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2005-09-22 08:32:27

「なぎさボーイ」/男の子の気持ち

テーマ:集英社文庫

氷室冴子「なぎさボーイ」

突然、古い本を持ち出してしまいますが、今日は「なぎさボーイ」について。渡辺多恵子さんによる、表紙イラストも実に愛らしい。

「男はすべからく枝葉末節にこだわることなく泰然と構える」をもって理想とする、俺、雨城なぎさ。しかし、彼の外見はそんな決意を裏切るもの。身体は小づくりで、女顔。幼稚園の入園式ではプロポーズされ、中学生となっても、全校生徒に「なぎさちゃん」呼ばわりされてしまう、一種のアイドルでもある。これはそんな「男たるもの」な彼が、恋愛に七転八倒する様を描いた本。

タイトルに「男の子の気持ち」と入れたけれど、実際は女性である氷室冴子さんが書かれているので、これが本当に「男の子の気持ち」なのかは分からない。でも思春期で、且つ「男たるもの」な男の子って、こんな感じなのでしょうか。対になる「多恵子ガール」があって、こちらは多恵子の側から描かれた本。

目次
第一話 俺たちの序章
第二話 俺たちの革命
第三話 俺たちの乱世


「俺たちの序章」は、同じ高校を受験する、なぎさと多恵子の共通の友人、三四郎の恋物語。三四郎は気弱で頼りない同級生。なぎさは父のように、多恵子は母のように、これまで彼の面倒を見てきたのだ。なぎさから見た多恵子は、彼の建前では、でしゃばりでお祭り好きの、お節介で感情的なオンナ。でも本当は? 根性を見せた三四郎にならい、建前ばかりだったなぎさが、ようやく自分の本音を認めるようになる。ちなみに、三四郎の恋は「蕨ヶ丘物語」という別の本になっている。

そうなんだ。
俺は多恵子が、ずっと気に入っていた。
だけど、素直になるのが下手だった。しょうがないよな、性格だし。

「俺たちの革命」は、なぎさが自分の気持ちを認めてからの話。彼は「革命」と呼ぶのだけれど、実際は大した行動を起こしたわけではない。だけれどなぎさは、「革命後」に多恵子が気になって仕方がない、自分自身が気に入らない。多恵子の一挙一動が気になる彼は、「男は泰然と」からは外れているわけであるから。自分の心を乱したくないなぎさは、多恵子に「革命前」に戻ることを宣言する。なぎさにとって思わぬ伏兵が現れ、またごちゃごちゃと考えた挙句に、もう一度仲直り。

あれに意味をもたせて、革命革命と騒いでいたのは、俺の独り芝居だったのか・・・・・・。とすると、今までが革命前夜、今日が革命当日ってことになるのかな。

「俺たちの乱世」では、舞台は高校へ。乱世というだけあって、なぎさと多恵子の周囲にも、それぞれにライバルが出現する(なぎさのライバル、松宮は前章で出てきているけれど)。なぎさは多恵子とはクラスが離れてしまうものの、あまり一緒になりたくなかった、ライバルの松宮、槇修子とは同じクラスになる。突然名前が出てきてしまうけれど、槇修子とは、なぎさが中学時代に陸上競技会で出会った、鮮やかで凛々しく
強い女の子。有体に言えば、多恵子と槇修子の二股状態になってしまい、自他共に認めるシンプル思考のなぎさは大混乱に陥る。

「槇が男だったら、北里以上の親友になれるよ。槇は特別な人間だ。多恵子とは次元が違う。多恵子がいてもいなくても、特別な人間には変わらないんだ」
****************************************************
ちなみに、この「なぎさボーイ」は中途半端な所で終わっているので、「多恵子ガール」を手元において読まないと、身もだえする羽目に陥る。「多恵子ガール」は、「なぎさボーイ」のラストよりも、もう少し長く物語が続く。「ボーイ」と「ガール」、両方の側面から描かれるのが、当時はとても新鮮だった。

氷室 冴子
なぎさボーイ
集英社コバルト文庫
古い本なのに、画像が出て感動です。可愛いでしょ?

*臙脂色の文字の部分は本文中より引用を行っております。何か問題がございましたらご連絡ください。

コメント

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1 ■なつかしすぎます!

以前もジャパネスク関係の記事でコメントさせていただきましたが、読んでましたよ~!ストーリーはほとんど忘れてしまいましたが、大好きだったことは間違いありません!「多恵子ガール」「北里マドンナ(でしたっけ?)」も読んだはず。物置から引っ張り出して読み返そうかしら。イラストもいいんですよね。渡辺多恵子さんの「ファミリー!」も好きでした。(私が初めて「ゲイ」というものを知ったマンガです。)

2 ■>まんぷくガールさん

コメントありがとうです。これ、どなたも反応してくれなかったら、淋しいなーと思ってました。笑

そうそう、「北里マドンナ」もありましたよね。私のお気に入り、槇修子嬢が結構出ていたように思うのですが、違いましたっけ? 残念ながら、「北里マドンナ」は持っていないのです。でも、明日の更新は「多恵子ガール」の予定です。笑

渡辺多恵子さんの「ファミリー!」。おそらく読んだのだと思うのですが、すっかり記憶が減退していて。涙 今となっては、可愛い絵だったなぁとしか覚えてないんですよ。残念無念。

3 ■懐かしすぎる

渡辺多恵子さん、大好きで、、、こんな風につながっていたのか・・・ぜひ全て読破しなければ。

すごいびっくり。

4 ■おぉぉぉ

懐かしいー。
どちらも読んだ記憶があります。
でも、内容はすっかり忘れてしまってましたが。(^^ゞ

5 ■>ペトロニウスさん

渡辺多恵子さん、いいんだ~。何で私の脳味噌はこうなんだ!(すっかり忘却のかなたへ)

渡辺多恵子さんの手によるのは、表紙と挿絵だけだけど、可愛いですよ。話も可愛らしい思春期の恋愛模様です。「なぎさちゃん」が悶えております。笑

6 ■>みわさん

わーい、みわさんだ!いらっしゃい!
先日ね、やっぱり好きなものは好きだからいいや、と処分するつもりだったコバルトを実家から持ってきたのです。で、ふと手に取ったら、ついつい読んでしまい。せっかくなので、記事にしてみました。笑
結構、氷室冴子さんの本は、大人になっても覚えていて、強烈に刷り込まれてるんだなーと思います。

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