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2007-02-20 21:53:52

「聖なる黒夜」/純愛 RIKOシリーズver.

テーマ:角川書店
柴田 よしき
聖なる黒夜

この本は、柴田よしき氏による女刑事RIKOシリーズに登場する、二人の男性の純愛(?)を描いたもの。純愛とはいえ、何せ本編も本編なので、「綺麗~♪」なものでは有り得ない。とはいえ、本編よりは血と暴力の濃度は若干薄いかなぁ。本編がどろどろ過ぎって話もあるけど。

さて、ここでRIKOシリーズ本編のおさらいを。全て、amazonの内容紹介から引いちゃいます。

1:  2:  3:  

1:内容(「BOOK」データベースより)
男性優位主義の色濃く残る巨大な警察組織。その中で、女であることを主張し放埓に生きる女性刑事・村上緑子。彼女のチームは新宿のビデオ店から一本の裏ビデオを押収した。そこに映されていたのは残虐な輪姦シーン。それも、男が男の肉体をむさぼり、犯す。やがて、殺されていくビデオの被害者たち。緑子は事件を追い、戦いつづける、たった一つの真実、女の永遠を求めて―。性愛小説や恋愛小説としても絶賛を浴びた衝撃の新警察小説。第十五回横溝正史賞受賞作。

2:
内容(「BOOK」データベースより)
一児の母となった村上緑子は下町の所轄署に異動になり、穏やかに刑事生活を続けていた。その彼女の前に、男の体と女の心を持つ美人が現れる。彼女は失踪した親友の捜索を緑子に頼むのだった。そんな時、緑子は四年前に起きた未解決の乳児誘拐事件の話をきく。そして、所轄の廃工場からは主婦の惨殺死体が…。保母失踪、乳児誘拐、主婦惨殺。互いに関連が見えない事件たち、だが、そこには恐るべき一つの真実が隠されていた…。ジェンダーと母性の神話に鋭く切り込む新警察小説、第二弾。


3:内容(「BOOK」データベースより)
若い男性刑事だけを狙った連続猟奇殺人事件が発生。手足、性器を切り取られ木にぶらさげられた男の肉体。誰が殺したのか?次のターゲットは誰なのか?刑事・緑子は一児の母として、やっと見付けた幸せの中にいた。彼女は最後の仕事のつもりでこの事件を引き受ける。事件に仕組まれたドラマは錯綜を極め、緑子は人間の業そのものを全身で受けとめながら捜査を続ける。刑事として、母親として、そして女として、自分が何を求めているのかを知るために…。興奮と溢れるような情感が絶妙に絡まりあう、「RIKO」シリーズ最高傑作。

と、斯様にRIKOシリーズ本編は、血と精液と、その他諸々の体液に塗れた物語なんである。一言でいうと過剰な物語であり、内容紹介から引いているだけで、お腹いっぱいになっちゃうような物語。決して趣味のいい読書とは言えないんだけど、妙に気になってはしまうのよね。一文、一文を楽しむような読書ではなくって、粗筋を追っちゃう読書にはなってしまうんだけど。

さて、冒頭に二人の男性の純愛と書いたけれど、これは本編にもがっちり出てくる、ヤクザの山内練と、元刑事(この時点では、まだ現職の刑事)の麻生龍太郎の事。悪魔のような山内はなぜ生まれ落ちたのか、愛憎渦巻く山内と麻生の関係はなぜあんなにも縺れ合ったものになってしまったのか、その答えの殆どはここに描かれている。

ちなみに、タイトルの「聖なる黒夜」とは、山内が東日本連合会、春日組の幹部、韮崎に助けられた夜の事。聖なるバレンタインデーの夜が明ける頃、線路で始発を待っていた山内を助けたのは韮崎だった・・・。

勿論、ここで山内を助けるのが違う人物であれば、山内は「悪魔のような」男にはならなかっただろうし、更に遡れば、麻生と山内の二人の最初の出会いであった、あの事件さえなければ、ね。真面目な大学院生だった山内だけれど、誰もが悪魔のようになれる、そういう素質を持っているのか、それとも山内が特別だったのか??(ここでは、山内は無垢な中にも、元々そういった素質を持った、魔性の男っぽく描かれておりまするが)

