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2005-07-31 12:11:48

■ハンテッド THE HUNTED

テーマ:映画

■THE HUNTED / ハンテッド

●旧作参ります。ジョニー・キャッシュの事に触れたら、彼がナレーションを担当した映画「ハンテッド」、通り過ぎることが出来ない。この映画、トミー・リー・ジョーンズがベニシオ・デル・トロと共演した重量級アクション物だが、地味デス。特定のファン以外、どうも感想が今ひとつ、いや酷評だった。そこまで言うか、と己の事は棚にあげて。。。思った。突きたくなる、そーゆー部分は否めない。確かにそうだ。結末の持って行き方、いかにもで、も少し突っ張ってくれ、と願った。
しかしなぁ、「ハンテッド」は見終わって時間が経過すればするほどに、いい場面がよみがえるんだがな。ヒット作でない、だが、場面は残るんだ。何故か。監督が観客に媚びてなかった、と言っておこうか。






物語は、かつて特殊部隊の元教官だった男(L.T. Bonham)が、今は殺人鬼と化した教え子と対決する、という筋書き。体力(+やや知力)を駆使した壮絶な死闘を繰り広げるには、こういう二人でないとイカンだろーと、見ごたえはあったデス。監督は「クルージング」「真夜中のパーティー」「フレンチ・コネクション」「エクソシスト」「L.A.大捜査線/狼たちの街」等、のウィリアム・フリードキン、だ。

静かに雪深い山間に暮らす初老の野生動物保護官の元へFBI捜査官が、オレゴンの連続殺人事件の捜査協力を要請に来る。現場へ飛んだ男は残された痕跡から、それがかつての自分の教え子によるものだと察知。彼の教え子ハラムは、戦場の過酷な体験によって、消せない悪夢の記憶に苛まされていた。森に足を踏み入れる者を次々に殺していく。今や凶悪な殺人鬼へと変貌していたのだが…。





これは肉弾戦。ズボズボっと打ち合う場面に力の入る事。男二人、どちらかが倒れるまで、と闘う場面はリアリティありだった。未だに贔屓目なのか、そうでないのか判断がつかないのだが、ココでのベニシオ・デルトロの演技自体は決して、「トラフィック」にひけを取ってない。彼が捻り出して見せた特殊部隊帰還兵の苦渋を効かせた設定のハラムは、至る所に印象的なアクション、セリフの物言いなどを散りばめていた。訓練、戦場、森、街、警察、庭、逃走、仕掛け、と思い返せばどれもが巧い。 ハラムの背景はコソボ紛争にあった。ただ、公開当時、この背景と帰還した数年間の描写が希薄、今ひとつ鮮明に出来なかったのは、当時のアフガニスタン関連での配慮もあったのか、と思ったが未だ判明せず。この辺りが釈然としないまま、映画は結末に向かう。
精神を病んだ男の錯乱寸前、紙一重に留まり演じる役柄であれば、殺人鬼にはなれきれない面が物語を曖昧にしたのか。そこまでワルになるか・・・が、ハラム側にあった方が、映画としては凄みが増したか。この状況下じゃ宙ぶらりんの男の存在でしかないだろう。





トミー・リー・ジョーンズは、デル・トロに比べれば、その知的バックグラウンドは遥かに厚いのだが、ここではそれが感じられない。普通の観客が想像する、人を殺した事のない教官の苦悩が明確には伝わらない。どんなに力んだ走りを見せても、彼は熱く見えない。かつての教え子を見知らぬ犯罪者扱い、それ以上の対し方がないままに終わる。男は黙ってサッポロビール(古い:苦笑)じゃ、わかんないゾ、フリードキンさんよぉ、とツボヤいたなぁ。
映画は、冒頭のナレーションを担当したジョニー・キャッシュの歌に、再び後は託してしまった感じがする。想像すればいくらでも膨らむ二人の男の素性や、社会に適応できないエピソード。想像できるってとこがミソか。それが狙いなら仕方ないか。勿体無い、としか言えない事の顛末。






「ハンテッド」は、事前のアクションの訓練など相当ハードだった模様。映画の中でも納得できる場面に生かされている。また、オフィシャルサイトにはインタビュー等、結構な動画がストックされている。日本のサイトは消滅。飛んだら楽天に行ったぞ、参ったな(泣く)。で、アクション豊富な「ハンテッド」。コレじゃ、ベニシオ・デル・トロ骨折するわな~。(ナイフ捌きのコーチは、相当な凄腕で、あのデル・トロが怖かったそーだ。)(2003年/製作国アメリカ/2003年5月14日公開/日本公開2003年)






▲TRAILER:USA


▲Clip:Remember Me?


