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2005-09-13 08:34:38

「日本の色を染める」/色を読み解く、染める

テーマ:岩波新書

吉岡幸雄「日本の色を染める」

表紙カバーより
紅花で艶やかな赤を染め、紫根から深い紫を取り出す。色を重ね、その微妙な変化を楽しむ。飛鳥・天平の美や『源氏物語』の世界は、その繊細な色彩感覚と高い染色技術を抜きにしては語れない。数々の古代植物染の復元に取り組んできた著者が、実作者ならではの眼を活かして読み解く、日本の色と衣と染の歴史。

目次
はじめに
第一章 色と染めの発見
第二章 飛鳥・天平の発見
第三章 王朝の色彩―和洋美の確立
第四章 中世の華麗とさび―武家と庶民の衣
第五章 辻が花小袖と戦国武将
第六章 江戸時代の流行色
あとがき

巻頭には「植物染の工程」「染め上がった色」「再現された日本の色と襲の色目」の写真付き。
******************************************************
著者は京都に代々続く染屋の五代目当主。父の死後、出版編集の世界から呼び戻されて、五代目をついだ。どうせ家業を継ぐのなら、一切化学染料を使わずに、伝統的な植物染に徹したいと考えたそうだ。そして仕事をするときに、常に「いにしえの染師たちは、どのような染料にどのような技術をほどこしたのだろうか」と、考えることを心がけているのだという。

なにせ、京都は伝統のある土地。滋賀県の伊吹山で刈り取った刈安(黄色に染まる)は、「正倉院文書」に出てくる「近江刈安」と同じ。千二百年前あまり前から、同じものが使われていたのだ。著者の仕事は、古代に思いをはせ、古文書にあたることでもある。平安時代に編纂された『延喜式』も、本書のあちこちに登場する。日本の伝統色、真に美しい色をもとめる道は険しいけれど、一途に色をもとめる道を記した本書はとても興味深いもの。

いま私は、染師福田伝士とともに、日本の染織の歩みを再現する道の途上にいる。工房では、椿や樫や藁を焼いて灰をつくり、百メートルほどの地下から伏水をくみあげ、山野に自生する植物を採り、また栽培された植物を求め、往時と同じ色材を使って、同じ方法を踏襲するようにしている。しかし、初代のころの「色」にはまだ到達していないかもしれない。ましてや桃山時代の、いや、はるか天平の職人の「色彩」にはまだまだ遠いものがあるだろう。
本書は、日本の伝統色にこだわり、真に美しい色をもとめて、時代をさかのぼろうとあえいでいる染屋が記した、日本の色の具体的な歴史であると思っていただきたい。
 「はじめに」より

「なんて素敵にジャパネスク」 などにハマった経験のある私には、第三章がとても面白かった。特に「四季の彩りの表現―襲の色目」、「王朝の女性装束」、「襲の色目の色調」、「多彩な衣裳を着る」、「『源氏物語』の色をよむ」、「衣配りの場面」、「人柄を映す衣裳」などの衣裳についての記述。いろいろな物語や、絵巻物も著者にかかると、全て色の教科書となる。この辺の読み解きの部分も興味深い。

紙を染める話も出てくるので、鷹男の帝の御料紙はこうやって作ったのかなぁ、なんて楽しんだ(でも、紙を染めるのはとても大変そう!瑠璃姫にさらさらと歌を贈るのなんかに、使っちゃっていいのかしらん・・・)。

自分が実際に染めている人だけあって、定説とされていること、解釈にも「私はそうは思わない」というフレーズがバシバシ出てきたのも、面白かった。

吉岡 幸雄
日本の色を染める

*臙脂色の文字の部分は本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。

コメント

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1 ■無題

吉岡先生のお父さんは職人でしたが、息子さんはどちらかというとプロデューサーです。 古代染色を再現するというのは非常にドランチックですが、一体これをすることで何をなそうとしているのか、あたしにはこの解説を読んでも、実際の仕事を見ても良くつかめなかったのですが、、、 但し流石に元広告代理店に就職していた秀才ナだけあって文章は上手く説得力にあふれていますね

