つな
おすすめの100冊(amazon)

(bk1)

にほんブログ村 本ブログへ





Google

WWW を検索
ブログ内検索

フィードメーター - 日常&読んだ本logあわせて読みたい
2006-04-14 20:48:00

「ニシノユキヒコの恋と冒険」/とめどないこの世界の中で

テーマ:新潮社
川上 弘美
ニシノユキヒコの恋と冒険

目次
パフェー
草の中で
おやすみ
ドキドキしちゃう
夏の終りの王国
通天閣
しんしん
まりも
ぶどう
水銀体温計

十四歳の西野少年は、全てを受け入れ、全てを拒むようなキスをする少年であり、長じて彼は、上司である年上の女性を縫い止め、奪うような大人の男性となった。獲物をとらえるときの獣は、凶暴でありながら、優雅で無駄のない動きをする。そういう意味で、ユキヒコは獲物を駆る獣のようでもあった。

ニシノユキヒコ、西野幸彦氏は一般に言うならば、女性にもてるプレイボーイ。一連の短編は、全てニシノユキヒコの恋を描いたものであり、様々な時系列の女性との出来事(時にそれはクロスする)が、彼に関わった女性の視点で語られる。

ユキヒコは「おやすみ」の真奈美の言葉を借りると、「こわがりやのユキヒコ」であり、優雅に女を扱う事が出来、凶暴にもなれるというのに、女の子を好きになることが出来ない。一時的にある女性に傾倒することは出来ても、やはり時が来れば飽いてしまう。彼が女の子にもてるのは、なめらかな無関心でもって、優雅に事を運ぶから。しかしながら、本当の彼はどこかぎくしゃくとした人間でもある。

それを愛しく思ってくれた女性もいたし、彼がどこかぎくしゃくした人間となった遠因を知って、彼から逃げてしまう女性もいる。また、ユキヒコの持つ闇に全く気付かない女性もいる。ユキヒコも大概ずるい人間なのだけれど、彼が付き合った女性の中にも、彼のいいところだけ、美味しいところだけを味わった女性もいるのかもしれない。

とはいえ、ユキヒコは彼が出会った全ての女性が、幸せを祈らずにはおられないような男性である。ユキヒコの生涯は幸せだったのか。形は結ばなかったかもしれないけれど、私は幸せな一生と読んだ。

とめどないこの世界の中で、ニシノユキヒコの恋と冒険は実を結んだのか。誰よりも器用に生きながら、どこか戸惑った、迷子のようだったユキヒコ。全編読むと、またこの順番も味わい深い。最初に戻って、じんわりと読みたくなる。

さて、この本には様々なタイプの女性が出てくる。自分だったらどの短編のどの立ち位置にいるのかなぁ、としばし考えた。うーん、私は「通天閣」のタマちゃんかなぁ。友達の昴と「ニシノ」との恋を、「ニシノ」に惹かれ、昴を心配しつつ、何だか気に入らないなぁ、と隣でじっと見ている彼女。素敵なのは、「おやすみ」の真奈美さんと、「夏の終りの王国」の例なんだけど、ま、私はこんなにクールにはなれません・・・。

コメント

[コメント記入欄を表示]

1 ■一太郎

「通天閣」のタマちゃんもいいけれど、
薬種問屋の一太郎もお願いしたいものだねぇ~。


妖一同
「若だんなのいうとおりだ!」

2 ■>一太郎takam坊ちゃま

いやー、そこまでなかなかたどり着かず。笑
世に読みたい本は山ほどあるもんですなぁ。takam16さんは、「しゃばけ」シリーズ、記事にしないのですか?てか、だから、復帰は?!笑

3 ■ユキヒコさん

味わい深い作品でしたね。私も、この短編の順番がとっても好きでした。
ニシノユキヒコはつなさんの仰るように幸せだった気がしてきました。私は、自分の記事では哀しい人だと書きましたが、うん、きっと幸せだったんだと思います。全編を通した暖かい雰囲気。こんな世界に生きていたユキヒコさんはきっと幸せだったに違いありません。
私は、やっぱり真奈美さんが好きだったなぁ。不器用なのに器用な恋をしてしまう大人の恋。素敵でした。ドキドキしちゃうの主人公(名前忘れました)の子もとても可愛らしくて好きです。タマちゃんは複雑な子ですね。彼女の心の変化がとても面白かった。タマちゃんの微妙な恋心ってアンバランスで魅力的。タマちゃんもいいなぁ(笑)。
TBさせてくださいな。

