「サンタ・クロースからの手紙」/北極サンタの暮らしぶり
テーマ:評論社
J.R.R.トールキン, ベイリー・トールキン, せた ていじ
時期外れなことは分かっているのですが、始まったばかりの2006年、年末まで待つには忍びなく、今日はこの本を。
さて、この本はJ・R・R・トールキンの子供たちがクリスマスに貰った、サンタ・クロースからの手紙を纏めたもの。J・R・R・トールキンといえば、「指輪物語」、「ホビットの冒険」の作者として有名ですよね。
この本には1925年から、15年間に亘るサンタ・クロースからの手紙が収められている(実際には、長男のジョンが三歳であった、1920年から手紙が始まっているようですが)。その間、1935年にはトールキンが子供たちにビルボ・ハギンズの冒険を語り始め(1937年に「ホビットの冒険」として出版)、サンタからの手紙の中で、エルフのイルベレスが秘書になった1936年には、「指輪物語」の執筆が始められていたそう。手紙の中でも、1932年にはサンタたちとゴブリンの戦いが始まったり、現実の世界のお話作りとも、所々リンクしているようです。
この表紙の絵も美しいでしょう? これは「サンタ・クロース」自身の手によるもので、ちょうど1926年に贈られた手紙に描かれた絵にあたる。全ての手紙には、震える筆致(何てったって、サンタ・クロースは大年寄り!)に、こういった美しい水彩画が添えられていたのだそう。サンタ・クロースの自筆の震える文字と、手紙と封筒に書かれた飾りは、僅かしか例示できなかったけれど、描き送ってくれた絵はほとんど全部、この本に転載されているとのこと。
さて、サンタ・クロースの所には、あまり役には立っていないと思われる助手の北極熊(とはいえ、憎めない!)がいるのだけれど、この表紙の絵はまさにその北極熊がうっかり二年分のオーロラ花火に点火してしまった所! 世にもたぐいなく大きなドカーンであり、おかげで北極柱(ノース・ポール)は真っ黒になってしまったとのこと(表紙絵の真ん中の黒いのがそうですね)。星という星は揺すぶられて位置がずれ、月は四つに割れ、月の男が裏庭に落ち、まあ、大変だったそうなのです。二年分の花火を使ってしまったせいで、次の年、1927年は真っ暗なまま作業をしなくてはならなかったりね。
こんな風に、北極で起こったこと、北極でのサンタたちの暮らしぶりが、毎年毎年丁寧に描かれる。年が進むごとに、登場人物も増えていく。サンタと北極熊の二人だけだったのが、北極熊の甥、パクスとヴァルコツッカや雪ン子たち、洞穴熊(ほらあなぐま)、招かれざる客ゴブリンども、地の精(ノウム)たち、赤いエルフと緑のエルフを加え、サンタ・ファミリー(?)もどんどん賑やかになっていく・・・。
とても、美しく、楽しい本です。 こういう本は大好き。











1 ■教授の絵は。
なんともあったかい雰囲気でいいですよね。
楽しんで描いたんだろうな…と、たとえ怖ろしいドラゴンの絵でも思ってしまいます。
この本は未読ですが(^^
紋章の図案とかもそんな感じで、寒色使っていても不思議に暖かな印象があります。