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フィードメーター - 日常&読んだ本logあわせて読みたい
2005-06-03 08:04:48

恋/「ツ、イ、ラ、ク」

テーマ:角川書店
姫野カオルコ 「ツ、イ、ラ、ク」

狂おしいほどの恋に、しばしあてられた。

幼い小学生の生活、中学生の頃、そしてそこで出会った恋。
中学生から舞台は一気に二十年後へ。主人公・隼子の恋は? 


普通の(?)恋愛小説のように、「今現在の二人の恋」にのみ焦点を当てた話ではない。ありがちなお菓子のような、ふわふわした甘さもどこにもない。幼い頃の生活のディテールがそれはそれは事細かに描かれる。うーん、でもこれもこの恋の濃度を高めるための演出なのか。周囲の登場人物の性格付けもきっちり。こういう人たちは確かに存在していた。

幼い小学生の女の子の世界。当の昔に大人になったはずの作者が、この息苦しい「サロン」「社交」の日々を、正確に表現することにまず驚いた。早熟な女の子にとって、田舎町の生活はきっとちょっと辛い。よく分からない女の子のルール、おかしな先生、あまりに幼い男の子達。

恋愛小説にあまり感心したことがないのだけれど、この本には感服させられた。物狂いのような恋かー。うーん、読後、現実復帰に時間がかかる感じ。


感心させられる表現が数多くありました。最初は恋愛小説だとは思わないで読んでいたし、小学生の生活が非常に細かく描かれるので、どこに連れて行かれるんだ~?、と不安になりましたが。色々とヒリヒリ痛い、小説だった。でも一点だけ、私は小山内先生が好きではなかった。私もまだまだ潔癖なのかしらん。

姫野さんのエッセイなども読んでみたいなあ、と思ったことでした。
以下、引用。

恋とは、するものではない。恋とは、落ちるものだ。どさっと穴に落ちるようなものだ。御誠実で御清潔で御立派で御経済力があるからしてみても、あるいは御危険で御多淫で御怠惰で御ルックスが麗しいからしてみても、それは穴に入ってみたのであって、落ちたのではない。

「自分が状況や感情を処理する手段と力を持っていないのに、状況や感情に襲われてふりまわされる苦痛は二度とごめんだわ」

たかが。彼をそう思っていた。今からすればふたりとも「たかが」だった。「たかが」のころ、ふたりとも怖いものがなかった。明日のことを考えなかった。一時間後のことすら。そのとき、その一瞬が、ただ在った。そのとき、その一瞬がただ在って、かけがえのない日々の尊さをまるで知らなかった。二度ともどることなきひとときの熱さにまるで感謝しない。若さのきらめきとは、そういうことである。

著者: 姫野 カオルコ
タイトル: ツ、イ、ラ、ク

*臙脂色の文字の部分は本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡下さい。

コメント

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1 ■姫野さん

「ツ、イ、ラ、ク」読んでないんですよね~。気になってます。
「蕎麦屋の恋」で関心が薄れちゃったんですけど、「よるねこ」の雰囲気は好きだったんです。
狂おしいほどの恋かぁ。してみたいっす、一生に一度は。でも、一度はまると抜け出せなくなりそう!意気地なしな私は安易な道を選んでいくような気がします・・・。

2 ■>喋喋雲さん

私、姫野さん初読みだったんですよ。後書きで、さらりと「過労で神経が切れた」とか書いてあって、またびっくり。神経って切れるものなのでしょうか。怖
エッチな描写も当然あるわけですが、「いやらしい」感じではなく、まさに「喰らい尽くす」体育会系の感じです。なんだか、まだあてられ気味です。激しかった・・・。

3 ■読んだことないです

姫野さんの作品、読んだことないです。
そんなにどっぷりはまれるのですね~。
それはぜひ読んでみなくては。

それにしても・・・。
恋は落ちるもの。
江國さんの東京タワーで書かれているのも同じです。
あちらは不倫の恋でしたが。(^_^;)