4 ■>喋喋雲さん

トラバありがとうです!この後、つなげさせてくださいね~。今度は「センセイの鞄」を読みたいなぁ、と思っています。あれも普通の恋愛小説とは違うのかなぁ。
全編を通して良かったな、と思ったのが、みんな「ユキヒコ」の幸せを願っていた事。それが独特の暖かさにつながっているのかなぁ、と思いました。
やっぱり、真奈美さんかっこよかったですよねえ! 真奈美さんのフレーズで印象に残っていたのが、「恋をするとき、人はその相手を甘く見ている。自分はユキヒコを甘く見ることが出来なかったけれど、ユキヒコは自分を甘くみていた」(文、ちょと適当ですが)というもの。甘やかな痛みを感じました。
う、ドキドキしちゃう、つい先日読んだばかりだというのに、私も名前が・・・。笑 タマちゃん、お好きですか。笑 なんか、この奥手というか、じっと観察しているところとか、妙に共感してしまいました。笑

5 ■幸せだったのかもね

お、私も真奈美さんファンですよ。「おやすみ」は切なかったですもんね~。いい女でいるのもたいへんなのね。「ドキドキしちゃう」の子は、「おやすみ」にでてきた子ですよね?同じ場面を違う視点から描いてたのがおもしろかったです。真奈美さんの心とは裏腹なクールな態度が実は一方の女の子を打ちのめす。人の心は見えませんものね。
たしかにみんなに幸せを願ってもらえるニシノくんは幸せ者なのかも。

6 ■>まんぷくガールさん

トラバ返し、ありがとうです。
やっぱり、真奈美さんいいですよねー。ほんと、でも、いい女でいるのは大変ですね。
う、この前に書いたコメントから、更に色々と忘れ去っている私。そうか、「ドキドキしちゃう」は別視点でしたっけ。もうちょっと内容を書いておかないと、読んだのに忘れちゃうみたいです。汗
ニシノくん、あは、幸せ者だったのでしょうか。

7 ■読みました!

つなちゃん、お久しぶりです(笑)。
川上作品久しぶりに読みました。なかなか味わい深い作品でしたね!。ニシノくんは、しあわせだったのか?……うーん。むずかしい問題ですね(笑)。
このあとTBさせていただきますね♪

8 ■>ガーベラさん

んふふ、こちらではお久しぶりです。笑
川上さんの本は、独特の雰囲気ですよねえ。読み終わると、暫くその世界に浸っちゃう感じ。
うーむ、ニシノユキヒコ、幸せではなかったかしら?笑
*トラバどもです♪ この後、お返しいたします。

コメント投稿

コメント記入欄を表示するには、下記のボタンを押してください。
※新しくブラウザが別ウィンドウで開きます。

一緒にプレゼントも贈ろう!

トラックバック

この記事のトラックバック Ping-URL :

http://trb.ameba.jp/servlet/TBInterface/10011316179

  • 1 ブログタイトル:蝶蝶雲
  • 記事タイトル:愛し愛されて生きるのさ「ニシノユキヒコの恋と冒険」を読む
  • 記事概要:やられたね。 いつも川上弘美さんの作品を読むとこう思う。 今回もばっさりやられました。 川上 弘美 ニシノユキヒコの恋と冒険 ニシノ、西野、ユキヒコ、西野さん、西野君、幸彦・・・。 8つの短編には「ニシノユキヒコ」という人が出てきて、数々の女性と
  • 2 ブログタイトル:できれば本に埋もれて眠りたい
  • 記事タイトル:「ニシノユキヒコの恋と冒険」の具合
  • 記事概要:ニシノユキヒコの恋と冒険 川上弘美 エンターテイメント系の本が続いたので、そろそろ純文学が読みたくなり、最近信頼のおける川上弘美を物色。 ? そこで、タイトルから、男性が主人公でストーリーが面白そうな「ニシキノユキヒロの恋と冒険」を読むことにしました。
  • 3 ブログタイトル:まんぷくガール日記
  • 記事タイトル:ちょっぴり可哀そうだけど仕方ないよな(ニシノユキヒコの恋と冒険/川上弘美)
  • 記事概要:川上 弘美 ニシノユキヒコの恋と冒険 「姿よしセックスよし。女には一も二もなく優しくこまめ。なのに必ず去られる。」というニシノユキヒコの恋の遍歴を、10人の女性の視点から描いた短編集。 こんなやつが近くにいたら、う~ん、やっぱりひっかかっちゃう
  • 4 ブログタイトル:ガーベラ・ダイアリー
  • 記事タイトル:川上弘美著 「ニシノユキヒコの恋と冒険」 新潮社
  • 記事概要:ニシノさん/西野君/ユキヒコ/幸彦/西野くん/ニシノ/ニシノくん/ニシノくん/西野さん/西野くん ……これらは、ニシノユキヒコとつきあった女性がどう彼を呼んだかを書き出したもの。カタカタ、ひらがな、漢字。そして敬称の有無……これだけの違いで彼と彼女のつき
powered by Ameba by CyberAgent