「プラネタリウムのふたご」/しあわせ
テーマ:講談社ある村のプラネタリウムで拾われたふたご、テンペルとタットルの物語。装丁もとても綺麗。一人は郵便配達夫、兼プラネタリウムの投影係として村に残り、もう一人は手品師として外の世界で生きていく。長編小説だけれど、童話のような味わい。
説明が上手く出来ない不思議な物語だけれど、読後温かな気持ちになる。最初は世界に入り辛いかもしれないけど、少し時間を置いてからの方が、じんわりといい話だと感じるような本。ふたごを拾い育てる、投影係の泣き男(あだ名)もいい。星の見えない村におけるプラネタリウムは、人々にとって少し特別な意味を持つ。
以下、引用。
プラネタリウムの天井は、つまり外だと。ぼくらがおもてにでていったとしても、そこが空の下なら、どこにいようがその場所を、うちと考えてよいのだと。
ぼくたちはまるで、海をただよっていく氷山だ。ゆっくりと溶けて、少しずつ少しずつ、確実に小さくなっていく。氷山であるぼくたちは、そうしてこれからもこの先も、目に見えないほど広い海に、海にかかわるすべてのものに、きっとつながっていられるのだ。
だまされることは、だいたいにおいて間抜けだ。ただしかし、だまされる才覚がひとにないと、この世はかさっかさの、笑いもなにもない、どんづまりの世界になってしまう。「ひょっとしたら、より多くだまされるほど、ひとってしあわせなんじゃないんだろうか」とタットルはおもった。
著者: いしい しんじ
タイトル: プラネタリウムのふたご
*臙脂色の文字の部分は本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、御連絡下さい。











1 ■お。出ましたね!
プラネタリウムのふたご。
この作品はけっこう考えさせられることが多かったですね。
ここで言うだまされる才覚って、戸隠がタンザニアからやってきたっていう外人に何とかってコーヒーを押し売りされたようなもんとは違うんですよねぇ。
戸隠は、ふたごのどっちかに手紙を書いてたのがあの人だと分かったとき、ヲイヲイ涙を流してしまいましたヨ。
ポーよりもこっちが好き。
残念ながらこの本は手元にないので、いずれまた入手しようと思っていますよん。