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2005-06-30 23:14:11

■Asylum アサイラム

テーマ:映画

■Asylum アサイラム

●結構出来上がって時間経過していても、スチールも少ないままです。しかし、コレ避けて通れないんだナ、困ったゾ、デス。今年のベルリン映画祭のコンペに入っていたものの、賞にはかすりもしなかったが、コレは少し待てば公開ありそーですよネ。原作者のファンもいることだしネ。イアン・マッケランを語り手というか、傍観者というか・・・ま、貴重な役どころを基にして、マートン・ソーカスにとっては結構なステップアップとなる映画。ロード・オブ・ザ・リング仲間デス





物語の舞台は、どうやら1950年代後期のイギリス。田園地帯にある精神病院に副院長として赴任してきた医師マックスとその妻ステラ(ナターシャ・リチャードソン)、幼い息子。都会の喧騒から離れた土地にある精神病院という閉ざされた空間。夫と暮らす人生に対しての何かしらの不満を持った様子だった妻は、この精神病院の中で、数年前からいる患者・・・才能のある魅惑的な彫刻家の男エドガー・スターク(マートン・ソーカス)と出会い、ほとばしる熱情を止める術を持たなかった。思いは膨らむ一方。見事に恋に堕ちてしまうステラ。やがて、エドガーは彼女の夫の服を着こんでこの閉鎖された病院から脱出することに成功し、その後をステラが追う。しかし、そこに待っていたのは、甘い生活ではなく、男の狂気の再発。男の過去をなぞる様な互いの新たな関係・・・だった。エドガーに対するステラの熱情は、彼女の夫、子供、周囲の人々を巻き込みながら雪崩落ちていくのだろうか。
男の過去・・・なぜ、精神病院に送られていたのか。実は、自らの妄想から噴出した嫉妬で妻をハンマーで殴殺、解体したという男エドガーだった。

Trailerをご覧になればお分かりのように結構激しいデスな・・・で、彼女は堕ちて行くデスね。それも一人で堕ちるのではなく、周囲の人々を巻き込んだ格好になる模様。物語は、一見セクシャルな場面が用意されたメロドラマ風に見える部分があるが、結構衝撃的かもしれない。冷酷で、静寂な背景の下で狂気の伝播、その狂気に端を発する不幸の連鎖が静かに読み解かれていく。語り部は、ステラとも親しい、精神科医ピーター(イアン・マッケラン)。彼は、ステラの恋の相手、精神病院の患者エドガーの主治医でもあった。





映画「アサイラム」は、パトリック・マグラア原作「閉鎖病棟」の映画化。「アサイラム」の舞台となる病院周辺の風景は、四季折々の花々が咲き乱れ、緑に溢れ、極めて穏やかで、庭園や病棟付近の自然環境もどこか牧歌的なイメージを匂わせるが、そこには狂気が充満している。原作者パトリック自身が、精神科の医院長の息子というバックボーンを生かして発表してきた小説に共通する病みの精神は、ポーの再来とも言われる作風で、ゴシック・スリラーとさえ、呼ばれている。怖いけれども、そそられるものがあるデスね。厳しくて、暗くて、重苦しい物語の闇は、救いようがない結末に向かうのかな・・・。

