旧・日常&読んだ本log

流れ去る記憶を食い止める。

2005年3月10日~2008年3月23日まで。

以降の更新は、http://tsuna11.blog70.fc2.com/で。


テーマ:

桜庭一樹
桜庭一樹読書日記―少年になり、本を買うのだ。

現在も、東京創元社の
こちら で連載されている、Webの読書日記の2006年2月~2007年1月分の書籍化です。

この本のいいところは、本文は上段にあるんだけど、下段に書影と、桜庭さんご自身や、編集のK島氏による簡単な本の紹介が載せられているところ! 何せこの「読書日記」には本がざばざばと贅沢に出てくるので、本の洪水に溺れないためにも、この構成は実にいいねえ。

桜庭さんにとっては、呼吸すること=本を読むことなんじゃないかというくらいに、とにかく、日々、本を読んでおられる。面白い本を読んでは、面白いっ!と叫ぶこの感性、この密度の読書の中で保っておられるのが凄いよなぁ。

桜庭さんが本を読んでないのは、直木賞受賞作でもある「私の男」を書くために音楽漬けになっている時くらい。意識的に本を読まず、自分を追い詰めているこの時期には、桜庭さんはどんどん痩せていってしまうのです(ま、これは「読んでない」せいだけではないとは思うけど)。

以下、本読みとしての心意気に、こちらも感動だった箇所。そうだよねえ、「やさしい」本ばっかり読んでると、自分がどんどん偏っていく気がするのだ。

 
わたしは普段、本や映画を選ぶときに、人が薦めるものをなるべく入れるようにしている。自分の選択だけだとどうしてもかたよって、その場所がせばまっていってしまう。せばまり続けるとちいさくなって完結して、そうなったら、死ぬ。
二〇〇六年八月のp144より引用)

 
帰宅して、なにを読もうかなぁと積み本を眺めていたら、なにか急に、怖くなる。東京に戻ってきたので新刊がいくらでも手に入るのだが、いや、自分の本も出たときは新刊なのだが、新たに出る注目の本ばかり追いかけると、まるで流行りのJ-POPを消費する若者のような心持ちで読んでしまう気がして、手が止まる。
 こういうことを繰り返したら、作家も読書も聞き分けがよくに通った、のっぺりした顔になってしまうんじゃないか。みんなで、笑顔でうなずきあいながら、ゆっくりと滅びてしまうんじゃないか。駄目だッ。散らばれッ!もっと孤独になれッ!頑固で狭心で偏屈な横顔を保て!それこそが本を読む人の顔面というものではないか?
(中略)
みんな、足並みなんか、そろえちゃ、だーめーだー……。古い本を!古い本を!むかしの小説を!読まないと死ぬゾ。
二〇〇六年十一月のp211-212より引用)

死ぬ死ぬ出てきちゃいますが(笑)、この切迫感も桜庭さん独特なのかなぁ。ご自身の小説は、私は「
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 」しか読んだことがないんだけど(そして、あまりの救いのなさに大ダメージを受けた)、桜庭さんの尖りや切迫感が少し理解出来たように思いました。

そして、本読みとしての目は実に確か! 自分が読んだ本については、うんうんとうなずきながら読んじゃうし、凄い本を凄いスピードで読んでるところには驚愕してしまうなぁ。普通、こんな濃い密度で読めないよ~。凄い本を探すのに、この本はオススメです。

■とりあえず、ざっくり気になったところのメモ■
愛についてのデッサン―佐古啓介の旅 (大人の本棚)
キャロル・オコンネル
淑やかな悪夢―英米女流怪談集

目次
二〇〇六年二月 読書にまつわるすごいこと(たぶん)を発見する。
二〇〇六年三月 町中に”なぞの女”がいる、気がする。
二〇〇六年四月 ジョン・ランプリエールが辞書になる!
二〇〇六年五月 夏木マリと、カー談義する。
二〇〇六年六月 直毛なのに、アフロである。
二〇〇六年七月 バナナの皮で、世界が滅亡する。
二〇〇六年八月 傑作の前を、歌って通りすぎている。
二〇〇六年九月 百匹の蠅が死に、百人の老人がやってくる。夏が、終わったのだ!
二〇〇六年十月 片手に二十世紀梨、片手に豆腐竹輪の夜である。
二〇〇六年十一月 「ビバビバ都会!野戦病院!」である。
二〇〇六年十二月 少年になり、花を買うのだ。
二〇〇七年一月 書店はタイムマッシーンである。
あとがき

*脂色の文字の部分は本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。
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