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フィードメーター - 日常&読んだ本logあわせて読みたい
2008-01-09 22:55:04

「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」/彼らと我とを隔てるものは

テーマ:ハヤカワ文庫
フィリップ・K・ディック, 浅倉 久志
アンドロイドは電気羊の夢を見るか?  
タイトルがかっこいいなぁと思ってたんだけど、これって実は英語そのまんまなんですね。知らなかったー。

そして、これ、映画「ブレードランナー」の原作でもあるわけですが、ところがどっこい私ときたら、映画も見てないのでした…。深夜とかにテレビでやらないですかね??

この本のことは、吉野朔美さんの「お父さんは時代小説(チャンバラ)が大好き 」にも出てきて、私も吉野さんと同じく、…今更??、と思ってたんだけど、読んで良かったです。

フィリップ・K・ディックと言えば、「奇妙な世界の片隅で 」のkazuouさんに教えていただいた「地図にない町」もとっても気になっていたのですが、こちらは実書店では探せず、うろうろしてた古本屋で先に「アンドロイド~」を見つけたので、これもまた縁というわけで、まずはこちらから。

<最終世界大戦>後、地球の大半は死の灰に汚染され、動物は死に絶えていった。すべての移民に各自の選択する型式のアンドロイド一体を自動的に無料貸与するという餌をチラつかせ、国連は惑星植民化計画を進めていたが、いまだ何千何万の人間が地球に残留していた…。

リック・デカードは、逃亡したアンドロイドを狩る賞金稼ぎ(バウンティ・ハンター)。主人を殺して逃亡した人間型ロボットは、彼にとって神話の中の絶対の悪、<殺し屋>の具現であった。ところが今回、彼が狩ることになった、火星から逃げ出した8人のアンドロイドは、ネクサス6型脳ユニットを備えた、あまりにも人間的なロボットだった。彼らとわれわれを隔てるのは、人間であればその知的能力には寄らず、誰もが備えている感情移入、共感という心理。感情移入度測定検査のみが、彼と我を見分ける術…。

しかしながら、アンドロイドに本当に魂はないのか? リックが飼っている電気羊には? また、感情移入が出来ない、若しくはその程度が低い人間は? 特殊者(スペシャル)、ピンボケと称される、少々知的能力が低いイジドアは?

あらかじめ疎外されたものたち、アンドロイドに共感するリックはおかしいのか。また、共感(エンパシー)ボックスに頼って、他人と同化した感情を得る人間たちは…。リックの揺らぎは、そのまま人間性というものへの疑問となる。

うまく言えないのだけれど、私がこれまで読んだ少女漫画やコバルト文庫(いや、SFってそれぐらいでしか読んでないのだ)のアンドロイド物がすーっと理解できたというか、良く分かるような気持がしました。

良く知られていて、でも、やっぱり読んでいないSFとしては、あと一冊気になってるのがこちら。

ジェイムズ,ジュニア ティプトリー, 浅倉 久志, ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア

たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF)


表紙の川原由美子さんの絵も綺麗だし、中をちょっと見たら、中にも絵があるんですよねえ。うーむ、こちらも読むべき? 名作と言われているものには、ジャンルを越えた良さがあるから、その分野を苦手としていても、結構読めてしまいますねえ。ハインラインの「夏への扉 」も楽しかったしさ。

コメント

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1 ■私も

吉野さんの本を読んでから『アンドロイド・・・』を読みたいと思って、「ブ」で探しているんですけど、いざ探し出してみるとなかなか見つかりません。
いつでも読めると思っていたのですが・・・
ちなみに映画のほうは観ました。メチャメチャ面白かったですよ。

2 ■明けまして!

おめでとうございまーす!
今年もよろしくお願いします。

この本は読んでませんが・・・
『ブレードランナー』は何度も観ましたよ。SF映画は数あれど私にはベスト1です。
ちなみに・・・漫画家川原泉さんの短編に『アンドロイドはミスティブルーの夢を見るのか?』というのがあります。
どちらも小学生のときに影響を受けた作品ですが、この本は色々なクリエイターに影響を及ぼしているようですね。今度読んでみます!

