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2005-12-17 10:28:19

「マイルズ卿ものがたり」/マイルズ卿の日常(かなりのほほん)

テーマ:ハヤカワ文庫
坂田 靖子
マイルズ卿ものがたり

あとがきの記述から始めてしまいますが、フランスがルイ王朝華やかなロココの日々をおくっていた頃 イギリス人はジンとビールでぐでんぐでんになってくらしていた」とのことで、これはそんな時代のイギリスの貴族のお話。この本には九つの短編が収められているのだけれど、その一つ目は「マイルズ卿のかつら」というお話で、これもまさに「これは殿方が美しいかつらをかぶっていた頃のお話です」

更にあとがきから引くと、お酒だけではなく、賭事、娼館、化粧(ヨーロッパ全土でつけボクロが流行したが、男性がつけたのはイギリスだけだった)などと、よーするにみんなあそびまくっていた」らしい。こーゆーヘンな絵が残っているあたりうれしい時代である!」とあるのは、ウィリアム・ホガース の絵(wikipediaにリンク)。

では、優雅で、はちゃめちゃな話なのかというと、そこは坂田靖子さんが描くものなので、はちゃめちゃではあるけれど、優雅というよりは「のほほん」という言葉が似合う感じ。お人好しで世間知らずのマイルズ卿の暮らしが描かれる。
脇を固めるのは、世事に通じてお洒落な親友、ペンティントン卿(ただし大抵、話をややこしくする)と、酒飲みで妙に態度の大きい、おとぼけ執事。

執事の仕えぶりはこんな感じ。
マイルズ卿:「僕はしゅじんだぞっ!!」
執事:「それが何です 私は召使いですよっ!!」
    「さっさと服を着替えて下さいよ あんたと違って忙しいんだから!」

時々、マイルズ卿が不憫になります・・・。

日常の話ではあるけれど、見えない斑犬の話、逃げ出す細工物の話(片思いのサラ夫人への贈り物だったのに!)、小人の嫁入りの話、夜に逃げ出すマイセンの貴婦人の話などの不思議が、違和感なく織り込まれている。

のほほんと楽しい漫画。ただし、「異国の少年」の話だけは、「その頃 身分のある人々のあいだでは顔だちのよい異国の少年を 側に仕えさせることが大変流行っていた」とのことで、その背景が悲しいなぁ、と思う。

目次
マイルズ卿のかつら
斑犬
宝石の魚
マイルズ卿の歯痛
異国の少年
井戸の首
小人の結婚
マイセンの貴婦人
名馬ラトピック

*臙脂色の文字の部分は引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。

コメント

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1 ■執事と家政婦

家内の使用人でも、この2役職が、たいへん権威があったみたいですね。主人もなまじっかではいられない(まあ日本だって、大きなお屋敷の、使用人頭は同じ事だったのでしょうが)。
封建時代では、執事は領主の親戚という事もけっこうあったらしく、権威があるのもあたりまえか(笑)?
そういや、執事を養成する学校とかもあるらしいですねえ。

2 ■>とらさん

マイルズ卿の虐げられっぷりを見ると、ちょっと路線は違うけれど、高彬と守弥の関係を思い出します。いや、この執事は、そんなマイルズ卿思いではないんですが。笑
使う立場の人間というのも、結構大変ですよね。執事養成学校は、やはりイギリスになるのでしょうか??

3 ■サーヴィスのプロを養成する

うーん、昔テレビで見ただけなので詳しくは覚えていないのですが、どうもこの手の、サーヴィスのプロを養成する学校って、スイスに多くあるみたいです(そもそもスイスっていろんな種類の学校があるようです)。
使う立場、大変ですよねえ。人事管理術とリーダシップが必要なわけですから<絶対そうだとも言い切れないが

4 ■>とらさん

おお、スイスといえば、バチカンの警備兵も?(いや、でもあれはサーヴィスではないよな。笑)
使う立場、ほんと大変ですよねえ。出来る人かどうか、下にいればすぐ分かっちゃうのですもの。

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