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2007-05-02 22:15:06

「太陽の塔」/青春とはイコール妄想?

テーマ:新潮社

森見 登美彦
太陽の塔

乙女その一、「
千の天使がバスケットボールする 」の樹衣子さんが、『夜は短し歩けよ乙女 』を片手に微笑んでおられるのですが、そちらはまだ借りられないので、乙女二号の私は、日本ファンタジーノベル大賞の受賞作でもあるこちらの本を。

 
何かしらの点で、彼らは根本的に間違っている。
 なぜなら、私が間違っているはずがないからだ。

展開されるのは、もてない冴えない男子大学生たちの話。主人公は休学中の五回生と、「大学生の中でもかなりタチの悪い部類に属」す。強がりと言われようと、その行動を謗られようとも、彼らの世界は彼らの中(だけ)でそれなりに完結していたのだが・・・。

主人公である「私」は、三回生の時に水尾さんという恋人を作り、その男だけの妄想と思索の世界を裏切った。しかしながら、この嬉し恥ずかしの、ジョニー(詳しくは、本書を参照されたい)の暴走を食い止める日々も、長くは続かなかった。水尾さんはあろうことか、この私を袖にしたのだ! 水尾さんが私の元を去っても、私は水尾さん研究(副次的な目標は「彼女はなぜ私のような人間を拒否したのか」という疑問の解明)に余念のない日々を続けるのであるが・・・。

寒々しい独り身を容赦なく襲うクリスマスに吠え、男どもの妄想をぺちゃんこにする「邪眼」を持つ女子の視線に相対し、水尾さんの身辺をうろつく男にストーカー行為を非難され、矢鱈と個性の濃い友人たちと語らう日々。そう、友人の飾磨の言葉を借りれば、「我々の日常の九〇パーセントは、頭の中で起こっている」。これらの日々は、飾磨が企画した、クリスマスイブの四条河原町での「ええじゃないか」決起でクライマックスを迎えるのであるが・・・。

 
何かしらの点で、彼らは根本的に間違っている。
 そして、まあ、おそらく私も間違っている。

途中からは微妙に現実からずれてくる気もするし、それまで語られてきた記憶の中の恐ろしい先輩と、現実の先輩の姿との乖離などを考えると(ま、先輩は彼らを置いて、さっさと大人になったのかもしれないけど)、ここで語られる全てが妄想である可能性も捨てきれず・・・。可愛らしく、猫のように良く眠るという水尾さんも、ほんとに存在するのかしらん。

さて、読み終わって、文中で注意されていたように、「体臭が人一倍濃く」なったかどうかは謎ですが、この妄想は確実に尾を引く。ゴキブリキューブとか、ちょっと夢に出てきそうで怖いです。てか、ゴキブリってほんとにキューブになるの? これは妄想ではなく、現実なんだよねえ? 集合体はボーグ(@スタートレック)で十分です・・・。

私は綺麗に整えられた感のある『
きつねのはなし 』よりも、妄想が爆発してるこちらの方が好みみたい。この勢いをかうというか。何じゃこりゃーな物語でもあるのだけれど、好きな人は好きなお話だと思います。逆もまた真で、受け付けない人は受け付けないかもしれませぬが・・・。

←文庫も

*臙脂色の文字の部分は、本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡下さい。

「みすじゃん。」のおんもらきさんの記事にリンク

コメント

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1 ■乙女1号より

こんばんは★
「太陽の塔」に行かれたのですね。
実は、恥ずかしながら私専用のウィンドウズ98搭載PCでは、つなさんの現在のテンプレート形式のブログは読めないのです。
だから乙女2号のつなさんのタイトルの「青春とはイコール妄想?」がとっても気になるので、近々仕事帰りにこじゃれたネットカフェのアップルで読ませていただきます。
実は一昨日、G・Wに寄生していた身内の者宅から帰宅しましたが、彼は浪人時代を京都で過ごしたそうです。
成績は、急降下、、、おまけに呑んで鴨川に投げられたという思い出話から、森見さんの小説を連想しました。
いずれにしろ京都を舞台にして成立する小説なのでしょうね。。。

2 ■>樹衣子さん

乙女一号・樹衣子さん、いらっしゃいませ。笑

おっとー、そうだったんですか。<テンプレート
取り急ぎ、変更しようかと思ったのですが、ちょっと他の表示などとの兼ね合いが出てしまうので、週末にでも、変更してみます。
以前、ペトロニウスさんがこのスキンを使われたときに、そういえば、樹衣子さんが見えないと仰ってましたよね・・・。そんなことがあったとは。ご迷惑お掛けいたします。

やっぱり、京都で送る学生生活は、独特のものなのですねえ。鴨川に投げられたくはありませんが、かの地で学生生活を送ってみたかったなぁなどと、今更思ってみたり。
深みなどはないけれど、アイデア勝負であるならば、同じく京都を舞台にした、『鴨川ホルモー』も面白かったです。妄想を生む土地なのでしょうか。笑

3 ■こちらこそご迷惑をおかけしまする。。。

>週末にでも、変更してみます。

あっ、、、ご迷惑をおかけしてごめんなさい!
友人に笑われたくらいの旧式PC(二台とも・・・)が悪いのです。
勝手な私の都合をお伝えするのも心苦しいので、今までふれておりませんでした。時々人のPCを借りて読んでましたしね。
でもつなさんのお心づかいは、大変嬉しいです。
京都は、何回訪問しても心が清浄になるような気がします。でも、物価が高く、敷居も高いですね。
遠くで憧れるだけにしておきませふ。

4 ■>樹衣子さん

こんばんは。
いえいえ、読めないとは気付きませんでした・・・。
とりあえず、アメブロの「スタンダード」に入っているスキンに変えてみたのですが、どうでしょうか?
もしまだだめでしたら、ご面倒ですが、もう一度教えてください。

樹衣子さんは、京都に行かれる機会も多いのですね。私はなかなか機会もなく。
住むのは大変だとしても、せめて旅行者として楽しみたいです。乙女の憧れは胸に秘めましょうか。笑

5 ■おっと!

