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2006-05-03 18:21:56

「過去カラ来タ未来」/アシモフが見た“過去の未来”

テーマ:その他の出版社
 
アイザック アシモフ, 石ノ森 章太郎
過去カラ来タ未来  
パーソナルメディア

ここに一組のカードがある。それは、1899年に西暦2000年の生活を想像して描いたシガレット・カードなのだという。

1900年、フランスで開催された万博で配布される予定であったのに、カードが配布される前に、製作に関与していた玩具会社が廃業に追い込まれてしまったのだそうだ。プロジェクトは全て潰れてしまったが、一組のカードだけが、そこに残った。

これは「名雑文書き」であるアシモフが、興味を持ったこのカードの内の多くを、複写して紹介してくれる本。

監修者である石ノ森章太郎氏が書かれる様に、「無名画家の、ともすれば消失していてもおかしくない“空想画”に対するアシモフの眼は、ユーモラスで温かかったり皮肉っぽく辛らつだったりする。遙かな未来の、とてつもない空想話(デタラメ)を書くSF作家かと思うと、UFOなどは信じませんという、冷徹な科学者でもあるアシモフの両面が、そこに現れている」本でもある。面白かったよ。アシモフが語る「未来主義者」の定義も面白い。

紹介されたカードのうち、飛ぶものの比率がとても高くて、当時の人たちは飛行機に多大な期待を寄せていたのだろうなぁ、と思う。といっても、大勢を運ぶジャンボ機のようなものは想像できなかったらしく、一人一人が身軽に飛行機で飛んでいるような感じ。このカードの中で、大勢の人たちを運ぶのは、気球と船が合体したようなもの。西暦2000年を迎えても、階上の窓辺に直接郵便を手渡してくれる郵便夫や、飛びながら消火活動する消火夫、空のカフェ(飛行機に乗りながらのドライブスルー?)なんかは、出来なかったけれど、こういう想像をしていたんだなぁ、と眺めるのは楽しいこと。こう、車の運転が苦手な私からすると、ドラえもんのタケコプター状のものが出来るといいな~、と思うんだけどね(ま、これじゃあんまり、荷物は持てないか・・・)。

その他、未知の世界、深海についても、なかなか楽しい想像がなされている。とはいえ、想像力の限界があるのか、人々の衣服は当時そのままだったりするんだけれど。海の底で裾を引きずるスカートってどうなんでしょう・・・。

今から、100年後の世界はどうなっているのだろう。
普通に宇宙に行ける様な時代になっているのかなぁ。

*臙脂色の文字の部分は、引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。


【余談】
ちょうど、パリの万博を描いた物語といえば、帚木 蓬生 の「薔薇窓」という本がある。「音奴」についてはうーむ、と思うのだけれど(というか、帚木氏の描く女性像は、時々理想化され過ぎていて、ついていけない)、こちらもまた当時の雰囲気を知る意味では面白い本。

 
帚木 蓬生
薔薇窓  

コメント

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1 ■薔薇窓

「G・Wが終わりつつ・・・社会復帰したくないっっ」
(失礼しました、つなさんをずっと専業主婦だと思っていましたので、「GWお散歩写真」で”社会復帰”という文字に反応して、つい大草原の小さな我家で叫んでしまいました。)

>帚木 蓬生 の「薔薇窓」
この小説は内容うんぬんというよりも、著者の文章表現の巧みさと筆力に圧倒された記憶があります。
そういう意味では、辻邦夫や平野啓一郎の流れに近いと思います。最近は、このような教養小説が少なくなった気がして残念です。
「音奴」は理想的な女性ですけれど、主人公のセラーグもまた理想的な男性像だったと思います。未来への希望にきらきらしていたパリ万博のイメージに、その理想的な人物像が重なったこの時代の特徴を、帚木 蓬生 氏の作品の中で最も浪漫性の高い小説です。