南イングランドの美しい自然の中、季節は夏。堕ちていく女が男を追って行き着くのは、ロンドンの荒んだ下町界隈。彼女が救いを求め彷徨うのは荒涼としたウェールズの荒野・・・。むせかえるような栗の花が開花する季節に、出会った者があの日を振り返る。しかし、もうあの日に彼女はかえれない。彼等の正気と狂気を量りにかけて、モノ言うのは語り部のみ、か。「私は医師として、性的強迫観念が色濃く滲み出た情事の破局に長年、関心を懐いている」と語るのは、ピーター・クリーヴ医師だった・・・。
最後に、ステラが選択した事とは・・・果たしてそれは、ぞっとするような悲劇の結末を導き、誰かの生命の行路を変えてしまうと。
これ、当初はスティーヴン・キングが、自作以外初の監督作品として試みとして、脚本を手がけているという話題があった。で、監督はなんとあのジョナサン・デミ!キャスティングは、リーアム・ニーソン、ナスターシャ・リチャードソン・・・だったはず。それ、超興味津々だったゾ。で、出来上がったのは、ちょっと・・・違うやん、びっくりしたデスよ。女優のみ変わっていないが。ナスターシャ・リチャードソン、ちょっとエマ・トンプソンを連想しますな。エマといえば「日の名残り」、アンソニー・ホプキンス良かった!そ、この「アサイラム」も当初はイアンの演じたピーター医師はホプキンス、という声が高かった。おいおい、ジョナサン・デミが実際に監督やったとしてもホプキンスを使うなんてあっちゃならんだろーが、と思うておったデスが、ま、デミで実現しなかったから話はご破算。で、今回のイアン以外、期待はマートン残すのみか。あとは映画「猟人日記」の監督デヴィッド・マッケンジー次第ネ。しかし、時間が経過するにつれて、矢張りゴシック・スリラーと評される原作の重さがどーなったか、ま、これはこれで見たい、と思ったデス。さて、パトリック・マグラア原作の本作をアップしたからには、なんだか「スパイダー」を思い出して、ここに来て急にレイフ・ファインズ主演作が浮上してきたデスよ。(2004年/製作国アメリカ・アイルランド/アメリカ公開2005年8月12日但し一部地域での公開/日本公開未定)






▲Ian McKellen撮影Video


▲Trailer

Official site
オフィシャルでもTRAILERはご覧になれます。



●Directer: David Mackenzie デヴィッド・マッケンジー
●Screenwriter:Chrysanthy Balis
●Cast:Ian McKellen イアン・マッケラン Natasha Richardson ナターシャ・リチャードソン Hugh Bonneville ヒュー・ボネヴィル Marton Csokas マートン・ソーカス
 Sean Harris ショーン・ハリス Amy Horton エイミー・ホートン Rhydian Jones ライディアン・ジョーンズ Peter Yates ピーター・イエーツ

※Marton Csokas マートン・ソーカスは、ハンガリー人の父とニュージーランド人の母を持つニュージーランド生まれの俳優。ニュージーランド・ドラマ・スクールを卒業、舞台でキャリアを積む。チャップマン・トリップ・シアター賞の年間最優秀作品に選ばれたパトリック・マーバー演出の"Closer=クローサー”(あ、オーウェンをイメージしてしまうデスね)、スティーブン・パーコフ演出の”Kvetch”に出演等を経て、短編映画等に出演後、1996年映画「Broken English」出演。その後、「ロード・オブ・ザ・リング」、「スターウォーズ・エピソード2/クローンの攻撃」(クレジットないか?)、「ロード・オブ・ザ・リング2/二つの塔」(セレボルン役)、「Down and Under」「Garage Days」「キングダム・オブ・ヘブン」「ボーン・スプレマシー」「カンガルー・ジャック」「タイムライン」「トリプルX」「ガレージ・デイズ」等に出演。「アサイラム」は一等重要な役柄。これで浮上するやもしれんデス。

著者: パトリック マグラア, Patrick McGrath, 宮脇 孝雄
タイトル: 愛という名の病
著者: パトリック マグラア, Patrick McGrath, 富永 和子
タイトル: スパイダー
著者: パトリック マグラア, Patrick McGrath, 池 央耿
タイトル: 閉鎖病棟
著者: パトリック マグラア, Patrick McGrath, 宮脇 孝雄
タイトル: グロテスク
著者: パトリック マグラア, 宮脇 孝雄
タイトル: 血のささやき、水のつぶやき
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2005-06-29 00:56:59

■ロミオ+ジュリエット

テーマ:映画

■Romeo + Juliet ロミオ+ジュリエット

●今夜は急遽、旧作を。「クロニカス」のジョン・レグイザモの話を某所でしていて、彼の以前の出演作の話題になった時、「ええ?あんなの好きなんですか?」と。ぎょえッ!「あんなの・・・」と言われても・・・当方、エラク好きなんだがなッ。ああ、いや、エライ好きですけどなッ、と返したものの「へえ~」ってサ。ありゃま、世間はそーゆー風だったデスか。じゃ、急遽、忘れられない内に、未見の方がいるやもしれんので旧作参ります、「ロミオ+ジュリエット」じゃん!





