2007-03-25 22:06:34
「河よりも長くゆるやかに」/おれたちの青春
テーマ:その他の文庫
- 吉田 秋生
- 「河よりも長くゆるやかに
」
小学館文庫
汚れた河を見ながら、主人公トシと友人の深雪(女の子みたいな名前だけど、立派に男の子)はこんな言葉を交わす。
この河だって上流の方に行けばきれーなんだ、なのにこんなに汚れちゃって。
でも、上流はきれいだけど流れも急だし、幅も狭い。
海に近くなったこの汚れた河の方が、深くて広くてゆったり流れる。
どっちがいい?
これは、男子高生トシとその周囲の人間たちを描いた、帯から引くと「ニッポン高校生のシビアで熱い日々-青春賛歌」なんである。
目次
さらばスクール・ボーイ愚連隊
愛というのじゃないけれど
真夜中のゲイ・ボーイ
愛と青春の朝立ち
大麻畑でつかまえて
今だから言える暗い過去
ボクのキミはピッカピカ!
大弱点
みゆき
やっぱりアレなのよ
Aランクでいこう
エッセイ 夢枕 獏
米軍基地近くの街で、姉と二人で暮らす能代季邦(としくに)。真面目一方だった父は突然の浮気の果てに家を出て、母はその後暫くして亡くなった。父は毎月の養育費を手渡してくれるものの、出来の良かった姉は、父に反発するかのようにホステスになり、季邦もまた少々ヤバい事にも首を突っ込みつつ、様々な手段でカネを稼ぐ。
境遇だけで見るとなかなかに大変なのだけれど、このトシは実に逞しい。仲間達と馬鹿馬鹿しい遊びに興じつつ、ガールフレンドのみどりともよろしくやりつつ、日々を過ごす。途中から親友となる深雪もまた、悪徳高利貸しと評判の父を持ち、またその出生にも屈折したものを持つのだけれど、彼らはその辺、実に巧く飲み込みつつ、日々を生きる。それもまた、一緒に馬鹿なことをやってくれる、仲間があってこそなのかもしれないけど。彼らの生はゆっくりと広く流れるのか? 狭く急に流れるのか?
馬鹿馬鹿しく騒がしい、主人公とその周りの男子高生たちもいいし、脇の人物もいい。トシの姉と軍人ポパイの恋路、トシの父の恋、深雪の両親の愛、みどりの親友、順子のトシへの叶わなかった恋(順子の話で興味深いのが、「椿の花を落とさないで」。女の子にとってキスをするのは勇気のいる事。落ち易い椿の花を、落とさぬほどに、どうぞ優しく・・・)など。
文庫裏を見たら、これが雰囲気をとってもぴったり言い表しているので、引いちゃいます。
女とみればヤリたがり、大麻ときけば吸いたがるニッポンの高校生トシ、深雪、秋男。けっこうシビアな現実を抱えてたりもするのだが、涙をこらえて能天気なふりをしてみせるのさっ。ゲイバーでバイト、ドラッグ密売、スーパーでナンパと、りりしくしぶとくスケベに生きる3人組が今日も行く。
私はトシと深雪の2人に注目してしまったけれど、実は3人組だったのだね。秋男の事情については、深く取り上げられないせいか、ちょっと印象が薄かった。
これ、男性の感想を聞いてみたくもあるなぁ。こんなに馬鹿でスケベではないのかしら?笑
← 絵はこんな感じ。これは、にぱっと笑うトシだよね。
☆ 女子高生モノであればこちら → 『櫻の園 』 こちらもいいですよ~。











1 ■おお
読まれたのですね~。あんバタが食べたくなったでしょう(違)。
そうか、汚いものも楽しいこともひっくるめて生きているって意味でこのタイトルなのですね。私はこれを読んだのがすごく昔で、なんかばかばかしくて楽しい漫画って印象ばかりでした(笑)。
男子校の実態とかって、どんなものか聞いてみたいですねえ。