それにしても、この本の表紙はインパクトが大きいですね。

2 ■薔薇窓2

文脈が変でした。

>重なったこの時代の特徴を、帚木 蓬生 氏の作品の中で最も浪漫性の高い小説です。

→重なったこの時代の特徴を緻密な描写で描き、帚木 蓬生 氏の作品の中で最も浪漫性の高い小説です。

ごめんなさい、訂正しました。

3 ■>樹衣子さん

樹衣子さんはGW、いかがお過ごしだったのでしょうか。お帰りなさい♪

>つなさんをずっと専業主婦だと思っていましたので
あははー、そうですよね。ブログを始めてからはずっとそうだったのですが、暫く前から働きに出ております。

樹衣子さんは、帚木氏の小説を良く読まれているのでしょうか。私は初期の医療物は良く読んでいたのですが、最近はこの薔薇窓意外、暫くご無沙汰です。うんうん、でもあの格調といい、何となく浪漫を感じさせられる作家さんです。
最近、氏の小説をあまり読んでいなかったのですが、また読んでみたいなぁ、と思っています。
教養小説という言葉も確かにぴったりです!(辻邦夫氏は途中挫折、平野啓一郎は未体験です)。

薔薇窓については、なるほど、時代背景と描写、登場人物の妙もありましたか。この本の表紙は、文庫の上巻がまんま「薔薇窓」だったのですが、こちらの方がいいなぁ、と思ったので、単行本の方を載せました。

(丁寧な訂正までありがとうございました!) 

4 ■帚木氏の小説

ただいまです。
お仕事を始められたのですね。なんとなくつなさんは家庭にしまっておきたかったなんて、つい余計なことを思ってしまいました。

帚木さんの小説は殆ど読んでおります。そのすべてにはずれがないことに気がつき、あらためて優れた作家だと感じました。ブラームスの作品には、無駄な音符がないと語った方の言葉を思い出しましたが、帚木さんの文章もそうですね。
医師という職業の影響もあるのでしょうか。新作が待たれます。

5 ■>樹衣子さん

帚木さんの小説、殆ど読んでおられるのですね。確かに無駄な文章は無いかも。厚さも結構ありますが、他の本よりも読むのに時間が掛かる気がします。高潔な感じを受ける文章ですよね。
テレビマンから精神科医に転身されたのですっけ。経歴も興味深い作家さんですよね。

バリバリと、というわけではなく、ゆるゆると仕事してます。笑 なので、実はそんなに変わってないかも・・・。

6 ■読みましたよん♪

つなさん、こんにちは~。
読みましたよ! というより「眺めました」かな?
もちろんアシモフの文章は全部読みましたが。(笑)
いやあ、楽しかったです。
ほんと、ジャンボ機みたいなのを想像できなかったって
ちょっと不思議なぐらいですね。
鯨の大型バスはあるのに。(笑)
それとも、想像はしたけど、それよりも個人飛行を取ったのでしょうか?(笑)

こういう本の一番の醍醐味って
眺めながら自分の100年後の世界を想像することかもしれないですね。
私が想像した世界なんて、アシモフに失笑されそうですが…(笑)

7 ■>四季さん

わーい、四季さんも楽しまれたようで、何よりです♪
ええ、これ、「眺めて」楽しむ本ですよね~。
こ、こんなのを想像してたのか、とめくりつつ、アシモフの突っ込みに笑いつつ。
ジャンボジェットだと絵的に、面白くなかったのですかねえ。
そもそも、そんなに人がいっぱいいることを想像出来なかったのでしょうか。

四季さんは100年後の世界、どんなものを想像されましたか?
私もアシモフの厳しい突っ込みには、耐えられそうにありません…。笑

そうそう、そういえば、全然関係ないですが、北森さんの「香菜里屋」シリーズ、完結編が出たみたいですね。淋しいような、早く読みたいような。
ま、私は図書館狙いなので、読めるのはまだ先になっちゃいそうですが。笑

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