バズ・ラーマンが1996年に放ったシェイクスピア戯曲のモダンでパンキーでエネルギッシュな恋愛寓話のお伽話。ラティーノ仕立ての猥雑でごった煮のキッド・クレオール、オリジナル・サバンナ・バンドやらオーガスト・ダーネルも出てきそうなドンドンココナッツのヴェローナ・ビーチが舞台。
時代?・・・それは見た時、そのままさ。行っても戻っても構やしないサという、すっ飛びのルールなしが愛嬌の映画「ロミオ+ジュリエット」。
この映画の感想文には、知的な会話なんぞ無用だよネ。御託を並べても所詮空回りするだけ、徒労に終わるってもんデス。これは一緒になって疾走しながら見るシェイクスピア。ティーンエイジャーが主人公の物語なんだからとばかりに、バズ・ラーマンは思いっきりテンションを上げて作ったんだ。






バズ・ラーマンの本作は、クラシカルな舞台劇を紐解いて、根底にはコメディのスパイスを、デコレーションは出来るだけに華美に盛りだくさん、といった具合。なぜなら、この物語の結末をみなが知っている。大勢の観客が見知った結末に向かう時、どの方向で、どういう道順で、誰を連れて行くのか、速度はどうだい、とアイデアを膨らませる。周囲に笑える仲間がいて、盛り上がっていったのか。バズ・ラーマンのアイデア、イメージはどんどん膨れ上がり極まったのかな。大勢の観客の見知った古典劇は、観客によってどんどんと地固めされ掘り返すことも出来ない程に地盤は固まってしまっている。岩だ、凝り固まった岩を砕いて新鮮な風を送り込まねば、新たな物語などは息を吹き返しはしない。爆弾級の音や仕掛けや役者を揃えて吹っ飛ばして見せた、そんな小気味よさが大騒ぎでチャーミングな「ロミオ+ジュリエット」を世に送り出した。





出会いは突然に、恋はあっけなく、事件は突発的に、そうして物語の誕生は、あれよあれよという間に、衝撃的な伝説になる。嘘だろう・・・そんな些細なすれ違い・・・いや、あるんだな、コレが。そーゆー気になるデスよ。階級を取っ払って、クラシカルなインテリジェンスを拭いさって、後は幻のヴェローナ・ビーチから幕開けのタイミング。品の良さは無用だったデス。
今、という時間軸にはめ込んだのは「ウエストサイド物語」だったが、これは時間軸も却下。映画好きは、この「ロミオ+ジュリエット」の何をもって愚作、何をもって失敗、と語るのかな。これこそ、いいじゃん、イカスじゃん、と我は拍手喝采。
台詞回しに抑揚がついて、シェークスピアまんまの表現が放たれると、もう~あちこちにネオンがバンバンついて、どんどん花火が上がる派手さやね。撮影は、メキシコ・シティ。だよね~。
役者?いいサ。ディカプリオならではのロミオ。台詞がネ、そこが下品ではないの、巧いネェと思ったデスよ。あとは皆、炸裂合戦だからインパクト勝負ってもんデス。この映画の役者陣には、誰が看板役者演るか、といった切磋琢磨あるデスね。皆、勝負かけて演る人間を集めたキャスティングもエライな、と思ったデス。と、ゆーことでなんじゃ分からん褒め褒め感想文でしょうが、いいデスよ、コレ。バズ・ラーマン、やりたい放題にやってそうで、策士デス。細かなとこまで実によく詰めておるデスよ。緻密な作業の裏づけ、ブレーンもいたデスね、野暮な映画には決してなってないデス。








