2005-12-10 10:28:12
「星食い」/幻想的な
テーマ:ハヤカワ文庫
- 坂田 靖子
- 「星食い
」
表紙絵がamazonでもbk1でも出ないようです。小学校時代の友人が、坂田靖子さんの漫画をとても好きで、当時良く貸してもらっていました。目が大きくて、キラキラしていて、何々君が好きで、という他の少女漫画とは、絵柄もお話も一線を画していて、所謂一般的な少女漫画ではなかったように思うけれど、その他の少女漫画と一緒に楽しんでいた。最近、この方の作品を思い出すことが多くて、丁度古本屋で見かけたので買ってきた。
目次
星食い
星月夜
地下室のレディ
光の王国
W坂の幽霊
王様と道化
きつね夜話
田吾作ばなし
「光の王国」、「王様と道化」は、「闇の王様」の話し、「きつね夜話」、「田吾作話」は「山おく村」のお話と、この四編のみはそれぞれ内容が繋がっているけれど、後はバラバラ。「地下室のレディ」は幻想的なホラーの味わい。
この中で一番好きなのは、「星食い」、次が同点で「星月夜」と「W坂の幽霊」。好きのベクトルが少し違うけれど、日本昔話のような「きつね夜話」、「田吾作話」もいいな、と思う。
「星食い」は、ジョニーが落ちてしまった違う世界のお話。一回目は自ら希望せずに偶然落ちていき、次は「やつら」の後を追っかけて、自主的に落ちているのだけれど。終章では違う世界の住人から、ジョニーの元に手紙が届く。扉が開いたら、また彼らと会うことが出来るのだろうか。
星の再生工場(煤けたり軋んだりした星を元に戻す)、空に向かって昇っていく星、「星食い」という生き物、強烈な磁場を発し、暴れると火を吹く化け物「ぱふぱふ」、どんな扉も開ける事が出来る「やつら」、星の発掘など、こういう世界、私は好きだなぁ。世界の謎に挑むマクシミリアン(肉体労働にはてんで向かないけど)、星の再生工場で働くプラトンの二人も、とっても魅力的。
沢山の「星食い」に橇をひかせて、ジョニーが「わー、サンタみたい」と叫ぶ場面があるのだけれど、これのせいで冬になると、坂田靖子さんを思い出すのかも、と思った。
「星月夜」は、年に一度の「星月夜」のお話。冬の一番寒い夜には、空と地上とが繋がって、お月様が地上の雪ダルマやイエティ達に会いに来る。とびはねるのが大好きな星たちも、周辺を飛び回って今夜は楽しいパーティーだ。春と夏と秋は空と地面は遠く離れているのだけれど、冬はその二つが非常に接近するのだって。人間の子どもなのに、デニーがこの集まりに参加出来たのは、彼が作った雪ダルマのおかげ。
星や月と雪ダルマが一緒にいるのは、雪というものが空の一部で、それが地上の真上まで降りて来るだけであるから。雪の結晶は非常に小さい「春」を芯にして出来ていて、雪や霜が溶けて空に戻る時、芯になった春だけが地上に残る。雪の消えたところから、春が来る。
「W坂の幽霊」は、自分の正体を忘れてしまった、「何だかわからないもの」との暮らしのお話。
どのお話も、幻想的で素敵です。
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- 1 ブログタイトル:手当たり次第の本棚
- 記事タイトル:『時間を我等に』 のんびりしたナンセンスワールド
- 記事概要:坂田靖子という漫画家の作品、私が初めて接したのは、朝日ソノラマから出たコミックス『フレドリック・ブラウンは二度死ぬ』においてだ。 こちらは、フレドリック・ブラウンという、(ある意味)稀代のSF作家の作品を、3人の女性漫画家がそれぞれ違うアプローチのしかた
1 ■星喰い
面白いタイトルだよねえ、これ。
たしか、最初、朝日ソノラマのSUN COMICSに入っていて、ずいぶんたってから、ハヤカワ文庫JAに再録されたという記憶があるんだが。
ご本人がSFファンで、SFな作品も描いておられて、これなんかは、思い切り、そういう傾向の作品だろうと思いつつ、私は読んでいない。
画像が出ないのが、ちょっと残念。