狂おしいほどの恋って体験してみたいような
ちょっぴり怖いような感じです。

4 ■おはようございます

TBいただいていたのに、昨日は死んでました(--; 遅くなってすみません。
記事、拝見しました。
>恋愛小説にあまり感心したことがないのだけれど、この本には感服させられた。
とのこと。う~ん、やっぱり!なんて(^_^ゞ
なかなか凄みのある小説でしょ。落ち着いて書きたいと思いながら、果せなかった私が言うのはナンですが(--;
みわさんが書いてらっしゃるように、私も「恋とは、するものではない。恋とは、落ちるものだ。」という箇所を読んだとき、江國さんの「東京タワー」を思い出しました。こちらは読んでいないのですが、映画のときにキャッチコピーになったフレーズだったと思います。たしか、「恋とはするものではなく、落ちるものだ」だったか(うろ覚え)。2人の作家さんのテイストは180度違うけれど・・・。そういえば、田辺聖子さんの小説にも似たフレーズがあったかもしれない。ま、そりゃ、そういうものでしょうか。
ご存知かと思いますが、この小説の外伝(続編ではなくて)が新刊の「桃」であります。あわせて読んだら、めっちゃおもろい、と思いますです。こりゃ、ナミの作家じゃないわ、という感じがしました。
私からもTBさせてください。

5 ■>みわさん

ahahaさんの所にあるように(TBで行ってみて下さいな~)、好き嫌いは分かれるかもしれないけれど、私は好きでしたねー。この突き放し感が。あ、そう、読んでたのは、藤堂さんの小説ではなく、この小説であります。

>江國さん
あちらは、同じ「落ちる」でも、ふわふわと落下点がない感じに落ちていくように思います。対する姫野さんの場合は、もう「ドスン」と落ちて腰とかも打ち付けてる感じです。

>狂おしいほどの恋
なんというか、何でこの人を好きか、とかそういう説明が何にもないのですよね。ただ「この人が欲しい」という思い。でも、恋ってその最中は、そういうものなのかもしれませんね。

6 ■>ahahaさん

お忙しいところ、TB返しありがとうございました。いやいや、週末はきっと大変でありましょう。

>恋とは
私も関連を思いました。でも、引用部の恋の穴に「落ちる」と「入る」の違いに、唸ったのです。「落ちる」は普通に表現として言えると思うのですが(いや、自分で書けるわけはないですけど)、この「入る」まで含めて、書ける人はそうはいないのではないかと思うのです。
「桃」知らなかったので、ありがとうございました。よ、読みたいー。でも、新刊ですかー。図書館にはないよなあ。しょんぼり。

7 ■喰らい尽くす!

なんと素敵な響きっ。
喰らい尽くす恋愛かぁ。終結に向け一心不乱に突き進む、その不安定な一途さがあるからこそ、狂おしい恋となるのですね。
ああ、とても私には出来ない。だから私は、恋愛小説を読むのかもしれません。「ツ、イ、ラ、ク」絶対読んでみます!

8 ■>喋喋雲さん

ちょっと好みが分かれるかもしれませんが(小心者なので、心配になってきた。笑)、いい小説でしたよー。何かね、ぐっとくる深い表現が沢山。ただ、ちょっと冒頭たるいかもしれません。名前も覚えられないよー、と思いました(いきなり、小学生の少女たちの「制裁」の場面から始まるので)。
私も既婚者で「メラメラ」ではあるものの、もっと草食動物系なので。笑 こんな恋愛は出来ないかなあ。

9 ■はじめまして

この本を読んだ方の感想が見たくて着ました。
ラストが誰かに言いたくなるんです。私だけかな。
TBさせていただきます。

10 ■>おうかさん

はじめまして!トラバ&コメントありがとうございます。後程、繋げますね。
ラスト言いたくなる気持ち、分かります。笑 私は二人があのまま成長していた所が、嬉しかったです。こずるい大人にならなかったのね、と。

