地元T氏の計らいで、すでに総勢12名が予約済みになっており、店ではなく、店主宅の客間が用意されていた。
お座敷に座るや、「まずは、ビールでも!」の声に、「お酒はやっていません」の答え。
やむなく、全員が「コーヒー」を注文することとなった。
1本は化粧箱のまま、もう1本「岳颪(やまおろし)」は、すでに封が切られて、7割ほどが残っている。
ラベルを見ると福井県小浜市のお酒である。(写真はネットから)
コーヒーが配られたところでずずうしくも、おかみさんに「このお酒は?」と訊く。
これが、実に美味いお酒なのである。
帰宅後、お世話になっている人にぜひ贈りたいと、ネットで検索すると、「楽天市場」に、「びっくりするほどの辛口。20度わかさ 「岳颪(やまおろし)」 無濾過生原酒 720ml しぼりたて ※完売の際はご了承ください。価格 996円 (税込 1,076 円) 送料別 」とある。
すかさず3本を注文したところ、ひとまず楽天からは受付メールは来たが、後は業者からの返事待ち。
しかし、不安になりさらにネットで検索して驚いた。
蔵元の「わかさ冨士」は小浜市に残る唯一の造り酒屋だが、2年前から経営危機で、廃業も検討していたところ、地元の有志100数十人が資金と労力を提供して造った「岳颪」は、会員によるオリジナル企画の限定品の酒だとのこと。
そんな曰のあるお酒とはつゆも知らなかった。
尚のこと応援したいと思うのだが、「果たして、届くのだろうか?」と、不安と期待が一杯の心境である。
ちなみに、蔵元「わかさ富士」のHPは閉鎖されており、さらに不安は募る。
そこで、楽天に出店しているショップに電話をかけてみたが、「ネット販売の担当者が出張中のため、後で連絡する」とのこと。
2時間後、「配送可能」との回答で、どうやら蔵元はまだ健在(?)のようだ。
こんな曰のある若狭の酒に、白川郷のお酒を出さないはずの喫茶店で偶然に見つけるとは、実に感慨深い出会いである。
届くのを、心待ちにしている。