▲Clip:Climbs Bridge


▲Clip:Please Write


▲Clip:Just One Killer


▲Official site:USA
オフィシャル充実です。


●Directer: William Friedkin ウイリアム・フリードキン
●Screenwriter:David Griffiths Peter Griffiths Art Monterastelli
●Cast:Tommy Lee Jones トミー・リー・ジョーンズ Benicio Del Toro ベニシオ・デル・トロ Connie Nielsen コンニー・ニールセン Leslie Stefanson レスリー・ステファンソン John Finnジョン・フィン


ポニーキャニオン
ハンテッド
ポニーキャニオン
ハンテッド
Johnny Cash, Brian Tyler, Brian Tyler
The Hunted [Music from the Motion Picture]
ブライアン・タイラー, サントラ
オリジナル・サウンドトラック「ハンテッド」
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2005-07-30 01:10:58

■ウォーク・ザ・ライン Walk the Line

テーマ:映画

■Walk the Line 原題:ウォーク・ザ・ライン

●ジョニー・キャッシュ自身による自伝を元に、映画がつくられた。彼の初期の大ヒット曲「I Walk the Line」に由来する自伝タイトル「Walk the Line」をそのまま、題名にした映画。
演じるのは、ホアキン・フェニックス。大役が回ってきた。Trailerで見る限り、キャッシュの面影を思わず重ねたくなるじゃないか。似ている、似せているって事も重要。昨年の「Ray」がそうだったように、スクリーンを見ながら主人公のファンが思い入れから覚めないのは大事な事。
本来は特別似たタイプではないホアキンが、なとなくキャッシュの若い頃って、こーんな感じだったかも、と思わせてくれるのは嬉しい。
常にアウトローの存在を示したMan in Black、ジョニー・キャッシュ。
まだ、公式サイトもアップされていないので詳細はつかめないままだが、もう待てないやね。
Trailerをアップしておこう。






アメリカでは、エルヴィスに並び、ロカビリー・サウンドを生み出したといわれるジョニー・キャッシュ。彼は、1932年2月26日、アーカンソー州キングズランドに生まれた。
キャッシュは、バンド“Tennessee Two"(テネシー・トゥ)を伴い、1955年、Sun Records(サン・レコード)の創設者であり、エルヴィス・プレスリー、ジェリー・リー・ルイス、カール・パーキンスら、数々の名曲を世に送り出したサム・フィリップスに見出され、「クライ・クライ・クライ」でデビュー。続く「フォルサム・プリズン・ブルース」「アイ・ウォーク・ザ・ライン」「ヘイ・ポーター」等、ヒットを飛ばし、たちまち全米で人気を得た。特に「アイ・ウォーク・ザ・ライン」(I Walk the Line)は、カントリーのヒット・チャートでNo.1を獲得、全米ポップチャートにもチャートインした。因みにエルヴィス・プレスリーもこのサンからデビューするが、キャッシュのデビューから2年後の1957年7月19日。
58年以降は、コロンビアから「リング・オブ・ファイア」「アンダースタンド・ユア・マン」「ドント・テイク・ユア・ガンズ・トゥ・タウン」「テネシー・フラット・トップ・ボックス」等をリリース。何れもヒットとなった。





ジョニー・キャッシュのレコーディングした曲は、軽く1500曲を超える。も、膨大な曲数!ビルボードのホット100ポップチャート入りを果たしたのは、どうやら50曲を超えそうだ。無論、ビルボードのカントリー・シングル・チャートであれば、130曲以上の曲がランクインしているだろう。カントリー畑のヒルビリー・サウンドとR&Bをミックスし、どこかブルース色も加味されたロカビリーは、カントリー畑から、ポップへ、そしてアメリカの大衆に受け入れられたロックのルーツ・ミュージックといってよいのかもしれない。

