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2006-12-14 23:52:04

「漁師とドラウグ」/海と風と、魔物と

テーマ:国書刊行会 
 
ヨナス リー, Jonas Lie, 中野 善夫
漁師とドラウグ  

目次
漁師とドラウグ
スヨーホルメンのヨー
綱引き
岩の抽斗
アンドヴァルの鳥
イサクと牧師
風のトロル
妖魚
ラップ人の血
青い山脈の西で
「あたしだよ」
訳者あとがき

訳者あとがきから引きますと、「本書は北欧の国ノルウェーの海と森と山を舞台にトロルや海底の死人の王や風を売る妖術師らが活躍する幻想と怪奇に満ちた物語集」。うーん、この説明はほんと過不足ないな。

色々なこの世ならぬものが出てくるのだけど、繰り返し出てくるのが、「ドラウグ」という魔物。同じくあとがきから引きますと、「民間伝承に登場するドラウグは、姿は頭のない男の格好をし、頭の代わりに海草の塊を載せていることもある」らしい。ドラウグは難破船を操って航海をし、このドラウグに海の上で出会ったものは、近いうちに溺れて死ぬのだという。まさに北の海に相応しい魔物。そうだなー、タニス・リーの「
ゴルゴン―幻獣夜話 」に収録されていた、「海豹」における、海の民シールスを思い出した。

ノルウェーの民間伝承が元になっているようだけれど、泥臭さをほんの香り程度残した、適度に洗練された物語。「漁師とドラウグ」、「風のトロル」のような容赦の無い結末を迎えるものから、どこか滑稽味のある「あたしだよ」のような物語まで、幻想的な物語を楽しんだ。一つ一つの物語については書かないけれど、「魔法の本棚」シリーズの中では、本書が一番読み易くて、自分がこれまで親しんできたものに近かった感じ。

挿画もいい感じ。ちょっとおっかないような絵なんだけど、この幻想的な物語には相応しい。

コメント

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1 ■民間伝承系

にも弱いんです。
こっちも気になります。

2 ■あと一冊!

これは、物語的な要素が強くて、楽しめました。
ヨナス・リーは、『ロアルド・ダールの幽霊物語』(ハヤカワ文庫)というアンソロジーが以前邦訳されたときに『漁師とドラウグ 』が入っていて、それが初読でした。まさか短編集が出るとはおもいませんでしたね。
つなさんの書かれているように、民間伝承を扱っていても「適度に洗練された」感じが好ましいです。
とうとう、これで『魔法の本棚』もあと一冊ですね。えーと、コッパード『郵便局と蛇』ですか。これは寓意が強くて、よくわからないものもあるのですが、とても素敵なファンタジーが含まれてます。個人的にはこのシリーズの中で、一番好きな作品かも。

3 ■>bookbathさん

ふふ、こちらも気になりますか? 
このシリーズ、全部記事を上げたら、総括もどきを付けようかなぁ、と思うんですが、人によっていいと思うものも違うかも。
シリーズの中では、これが一番読みやすかったです。

4 ■>kazuouさん

そう、後一冊まで辿り着きました!笑 なんか、kazuouさんに応援されて、読み進めた感じがします。笑 ありがとうございます♪
シリーズの中で、怪奇小説してる「赤い館」を除けば、これが一番オチもストーリーもあって、物語していましたね。だから、私にとっては一番読みやすかったのかも。
「ロアルド・ダールの幽霊物語」も気になります。「漁師とドラウグ」が入っていたということは、他のものも面白そうです。
バリバリの民間伝承のまんまでもなく、完全に洗練して土臭さを消し去っているわけでもなく、バランスがちょうど良かったように思います。
記事はまだなんですが、「郵便局と蛇」も読みました! これもまた不思議な味わいでしたねえ。kazuouさんの仰る「素敵なファンタジー」は、あの中のどれなのかなぁ。しばらくしたら、記事を上げるつもりですので、そのときにまた教えてくださいね♪

5 ■面白そう!