11 ■イキナリ・・

お邪魔いたします。まめこと申します☆自称姫野先生フリークのアタシも<ツ・イ・ラ・ク>は宝本(たからぼん)デス♪ヤッテヤッテヤッテヤッテやりまくりの純愛もあるんです。まめこが今、その状態です。涙がでないくらい胸がぎゅ~んとしてしまいました(*^▽^*)

12 ■URLの入力ミス(T_T)

まめこです。
・・ごめんなさい。こっちが正しいデス・・

13 ■>まめこさん

はじめまして、コメントありがとうございました。これ、いい本でしたよね~。この本の中の「欲しい」という気持ちは、子供のように純粋なものだなぁと感じました。
URL、大丈夫ですよ。ブログ、拝見させて頂きました。いい年して、精神的におこちゃまなので、ちょっとドキドキしてしまいました。ばすじさんとお幸せに~^^。

14 ■読みましたー

ツ、イ、ラ、クをやっと読みましたよ。
で、どすんと落ちてしまいました。
すごい衝撃でした。(^_^;)

初の姫野さん作品だったんですけど
恋愛にどっぷりひたりたいときは
彼女の作品が良いかも。
本当に落ちるって感じで素敵な雰囲気でしたよね。

あぁ、まだ浸ってます・・・。

15 ■はじめまして

いきなり富士山から登ってみたようなもんですよ。

だから他の本を読んでも物足りないです。

16 ■ごめんなさい

みわさんのTBに飛ぼうと思って、つなさんが以前くださったTBに間違ってきて間違ってコメントしてしまいました。
すみません。
ではお元気で~

17 ■>やはり、衝撃

>みわさん
スゴかったですよねえ。私もしばらく日常に復帰出来なかったですもん。濃密な空間でしたよね。まさに、濃ゆい感じ。
でも、お気に召したようで良かったわ~。こちらからも、この後トラバお返しいたしますね。

18 ■>おうかさん

いえいえ、こういう偶然もまた楽しいです♪ 
>いきなり富士山から登ってみたようなもん
おお、私もそれを危惧していたのですが、やはり・・・。

おうかさんの文章も、深い経験に裏打ちされていて、重みのある言葉ですね。おうかさんの書評、面白いです。また寄らせていただきますね。

19 ■桃も

桃も読みましたよー。
感想UPしましたのでTBさせてもらいますね。

つなさんは桃未読ですか?
よかったら読んでみてください。
私は結構好きでした。
隼子の寂しさも出てたし。

20 ■>みわさん

TBありがとう~。こっちからも返しちゃって、大丈夫かしら。
でもって、私はまたも未読。本屋でも見かけないのだけれど、なぜだー。地道に図書館で探してみるつもりです。

21 ■読みました~。

TBありがとうございます。私もTBさせて下さいませ。
これは、読んでよかったとホントに思いました。知らずにいたら後悔しそうです。つなさん、ありがとうござます!!
甘さが無い文章がすごくいいですね。恋愛小説とくくることが出来ないように思います。
どうして、直木賞とれなかったんでしょう。って思ったら、その回の受賞者は、江國氏と京極氏でした・・・。

22 ■>喋喋雲さん

TB返し、ありがとうございます♪
そうそう、これ読んで良かった本ですよねー。
>つなさん、ありがとうござます!!
いえいえ、こちらこそ喋喋雲さんの書評が読めて嬉しかったです!
設定はありがちではあるけれど、本当にこの凄まじいばかりの迫力は、一体どこからくるのでしょうか。ほーっと
ため息をついてしまいますよね。確かに恋愛小説の枠には収まりきらないかも。

む、江國さんと京極さんと、直木賞を争ったのですか。ぐー、惜しい!でも、作品単位で賞を出すのならば、決して負けてないと思うのですけど。あれ、結構これまで頑張りましたで賞に感じますよね。汗

23 ■恋は落ちるもの・・・か

恋ってよくわからないなぁ。。。落ちるもの、というのはわかるが、理性が吹っ飛ぶというのが、僕にはよく分からないなぁ。そういう意味では、僕は恋愛体質ではないのかも。それは少し寂しいが、まぁ感情で理性が支配されたりしないのは、いいことなのかもなぁ。。。