さて、「ロミオ+ジュリエット」のオフィシャル・サイトはまだ活躍し続けている。映画のヴィジュアルのみならず、細部に至るあらゆるアクセントとなるグラフィカルな部分にも手抜きなしの楽しんだデザイナーの遊び心が、ココにも生きてるゾと。
この秋、ヴェローナ必須のアイテムとなるファッションは3つのニューライン。キュピレット家のファッション、モンタギュールックは多彩なイメージ・・・ダンシング・ソウル、ソウルフルに踊るためには絶対にこのラインは外せやしない、などと平気でのたまっちまう、そんなおセンスがカッチョいい~~って。他にもその手の解説がビシバシあって・・・それはファッションから車、ナイト・ライフ、ポストカードでのメール送信・・・も、なんでもありの意味づけ、こだわりをプロモーションしておりますデス、はい。
スクリーンセーバーから、ミニサイズではあるものの、細かなビデオ、たくさんのクリップ、サウンド・・・贅沢の極みデス。一応、ビデオ等も下記にリンクはしますが、今宵は是非オフィシャルで存分に遊んでいただきたいッ。
★ベルリン国際映画祭1997年第47回ベルリン国際映画祭銀熊賞(男優賞レオナルド・ディカプリオ) アルフレッド・バウアー賞受賞 ★MTVムービー・アワード受賞作(1996年/製作国アメリカ/アメリカ公開1996年/日本公開1997年)







▲クリック:Capulets家


▲クリック:Montagues家


▲クリック:Video&Clipてんこ盛り


▲おまけ画像:撮影シーン


▲Trailer:但し前後にCM有


▲Official site必見



●Directer:Baz Luhrmann バズ・ラーマン
●Screenwriter:Craig Pearce & Baz Luhrmann
 クレイグ・ピアース&バズ・ラーマン
 原作:William Shakespeare ウィリアム・シェイクスピア
●Cast:Leonardo DiCaprio レオナルド・ディカプリオ Claire Danes クレア・デーンズ  Jesse Bradford ジェシー・ブラッドフォード John Leguizamo ジョン・レグイザモ Miriam Margolyes ミリアム・マーゴリーズ Vondie Curtis-Hall Vondie ボンディ・カーティス・ホール Brian Dennehy ブライアン・デネヒー Dash Mihok ダッシュ・ミホク Harold Perrineau ハロルド・ペリノー Pete Postlethwaite ピート・ポスルスウェイト Paul Rudd ポール・ラッド Paul Sorvino ポール・ソルビーノ Diane Venora ダイアン・ヴェノーラ Edwina Moore エドウィナ・ムーア Zak Orth ザック・オース Jamie Kennedy ジェイミー・ケネディ Des'ree デスリー


タイトル: ロミオ&ジュリエット
タイトル: ロミオ&ジュリエット
タイトル: ロミオ&ジュリエット
タイトル: ロミオ&ジュリエット/ザ・ビーチ〈特別編〉
アーティスト: ガービッジ, エバークリア, ギャビン・フライデイ, ワン・インチ・パンチ, デズリー, バットホール・サーファーズ
タイトル: ロミオ&ジュリエット(1)
アーティスト: サントラ, ジャスティン・ウォーフィールド
タイトル: ロミオ&ジュリエット(2)
アーティスト: サントラ, ジャスティン・ウォーフィールド
タイトル: ロミオ&ジュリエット(2)
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2005-06-28 01:36:18

■タブロイド Cronicas クロニカス(原題)

テーマ:映画

■タブロイド 原題:Cronicas クロニカス

●映画「タブロイド」(Cronicas:クロニカス)は、フロリダ、マイアミに拠点をおく扇動的なタブロイド的テレビ番組のスター・リポーター、マノロ・ボニーラが主人公。彼は自身の経歴上で最も大きなネタになると察した一連の残忍な殺人事件を追うために、同僚プロデューサーのマリサ、カメラマンのイヴァンを伴い、エクアドルの小さな町ババオヨに旅立つ、ところから幕開けとなる。
マノロは、エクアドルの小さな町で起きている連続児童殺人事件を追跡し始める。蒸し暑い気候の貧困層の暮らすこの町では、ある日忽然と姿を消した子どもがレイプされた後に墓場に埋められていくのが発見された。彼は、この一連の連続児童殺人を一人の残虐な犯人によるものと推測し、「ババオヨのモンスター」と呼び、取材を開始。この事件はきっと視聴者に話題を呼ぶに違いないと睨むマノロの野心。





