「凶笑面」/民族学なミステリー
テーマ:新潮社
美貌の助教授、蓮丈那智と、助手・内藤三國がおくる、民族学なミステリー。
目次
鬼封会
凶笑面
不帰屋
双死神
邪宗仏
サブタイトルに「蓮丈那智フィールドファイル」とあるように、彼女が関わった一つの事件が、フィールドワークのように語られる。表紙とタイトルに惹かれて、借りてきちゃったのだ。この表紙、なんか興味をそそられません?
その頭抜けた発想と、酷薄にも見える美貌で、彼女は学会では「異端の民俗学者」として有名であるらしい。彼女の研究室の助手、内藤三國はほとんど彼女の下僕状態にあるけれど、全ては彼女の頭脳でもって報われる。同じ研究者である三國は、那智の発想にいつも感嘆してやまないのだ。そんな三國は那智の頭脳に惚れ込んでいるともいえる。そして、那智が天才肌とすれば、コンビを組む彼はきっと努力家。そういう意味で、これはちょっと変形のホームズとワトソン・コンビ。
事件が起こり、「異端の民俗学者」である蓮丈那智が、民族学の知識を散りばめながら、そこで何が起こったのか、紐解いていく仕掛け。「双死神」などは、次作への伏線かな。
で、肝心の面白いかどうかというとですねー、これが実は微妙なんだな。いや、面白くないわけではないんだけど。でも、こういうパターンの本って、この「蓮丈那智」自身のリアリティが、面白さに大きく影響してくるでしょう? 自分が那智の美貌に嫉妬してんのか?、とも思うけれど、別に「美貌の助教授」(教授でもいいけど)って、それだけで「異端」かなー。そんなに珍しいもんでもないと思うんだけどなぁ。頭いい人って、美人なこと多くない? 那智の美貌エピソードも、なんだかとってもステレオタイプ(おじさんが寄ってくるとか、それの撃退の仕方とか)。
後は、助手、内藤三國が苦心する、大学教務部とのやり取りなんかにも、いまいちリアリティーが感じられないというか・・・。いや、それだけ優秀なんだったら、大学内部だけではなく、外部からもちゃんと研究費を捥ぎ取ってくるもんだろう、とか。理系と文系では違うのかなぁ・・・。
でも、何となく気にはなるので、図書館にあった次作も借りてくるつもり。そうだなー、かる~く民族学を楽しむにはいい本かも。いや、後ろに参考文献沢山載ってるんですけどね、生意気言ってすみません。民族学とはちとずれるかもしれないけど、どうしてもこういうタイプの本は、京極堂の凶悪なまでの知識と比較してしまうのだな、うん。
← 既に文庫化もされているようです。










1 ■ホントだ。誉めてない(笑)
つなさん、全然誉めてな~い。でも、納得!ミクニの心酔具合がよく分からないですよね。もっと、ミクニが逆らえない程の威圧感が描かれるといいのかな。次からは良さそうなので、期待したいとおもいます。
それにしても、上手いっす。北森さんの描く世界が次々とつながっていく事に快感を覚えてしまいます。どんどん深みにはまってく~。
TBありがとうございます。私も~。