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2006-05-29 19:36:11

「桜宵」/広がる北森ワールド

テーマ:講談社
北森 鴻
桜宵

東急田園都市線三軒茶屋の駅から商店街を抜け、いくつかの路地の闇を踏みしめたところにぽってりと等身大の白い提灯が浮かぶ。それが、この《香菜里家(かなりや)》の目印である。決して立地条件がよいわけでもないのに、客足が途切れないのは、ここをさながら隠れ家のように愛してやまない人々が数多くいるためだ。

この本は、このビアバー香菜里屋を舞台にした短編集。

目次
十五周年
桜宵
犬のお告げ
旅人の真実
約束

「旅人の真実」、「犬のお告げ」を除けば、殺人事件だって出てこないし、所謂、昨今流行の日常の謎的ミステリー。常連客がふと漏らす不思議、謎を、その時店にいた、他の客がやいのやいの言い、店主・工藤がそこに一筋の道をきっちり付ける(約束」のみ、舞台は香菜里屋ではない)。

店主の工藤は安楽椅子探偵でもあり、食事を供し、一歩引いた態度である所からいうと、アシモフ「黒後家蜘蛛の会」の給仕ヘンリーを思わせる。

「少し変わった物を作ってみたのですが、という言葉と共に出される、彼の創作料理も魅力的。

広がる北森ワールドとしては、「たまに来る民族学の先生」というのは、蓮丈那智 のことであろうし、その縁で冬狐堂 とも繋がっているはず。

読んでいて気になったのは、工藤とはまた異なる個性のバーマン、香月の池尻大橋近くにあるという、茶室をイメージして造られたというお店。これもまた、どこかの作品で出てきたりしているのかなー。色々と繋がっている北森ワールド。油断がなりませぬ。

北森作品は新しい物の見方や、物凄く新鮮な文体を見せてくれるわけではないのだけれど、質の高い粒の揃ったものを出してくれる、安心感のようなものがある。
これだけ読んでると、頭が偏るようにも思うけど、気楽に読むのに私には適している感じ。

この本も、いくら控えめにしているとはいえ、ビアバーの主人がなぜ謎に首を突っ込む!、とか、常連が色々口を突っ込んでくるお店は嫌よ、などないでもないけど、そこの所はお約束で目を瞑って、作中で工藤に料理を勧められるように、黙って北森さんの紡ぐ物語を味わった。

 ← こちらは文庫

*臙脂色の文字の部分は本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。

コメント

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1 ■面白そう!

このお話も面白そうです。
図書館に行っても蓮丈那智シリーズが無いんです(涙)
この工藤さんって、私が読んだ「メインディッシュ」の料理好きのミケさんにそっくりなんですが・・・名前が違うような気がします。
作品同士がリンクするのに、かなり弱い私。北森さんの作品は色々読んでみたいですね。

2 ■一太郎書店

仁吉
「ん?深刻な顔だねぇ」

妖一同
「仁吉さん。今日入荷するはずの若だんなの新刊「うそうそ」が1冊も配本されなくて。」

仁吉
「なんだって!?」

鈴彦姫
「アマゾンは46位、bk1で1位の本がないなんて一大事だ。」

~つな参上~

仁吉
「ちょっと困ったことが起きたんだよ、若だんなの本が...ん!?」

屏風のぞき
「つな。その右手にあるのは若だんなの最新刊じゃないか!!」

妖一同
「どういうことなんだ」

つな
「あ、こ、これはですねぇ、その、ブ、ブ、....」

仁吉
「さてはブックオフで買ったね!!よこしな!」

つな
「ひぇ~」

仁吉
「どれ、ん?ブックオフの仕組みでは新刊は105円で買えないのになんで買えたんだ!」

鈴彦姫
「さてはサービス券だね。前日お財布からレシートの束が入っていたのが見えたねぇ。もしや全部使って105円というわけかい!!」

屏風のぞき
「しかもその後のその本の行き先はもうわかっているよ。アマゾンに出品だね。」

仁吉
「なんだって!! 若だんなの本を利用して利益を出すとは。いいかい、私たち妖は若だんなの生命財産をお守りするという使命があるんだ。若だんなあっての私たちなんだからその辺をしっかりしてもらわないと!」

つな
「いえ...実は、実は
ハリーポッターを売ったお金で買ったんです。2200円で買ってくれるっていうんでついつい甘い言葉につられて.....それに売ったらサービス券発行してくれるし、しかもその日は雨でポイントが2倍サービス!!」

仁吉
「まったく若だんなにどう説明したらいいのか...あ、若だんなだ。みんなこのことは若だんなには内緒ということで頼むよ。」

妖一同
「へい。」

ヒラヒラ~

若だんな
「...バタッ」

仁吉
「若だんな!!ん、なんだこの紙切れは。 こ、これはブックオフサービス券。ということは、  
つなぁぁぁ!!」


つな
「すみません.....財布のひもがゆるくて....」

妖一同
「意味が違うわっ!!

