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2007-09-12 22:37:15

「一日江戸人」/お江戸の町で、暮らしてみれば

テーマ:新潮文庫

杉浦 日向子

一日江戸人 (新潮文庫)

周期的に読みたくなるのが、杉浦日向子さんの江戸の本。また、そういう時って、図書館でぱっと目に入ってきたりもするのです。

杉浦さんが愛おしんで語り、時に図説する、江戸の生活の数々。今回もたっぷり楽しみました。

「宵越しの金は持たない」ではないけれど、江戸の町人はどうもかなり適当な感じでも生きていけたよう。お金が無くなったら働き(それも適当な大道芸だったり、近所の手伝いだったり)、お金が入ればのんびり。太平の世だから、こういうことも出来たのかなぁ。備えなくともこれだけ気楽に過ごせる楽天性は、現代人には失われたものだよね。その証拠に、江戸で名のある商人や職人は、ほとんどが地方出身者だったのだとか。

江戸の色男、美人の解説も面白い。
江戸人が選ぶ「男の中の男」、すなわち「江戸の三男」とは火消の頭、力士、与力の三職のことをいう。職業柄、男気があってかっこいいこれらの男たちとは別に、一般の町人の内では、ムキムキの肉体美ではなく、色白のやさ男が希少価値として持て囃されたのだとか。なんてったって、江戸の暮らしはほとんど人力。普通に暮らしていても、それなりに筋肉はついてしまうし、褌一つで働いている人も多いので、肉体美にはさほど関心がなかったみたい。

江戸の美人は、鈴木晴信が描く笠森お仙のような七頭身のあどけない様から、二十年後にはきりりとした濃い眉の十頭身美女、更にその三十年後にはちょっと凄みのある六頭身美女と、そんな風に移り変わったそう。「美人」は時代で変わるものとはいえ、時代が新しい方が、むしろプロポーションが悪いのが面白い。しかし、七頭身はともかく、十頭身なんて、現代でもほとんどいないよねえ。 

町人の気楽さに対して、将軍の生活の窮屈なこと! 年中無休の将軍職は、かなり厳しいスケジュールに縛られていて、この規範的な将軍の日課を実践したと伝えられる十四代家茂は、即位の八年後、二十一歳で病没しているのだとか(原因は心身の過労だといわれている)。他の将軍はどうも適当にさぼっていたようだけれど、それにしても大変なスケジュール。お江戸に生きるのであれば、武家、将軍ではなく、町人として生きるのが幸せなようです…。

目次
第一章 入門編
 大道芸
 生涯アルバイター
 義賊列伝
 江戸の奇人変人
 How to ナンパ
 江戸の色男
 美女列伝
 ザ・大奥
 将軍の一日
第二章 初級編
 長屋の生活
 浮世風呂
 夏の過ごし方
 ホビー
 お江戸動物物語
 師走風景
 結婚
 正月縁起づくし
 決定版マジナイ集
第三章 中級編
 江戸見物(硬派編)
 江戸見物(軟派編)
 酒の話
 食 PARTⅠ
 食 PARTⅡ
 食 PARTⅢ
 江戸の屋台
 相撲 PARTⅠ
 相撲 PARTⅡ
 ギョーカイ通信
 おバケづくし
第四章 上級編
 How to 旅 PARTⅠ
 How to 旅 PARTⅡ
 春画考 PARTⅠ
 春画考 PARTⅡ
 意匠(デザイン)
 傾く
 未来世紀EDO
 シャレ
 これが江戸ッ子だ!


■関連過去記事■
江戸アルキ帖 」/江戸の町を歩いてみれば
呑々草子 」/旅行かば・・・
大江戸美味草(むまそう)紙 」/花のお江戸のうまいもの!
ごくらくちんみ 」/酒飲み必読? 

コメント

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1 ■江戸

杉浦さんの書いたものを読んでいると、江戸の町人に生まれ変わりたくなってしまいます!

現代人にとっては、実際にこういう社会で暮らすとなれば不便だな~なんて思うことだらけなのかもしれないけれど、それでもいいや!とまで思わせてくれる杉浦さんの描写はすごい!

2 ■>有閑マダムさん

ほんと、いいですよねー。
杉浦さん描くところの「江戸」。

ふふふ、もしも現代人が「江戸」にいったならば。
パラレルワールドっぽいお話ですが、もしも手に入るのであれば、『金春屋ゴメス』シリーズが面白いですよー。一作目の『金春屋ゴメス』自体は、実はお話的にはまだ洗練されていないのだけれど、設定はめちゃくちゃ面白いです。二作目の『芥子の花』では、一作目で目についた粗もほとんどありません♪
月にも人が住まうという時代、日本の中には鎖国状態を貫く、「江戸」の国が存在した、という設定です。

トラバもありがとうございます。
このあと、お返ししますねー。

3 ■トラバ

つなさん、ごめんなさ~い!
我が家は今スパムTBの嵐に見舞われて、一旦トラバ拒否に設定しているのです。
頃合を見て、また受付し始めたらお知らせしますので、お手数でなければそのときにまた改めてお願いできますでしょうか・・・。

江戸の鎖国が続いていたら・・・っていうお話、面白そうですね~。
ある意味、北朝鮮なんかも鎖国のようなもの??って思うところがあるけれど、ちょっと違いますよね。
早速メモメモ、探してみます。

4 ■>有閑マダムさん

はーい、了解でーす。
うちも、最近は久々に迷惑トラバが多くて、みなさんとこはどうなのだろ?、と思ってたのですが、やっぱり多いのですね。
再開されたら教えてください♪

「金春屋ゴメスシリーズ」、えへ、私は今後も期待しているのですー。
自記事ですが、ここだと一作目へのリンクもあるかな。
http://ameblo.jp/tsuna11/entry-10020043452.html
そんな強圧的な感じはないのですが、楽しそうですよ「江戸」の国の生活♪
手に入るといいなー(って、でも、まだ文庫に落ちてなくて、単行本のはすです)。

5 ■こんにちは^▽^

コメントやトラックバック等々ありがとうございました!
図書館や本屋さんでプラプラ歩いていると、本に呼ばれることがありますね。
この間は米村圭吾さんの退屈姫君に呼ばれました。表紙がかわいいですもんね。
(トラバミスすみませんでした(;^_^A)
また遊びに来ます^^ノこれからも仲良くしてくださいね!

6 ■>ぽんぽ子さん

いやいや、こちらこそ、あちらでは勿体ないコメント返しを。笑 ブログを始めて、随分経ってしまいました。 

図書館では冊数に限りがあるので、ええ、呼ばれて、後ろ髪引かれたりも~。そして、次に行ったときには忘れたりもしちゃうんですよねえ。

ああ、いえいえ、ちょうど本多髷のお話をしていたから、「退屈姫君」の方にトラバ頂いたのかな、とも思ったのですが…。
「退屈姫君」は、うんうん、「しゃばけ」の表紙の柴田さんですもんね。中身も可愛いんだけど、表紙もいいですよねえ、これ。

また遊びに来てくださるとのこと、うれしいです♪
こちらこそ、よろしくお願いいたします~。

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