「ごくらくちんみ」/酒飲み必読?
テーマ:新潮社目次の全てを書き写すと大変なことになってしまうので、最初の部分だけ。ここで取り上げられている「ちんみ」は、順に青ムロくさや、たたみいわし、とうふよう、さなぎ、またたび、がん漬け、ふきみそ、ふぐこぬかづけ、うばい、からすみ、かぶらずし、このこ、ふなずし、とうふみそづけ、ほやしょうゆづけ、きんちゃくなす、しおなっとう、などなどなどの全68品・・・・。
最初に杉浦さんの「ちんみ」の美しい絵と簡単な説明がつき、2、3頁ほどの小品が載せられるという構成。そこに出てくるのは、微妙な関係の男女、女友達や、家族の風景など。どれもごく短いのだけれど、印象深い味わい。ほとんどの場合、「ちんみ」にはそれにふさわしいお酒が登場する。これがまた、その飲み方、食べ方を含め、お洒落と言うよりも、粋という言葉が似合う感じ。
食べたことのない「ちんみ」で、美味しそうだなぁと思ったのは、とうふみそづけ(お酒は、小振りのチューリップグラスで飲む、秘蔵のシングルモルト)、かつおへそ(=カツオの心臓、お酒は二合徳利の熱燗に、大ぶりの猪口)、いぬごろし(=マグロの尾鰭、冷えた白ワインで頂く)など。瓶詰チェリーの漬け汁(ブランデーシロップ)とおいしいラムなんてのも、いいなぁ~。
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自分が食べたことがあるものでも、その時よりももっと美味しそうに思える。
■例えば、きもやきなどではこんな感じ。
むっちりもちもちくりくりしこしこつるり、ほろ苦い甘い香ばしい、こってりさっぱり。歯ざわりも味わいも、一噛みずつ、次から次、異なる輪舞。
これはお話としては、鰻の蒲焼きを待つ「間」、客の小劇場を描いた物。蒲焼きは待つ間が命。ひとりがいい。
■ふぐのしらこ、ふくしらこではこう。こちらは、短編ではなく、杉村さんの絵に添えられた文より引用。
4つくらいの輪切りをひとつ頬張ると口の中いっぱい白子が満たされる。あとはただ無言・・・。舌上のエクスタシー。
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これを読んで、杉浦さんは、個が確立した大人の女性なんだなぁ、と感じた。短編の中の人物が、どれもいい距離感。こんな酒飲みになれたらいいな。グラスの選択や、お酒の選択も素敵。とりあえず、気に入りの黒文字でも手に入れようか。テレビでは、杉浦さんのお顔を良く拝見していたのですが、本を読むのはこれが初めて。とても素敵な女性だったのですね。
巻末には、「ごくらくちんみ」お取り寄せガイドつき。
美味しいお酒を呑みたくなること請け合いの一冊です。
- 杉浦 日向子
- ごくらくちんみ
*臙脂色の文字の部分は本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。











1 ■こらまた
涎の出そうな(笑)。
食進み酒進む時節柄、なんとも粋なチョイスですね。
かく言う僕も、ただいま「酒仙」たる名の酒小説を読んでおるところ。
呑んべにはたまらない桃源郷が繰り広げられております。
も、最高。