マノロが事件を調査している時に遭遇した出来事。それは、ヴィニシオ・セペダ(ダミアン・アルカザール)という聖書売りが、誤って子どもを車でひき殺してしまう・・・。連続殺人事件の只中、子どもの死に対する町民の反応は常軌を逸する程に高まっていた。その緊張感が一気に爆発し群集が暴徒化する。車から引きずり出されるヴィニシオ。焼き殺そうとする子どもの父親と周囲の人々…行きがかり上、ヴィニシオをリンチから助けることになるマノロ。結果、逮捕されたのは、ひき殺された子どもの父親とひき殺した容疑のヴィニシオ。

マノロは刑務所を訪ね、殺人の罪で刑務所に入れられたヴィニシオを取材する。そこで知ったことは、彼が連続児童殺人の犯罪について、奇妙な程の情報を持っていたことだった。ヴィニシオは言う。犯人が子どもをどこに埋めているかも知っている、と。もっと情報が知りたいと言うマノロに対して、殺人犯の情報が知りたいのなら、自分を刑務所から出して欲しいと条件を出すヴィニシオ。刑務所内にいても、死んだ子どもの父親は執拗に彼を殺そうとあらゆる手を使ってくる。不可解な存在のヴィニシオに出会ったマノロは、彼の素性を調べながら…ある事を想像する。
視聴者がテレビに釘付けになるようなセンセーショナルなスクープをものにするために、マノロは今、自分が何をすればいいのかが見えてくる。同時に彼は、野心の達成と引き換えに何をしてはならないのか、どこに危険が待ち受けているのかを見失ってしまう・・・か。







さて、この物語は実話を基にした、監督セバスチャン・コルデロによる、見る側に平凡な日常を覆して見せるような挑戦的な作品の模様。しかも、それは直接的な攻撃ではなく、静かに淡々と導いていく、といった感じがする。整った冷静さに裏づけられたきちんとしたスリラーか。ここで見る側は、マスコミ報道、メディアの過剰な報道とスクープをものにしたいという野心家ジャーナリストの中の道徳感を観察することになりそうだ。猟奇的な殺人事件に対するメディアと一般大衆の貪欲な好奇心と渇望をあぶり出しながら、同時にアメリカの周辺諸国への外交政策すら垣間見えてくるようだ。

ジャーナリストが追う、殺人と小児愛と倫理。我々と共に暮らしている極々身近な人間が、実はモンスターと呼ぶべき人格を持ち、しかしそのモンスターと呼ぶ男が、家庭的な男ではあって欲しくないと思いたい我々の思考とはなんだ。普段当たり前に考えている善悪。悪さをするものにはそれなりの背景がある。悪行を起こす奴には情の欠片もない。簡単に片付けるな、か。見る側に、この麻痺した感覚を逆撫でするが如く、監督コルデロは「クロニカス」の中で、子供たちを拷問し、強姦し、殺すのが好きなモンスターの罪を声高に言及しなかったようだ。犯罪者に対しての怒り、これらの行為のあからさまなイメージでは描いていないという。

本作は、映画「シティ・オブ・ゴッド」のために仕事をしたアントニオ・ピントの音楽を効果的な背景にして、意外な事実から緊張感を作り、終盤へ向かうという。セバスチャン・コルデロによる、映画のイメージは微妙。与えられた物語を素手で握って演じていったような感じをもたらす俳優、見逃せない。
親切で家族を大事にする家庭的な男に闇の思惑があるように、全く許しがたい良心のない殺人者でさえ、最愛のものがいて、最も愛を感じている、それが両立していると言うことができる、とは監督の弁。

