2006-11-06 22:08:33
「奥の部屋」/ストレインジ・ストーリー
テーマ:国書刊行会
- ロバート エイクマン, Robert Aickman, 今本 渉
- 「奥の部屋
」
「幽霊船」 と同じ、<魔法の本棚>シリーズの内の一冊。我が図書館にあるのは、残り「赤い館」のみ。もそっと探してみなくては。
目次
学友
髪を束ねて
待合室
恍惚
奥の部屋
一番、分かりやすいのは「奥の部屋」かなぁ。
幽霊の正体見たり枯れ尾花、という言葉があるけど、もしも幽霊の正体が見えなかったら・・?、という感じ。
どの話においても、朧に正体が見えかけた、と思ったところで、話がすとんと終わってしまう。だからこそ、尾を引くストレインジ・ストーリー。怪奇、幽霊小説でもあるのだろうけれど、恐怖を感じると言うよりは、あくまでも受ける印象は「奇妙な」というのが相応しい。
このことをきっちり表現しているのが、訳者あとがきにある文章。
僕はここで、「存在の仕方の変化」ということを話題にしたい。エイクマンの物語において、主人公はたいてい現代の、教養も分別もある人物である。かれらは奇妙なできごとに出会っても決して理性を失うことなく、比較的冷静に振舞い続けるが、最後には(理性は失わないまま)以前の自分とはどこか違った存在になって、そこで物語が唐突に終わる。エイクマンの作品には落ちらしい落ちがないとすでに書いたけれど、敢えてしめせば、この「存在の仕方が変化」する瞬間がそれに当ろうか。
独特の味わいと、自分の心の中の変化を楽しむような、ちょっと風変わりな短編集。
*臙脂色の文字の部分は引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡下さい。











1 ■難解!
エイクマンは難しいというか、難解というか、本当につかみどころのない作品を書きますよね。何回読んでもよくわからない、というか何回も読む気がしない(笑)!
強いて言えば、『奥の部屋』がいちばんわかりやすい部類だったでしょうか。エイクマンはアンソロジーなどでけっこう読みましたが、面白く読めた覚えのあるのは『鳴り響く鐘の町』(ハヤカワ・ミステリ文庫『ロアルド・ダールの幽霊物語』収録)ぐらいですね。
ちなみに、ウエイクフィールド『赤い館』はかなり気色の悪い怪奇小説集なので要注意!(個人的には好きですが)