早速様式が変わってましたね。このテンプレートは、つなさんのブログになかなかあっていると思われます。
今度はちゃんと読めます!ありがとうございました。

>好きな人は好きなお話だと思います。逆もまた真で、受け付けない人は受け付けないかもしれませぬが・・・。

そうなんですよね。
キッチュなフランス映画みたいに、表現を楽しむ感覚が森見さんの芸風(作風)のようです。

>青春とはイコール妄想?

YES!
青春とはいけてない妄想であり、危ない暴走であり、また悲しい爆走でもあると・・・反省しています。(恥)
もっともその爆走の果てに、生涯の伴走者と出会った友あり。。。

6 ■>樹衣子さん

変えてみました♪
今度はきちんと読めるようで良かったです。
細かいところを言うと、上の部分が妙に長いな、とか、字がちょっと小さいな、とか色々あるんですが、今の段階では、このスキンがベストです。

森見さんの(ダ・ヴィンチかなんかでは、「モリミー」と書いてありました。笑)、この表現を楽しめるかどうかが分かれ目なのかなぁ。
抑えてしまうと勿体無いから、このまま突き進んで欲しいものです。
フランス映画というと、「退屈」というイメージがあるのですが、キッチュなのもあるんですね~。

ふふ、「青春とはイコール妄想?」が、思いがけず、樹衣子さんへの問い掛けに!笑
でも、ここできちんと暴走できたかどうかも、その後の人生に関係あるかもしれません。
しっかり暴走しておいた方が良いのかも・・・。

7 ■一太郎

新釈走れメロスを借りたようだけど、
実は最新作の

「有頂天家族」

が発売になって
人気がうなぎのぼりなんだよ。

近々私が
アマゾンに出品の予定があるから
私を離さないで.....?

ではなくて、
目を離さないでもらいたいんだよ。

しかしながら、出品するやいなや
売り切れること必至なんだよ。

8 ■>一太郎takam16坊ちゃま

「有頂天家族」も楽しそうですよねー。
「四畳半~」も読みたいのだけれど…。

ふふふふ、「私を離さないで」。これも良かったですよねえ。

takam16さんは、amazonで見つけることが出来るのでしょうか。…そちらの方が、出現率(っていうと、ゲームの敵のようですけど。笑)が高いのかしら~。

9 ■一太郎

本日夜11時より
NHK教育「トップランナー」に

森見 登美彦

が紹介されるんだよ。

しかし私は
早寝を決め込んでいるから
まもなく「おねむ」になるから

かわりにちゃんと見ておいてもらわないと困るんだよ。

飲んだら読むな。
見るなら寝るな。


それでは失礼させてもらうよ。

10 ■>一太郎takam16坊ちゃま

録画という文明の利器は?笑

教えてくださって、ありがとうございました~。
ちょうどフラガールを見ていたので、5分遅れだったけれど、録画しました♪
森見登美彦氏の小説の登場人物には、みな、どこかしらご自分を投影したところがあるのだとか。
というわけで、「夜は短し~」の乙女にも、モリミー成分が入っているそうですよ。先輩はわかるけれど、乙女には…。知らない方が幸せなのかも。笑

11 ■妄想

イヤー、面白かったです、これ。
妄想で膨らみまくった脳みそと、自意識過剰ぶりと、たいして何も起こらない日常と、やけにたいそうな文体が。
「邪眼」の女の子なんかから見たら、「私」たちはいつも男同士で集まってはろくでもないことで盛り上がっていたりして、それなりに楽しく見えていそうだなー。
水尾さんは、不思議なタイプの女の子ですね、きっと。
いかにもむさくるしそうで、洗練とはかけ離れていて、もっさりした男の子っぽいんだけど、なんだかかわいいですね。

12 ■>有閑マダムさん

えへへー、楽しいですよねー、モリミー。笑
うふふ、「邪眼」というか、彼らは正しい女子の目に耐えられないのでしょうね。なんか、なめくじに塩をかけると、とけちゃう感じ?笑
水尾さん、かなり不思議な人物ですよね。
私の中では、かわいらしいイメージだったんですが…。実際はどうなのでしょう。

13 ■無題

最初の方の勢いと、最後のほうでのしんみりしちゃう感じの落差が結構好きです。

ただ、濃すぎてちょっとおなかいっぱいですが(^^;;

14 ■>おんもらきさん

そうですねえ、最初と最後で同じことを言っていても、そのあとが異なりますもんね。笑
おんもらきさんの学生生活はいかがですか?
こんなに濃くない?笑<ま、これは「ファンタジー」だし、ね。笑

15 ■妄想

“我々の日常の九〇パーセントは、頭の中で起こっている”
この男汁の滴ってる男たちは、純情ですねぇ。
理系の男たちの生態がよく描かれていると思いました。

16 ■>honyomiさん

純情で、ちとハタ迷惑的でもある、男どもがうごうごと蠢く物語でしたね。笑
いっそ愛しくもあるという。
これも一種のファンタジーなんでしょうねえ、楽しかったです。

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