3 ■>喋喋雲さん

そうそう、私も喋喋雲さんとこの記事を思い出しながら読みました♪
蓮丈那智シリーズないんですね・・・。冬狐堂もそうですが、途中までは文庫化されているんじゃなかったかなぁ。せめてそちらでも見つかるといいですね・・・(うちの図書館は逆に「メインディッシュ」がないし、そろそろ図書館の北森作品、読みつくしそうです。笑)。

4 ■>一太郎書店takam16店長さま

ハリポタは売らないんだい!笑 最終巻が出たら、またじっくり最初から読むのだもの。

「うそうそ」の新聞広告を見ましたよ。一太郎坊ちゃまは、とうとう今度は旅に出られるのだとか。
倒れないように気をつけてくださいね~。

で、せっかくのこの劇場。うちのコメントだけでは勿体無いです!笑(この間は、rizwordsさんも楽しまれていたようだし)
Kyokoさんとこで、バカンス中♪と見ましたが、そろそろ復帰しては如何ですか~。笑

5 ■ふふふ

楽しんでました。
記事はもちろんコメントも楽しいつなさんち(笑)。

6 ■>rizwordsさん

あはは、来てくださる方々の御蔭です♪ rizwordさんのコメントも勿論楽しみです♪
(takam16さんは、また更に「劇場」になってますよね~。笑)

7 ■うふふ。

冬狐堂は、ありましたよ!
先週借りてきました。面白かったぁ。こうなるとホント制覇したくなります。次に狙うは「蓮丈那智シリーズ」です。
こっちの図書館にはメインディッシュ2冊ありましたよ(笑)上手くいかないもんですね。

8 ■>冬狐堂♪

>喋喋雲さん
おー、あったのですね! そして、「面白かったぁ」とのこと、やったー!笑 ねー、制覇したくなるのですが、著作が多すぎて、どうなっちゃってんだか・・・。諦めて、せめて文庫は買っちゃおうかなー。
そして、「メインディッシュ」。わーん、こっちにはありませぬ。笑 まじで、図書館の北森さん、あと少しで制覇してしまいそうです(恩田さんも後ちょっとなんだけど)。

9 ■TBさせていただきます。

「那智」シリーズとリンクしているんですね。ちょっと「那智」シリーズも気になってたんで次はそっちに挑戦してみようかな。

10 ■>ramaramarさん

初めまして!
丁寧にコメントありがとうございます♪
北森ワールドはあちこちがリンクしているので、油断なりません。笑 そのほかにも、冬狐堂シリーズも微妙にリンクしています。
蓮杖シリーズは、民族学がバリバリで、論理も割りと飛躍するので、ちょっと好みが分かれるかもしれません。お近くにございましたら、どうぞ~。

11 ■気付かなかった!

>「たまに来る民族学の先生」というのは、蓮丈那智 のことであろうし
しまった、見逃した(笑)
でもあのシリーズはちょっと苦手なんですけどね~。
こっちは大丈夫だったので、続きも読みたいです。
しかし最寄の図書館に揃っているかどうか・・・(汗

12 ■>びー玉さん

四つ星の評価の意味を、全く分かってなくって、ゴメンナサイ。汗 大丈夫だったとのこと、良かったです~。
うんうん、北森さんの世界はあちこちで繋がっているので、他にも骨董業界を舞台にした、「冬狐堂」シリーズとも繋がってますよ。でも、「冬狐堂」は「蓮丈」シリーズに近いかも。
最寄の図書館に揃っているといいですね! 香菜里屋シリーズの一作目は、「「花の下にて春死なむ」です。
*トラバ返し、ありがとうございます♪

13 ■ショック!!

1作目って「花の下にて・・・」の方だったんですか?!
うわ~、勘違いしてました~(泣)
できれば順番に読みたかった・・・・
でも3作目まで図書館にあることを確認したので、楽しみです。
冬狐堂シリーズは、蓮丈シリーズより大丈夫でしたが
香菜里屋の方が好みです。

14 ■>びー玉さん

うわー、ごめんなさい、私の紹介の仕方が悪かったですね。私も2→1→3の順番で読んじゃったのですが、特に問題はなかったように思います。
というか、1は短編の一作目が何だか生臭いし、工藤の造詣もまだこなれてない感じがして、あまり好みではありませんでした。う、でも、きっと順番どおりに読みたかったですよね。汗
でも、ばっちり図書館にあったのですね! 感想を楽しみにしています。

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