「魔法の本棚シリーズ」
テーマ:雑記(リンク付き)というわけで、読んだ順に並べて、ちょっと整理しておこうかと思います。
訳者の南條さんと、表紙絵の綺麗さに惹かれて借りてきた「幽霊船」が、このシリーズとの出会いでした。「幽霊船」は、全編、程よい感傷と疎外された感受性と、それでも尚強い自分の中での自信のようなものを感じる、ちょっと習作のようでもある短編集でした。表題作の「幽霊船」が良かったです。
◆リチャード ミドルトン, Richard Middleton, 南條 竹則 「幽霊船 」
「奇妙な世界の片隅で 」のkazuouさんに、これがシリーズの内の一冊であることをお聞きして、更にこのシリーズを読み進めてみることにしました。「魔法の本棚」というシリーズ名が、これまた魅力的ではないですか。
◆ロバート エイクマン, Robert Aickman, 今本 渉 「奥の部屋 」
・・・・朧に正体が見えかけた、と思ったところで、話がすとんと終わってしまう、尾を引くストレインジ・ストーリーたち。
◆H.R. ウエイクフィールド, H.R. Wakefield, 倉阪 鬼一郎, 西崎 憲, 鈴木 克昌 「赤い館 」
・・・・これぞ怪奇小説という、薫り高い物語たち。
◆アレクサンドル・グリーン, 沼野 充義, 岩本 和久 「消えた太陽 」
・・・・超自然的なもの、人間の心の中に潜むもの。それらがある種の透明さを持って語られる。これまで親しんできたような所謂幻想的な物語とは一味違うけれど、やはり幻想的な物語たち。
◆ヨナス リー, Jonas Lie, 中野 善夫 「漁師とドラウグ 」
・・・・ノルウェーの民間伝承が元になっているようだけれど、泥臭さをほんの香り程度残した、適度に洗練された物語たち。
◆A.E. コッパード, A.E. Coppard, 西崎 憲 「郵便局と蛇 」
・・・・キリスト教に関わるもの、村を舞台にしたもの、恋愛小説的なもの、ファンタジーなど、種類は色々あるけれど、ファンタジーのかっ飛び具合が素晴らしい。
kazuouさんも仰るように、このシリーズはどうもマイナーなようなので、読んでおられる方もあまりいらっしゃらないかもしれないけれど、六冊が六冊ともバラエティに富んでいて、また中にはこれまで読んだことのなかったような物語も含まれていて、楽しい読書体験をする事が出来ました。
並べてみると表紙も綺麗♪ 濃色を背景にしているのは共通しているけれど、それぞれ、工夫されている感じがするなぁ。
いや、しかし、出版社別カテゴリーにする事を決めたとき、まさか自分が国書刊行会の本を六冊も読むとは思いもしませんでした・・・。国会図書館と国書刊行会をごっちゃにしてるくらいだったのにさ。











1 ■マイナー三昧
それにしても、ほんとうに全冊読破はすごいですよ。アンソロジーにぽつぽつとしか訳されてないような作家をつぎこんだシリーズですしね。でも、最初に読んだのがミドルトンで幸いだったかもしれません。これがエイクマンだったら、後を読む気が起きなかったかも…(笑)。実のところ、僕もエイクマンはつらかったです。
マイナーな翻訳小説を追っていると、国書刊行会というのは、いずれ突き当たる出版社かと。採算度外視かと思われるくらいの、マニアックなセレクション、凝った装丁と、個人的に一番好きな出版社です。ちなみに、国書から来年刊行予定の〈短編小説の快楽〉シリーズも、非常にマニアックな短編シリーズのようなので、楽しみにしています。
あっ、あと試しにトラックバックしてみたら、できました。アメブロ、改善されたんでしょうか。