2 ■>takeitallさん

お詳しいですね~。出版編集の仕事って、広告代理店だったんですね。実際の仕事もご覧になったとは、うらやましいです。
そうですねえ、古代染色の再現は、本当にロマンというか、夢なのではないかなぁと思います。直接的に世の中の役に立つわけではないと思いますが、こういう研究、探求も貴重なんではないかなーと思います。
そうそう、文章も上手いし説得力もあるので、面白かったですよ。

3 ■色紙

いろいろと色紙をいただいたのでものを書いてみることにした、というのは『枕草子』だっけか。
紙はただでさえ高級品、ましてやそれに染めを入れたりすると、さらに高級品に。
もっとも、日本の紙工芸は本家本元の中国にまで輸出されるようになったくらいで、ある意味、「染めにも耐えられる」丈夫で優秀な紙だったんだろうな。
しかし、布も紙も、昔のものと今のものでは、同じ染料を使っても違う仕上がりになるんじゃないかなどとも空想(笑)。そこらへんの言及はあったのでしょうか。

4 ■>とらさん

紙を染めるのは、やっぱり布を染めるように「どっぷり漬け込む」方式が使えないので、難しいみたいですね(溶けちゃったり、乾かす時に皺になったり)。塗り重ねる「引染」(刷毛に染料や顔料をつけて染める)や「漉染」(紙を漉く前にあらかじめ繊維を染める)が主であるそうです。

「製紙技術が日本に伝えられると、律令国家の創成と仏教の伝来とあいまって、飛躍的に発展した」、と本文中にありました。法典もつくらなくてはいけないし、戸籍も、国史も書かなくてはいけない。仏教では写経もおこなう、ということのようです。

この本によると、奈良時代にはすでに、色彩豊かな紙が製造されていたとのことです。<「正倉院には数え切れないほどの和紙が保存」されており、「中国を凌ぐほどの技が完成していたことがわかる」、ですって。

で、現代と昔のものですね。笑 あとがきに色々書いてありました。でも、可能な限り頑張ってるみたいです。染料もそうだけれど、助剤として色々な種類の灰が必要だったり、現代では絹や麻の入手も大変なようですね。<蚕を育てるのに人工飼料を使っているが、それは果たして真の絹か?とか。
木綿の手紡ぎもほとんどないそうです。あっても、やはり手仕事は世界のどこにおいても、衰退しているようです。

ああ、すっごい長いコメントになった!笑 ほとんど「男のロマン~」で面白かったですよ。

5 ■昔のモノを再生する

これはほんとに、難しいですね~。
つきつめていくと、蚕に与える桑、有機肥料で汚染されていない水と土壌で育てて……なんてところから、始めないといけないのかも。
木綿にせよ絹にせよ、手紡ぎも、「熟練した人」が今みつかるかどうかって問題もありそうです。
まだ、織ること、紙をすくことの方が、手作業の技術が残っていそうですね。

紙ってよほど日本人の性格とか生活にあっていたんですね。中国よりはるかに、紙製の道具が多いように思います。なんたって、衣服すら、紙で作ったものがあったわけで(笑)。
あれってなかなか着心地がいいらしいです。一度試してみたい。

6 ■>とらさん

出来る限りのことはしておられるようですが、やっぱり大変なようですよね~。だって、ナイロンなどの強くて丈夫な糸が、つるつると簡単に出来てしまうのですもの。そんな中で、面倒な手作業を必要とする、天然の糸を作るのはやっぱり大変ですよね。

紙の衣服って、ちょっと前までは、実際に使用されていたのですよね。なんだか、不思議~。

で、紙の衣服なんですが。終電逃して駅で寝た時に、ホームレスの方に教えられて、新聞紙を衣服の間に挟んだら、とっても暖かかった~、と教えてくれた知人がいます。笑 でも、これはちょっと「紙の衣服」とは違います?笑

