「女には向かない職業」/企画参加「名探偵で行こう!」
テーマ:ハヤカワ文庫乗っからせて頂きます♪
■とらさんの記事はこちら
→ テーマ企画!「名探偵で行こう!」(参加募集)
とらさんはポアロを上げていらっしゃいます。私も色々悩んだのですが、今日はとりあえず「女性探偵」で行きます。
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質問はこちらの五問
■Q1現時点で一番好きな名探偵は、いったい、誰(1名限定)
理由もあげてね
■Q2その名探偵が関係した事件で一番印象深かったものは何(1作限定)
■Q3その名探偵を支える脇役(常連キャラ)の中で好きなキャラは?
(1名限定)
■Q4その名探偵が物語中で飲食していたもののうち、お相伴したい
ものは?(1品限定)
■Q5次に記事を書いてもらいたい人を1名指名のこと(指名しなくても可)
これね、一記事に一人の探偵をあげるんです。そこが悩むけど面白いとこ。また別の探偵をあげるには、別記事を上げるということになります。同じ探偵をあげていても面白いし、いやいや、この探偵がいいんだよ、という意見もお聞きしたいなぁ。結構悩む質問だと思うのだけれど、参加したいという方がいらしたら、是非是非あなたの「お気に入りの探偵」を教えてくださいね。 ***********************************************
では、本題に入ります
■Q1現時点で一番好きな名探偵は、いったい、誰(1名限定)。
理由もあげてね
「一番好き」ってとても難しいんだけれど、今回は女性、しかも「若い女性限定」でいきます。とすると、P.D.ジェイムズが生み出した、可憐な女探偵コーデリア・グレイ! コーデリアのデビュー作である「女には向かない職業:AN UNSUITABLE JOB FOR A WOMAN」より引用します。
彼女が持っているものはただ、そのほっそりとした、だが強靭な二十二歳の肉体と、かなりの知性―これについては、バーニイとしてはときどき、感心するよりはむしろ面くらっているときのほうが多いのではないかと彼女は疑っているのだが―と、そしてバーニイ自身に対する、なかば腹立たしく、なかば同情的な愛情だけだった。
バーニイというのは、探偵事務所の共同経営者で、コーデリアのパートナー。でも、冒頭でいきなり自殺してしまうのだ。「女には向かない職業」だと皆に言われながら、彼女はこの探偵という職業を続けていく。
彼女の魅力は解説にもあるのだけれど、無垢なところだと思う。
冷静で知的でありながら可憐で儚げ。母が早くに亡くなって、子供時代に修道院で教育を受け、大学に入ろうと思ったら父に呼び戻され、振り回され、と一見あまり幸福ではない育ち方をしているのだけれど、彼女はひねくれたりしないし、自分の立ち位置を冷静に判断し、問題に立ち向かうことが出来る。彼女の性格が私は好きです。
■Q2その名探偵が関係した事件で一番印象深かったものは何
(1作限定)
このコーデリアシリーズは、実は「女には向かない職業」と「皮膚の下の頭蓋骨」の二作しか出ていない(はず)。印象深いのは、彼女のデビュー作である「女には向かない職業」における事件かなぁ。共同経営者が亡くなり、こんな若い女性に探偵がつとまるの?と疑われながら、ひたむきに捜査を進めるのだ。
P.D.ジェイムズの作風は一般の探偵小説とは、ちょっと違っているように思う。上手く説明が出来ないので、「皮膚の下の頭蓋骨」の解説に載せられた、P.D.ジェイムズの言葉を引用します。
「私はトリックやパズルに関心があって書く推理作家ではなくて、人間関係・人間性・動機といったものを主として描きたいと思っているんです。―殺人はいわば究極の犯罪であって、媒体の役割をしているというか・・・・・・。普段は人間はいろんな感情の上に殻のようなものをつけて、それを覆い匿しているけれど、殺人はそれをふきとばしてしまう。そういう意味で、その人の真の姿や人間性、人々が匿そうとしている本質をあばきたてる、といったところに興味がありますね」