男は川で水浴びをする。彼の周囲すべては、穏やかで、平和だ。私たちは、その男がそこで何をしているかを知らない。子どもは、また一人、姿を消していく・・・。
男は下心と野心を武器にのし上がってきた。どこか世の中を軽んじている。しかし、そのしっぺ返しは、彼一人ではもはや手に負えなくなる。スクープをものにできるかと思えた栄光の瞬間、彼の追求は悲劇の結果をもたらす・・・か。

監督セバンスチャン・コルデロは、1972年生まれ。南カリフォルニア大学で脚本を学んだ後にエクアドルに戻り、ミュージック・ビデオや短編映画を製作。初の長編映画「Ratas, Ratones, Rateros」は、1999年のヴェネツィア映画祭でプレミア上映された後、さらに50以上の映画祭で上映。スペインのゴヤ映画祭最優秀外国映画賞、メキシコのアリエル映画祭最優秀外国映画賞にノミネートされ、アメリカでも評価を受けた。本作はスペイン語映画として、アメリカでやっと7月に公開になる。遅いやね~ッ。悔しいぞ。
さて、俳優を二人。「ムーラン・ルージュ」「サマー・オブ・サム」「ザ・ファン」「ロミオ&ジュリエット」「3人のエンジェル」「スーパーマリオ/魔界帝国の女神」等で姿を見ていたジョン・レグイザモの良さ、改めて追いかけたくなるデスね。
「アマロ神父の罪」のダミアン・アルカザールが一転、ここでは更に重要な存在を見る側に叩き込むか。「アモーレス・ペロス」のエミリオ・エチェバリアを思い出してしまったゾ。(2003年/製作国:メキシコ、エクアドル/アメリカ公開2005年7月8日(NY, LA)/日本公開2005年)







Trailer
上記クリック:やや暗めデス、即行で見たい時に


▲clip1


▲clip2


▲clip3


▲clip4



▲Official site:Japan


▲クリック:オフィシャルでもTRAILERはご覧になれます。
クイックしか反応しない時があるようです



●Directer:Screenwriter: Sebastian Cordero.セバスチャン・コルデロ
●Cast:Damián Alcázar ダミアン・アルカザール John Leguizamo ジョン・レグイザモ Leonor Watling レオノール・ワトリング José María Yazpik ホセ・マリア・ヤズピック

※本作は、昨年の2004年カンヌ国際映画祭のある点部門で上映。その後、各国映画祭で次々に上映されている。ちなみ本作はNHKも映画「ウイスキー」等と同様にバックアップしたもの。で、なぜ、こちらは上映されていないのだろうか、と思いきや昨年9月にヒスパニックビート2004 [スペイン・イスパノアメリカ映画祭]なるイベントで上映されておったデスね。知らなかったな(あ悔しッ)、で、本年東北新社配給でどうやら一部では上映がありそーです。どっこかな?※追記:国内公開時の邦題が「タブロイド」になったそーです。???ま、わからない、でもないんだが・・・。タイトル修正しました。

※終始、頑強な視点でぐいぐいと画面に引き付けられていく。これは見逃さないで良かったと、真に思った一作。抜け目なく、隙なく作りこまれた作品といいたくなる。シナリオはシンプルで明解なベースの流れに乗って進むので難解ではない。分かりやすく解き明かされる物語でありながら、画面の中で展開する筋に釘付けになった。映像、色彩、音楽等…背景に繰り広げられる俳優達の演技もリアリティに満ちている。

滲み出す汗の匂い、体臭、水の淀みに塩素臭が重なり、人の内は惑い、交わされた言葉は乾いたままで放置される。罪をまとった人間を見極める臭覚を持った男を演じる側、限界ギリギリの辺りで哲学者のよーにも見える存在を断ち切った、俗で怪しいその目の奥…を見せてくれる男。巧いんだ。ホント見逃さないで良かった一作デス。

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