2006-04-03 22:40:13
「なんとなくな日々」/ゆるゆる、ゆらゆらな日々
テーマ:岩波書店
「古道具 中野商店」 が面白かったので、今度はエッセイを借りてきた。
うーん、確かに「古道具 中野商店」を書かれた人よね、と感じる、飄々とした中野さんのような部分、男前な中野さんの姉マサヨさんのような部分、生きる事が下手なヒトミやタケオのような部分が、ちらほらと仄見えるような文章だった。
目次
台所の闇
なんとなくな日々
平成の蜜柑
「台所の闇から」では、「台所の闇」と「まざる まざらない」が、面白かった。
「台所の闇」
川上さんの台所には、悲しげに鳴く冷蔵庫がおり、見知らぬ生き物のものらしき毛が落ちている。春の朧に潤んだ夜には、台所に招かれるものなのだろうか。
「まざる まざらない」
世の中は、上手く混ざっているようで、実は案外混ざっていない。混ざらないまま、自分のいる場所こそが世界の中心なんだと思い込む事の怖さ。そして、「混ざっていない」場所にいるとき、人はその事にすら気付かないものなのかもしれない。
「なんとなくな日々」では、1から25までの章を使って、川上さんの日常が語られる。友人とお酒を飲み、ふらりと小さな旅をしたりする日々。「服のことが苦手である」から始まる14と、原稿の依頼により、突然仕事部屋の惨状に気付いてしまった16が良かった。一シーズン、同じ服を着続けるという川上さん、私の服の可愛がり方と、世間一般の可愛がり方は、どうも一致しないらしい、としょんぼりと語る。
「平成の蜜柑」からは、川上さんが時折「世間話」をする仲の、小学生の少年との会話を書いた「春の憂鬱」。世間話をする仲の小学生の少年がいる、というのも何だか羨ましい話。
「ためになる」ようなエッセイでは全然ないんだけれど、転んだ時の話、沢山のお店があって目移りしてしまい、結局どの店にも入れず、自転車を飛ばして通り過ぎる話、美術館に行った筈なのに、つい関係ないところでうろうろとしてしまう話、などなど、自分にとっては何だか妙に共感してしまうエピソードが満載。私の日常も、相当ゆるゆるしているのかもしれないなぁ。そして、このゆるゆるっぷりは、私にはとても気持ちが良いものだった。











1 ■エッセイ
装丁がらしくて素敵です。川上さんのエッセイはまだ読んだ事がないんです。やっぱり小説と同じような独特な行間があるんですねぇ。川上さんの文は、特別な感性を感じて時々悔しくもなるんですが・・・。
仲のいい小学生・・・私も羨ましいと思います、いいなぁ。
今度読んでみま~す。