ。見るものを圧倒的な存在感で牛耳ってしまう映像の中の浅野忠信はこの一作でアジアの宝石になった、と感じるのは我だけだろうか。既に磨かれた宝だ。

そのテムジンの妻には、やはりボドロフ起用により、映画は全くの素人だったモンゴルのジャーナリスト志望の学生Khulan Chuluun。テムジンの友人Dzhamukha役にはツイ・ハークの映画「7剣(Seven Swords)」や「美紅麗(Shanghai Red)」「天堂口(BLOOD BROTHERS)」、日本公開作では「我的父親母親(初恋のきた道)」「周漁的火車(たまゆらの女)」等の孫紅雷(Sun Honglei=スン・ホンレイ)等々。

ちなみに父ボドロフの後を継ぐかのように俳優であり、映画作家となった息子セルゲイ・ボドロフ・Jrは2002年9月20日にロシア北オセチア共和国で氷河の崩落に巻き込まれて死去。享年30歳だったという。無念。※2008年1月21日、2008年アカデミー賞外国映画賞ノミネート。(2007年/製作国ロシア、ドイツ、カザフスタン、モンゴル/ロシアフィルムフェスティヴァル2007年8月10日/トロント映画祭2007年9月8日/ウラジオストック国際映画祭2007年9月15日/アメリカ公開20086月6日(limited)/日本公開未定)

※注意:はんなさんはTrailerやめといた方がええかもしれんです。








▲Mongol Russia Trailer


▲Mongol Teaser Trailer


▲Mongol Trailer


▲Making of Mongol Starring Tadanobu Asano Part 1/2


▲Making of Mongol Starring Tadanobu Asano Part 2/2


▲Official site


▲Official site
オフィシャルでもTRAILERはご覧になれます。

●Directer:Sergei Bodrov セルゲイ・ボドロフ
●Screenwriter:Sergei Bodrov セルゲイ・ボドロフ Arif Aliyev
●Cast:Tadanobu Asano 浅野忠信 Khulan Chuluun Aliya Ao Tegen Bai Ying Odnyam Odsuren Sun Honglei 孫紅雷 スン・ホンレイ

※なんだかアカデミー賞ノミネートで「モンゴル-若き日のジンギス・カーン-」という表記が出ています。むむむ。。。。ジンギス・カーン、ですと。表記、困ったデスね。ええいしゃらくせい、も、このまんまでいこッと。
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2007-11-17 20:55:43

■呉静源 極みの棋譜

テーマ:映画

■原題:呉清源 英題:The Go Master

●映画の冒頭から見入る、やはり田壮壮の描くものには心動かされる。観客席から唸らされてぐぐっと物語に寄り添いながらその一部始終を見逃せないと食い入るように…。









田壮壮監督作は「清朝最後の宦官/李蓮英」「青い凧」「春の惑い」の監督として脇には置けない貴重な映像作家だと思っている。田壮壮の描く作品の中に登場する人。その人の中に潜む思いを善悪の区別ではなく混在し沸騰するかのように、しかし静かに描き出されることに我は揺り動かされる。

今回の「呉清源 極みの棋譜」。ああ、完成して良かった、そしてスクリーンで見ることに恵まれたことに感謝、だった。
冒頭、物語の主が登場したことに驚いた。その主の左にご夫人も。右には演じる主役チャン・チェン…穏やかな会話が交わされ、そこに映画の中で婦人を演じる伊藤歩がお茶を運び、くる。会話は中国語から日本語へとなだらかに移行していく…それでもう、田監督の仕事に見入った。











「呉 静源」は、中国出身の囲碁の棋士、呉清源を描いた伝記映画といえるだろう。
呉 静源14歳の時に瀬越憲作(戦後、日本将棋院理事長。後に…)が来日を実現させ、門下生として育成。呉の後ろ盾には西園寺公爵等もいた。碁の元は中国なのだが清朝の衰退以降、本家本元の中国でプロの棋士はいなくなっていたのだという。そこでかつて父も留学したことのある地へ少年は母と妹(実際は兄も)を伴い、棋士になるべく渡ってくる。物語は呉清源、その来日からはじまる。

稀代の天才棋士として呉清源が日本で生きた道…、来日の3年後に満州事変、そして第二次世界大戦突入の異国日本における孤高の棋士の様子を捉えながら囲碁の世界の極み…の淵を覗き見ることができる。

ドキュメンタリーではないのだが、ここでは主を演じるチャン・チェンは見る側を捉えて離さない。字幕監修も田壮壮自身が責任を持って執り行っていることで、物語を支える格好で入ってくる。先に映像ありき、映画の物語をしっかりと追えばよいのだが、場面を見終わったところで字幕が再度、その筋を支えるという配慮が有難い、のである。

どう見て貰いたいのか。どう主を捉えて欲しいか、という監督田の考え方が細部に至るまで行き届き、これは田の思考についていきながら見ていく映画。







囲碁の世界を知らないままで、囲碁の世界に生きる人たちと囲む人々を見る。
主は彼を取り囲む人々の思いに細やかな反応を見せながらも、碁と真理の探究に心動かされ突き進む。そのことを描いてあるのだから英題「The Go Master」は、まことに的確。「MASTER」の響きの深み底知れぬではないか。

後で知ったのだが、映画の相当量の撮影部分が編集段階で削除されているという。シルビア・チャンなどの出番もスチールでは確かにあったはず、のものが映画の中には登場しない。そういった箇所が数多くあるのだという。監督の決断、そうして出来上がった本作。この監督の潔さ、苦渋の決断には敵わない、と観客の我は頭を垂れる…。

詳細は公式サイトにあるが映画ご覧の後に紐解かれると良いのでは、と思う。衣裳を手がけたのはワダエミ。監督のスタッフキャスティングも抜かりない。凄い仕事人が傍にいたのであります。

田壮壮監督の選んだ俳優たちは巧いです。柄本明、松坂慶子、米倉斉加年、巧いです。仁科貴、シルビア・チャン、野村宏伸、大森南朋、僅かななのだが井上堯之の姿も良いものです。宇都宮雅代、良い雰囲気を持ったなかなか手強い女優なんだな、と感心したデス。言うまでもないのだがチャンチェンは見事。(2006年/製作国・中国/日本公開2007年11月)






▲Trailer


▲Official site
オフィシャルでもTRAILERはご覧になれます。

●Directer:田壮壮(ティエン・チュアンチュアン)
●Screenwriter:阿城(アー・チョン)
●Cast:張震(チャン・チェン) 柄本明 松坂慶子 張艾嘉(シルビア・チャン) 伊藤歩 仁科貴 大森南朋 野村宏伸 南果歩 米倉斉加年 宇津宮雅代 井上堯之 黄奕(ホアン・イー) 李雪健(リー・シュエチェン) 辛柏青(シン・バイチン) 不破万作
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