カントリー・ミュージックを語るときに、よく言うのだが、コンボイみたいなトラックの運転手がさ、どこまでも真っ直ぐ続く道を運転しながら南部の家に向かっている時、ああ、カミさん元気かな、早く会いてーなー、俺、お前の所に向かっている、もうすぐ戻るぜ、淋しかったぜ、会えなくってよー、もうすぐ戻るぜ、なんて思いながらラジオのスイッチを入れるとカントリーが流れて、男はちょいと感傷的になったりしてさ。そーゆー場面。
カントリー・ソングは、分かりやすく、覚えやすく、口ずさみやすい。気持ちをストレートに表した明るく、センチメンタルな楽曲で溢れている。そこにR&Bのダンサブルでホットでリズミカルな要素が加わって、新しさが生まれた。ロカビリー。
ジョニー・キャッシュの歌は、メンフィスから南部一帯に、アメリカの労働者、ホワイト&ブラック、一般大衆に広がっていった。






映画「Walk the Line」の中でジョニー・キャッシュを演じるのは、ホアキン・フェニックス。その最初の妻(多分)にリース・ウィザースプーン。キャッシュの父レイにロバート・パトリック。キャッシュの実の息子ジョン・カーター・キャッシュは、ボブ・ニールを。ウェイロン・ジェニングス役にはウェイロンの息子ショーター・ジェニングス(パパにはかないまへん)。エルヴィス・プレスリー役はテイラー・ヒルトン。カール・パーキンスにジョニー・ホリディ。ロイ・オービンソン役にジョナサン・プライス。ジェリー・リー・ルイス役にウェイロン・ペイン。サム・フィリップスにダラス・ロバーツ。書き出すと多すぎで大変。
顔が似ている似てないは、ま、脇は贅沢言えないが、地味ながら堅実的なキャスティングだと思える。子役のクレジットも多いので、南部のコットン・フィールドを舞台背景に、ジョニー・キャッシュの幼い日々が描かれ、彼の音楽に向かう姿を中心に撮影された模様。
時代が変わり、息子たちとその世代がキャッシュの映画の脇を固めている。親父を超えれなかった息子たちであっても、こんな具合に時代を振り返りながら参加できるなんざ、嬉しい映画だったと思えるじゃないか。

キャッシュの両親は、アーカンソー北東部のDyess,AR(過去に連邦政府が組織した共同農場)のコロニーで農場をやっていたんだと。そこで父親を交えた仲間、家族は、日没まで綿を栽培、畑を耕し、夜になれば皆が家のポーチに集まって歌った、という。ああ、そういう場面を期待するデスね。この場面のキーマンは、父親役ロバート・パトリックの演じ方にかけるか。クールなマスクなんだが仕事が終わって仲間と家族と歌を口ずさむ南部の男、似合うかもしれんデス。父親を仰ぎ見るのは、幼き日のキャッシュ。「Ray」のアトランティックの志向といい、本作のサン・レコードといい、南部は熱いデスワ。
監督は、ジョン・キューザック、レイ・リオッタを起用した「アイデンティティ」。 メグ・ライアンとヒュー・ジャックマンの「ニューヨークの恋人」。1999年アカデミー賞助演女優賞、ゴールデン・グローブ助演女優賞、放送映画批評家協会賞助演女優賞と何れもアンジェリーナ・ジョリーにもたらした「17歳のカルテ」等を手掛けたジェームズ・マンゴールド。今回の音楽絡みの伝記をどう仕上げたのか、気になる。




キャッシュの歌には、お楽しみと喜劇だってあった。キャッシュは、寡黙でディープなイメージもあったが、同時に楽しさやコメディの要素も溢れていた。
そして、老いた西部の男や犯罪者、刑務所に収監された男たち、そして報われない愛について、またシンプルなアウトローのつぶやきを歌いながら、彼は一貫して労働者の視点から歌い続けた。普通のアメリカ人の暮らしぶり、生きている様子を飾りのない、ストレートなバリトンの声が描く。彼の歌がアメリカの大衆に届く時、それは真実の声だった。どれだけ多くのアメリカ人が彼の歌声に救われたか。