3 ■>nanikaさん

そうですよね~、吉野朔美さんの本は罪だ…。笑
自分が既に読んだ本の話だと、ふんふんと鷹揚に構えてられるんですが、まだ読んでない本の話になると、読みたい気持ちに駆られてしまいます。
nanikaさんも捕獲できるといいですね、楽しかったですよ~。
私の課題は、では映画ですね。
うーん、放送されないかしらん。

4 ■>momoさん

おめでとうございまーす。
本年もどうぞよろしく♪

おお、映画「ブレードランナー」、ベスト1ですか♪
やっぱり見たいなぁ。笑

川原泉さん、そのタイトルはまんまですね。
私は今度はそちらに興味が。笑

にしても、小学生で「ブレードランナー」とは渋いですね。小学生の頃の映画と言えば、私は「E.T」くらいですー。笑<古い?もしくは子供っぽい?笑

5 ■「感情移入」がキーワード

この小説、35年以上も前が初読で、当時はよくわからなくて、その後再読しています。
解釈はいろいろあるでしょうけれど、ぼくは「感情移入」がキーワードだと理解し、その後ぼくのブログでも「感情移入」を物語の感想のキーワードにしています。感情移入こそが人間らしさそのものであり、感情移入する心に欠陥で出てくると、殺人とか暴行とか詐欺とか、あらゆる犯罪が出てくるように思います。政治だとか宗教だとか、いろいろな物事を読み解くキーワードにも使えます。

6 ■>ディックさん

感情移入がキーワードというご意見、私も賛成です。
そうそう、ブログの記事もその人の感情、感想が入ってないと面白くないですよねえ。
感情移入とともに、この物語でキーワードになるのは、共感なのかな、と思います。
でも、マーサ教の共感ボックスは気持ち悪かったし、そして最後に暴かれるその実態もまた…、というわけで、人間は基本孤独なもの、というメッセージも感じました。

7 ■電気冷蔵庫は電気掃除機の夢を見るか

こんにちは。
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」も「ブレードランナー」も大好きです。
「ブレードランナー」は、ディレクターズ・カット版とか、完全版とか、ファイナル・エディションとかあって、
モノによってはラストが違ってたりして、凝りだすと大変らしいですが。

ティプトリー・ジュニア「たった一つの冴えたやりかた」もタイトルがうまいですね。
内容ももちろん良いですが。
ティプトリー・ジュニアの短編集では「星ぼしの荒野から」が好きです。

8 ■>木曽のあばら屋さん

えー、ラストが違うだなんて!!笑
それは見出すと気になっちゃいそうですねえ。
木曽さんはどちらもお好きなんですね♪
「アンドロイド~」は今読んでも面白いところも凄いですよねえ。
ほんとにこういうロボットが出てくるのは、もっと先の事になりそうですけれど、アンドロイドに生きているうちに出会ってみたいです。

ほー、短編集もあるのですね。
覚えておきます!ありがとうございました。

9 ■「共感」について真剣に考えている作家

梨木香歩さんのエッセイ「ぐるりのこと」をトラックバックします。
この方の考えている「共感」は「感情移入」より広く、「共感」のために、歴史文化・価値観などの理解という基盤を自ら広げようと、そういうことを実践しつつ、感性を磨かれているようです。

10 ■アンドロイドは、、

映画の方もビジュアル的に素晴らしいので
いろんな意味で評価されている作品ですよね、、。
 小説としても、ディックのメインテーマである
自分はひょっとして人間だと思わされている
ロボット(アンドロイド)じゃないか?という
のが一番出ている作品だと思います。
 これは、世界文学の"疑わしき語り手"
にもあてまはるんじゃないかなんて
最近は思っています。
(ちょっ広げすぎですが)

11 ■>ディックさん

トラバ&コメントありがとうございます。
おっと、でも、私も「ぐるりのこと」の感想書いてるんですよ。
そちらから、トラバお返しいたしますね。

大上段から構えることなく、ぐるり周囲のことから考えていく・・・。仰る通り、梨木さんのこの姿勢がいいですよね。

12 ■>indi-bookさん

人間だと思わされているアンドロイド、って恐ろしいです。
そっか、ディックの他の作品にも共通するテーマなのですね。
ちょうど、少し前に清水玲子さんの漫画を読んでいて、これがまたアンドロイド二人を主人公としていたのです。<「ジャック&エレナシリーズ」
こちらは、また「生殖」というものもテーマになっていたのですが…。
アンドロイドって、物語的に面白いテーマなのでしょうね。

”疑わしき語り手”と言えば、私にとってはカズオ・イシグロです!
世界はそう思っている程確かではない・・・、という前提で話すならば、アンドロイド=”疑わしき語り手”というのも分かる気がします。世界は揺らぐものだし、その揺らぎを楽しむのが物語かなぁ、と。

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