しかし、周囲の色々な事情が描かれれば、描かれるほど、大学院生だった山内を襲った事件や、その後の付随する出来事は如何にも陰惨(取調べの中のあんな行為や出来事を忘れている麻生もどうかと思いますが。それともあれは封印していたの?)。そして、この後、誰も報われないまま、二人は恋に堕ちてゆくのよねえ。はーーー。白檀の甘い体臭を持ち、胸には蝶の刺青を持つ男、山内練。彼は他のシリーズでも活躍しているそうであります。
本編との関連で言えば、この後、周囲の忠告を思いっきり無視した静香嬢は、結局あんな目に遭っちゃうんだよなぁとか、何回か出てくる、安藤が女のことで失敗したというのは、ああ、緑子とのことね、とか。

文庫には短篇二本が収録されていて、立ち読みで読んじゃったんだけど、より遣る瀬無さが増すのでした・・・。不幸のスパイラルの中、それでも二人共に堕ちてゆくのは幸福なのでしょうか。たとえ、全てが遅すぎたとしても。

コメント

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1 ■キターッ、RIKOシリーズ!

いや~、もう大体にしてタイトルだけでお腹イッパイの
RIKOシリーズです(笑)
ビーナスとかダイアナとか、ちょっときつい。
といいつつ、全部読んでしまいました。
どうしてこうなってしまったの?!という
麻生と山内の関係がよく分かり、
読み応えのある1冊でした。
私はハードカバーで読んだのですが、
文庫に収録されているという短編が気になります。
あれかな、麻生と先輩が付き合ってるときで、
寮を出て一緒に住まないかって誘われるエピソードがありました?

2 ■>びー玉さん

おー、ネットにお帰りですー。
昨日はこれをアップするだけで力尽きたのですが、今日はびー玉さんとこに行こうと思ってたんですよ!笑 
このシリーズのこと、殆ど忘れ掛けていたのですが、びー玉さんとこでお見かけして、ちょっと再燃したのです。笑
やっぱり、でも、タイトルだけでお腹イッパイですよねえ。そうそう、ビーナスとかマドンナとかダイアナとか・・・。笑 私、ダイアナは、図書館でざっくり流し読んじゃいました。
「聖なる黒夜」は、本編よりも意外と読みやすかったかも。本編においても山内の存在感が大きかったからかなぁ。
え。そんなエピソードがあるのですか。それって、「所轄刑事・麻生龍太郎」ではなく? 
文庫の短篇は、逮捕される前の山内の日々と、練の姉と麻生が彼の故郷に行くお話でしたよー。びー玉さんも、立ち読み、どすか?笑

3 ■立ち読みします(笑)

あ、読んでない。
私が言ってたのは、警察小説競作の「決断」という文庫に
収録されていた作品です。
「所轄刑事・麻生龍太郎」ですね←調べた
誘われてましたよ、先輩に(笑)
シリーズ、ポツポツと書いてるんですね。

私も本編より読みやすかったです。
だってあっちは緑子犯されすぎなんだもん(笑)
いや、麻生もどうかとは思いますけどね・・・。

4 ■>びー玉さん

わたくし、「決断」の「大根の花」を、またえらくざっくり立ち読みしてまいりました。笑
なんつか、及川の麻生に対する執着も、長いものなのね・・・、と(嗚呼、そして報われないよ、及川)。「所轄刑事・麻生龍太郎」といい、RIKOシリーズ、なんか彼らにシフトしているような気も。笑
やっぱ、本編、RIKOが犯されすぎだからですかね。笑  あっちはいつそういう場面が出てくるのか、となんか安心して読めないですもんね。確かに、確かに。

そいえば、「決断」のような形のもう一冊(タイトル忘れた)では、乃南アサの「ボクの町」の聖大の短篇が載ってました。乃南さんも、音道貴子シリーズと、この聖大のが、割と好きです。

5 ■「鼓動」ですね

そちらも読みました。
全然感想書いてないんですけど(笑)
収録作品の中ではかなり長くて、読み応えありましたね。
「とどろきセブン」じゃなかったかな。面白かった。

「決断」収録って「大根の花」でしたね!
「所轄刑事・麻生龍太郎」は何に載ってたのかしら・・・。
あちこちに書いてあると、網羅するのが大変になりますね。
「フォー・ディア・ライフ」はまだ読んでないので、挑戦してみます。