「私のルーツは、働く男だ」と。1987年にMusic City Newsにキャッシュは語っている。
「私は、綿摘みの作業を覚えている。1日に10時間、どんな風に綿を摘むか、畑をどう耕すか、どんな風に木を切るべきか、とてもよく覚えているさ。二度とそれをすることはないだろうが、とてもよく覚えているんだ。」と。



キャッシュは、グラミー賞(11個)を始めとして、数々の賞を獲得。アメリカ史上最年少で「カントリーの殿堂」入りを果たし、さらに「ロックの殿堂」にも選ばれた。カントリーとロックの両方で殿堂入りを果たしたのも彼が最初のミュージシャンだった。
ウェイロン・ジェニングス&ウイリー・ネルソン&クリス・クリストファーソンと共に「ハイウェイメン 」を結成したこともあった。

キャッシュは、2003年9月、テネシー州ナッシュビルのバプテストの病院で亡くなった。享年71歳。
シンガー達がラインストーンの施されたシャツやジャケットスタイルにカウボーイブーツだった頃、「私は黒いシャツとズボンを身に着けよう。私は黒のスタイルで行こう」。以降「Men in Black」と呼ばれたジョニー・キャッシュだった。
晩年は、今ひとつ恵まれなかった。彼は、自分に言い聞かせながら人生を振り返っていた感がある。自分の出番より、そろそろカントリー・ミュージック、音楽をやる奴等のサポートが出来れば上出来なんだと。忘れ去られるような孤独感を抱えながら、キャッシュはそこにいたのかもしれない。そんな時、嬉しかっただろうな。MTVの受賞。映画「ハンテッド」でのナレーション。重要な位置の楽曲の使用。だが、映画「Walk the Line」は、ここまでは描かない。けどいい機会なんでネ、紹介しておきたくなったデス。お許しを。(2005年/製作国アメリカ/アメリカ公開2005年11月/日本公開未定)


▲MTV Video Music Award:Hurt
最優秀ビデオ撮影賞


▲johnnycash.com


▲I Walk The Line等が聴けます


▲DYLAN'S NASHVILLE SESSIONS


▲Fan site


▲Trailer

※現在オフィシャルのアップ待機中


●Directer:James Mangold ジェームズ・マンゴールド
●Screenwriter:Gill Dennis ギル・デニス
 James Mangold ジェイムス・マンゴールド
●Cast:Joaquin Phoenix ホアキン・フェニックス Reese Witherspoon リース・ウィザースプーン  Ginnifer Goodwin ジニファー・グッドウィン Robert Patrick ロバート・パトリック Dan Beene ダン・ビーン Larry Bagby ラリー・バグビー Lucas Till ルーカス・ティル Ridge Canipe リッジ・カニペ Brad Birkedahl ブラッド・ John Carter Cash J.D. Evermore Tyler Hilton テイラー・ヒルトン Johnny Holiday ジョニー・ホリディ Shooter Jennings ショーター・ジェニングス Sandra Ellis Lafferty サンドラ・エリス・ラファティ Valarie Lewis アニタ・カーター Katie Lindsey ケイティ・リンドシー Waylon Payne ウェイロン・ペイン Johnathan Rice ジョナサン・ライス Dallas Roberts ダラス・ロバーツ

※キャッシュは、映画「A Gunfight」(カーク・ダグラス)等、数本の映画、またテレビにも出演。
タランティーノ、ショーン・ペン、ジョン・フランケンハイマー等、数多くの映画人によってキャッシュ の楽曲は使われた。近いところでは「ハンテッド」。ボブ・ディランの詩のナレーションがキャッシュだ った。そして効果的に彼の歌が物語を締めくくった。

2004年(米公開年)
「Flight of the Phoenix」邦題:フライト・オブ・ザ・フェニックス
(singer: "I've Been Everywhere")

「Kill Bill: Vol. 2」邦題:キルビル2
(singer: "A Satisfied Mind")