7 ■新聞紙で防寒

それはちがうー(笑)。
でも、新聞紙を衣服の下に入れる、というのはわりと昔から簡単なサバイバルガイドとかに載っていた気がします。
新聞紙ってたいてい、記事そのものより、こういった別の使い方で役に立つ気がする。

8 ■>とらさん

やっぱり違います?笑
おー、昔からのサバイバル法なんですね。
>新聞紙ってたいてい
う。汗 それでも新聞購読は何となくやめられないんですよね~。今日も括るのに一苦労。前は紙袋をくれたのにな。

9 ■新聞をくくる

きちんと折りたたんであるほど、間に入る空気が抜けるのでくくりやすいのですが、なかなかそれが難しい(笑)。
一ヶ月分の新聞紙って、重量があるのも困りもんですね。

10 ■>とらさん

一か月分ではなく、半月分なのですが(一ヶ月に二回回収があるので)、それでも結構苦労するのです!!
もー、括るのキライ!
「この新聞は読み終えたら、自動的に消滅する」とかだと、嬉しいなーと思うですよ、全く。

11 ■なお、この新聞は

実際に、そこでしゅ~っと煙が出たら困るじゃないですか(笑)。
とはいえ、紙の新聞は、ほんとそんな気になりますねえ。
ネットで読む限りは、そういう面倒はなくてすみますが(笑)。

12 ■>007新聞

>とらさん
便利じゃないですか?笑

13 ■消滅しちゃうのは

「スパイ大作戦」ですよ( ‥)/

14 ■>とらさん

間違えました~。汗 ミッション・インポッシブルでも、同じ間違いを犯して、旦那に馬鹿にされたのでした。恥

15 ■興味と年齢差

私の兄貴分には、スパイ大作戦の問題の定番シーンを、
「おはよう、フェルプス君」
から始めて、
「なお、このテープは自動的に消滅する(しゅるるるるる)」まで、全て完璧に言える人がいました。
くぅぅ。
放映当時の年齢の、数年の差によって、記憶の鮮明度が違うのです。

16 ■>若さアピール

>とらさん
だったのか、記憶力がダメダメなアピールなのか。笑
スパイ大作戦ってほとんど見たことないのです。とらさんも、兄貴分(笑)さんの鮮明な記憶が羨ましいのですね~。

17 ■年齢差

小さい頃って年齢差でかいじゃないですか(笑)。1つ上でも、すごーく年上に思えたり。
大人になると、10年違ってもそんなに差があるとは感じなくなっちゃう。
でもやっぱ、子供の頃の記憶となると、この「1年差」とか「2年差」が大きくものをいっちゃうわけで……。
「スパイ大作戦」、私はまだうんと小さかったのです!(笑) 別に若さをアピールしているんじゃないけど。

18 ■>とらさん

お、とらさんも若さアピールですか(違)?
そうですねー、中学生の時の「先輩」はなぜにあんなに偉かったのか!、と思いますね。笑 大人になると仰るとおり、そんなに差は感じなくなりますね。やっぱりそれは、生きてる時間の分母の大きさによるのでしょうか。

19 ■先輩が偉いと思う時

つなさんは中学時代なのかあ。
私は中学時代はナマイキ小僧だったせいか、高校の時のが、先輩は偉い、と思った事が多いような気がします。ああ、でも、小学生の頃も、1つ上だとなんか凄いような気がしていたかもしれない。
成長速度とか、成長期の終了も関係してくるのかな。

20 ■>とらさん

うーん、私の場合、高校時代は部活に入ってなかったのもあるかも。笑 中学時代は、校則とは別に、先輩による裏校則(笑)のようなものがありまして、靴下とか鞄の決まりがあったのです。ここでいう「偉い」には、あまり尊敬する意味が含まれてなかったかも。汗

うーん、小学生の頃は、六年間が永遠に終わらないのでは、と思いましたもんね。一つ上だと身体の成長も違うのかもしれませんね。

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