「趣味は読書。」/読書って・・・
テーマ:平凡社■取り上げておられる本が私とは異なりますが、ahahaさんの記事はこちら
→「あほらし屋の鐘が鳴る」斎藤美奈子
「誤読日記」斎藤美奈子
下記の本が図書館にあったので、借りてきた。
斎藤美奈子「趣味は読書。」
目次
本、ないしは読書する人について
1 読書の王道は現代の古老が語る「ありがたい人生訓」である
2 究極の癒し本は「寂しいお父さん」に効く物語だった
3 タレントの告白本は「意外に売れない」という事実
4 見慣れた素材、古い素材もラベルを換えればまだイケる
5 大人の本は「中学生むけ」につくるとちょうどいい
6 ものすごく売れる本はゆるい、明るい、衛生無害
この本は、私も常々疑問に思っていた、「ベストセラーの読者はどこにいる?」から始まっている。その答えは、健全な市民=善良な読者がベストセラーの主な購買層であり、彼らに支持される条件をそなえた本だけが、ベストセラーになる。ちょっと長くなるけれど、ここに至るまでの道筋が面白い。
「ベストセラーの読者は善良な読者である」に至る道筋
「本を読む人」はもともと人口の一割にも満たないが、彼らはさらに言語や文化の異なる多数の部族に分かれている。すなわち、「偏食型読者」「読書原理主義者」「読書依存症」らである。
■「偏食型読者」
:ビジネス書、ミステリ、ファンタジー小説、歴史小説、専門書、健康本、特定作家の追っかけに近いディープなファン。そのジャンル「しか」読まない読者。
■「読書原理主義者」
:本であれば何でもいい、本ならば何でも読めというタイプ。この中の武闘派が、声に出して本を読めとか、三色ボールペンで線を引けとか、人の世話を焼く。
■「読書依存症」
:新刊情報にやたら詳しく、本におぼれ、頼まれもしないのに、ネットで読書日記を公開したりする。おっと、私のことですか?(新刊情報には疎いですが)
これらのタイプは、どこか一癖があり「多かれ少なかれ治療が必要な人々」と、斎藤氏は括っている。
これらの他に、読書人の多数派を占めるのが、「善良な読者」たち。他の本読み族がそれぞれ鼻持ちならないのに比べ、「善良な読者」は健全で友好的な平和主義者。明朗で前向き。彼らの唯一の欠点は、本の質や内容までは問わない点。「感動しろ」、「泣け」、「笑え」と言われれば、その通りに行動する。
「善良な読者」は同時に「健全な労働者」であり「真っ当な生活者」である。だから、自らの意識を根底から覆すような本は読みたくないし、後々までズシリと残るような重たい本も読みたくない。その場限りの楽しい娯楽。本を閉じたら、日常業務に即戻る。読書はあくまで趣味なのである。
これらの健全な市民=善良な読者が、ベストセラーの主な購買層なのではないだろうか。そして、こういった人たちに支持される条件をそなえた本だけが、ベストセラーになる。
読書人は同じ民族同士がかたまって生活文化圏を形成する傾向にあり、しかもそれぞれが「自分たちこそがいっぱしの読書人」と信じている。さらに、異民族同士は言語も文化も風習もちがうので、互いに話が通じない。
しかし、もともとが少数派同士。狭い世界で民族紛争をはじめる前に、互いの文化を知ることが平和的共存の道である。「善良な読者」はメディア・リテラシーを多少は養った方がいいし、「ベストセラーなど読みたくない」「読まなくてもわかる」とうそぶく「邪悪な読者」の一群は、自分が「あんな大衆食堂のメシなど食いたくない」「食わなくてもわかる」とうそぶく嫌味ったらしい美食家と同類であることを、少しは自覚したらよい。
以上が前置き。要約したつもりだけれど、やっぱり長くなってしまった。この前提のもとに、互いを知るための異文化探検(ベストセラー本の分析)が始まる。
ベストセラーを斬るこれらの話は面白かったのだけれど、惜しむらくは、私も「ベストセラーなんて・・・」とうそぶきがちであるので、きちんと読んでる本が少なかったこと。
読んだことがあったのは、「人間まるわかりの動物占い」、T・ケイ「白い犬とワルツを」、天道荒太「永遠の仔」、宮部みゆき「模倣犯」、乙武洋匡「五体不満足」、J・K・ローリング「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」の6冊。この本では全41冊が取り上げられているので、6冊と言う数字はきっと少ない。これは「邪悪」が入っている証拠なのかもしれない。
逆に、読んでいない本で興味を持ったのは、西尾幹二「国民の歴史」(「新しい歴史教科書をつくる会」関連の本)。この本に関しては、斎藤氏も「関ヶ原の合戦におもむいた小早川秀秋の気分」だそうであります。小声で面白い、って仰ってます。
- 斎藤 美奈子
- 趣味は読書。
☆この記事の反響に吃驚して、別に上げた記事はこちら
→読書に関する雑感
読んだことがあった6冊の、私の感想は以下。
■「人間まるわかりの動物占い」
:会社でぐるぐると回っていた。ちなみに、私は「たぬき」です。関係性という点では、面白い本だったと思う。
■「白い犬とワルツを」
:親の本棚にあったから読んだけど、私にはこれがさっぱり分からなかった。どこで泣けと?
■「永遠の仔」
:「AC小説である!」、と斬るのは分かるけれど(私は、危うい所で踏みとどまっていると見た)、でも、私は感動したなぁ。
■「模倣犯」
:こちら に感想あり。私はいい小説だと思った。
■「五体不満足」
:確かにこれ以降、「健全なる」障害者が持て囃されるようになったのかも。でも、彼が好青年で、努力の人であることは間違いない(ハンサムだし)。
■「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」
:私はハリー・ポッターはいい物語だと思う。最初は間口を広げ、段々本来書きたかった事に近付いているのではないのかなぁ。











1 ■読書人をくさす
うわはは(笑)。いやあ、ほんと、うまく読書人をくさしてるよなあ、と思うのですよこの本。
ただ、どうもこの人の書き方は好きになれない。なんかネガティヴな面が目立つ気がして。うさんくさく感じてしまうんだな。
ところで、ベストセラー。
あんまり平積みになってたりすると、押しつけがましい気がして手にとる気になれないが、宣伝などを見ても、タイトルを見ても、ピンとこないものが非常に多い(笑)。
単に私の欲求と合わないってのもあるんだが、宣伝が先行して内容はとても浅薄なものも、多いと思いますねえ。著者があげるような「悪いタイプの読書人」(笑)が、そういう本を避けるのも、無理ないんじゃないかと思うのですよ。