「Dawn of the Dead」邦題:ダウン・オブ・ザ・デッド
(singer: "The Man Comes Around")

「Starsky & Hutch」邦題:スタスキー&ハッチ
(singer: "Folsom Prison Blues")

2003年
「The Hunted」邦題:ハンテッド
(singer: "Highway 61 Revisited" and "The Man Comes Around")

2001年
「Frailty」 邦題:フレイルティー/妄執
(music arranger: "There Will Be Peace In The Valley For Me")
(singer: "There Will Be Peace In The Valley For Me")

「One Night at McCool's」邦題:ジュエルに気をつけろ!
(singer: "Wanted Man")

1999年
「Tumbleweeds」
(singer: "Sea of Heartbreak")

1997年
「Jackie Brown」邦題:ジャッキー・ブラウン
(singer: "Tennessee Stud")

「The Apostle」
(singer: "In the Garden")

「The Big One」
(singer: "I've Been Everywhere")

「U Turn」邦題:Uターン
(singer: "Honky Tonk Girl" and "Ring of Fire")

1995年「Dead Man Walking」邦題:デッド・マン・ウォーキング
(singer: "In Your Mind")

「Grumpier Old Men」
邦題:ラブリー・オールドメン/釣り大将LOVE LOVE日記
※いい加減にしてくれ、この邦題、これじゃ誰も見ないゾ
(singer: "Understand Your Man" and "Ring of Fire")

「Things to Do in Denver When You're Dead」邦題:デンバーに死す時
(singer: "Folsom Prison Blues")

1994年
「Love and a .45」
(singer: "Ring of Fire")

1993年
「A Perfect World」邦題:パーフェクト・ワールド
(singer: "Guess Things Happen That Way")

「In weiter Ferne, so nah!」
邦題: 時の翼にのって ファラウェイ・ソー・クロース!
「Faraway, So Close!」(USA) (singer: "The Wanderer")

1988年「Illegally Yours」邦題: ロブ・ロウの おかしなおかしな探偵物語
(singer: "Love Is a Gambler"&"The Lady of Love" and "One Wish")

1970年「I Walk the Line」
(singer:I Walk the Line)

1965年「The Sons of Katie Elder」邦題: エルダー兄弟
(singer)


ジョニー・キャッシュ
アメリカン・レコーディングス
ジョニー・キャッシュ
エッセンシャル・ジョニー・キャッシュ
Johnny Cash
Unchained
Johnny Cash & W. Jennings, K. Kristofferson, W. Nelson
Highwayman 2
Johnny Cash
I Walk The Line: The Very Best Of Johnny Cash
Johnny Cash
Murder
サントラ, ブルース・スプリングスティーン, ジョニー・キャッシュ, スザンヌ・ベガ, ライル・ラベット, エディ・ベダー, ヌスラット・ファテ・アリ・ハーン, トム・ウェイツ
デッド・マン・ウォーキング
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2005-07-29 00:49:16

■太陽の雫 Sunshine

テーマ:映画


■Sunshine 太陽の雫

●レイフ・ファインズ、この時期だから見返してもいいか、という映画がある。邦題「太陽の雫」原題「Sunshine」。レイフ・ファインズが、3世代3役を演じたハンガリーを舞台に繰り広げられるある一家の歴史物語。舞台は、社会情勢の変化と同時に政権闘争の凄まじかった20世紀ハンガリー。この激動の時代を駆け抜けたユダヤ系一族の栄華と苦難を描く。









19世紀末、曽祖父エマヌエルは秘伝の薬草酒を考案し、一族は財を築く。
★祖父イグナツは、勤勉で実直な性格のままに優秀な判事として家の誇りとなった。しかし、二重帝国時代、第1次世界大戦を経て、その立場は逆転する。

★父アダムは、フェンシングの才能に恵まれる。ユダヤ教を改宗する事で、オリンピック金メダリストに。しかし、時代は第二次世界大戦勃発。息子と共にユダヤ人強制収容所へ。

★イヴァンは、戦後の共産政権時代、ファシスト狩りで成果を上げる。しかし、政権はまたも変わり、民主化運動に・・・。このイヴァンが語り部となり、物語は現在に近づいてくる。