彼女の最初の事件は、「大学を中退し、自ら命を断った青年の自殺の理由を調べてくれ」という依頼だったのだけど、普通の探偵よりも深くこの事件に関わることになる。ずっと事件の外側にいるわけではない。その辺の心理劇が見ものなのだと思う。
■Q3その名探偵を支える脇役(常連キャラ)の中で好きなキャラは?(1名限定)
このコーデリアは基本的にはいつも独り。ちょっと反則かもしれないけれど、「女には向かない職業」の冒頭でいきなり亡くなってしまった、バーニイかな。亡くなってしまっているのだけれど、端々で彼は登場する。捜査に対する情熱、愛情はあるのだけれど、悲しいことにどちらかというと無能で不運な人間。でもどこか愛すべきところがある。
人生は、何かちっとも悲劇的ではない、しかし明確な方法でバーニイに背を向けたのだということは、コーデリアにはもうずっと以前に感じとれていた。彼女にはそのしるしが見分けられた。
ほんとはね、この亡くなったバーニイが首都警察にいた時に、上役だったダルグリッシュ警視が影の脇役と言えるのかもしれない。でも、私、このP.D.ジェイムズのダルグリッシュシリーズを読んだことがないんです。コーデリアは捜査を進めるときに、「あの警視だったら・・・」とよく考える。バーニイにとって警視は尊敬と賞賛の的で、崇拝しきっているのだけれど、話を聞かされるだけのコーデリアには、何だか面白くない存在なのだ。自分だけの軽蔑のイメージを作り上げる。とはいえ、実は彼女も心の底では、警視を深く尊敬しているようでもあり。自分の作ったキャラをそんな風に描くのも面白いなーと思った。「女には向かない職業」の最後の方では、コーデリアと警視の対決(?)も見られます。
■Q4その名探偵が物語中で飲食していたもののうち、お相伴したい
ものは?(1品限定)
ポーク・パイ。でも、これは食べ物というよりも実はシチュエーション。
チャペルから河の土手へとつづいている大きな石塀のかげに椅子が置いてあったので、そこに腰かけて太陽を浴びながら昼食をとった。大胆な雀が一羽、きれいな芝生の上を跳んできて、ぱっちりした無邪気な眼でこちらを眺めた。彼女はポーク・パイの屑を投げてやり、それがついばむ様子に微笑した。河のほうからは水の上を呼びかう声々がこだましてきた。木と木がおりおりこすれ合う音や、小鴨のするどい啼き声も。彼女のまわりのものはすべて―砂利の小径の宝石のような小石、芝生の草の銀色の茎、雀の小さな脚も含めて―まるで幸福が彼女の眼を洗ってくれたかのように、今までになく、くっきりとそのひとつびとつが映った。
おしゃべりはしなくていいから(コーデリアは無駄なおしゃべりをするタイプではない)、隣でこのシチュエーションを含めてお相伴したいなぁ。
■Q5次に記事を書いてもらいたい人を1名指名のこと
(指名しなくても可)
うーん、いつもバトンを受け取って頂いている、喋喋雲 さん、如何でしょうか?一名指名だけれど、指名しなくてもいいし、バトンを持ってくのも可とのことです。よろしくお願いしまーす。
- P.D.ジェイムズ, 小泉 喜美子
- 女には向かない職業
- P・D・ジェイムズ, 小泉 喜美子
- 皮膚の下の頭蓋骨
*臙脂色の文字の部分は引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。











1 ■女には向かないのって何故
つなさん、お疲れ様でした!
この本が出た時、本題の謎解きより興味を惹いたのは、タイトルにある問題。
なぜ、女には向かないのか?
別に、探偵が男だけの職業ということはないはずだし、現代はとりあえず男女平等をうたっているのだよね。
でも、依然として、片方の性に偏った業界は存在するし、そこへ異性が入っていくのは、かなり大変。
私はモノセックスの学校→バイセックスだが片方の性に偏った学科、というふうに学校を進んだので、余計に気になったのかも。
また、「女には向かない職業」についた主人公が、だからって男勝りってのではない事も、おもしろかったですねえ。