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2005-06-28 08:28:33

「プラネタリウムのふたご」/しあわせ

テーマ:講談社
いしいしんじ「プラネタリウムのふたご」

ある村のプラネタリウムで拾われたふたご、テンペルとタットルの物語。装丁もとても綺麗。一人は郵便配達夫、兼プラネタリウムの投影係として村に残り、もう一人は手品師として外の世界で生きていく。長編小説だけれど、童話のような味わい。

説明が上手く出来ない不思議な物語だけれど、読後温かな気持ちになる。最初は世界に入り辛いかもしれないけど、少し時間を置いてからの方が、じんわりといい話だと感じるような本。ふたごを拾い育てる、投影係の泣き男(あだ名)もいい。星の見えない村におけるプラネタリウムは、人々にとって少し特別な意味を持つ。

以下、引用。

プラネタリウムの天井は、つまり外だと。ぼくらがおもてにでていったとしても、そこが空の下なら、どこにいようがその場所を、うちと考えてよいのだと。

ぼくたちはまるで、海をただよっていく氷山だ。ゆっくりと溶けて、少しずつ少しずつ、確実に小さくなっていく。氷山であるぼくたちは、そうしてこれからもこの先も、目に見えないほど広い海に、海にかかわるすべてのものに、きっとつながっていられるのだ。

だまされることは、だいたいにおいて間抜けだ。ただしかし、だまされる才覚がひとにないと、この世はかさっかさの、笑いもなにもない、どんづまりの世界になってしまう。「ひょっとしたら、より多くだまされるほど、ひとってしあわせなんじゃないんだろうか」とタットルはおもった。



著者: いしい しんじ
タイトル: プラネタリウムのふたご

*臙脂色の文字
の部分は本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、御連絡下さい。

コメント

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1 ■お。出ましたね!

プラネタリウムのふたご。
この作品はけっこう考えさせられることが多かったですね。
ここで言うだまされる才覚って、戸隠がタンザニアからやってきたっていう外人に何とかってコーヒーを押し売りされたようなもんとは違うんですよねぇ。
戸隠は、ふたごのどっちかに手紙を書いてたのがあの人だと分かったとき、ヲイヲイ涙を流してしまいましたヨ。
ポーよりもこっちが好き。
残念ながらこの本は手元にないので、いずれまた入手しようと思っていますよん。

2 ■>戸隱さん

手元にないのに、えいや、とその時のメモを元に書いてしまいました。プラネタリウム、というと私の中では、なぜか「夏の夜」のイメージなのです。
「ポー」よりもこちらの方がいいのかー。いしいさん、この本が良すぎたので、何か怖くて他の本を読んでません。笑 私もこの本は手に入れたいなぁ。全然違うのかもしれないけど、私はアゴタ・クリストフなんかも思い出しました(これまた、手元にない)。

>コーヒー
それ、昔大学にもやって来ましたよ。全国規模であるのですね。研究室が7階にあって、普段知らない人なんか滅多に上がってこないので、よくこんな怪しげな所に来るなあ、と驚きました。でも、あれは日本人だったのかな。本物のフェアトレードのだったら、いいんですけどねえ。

3 ■はじめまして。

苗坊といいます。
TBさせていただきました^^
この本は私も好きです。
読了後は、切ないけれども、心があったかくなるような感じがしました。
言葉が素敵ですよね。

4 ■>苗坊さん

はじめまして!コメント、TB、登録ありがとうございます~。
苗坊さんの所に遊びに行ったら、私が好きな本がちらほら。読書傾向が似ているのかも?

>プラネタリウムのふたご
切ないけれど、美しい物語でしたよね。言葉が素敵なお話は大好きです。

5 ■ありがとうございます!

TBありがとうございました。
うれしいです^^
私も好きな本がいっぱいあるなぁって思ってみていました。
泣き男は私も好きです。
本当の父親ではないけれど、2人への愛情は本物だと思いました。

6 ■>おっと

今、私も丁度オンラインでありました。やっぱり、読書傾向が似ているのかな。ちょっと嬉しいです。笑

>泣き男
巷の教育論よりも、よほど良い「教育」をしていると思うのです。でも、ふたごの悪戯には、読みながら「どひゃー」となりましたよ。笑
うんうん、「愛」でしたね。

7 ■読みたい

興味津々。
とても読んでみたいと思いました。
書評を書くのがお上手だなといつも感心してます。
ウェブサイトで本の紹介コーナーをやってますが、いつも苦労してます。得意じゃないみたい。

8 ■>熊野さん

お褒めにあずかり、恐縮です。
でも、「書評」なんてもんじゃなく、自分がどう感じたかの、「感想」にしか過ぎないのです。汗

うん、この本いいですよー。
日本の作家でこういう味わいの人は珍しいかも、と思っていたら、知人に「少し宮沢賢治を思わせるよね」と言われました。言われてみれば、確かにそんな感じです。<参考になれば

>ウェブサイト
ええ!ああ、やっぱりまだまだ多面的な熊野さん。他の面もいつか知りたいです。熊野さんの本の紹介にも、興味津々です。

9 ■先にお返し・・・

文字化けTB削除しました。
TBさせてもらいました。
『麦ふみクーツェ』に比べるとわたしには合わなかったようで・・・

10 ■>乃太朗さん

トラバありがとうございました。
こちらからは、また様子を見てからにしますね。ご迷惑、お掛けしました。
「みんな、絶賛!」の本でも合わないものってありますよね。あちこちで書いてる気がしますが、私は福井晴敏氏の本がそうです。こちらは、乃太朗さんも高評価でしたね。合う、合わない、って難しいです。

11 ■TBありがとうございます!

だまされる事についての本からの引用がとても興味深い。「麦ふみクーツェ」でも、詐欺師が出てきて騙される人たちがいます。この作家さんは、「騙されること」に拘ってるようです。短編でもいくつかそんな記述がありました。確かに、騙されなければ味わえない悔しさは、ミステリーにおいて不可欠だよなぁと思います。日常生活はちょっと嫌だけれど(笑)。
私もTBさせてくださいな。

12 ■>喋喋雲さん

トラバ返し、ありがとうございます♪
「麦ふみクーツェ」でも、詐欺師が出てくるとは。でも、小説って、ある意味騙しでもあるわけで、そういう意味で、こだわりがあるのかなぁ。
ミステリーはね、楽しく騙してくれないとですよね。笑 日常生活では、「くー」と悔しく思いますが。笑

今日も図書館にいしいしんじさんが、おいてありませんでした。悲しい…。てか、文庫に落ちてるのもあるんですよねー。

13 ■URL張らしていただきます。

もう諦めましょうか…。

いしい作品二冊目も面白かったです。紹介していただいてありがとうございます!つなさんの言ってた通り、どこか昔懐かしい童話の味わいがありますね~。

幸い僕の行く図書館には結構いしいしんじ作品があるので、これからも定期的に読もうと思ってます。

14 ■>おんもらきさん

こんばんはー。
さっき、トラバにトライしたんですけど、やっぱりダメみたい、くーーー。
今日のお昼、他のfc2ブログにはトラバ出来たんですけど…。もう諦め?(苦笑)

お気に召して何よりです~。
やっぱり、ちょっと童話風味ですよね。

私が普段行ってる図書館には、いしい作品も古川日出男作品もほとんどなく。涙 ま、取り寄せればいいんですけどねー。
私も読まなくっちゃ!

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