ユダヤへの迫害に関する事は、多少なりともご存知とは思うが、ここで描かれるのはハンガリーに生きたユダヤ系一族。ハンガリーという国は、ハプスブルク帝国の後にオーストリア=ハンガリー二重帝国となる。例えば、17世紀辺りになるとオスマン帝国領だったボスニア・ヘルツェゴビナなどの脅威だった国で後に併合するし、なんだか相当歴史を遡らねば、東欧の複雑さはわっかんないぞ、の世界だ。だから、この映画その紐解きにもなるさ。時代背景は近い。
で、ハンガリーとオーストリアの二重帝国時代の後には、この帝国が終焉を迎え、国土の約2/3を割譲。さらに第二次世界大戦では、ドイツの占領を受け、時の政府はなす術もなかった。そこでユダヤ系の人々への弾圧が激しさを増し、強制収容所へ送られる。この辺りの件はラジオから聞こえてくる政権放送が興味深い。いったい差別がどのようにエスカレートしていくのか、ユダヤ人に対する実に細かな区分が聞こえてくる。この後にユダヤ人は強制連行されて収容所へ送られる。アダム親子には過酷な運命が待ち受けていた。







第二次世界大戦終結。開放されたハンガリー、今度はソ連のスターリン主義に染まり、戦時中のファシスト、もしくはそれに相当する疑惑をかけられた者たちの一斉摘発。事件として大きかったのは、1956年。民主化を求める学生・知識人ら20万を超えるデモ隊と治安部隊とが武力衝突。同年11月にはソ連は大規模な兵力でハンガリー全土を侵攻(戦車1000両等投入)。無差別発砲で一万数千人の死者。2週間でソ連軍はハンガリー全土を征圧。市民35,000人投獄、500人以上処刑、186,000人が国外逃亡。半世紀前の事実。ペレストロイカを提唱したゴルバチョフ政権があった事から、1989年にハンガリーの体制変革だもの。それでベルリンの壁崩壊、東欧の独立民主化が進み、同時に過激ながら道を違えていたルーマニアのチャウシェスク政権崩壊に繋がっていく。ユダヤ系ハンガリー人の一家に焦点を合わせて、そーゆー時代背景に、この映画、ずーと繋げているデスね。







ハンガリーで生きるために、ハンガリー姓に改名し、宗教の改宗を強いられ、ハンガリー人でありながら、ルーツがユダヤという場面が描かれる辺りが興味深い。財を成したものと、成さなかったものとの確執もある。国に同化するいくつもの手順を踏んさえも認められない侮蔑の意識とは、どこからくるものなのか。被害者と加害者の区分けは、その時の政権下によっても容易く入れ替わる。その時に家族はどうあったのか。父は、母は、妻や兄弟はどう向かっていったか。

祖父が祖母と待ち合わせたカフェが出てくるが、この同じ場所で父と母もお茶を飲む場面がある。重厚な造りのカフェ。歴史・時代が変わっても、引き継がれているものがそこにある。店、そこに生きる人々の暮らしがある。逆に捉えれば、民族の違いを意識しないでは生きていけない今日がまだ脈々と流れている、という警告も根底にはあるのか。




3役を演じたレイフ・ファインズ。違和感なく、見る事ができるのではないか。
生真面目で君主を崇め、最も忠実な配下のイグナツ。しかし、彼を時折懐疑的な目で取り囲むハンガリー社会。妹として育てられた従兄妹ヴァレリーの進歩的で自由な存在が彼を支えるが。

その次男アダム。幼い頃から周囲のユダヤ系に対する蔑視にさらされながらも、兄の薦めで始めたフェンシングの世界で、やがて頂点に上りつめる。改宗するために訪れた教会で見初めた妻を強引に口説き落とす情熱的な面や、フェンシング選手として華麗で躍動感溢れる若者を演じる。

