2006-02-21 19:43:52
「憧れのまほうつかい」/絵本作家エロール・ル・カインを知っていますか?
テーマ:新潮社
これは、さくらももこさんの、エロール・ル・カインへのラブレター。さくらさんにとって、ル・カインは、長い間まさに「憧れのまほうつかい」だったのだ。
エロール・ル・カインについては、ほるぷ出版 のこちらの特集ページ に詳しい(ほるぷ出版の該当ページにリンク)。
◆エロール・ル・カインは、東洋と西洋の絵画様式を巧みに織り交ぜた、ユーモラスでドラマチックな絵本を次々に生み出した作家なのだという。また、BBC放送が制作した大ヒットアニメーション映画、「雪の女王」や「階下の幽霊」などのイラストを担当したのも彼◆
そんなル・カインの絵本に、さくらさんが初めて出会ったのは高二の冬。記念すべきその絵本は、「おどる12人のおひめさま」。美しい絵、ロマンチックなストーリーに、さくらさんはすっかり魅せられたのだという。
(↑この本です。緻密で美しい絵が分かりますよね)
その後も店頭でル・カインの本を見かける度に、レジへと向かう日々が続く。出版業界に身を置くようになって、「いつかル・カインに会えたらいいな」という夢に近づいたかと思えたけれど、言葉の壁など、さくらさんにとっては、ル・カインへの道はなかなか敷居が高かった。
ところがある日、さくらさんは本屋で衝撃的なニュースを知る。ル・カインは癌によって、47歳でその短い生涯を終えており、彼の絵本には「遺作」の二文字が・・・。ここにきて、さくらさんは行動を開始し、ル・カイン縁の人々と会うための旅に出る。
目次
第1回 ル・カインとの出会い
第2回 原画をみにいく
第3回 ウェジウッドの町
第4回 イアン・キールさんの家に行く
第5回 ロンドンの街とペニー・シブソンさん
おまけ ライカのこと
エロール・ル・カイン 著作目録
第3回の「ウェジウッドの町」のみは、どうせロンドンに行くのだったら!、という観光的イベントなので、ル・カインとはあまり関係がない(ただし、さくらさんによる絵付けの写真を見ることは出来る)。
遅れてル・カインが住んだロンドンに渡ったさくらさんだけれど、生前のル・カインを知る人々の知己を得る事で、生前の彼に触れたように感じる。ほんとは勿論、生きているカインに出会えれば、それが一番良かったけれど、タイミングってきっとそういうものだ。ル・カインの原画の散逸を防ぐために、かなりの量を買い取り、未亡人の面倒まで見た、という第2回に登場する渋谷さんも凄い。
ル・カインは才能に溢れ、多くの作品を残したけれど、その生活は決して楽なものではなかったそうだ。なんと、彼のお墓ですら、この時点では確りとはしていなかったそうなのだ。さくらさんは未亡人に点が辛いけれど、芸術家の配偶者としては、この未亡人のようなタイプというのも、分かるように思います。半端に分かるよりも、徹底的に配偶者の仕事を理解しない方が、うまくいくこともあるのでしょうか・・・。
さくらさんのル・カインへのオマージュのような絵、ル・カイン自身の絵が豊富に載せられた、美しい本です。ル・カインの絵本、今度探してみようと思います。また、出版社別のテーマにするようになって、出版社を注意してみるようになったのですが、ほるぷ出版はなかなかいい本を出していますよね(ル・カインの絵本は、日本ではほるぷ出版から数多く出されているようです)。
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