6 ■>びー玉さん

おお、読まれてたんですね。
で、感想。笑 私は結構のっけてる方だと思うんですけど、それでもやっぱり取りこぼしている本があります。なんか、自分の中での波が終わってしまうというか。タイミングなど、難しいですよね。

そうそう、そんなタイトルでした!
流石にあれは、立ち読みでは辛いボリュームだったので、「あ、聖大だ!」とだけ思って諦めたんですけど。笑 図書館にもあるみたいだから、そこだけ読んでこようかなぁ、座って。笑

「所轄刑事・麻生龍太郎」は、新潮社の単行本ですね。短篇が散らばってるのも網羅するのに面倒ですが、シリーズがアメーバ的に増えていくのも、ちょっと苦労しますよね。笑 嬉しい悲鳴である場合もあるけど。
私も「フォー・ディア・ライフ」などのシリーズは手をつけてません。どっちが先かな?<競争なのか!笑
*トラバ返し、ありがとうございました。

7 ■「大根の花」

「決断」に収録されてた「大根の花」は
「所轄刑事・麻生龍太郎」にも入ってました。
こっちでも何度も及川は誘ってましたよ、マンション(笑)
誘いつつも、心からはなびいていない・・っていうか
もうだめだろ、みたいな雰囲気ぷんぷんで切ないのなんのって。
いつから及川はこんなに龍太郎にメロメロになっちゃったんでしょうねー。
でも龍太郎が考えていたほどには及川も割り切っていなかったんじゃないかな。
だから龍太郎が結婚するときに修羅場になったんじゃあ・・・など
いろいろ妄想というか想像が膨らみます(笑)
もはやミステリとしての事件なんてどうでもよくなりました。

8 ■>ミステリとしての事件

>びー玉さん
確かに最早どうでもいいですよね、この一連のシリーズ。笑
びー玉さん、『所轄刑事~』読まれてましたもんね。う、羨ましい・・・・、と思って見てました。笑
でも、山内が出てこないと知って、ちょっと自分の中で後回しになりつつあります。とはいえ、読んだら、及川に絆されたりするのでしょうか。やっぱり、及川の龍太郎に対する執着は、凄いんですよねえ。ほんと、きっと、全然割り切れてない。笑 龍太郎、恐ろしい子!笑

私、あの後、『フォー・ディア・ライフ』と『フォー・ユア・プレジャー』は、図書館で飛ばし読みしたんですよ。でも、ここに出てくる山内は意外とイイ人で、ちょっと物足りなかったかも。お話としてはどうかと思うけど、RIKOシリーズの酷薄な感じが、やっぱり山内の魅力かもしれません。で、『聖なる黒夜』が一連の中で、一番いいのかな、と。今後は、どういう風に展開していくんですかね、このシリーズ(そして、やっぱり『所轄刑事~』も読もう。ああ、なんだかんだで嵌まっているRIKOシリーズ。笑)。

9 ■いや、読むべきよ~。

確かに山内は出てこないけど、読んでおいた方が
さらにしみじみできます!(笑)
ああ、こんなこと考えてるけど今後あんたは・・・みたいな感じで
もだえそうになりました(私、BL愛好家じゃないんですけど)。
それにしてもRIKOの魔性っぷりも凄かったけど、
実は龍太郎の方が魔性のオトコかもしれません。
ほんと、恐ろしい子・・・!(笑)
真面目なだけに、怖いです。
「聖なる黒夜」の文庫を探さないと。
まだ短編読んでないんです。

10 ■>魔性の・・・

>びー玉さん
そっか、しみじみできますかー。笑 ああ、もう、すっかりあの世界に取り込まれてますよね、私たち(私もBL愛好家じゃないんだけどなー。笑)。
RIKOよりも、更に無意識なだけ、龍太郎の方が恐ろしいかな。山内練の魔性っぷりは、いうまでもないことだし。笑 なんか、人の人生狂わす人がてんこ盛りですよね、このシリーズってば。

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