その息子イヴァン。ユダヤ人強制収容所からの生還後、自己回復に至る過程を演じる。若さゆえに憎しみと懐疑的な姿が交差する。戸惑い翻弄されるイヴァンがどのように過去の家族を振り返ることになっていくのか、刻々と変貌する表情にもそれが見てとれる。
レイフ・ファインズは、先の映画「ことの終わり」では、愛した女性がユダヤ教から改宗した、という話を聞く場面がある。映画「イングリッシュ・ペイシェント」では、ハンガリーの貴族の出、が素性だった。含みは既に、存分に学習していたのだろう。で、新作の
「The Chumscrubber」 ではアメリカの架空の町の市長、「The Constant Gardener」 では妻を惨殺された外交官。クローネンバーグの「スパイダー」だってあった。後は、昨年撮影開始だった上海を舞台にした「White Countess」のアップを待つばかり。巧い俳優だと今更ながら思う。





この映画の中で輝いているのは、レイフ・ファインズだけではない。3世代に渡って、父であり、母であり、兄弟であったそれぞれが実に深い印象を残す。中でもイグナツの妻になった従兄妹のヴァレリーを演じたジェニファー・イーリーが良い。そこはかとなく良い。自由で闊達で伸びやかで進歩的な役をズレなく演じて、そこにいた。彼女の役の晩年を、ジェニファー・イーリーの実母ローズマリー・ハリスが演じた。これがすこぶる良い。実の母娘でこうもしっくり繋がるものか、いや、これ二人がそれ相当の生き方してきたからデス。お見事。「スパイダーマン2」も良かったが、ココはそーゆーの超えていた。

イグナツの弟の老いた姿はジェイムス・ネヴィル。映画「スパイダー」でもレイフと一緒だった。「バロン」「Ⅹファイル」等があるが、この人、まだまだ脇ながらもっと出てくる。イギリス生まれで、現在はカナダ在住。スタンフォード等で芸術監督を務める一方、テレビにも数多く出演。映画も見たいもんデス。

映画の後半に登場するウィリアム・ハート。ますます読み辛い人間像を背負い込むの巧かった、と。過去が探れないキャラクター設定などで、ますます独壇場かもしれんデス。新作ではレイフ・ファインズとまた共演のレイチェル・ワイズもいたデス。む~~結構、顔変えました。この頃の垢抜けない事。ま、頑張ってましたが。今日日の活躍もココら辺りを乗り越えた根性もん。

監督・脚本のイシュトヴァン・サボーは1938年ブダペスト生まれのハンガリー人。1980年に第二次大戦中のブダペストでナチスの抑圧に脅える人々を描いた映画「コンフィデンス/信頼」でベルリン国際映画祭監督賞を受賞。1981年には「メフィスト」でアカデミー賞外国語映画賞、カンヌ国際映画祭脚本賞、FIPRESCI(国際映画批評家連盟)賞受賞。1985年には、日本未公開で残念だったが「連隊長レドル」でカンヌ国際映画祭審査員賞、英国アカデミー賞外国語映画賞。続く、1988年「ハヌッセン」では、ドイツにいた予言者ハヌッセンを描いている。本作「太陽の雫」は、1999年ヨーロッパ映画賞で男優賞、脚本賞受賞。
尚、映画「太陽の雫」は、全編英語。目的はどれだけ多くの人に見て貰えるかというマーケットであり、外に向かったハンガリーの歴史、人の描き方だった、と理解したつもり。(1999年/製作国:ドイツ、カナダ、ハンガリー、オーストリア/アメリカ公開2000年/日本公開2002年)




▲Trailer:USA
'Sunshine' Sunshine Trailer No. 1をクリック


▲Mini Trailer


▲Official site:Japan
オフィシャルでもTRAILERはご覧になれます。


●Directer:Istvan Szabo イシュトヴァーン・サボー ●Screenwriter:Israel Horovitz Istvan Szabo ●Cast: Ralph Fiennes レイフ・ファインズ Rosemary Harris ローズマリー・ハリス William Hurt ウィリアム・ハート Rachel Weisz レイチェル・ワイズ Jennifer Ehle ジェニファー・イーリー Molly Parker モリー・パーカー Deborah Unger デボラ・アンガー David De Keyser デイヴィッド・デ・キーサー  James Frain ジェイムス・フレイン Miriam Margolyes アリアン・マーゴライズ John Neville ジョン・ネヴィル Mark Strong マーク・ストロング


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