「トロルのなみだ」も素敵だなあと思ったんですが
こちらの本も楽しそうですねえ。ぜひ読んでみたいです。
kazuouさんとのやりとりを拝見していたら
私も魔法の本棚シリーズの読破を目指したくなってしまったし…
…って、まだ1冊も読んでないのに。(笑)
とりあえず最初の1冊はこれにしますね。^^

「太陽の東 月の西」をパラパラとめくってみたんですが
やっぱりドラウグという名前は出てきてないみたいです。
(見逃してるだけかもしれないけど)
でもその中の「白い国の三人のおひめさま」という話で
魚が獲れなくて困ってた漁師が、「水の中からぽっかり頭をだしたもの」に
「おまえのおかみさんの、帯の下にあるものをくれるなら、
たくさんの魚をとらせてあげよう」と言われる場面があるです。
もしかしてこれがそうなのかなあ、なんて思いました。
違うかなあ。(笑)

読めたら、またご報告にあがりますね。^^

6 ■>四季さん

いらっしゃいませ&トラバ返しもありがとうございます♪ (ブログ会社の関係で、「最近のトラックバック」欄がなくなっちゃったんですが・・・、ああ、無念)

「トロルの涙」も、素敵な絵本でしたよ~。
多分、ノルウェー繋がりで借りてきたのだと。

魔法の本棚シリーズは、結構癖のあるもの、マイナーなものも多いのですが、その土地ならではの物語があるように思って、私は好きでした。
私の魔法の本棚シリーズの第一冊目は、訳者の南條竹則さん目当てで読んだ、「幽霊船」という本です。で、この本についてお話したい~!と思っていたら、kazuouさんのブログに辿り着いたのです。なので、このシリーズを読まなかったら、kazuouさんとも出会わなかったわけで。
大恩あるシリーズといえるかもしれません。笑

わー、「太陽の東 月の西」の中でも、調べてくださったのですね。
その「水の中からぽっかり頭をだしたもの」ってドラウグっぽいですねえ。「ドラウグ」なんて聞きなれない名前だから、そんな説明的な文章になっちゃったのか?笑 

はーい、では、四季さんの感想を楽しみに待っております♪

7 ■無題

つなさん、こんにちは!
ヨナス・リー読みましたよ。
ドラウグ、すごく独特な魔物ですね。
ノルウェーといえばトロルしか知らなかったので
こういうのもいたのかとびっくりしました。
でも、つなさんが書いてらっしゃる通り、
「泥臭さをほんの香り程度残した、適度に洗練された物語」ですね。
それは読みながら、ほんと実感しました。
「太陽の東~」とはちょっと違います~。(これはこれで好きですが)

あ、それと恒川光太郎さん、読まれたんですね。
私、「夜市」が大好きなんです。去年のベスト3に入れたほど。
ぜひぜひ、読んでみて下さいね!

8 ■無題

すみません、ちょっと言葉足らずだったので
補足させてくださいね。
「これはこれで」というのは、「太陽の東~」のことです。

「太陽の東~」も「漁師とドラウグ」、どちらも好きです♪
「太陽の東~」は、ほんと民話集って感じだし
ヨナス・リーは幻想的で怪奇的な作品なので
比べにくいんですけどね。(笑)

9 ■>四季さん

いらっしゃいませー。
私も今、四季さんオススメの「迷宮レストラン」と「ケルトの木の知恵」を眺めて、ニヤニヤしています。笑

「漁師とドラウグ」、読まれたんですね!
やっぱり、色々読んでらっしゃる四季さんから見ても、ドラウグは独特ですか? 私が知らないだけかなぁ、と思ってしまいました。笑
ちょっと気持ち悪いけど、いかにも北の海!って感じですよね。

そうか~、「太陽の東~」はもっとバリバリに民話なのですね。「漁師とドラウグ」の方は、割と「おはなし」してましたよね。
(丁寧に補足いただき、ありがとうです)

恒川さん、読みました!
わー、では、「夜市」も楽しみー♪

トラバ、ありがとうございました。この後、お返ししますねー。

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