「イン・ザ・プール」/名医?
テーマ:文藝春秋2005年春にドラマ化されたのを、つらつらと流し見していて、これが結構好感触だったので、図書館で借りてきた。ちなみに、ドラマ化の際のキャストは、トンデモ精神科医伊良部に阿部寛、相棒のセクシー看護師・マユミは釈由美子。阿部ちゃんは色白でも肥満でもないよー、と思うけれど、それを除けば残りは全てドラマの空気感(逆に言ってしまうと、ドラマで見たものは、読まなくても大丈夫なくらい)。軽く、楽しく読める。
「伊良部総合病院」の地下一階には、「神経科」が存在する。
総合病院自体は、白壁の清潔そうな建物なのだけれど、「神経科」は閑散としていて、如何にも怪しげ。そして、ここに常駐しているのが、注射フェチのトンデモ精神科医伊良部。患者は大抵、階上のまともな科から、匙を投げられ、回されてきた者たちばかり。彩を添えるのは、セクシーな看護婦マユミだけれど、彼女もまた無愛想この上ない。伊良部は病院の跡取りであるために、何とか仕事を与えられているように見える・・・。
■イン・ザ・プール
患者:大森和雄
職業:出版社勤務
症例:心身症(不定愁訴)
治療:一緒に泳ぐ!
「会社依存症とかボランティア依存症だとか無農薬野菜依存症とか、人間にはいろいろな依存症があるけど、水泳なんてのはもっとも害がないんじゃないかな」
心身症は神の采配、抗わないこと。『なすがままに』が一番いい。
■勃ちっ放し
患者:田口哲也
職業:中堅商社勤務
症例:持続勃起症または、陰茎剛直症
治療:感情を爆発させる
伊良部は、自分がこれまで出会ったことのない変人中の変人だ。彼にはきっと悩みなどないのだろう。欲望の赴くままに行動し、わめいて、笑って。
五歳児に悩みがないのと一緒だ。
人間には修羅場の経験が必要で、それがまた生の実感に繋がる。
たまには、体中を熱い血が駆け巡る体験が必要なのかも。
■コンパニオン
患者:安川広美
職業:コンパニオン
症例:被害妄想
治療:肯定してあげる
「眠れない人に眠れって言っても無理でしょ。眠れないなら起きてればいいって言えば、患者はリラックスするじゃない。結果として眠れる」
思いっきり肯定して、寄り添ってくれる人がいれば、何とかなってしまう事もある。
■フレンズ
患者:津田雄太
職業:高校二年生
症例:ケータイ中毒
治療:ただダベる
伊良部の無邪気さがうらやましかった。それはもしかすると、今の世の中ではもっとも強い武器のように思えた。
セクシー看護師マユミの理想のタイプは、”大勢で遊ぶのが苦手だから”、「友達がいない奴」。孤独はさみしくはあるけれど、それは決して怖いものではない。
■いてもたっても
患者:岩村義雄
職業:ライター
症例:強迫神経症
治療:確認行為の習慣化&ライバル医院に嫌がらせ?
「ルポライターは天職じゃん」「楽天家じゃ務まらないわけだから」
人を深刻にさせない精神科医って、名医なのかもしれない。
心配する人と、させる人で成り立つ世の中。でも、心配ばっかりしているのは、天職に役立つものとはいえ、ちょっと損した気になりそう。
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ストレスは人生についてまわるもの、無理やりではなく別の事に目を向けさせる伊良部は、やっぱり名医? 深刻な悩みは難しいものだと思うけれど、脱力出来た時点で、悩みの大半は溶け去っているのかもしれない。行く度に注射されてしまうのは、嫌だけれどね。
- 奥田 英朗
- イン・ザ・プール
*臙脂色の文字の部分は本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。











1 ■精神科かぁ
精神科って医者として特別なジャンルの気がする。
誰でもなれるというものじゃなさそうだよね。
とても楽天的で、人のマイナス感情を
吸収せずにすむタイプじゃないと絶対に無理な気がするよ。
誰かの負の感情を吐き出させて受け止めて。
そして、的確に答えを返してあげることができるのって
すごいことだよね。
行くたびに注射ってのはかなり嫌だ。
注射は嫌いだよー。(>_<)