24 ■>ツ、イ、ラ、ク

>ペトロニウスさん
この小説は凄まじい迫力なんです。これ、男性の感想もお聞きしたいなー。そして、ペトロニウスさんの奥様にも、実は読んでもらいたかったりもする。笑 機会があったら、手にとってみてくださいね。

これの「落ちる」は、前のコメレスにも書いたけど、ふわんと落ちるんじゃなくって、ほんとにドスンと落ちてる感じなのです。私もここまでの狂気は、あまり経験がない。頭で生きてるのかも。「恋」ってほんとは「狂気」なんでしょうね。

25 ■ようやく

つなさん、こんにちは。

昨日、ようやく『ツ、イ、ラ、ク』を読み終わりました。
長い小説ではありますが、これほど一冊の小説を読むのに時間がかかったのは久しぶりのことです。

とはいえ、詰まらなくて読み進めないというわけではないのです。
数ページ読むと、自分ではすっかり忘れていた小・中学生のころの恥ずかしい記憶がどっと蘇ってきて、本を閉じてしまう、ということを繰り返していたのでした。

読後感は・・・。
とにかく読み応えがありました。
ラストは「ほっと一安心」というところです(笑)。

読む前と読んだ後では、確実に自分の中の何かが変わった、といえるような力作でした。

26 ■>喜八さん

こんにちは、そしてお疲れ様でした!

喜八さんは、ゆっくり丁寧に読まれたのですね。
そう、姫野さんは、昔の「恥ずかしい記憶」を、何でこんなに新鮮に書けるのだろう、と驚きました。
鮮烈に記憶が蘇ってくるのも、分かるように思います。

読み応えもありましたし、一気読みすると、あの世界からなかなか帰ってこられない、という弊害が。笑
(女性で、そういう方が多かったです)
ラストはね、普通だったら、「この、ご都合主義!」と思うところですが、うんうん、「ほっと一安心」でしたよね。

凄まじく力強い「恋愛小説」でしたよね・・・。

27 ■これ

これ家に見当たらないんだよなー。売っちゃったのかも知れない。でも、完璧にインプットされているので、しばし待ってくださいね。ぜひ、読んでみたい。が、僕は、理性が狂うほどの恋・・・というのが、わからないし、たぶん理解したくな気がするなぁ。たぶん等身大の領域の世界で、そういう熱情や絶対性みたいなものを、使い尽くしたくない!と思っているのかもしれない。むしろ、アレキサンダーが世界を統一しようとした気概や、宇宙に進出しようとしたロケットの開発者とか、神を証明しようとしたニュートンとか、、、、恋愛でない形での、理性の消失はスキなんだが・・・。

28 ■>ペトロニウスさん

そうか、なくなっちゃったんですねー。残念。
>等身大の領域の世界で、そういう熱情や絶対性みたいなものを、使い尽くしたくない!
なるほど。それも分かるなぁ。でも、だからこそ、こういう小説で追体験できるのもいいな、と思うのかも。理性を失うほどの恋なんて、誰にでも訪れるものではないしなぁ。

29 ■姫野カオルコの「ツ、イ、ラ、ク」を読む!

トラックバックさせていただきます。
よろしくお願いします。

30 ■>tonton3さん

お久しぶりです。
後ほど、お返しいたしますね。

31 ■穴的恋愛

なるほど、皆さんのご意見参考にさせていただきました。
恋愛の穴的説明や「入る」と「落ちる」の違いについては、人それぞれ、という気もしますね。
むしろ穴があいていることに自覚的かどうか、というほうが興味があります。
ま、そんなこというのも「穴」に「落ちた」ことがないからかもしれませんが、それはそれとして面白い作品でした。
つなさんの記事が読むきっかけの1つでした。
どうもありがとうございます。

32 ■>bookbathさん

おお、私の記事が切っ掛けでしたか、嬉しいです。
恋愛モノといえば、ふわふわと甘やかなもの、若しくは物憂げなアンニュイなものという、これまでの私の恋愛モノに対しての概念を、ぶち壊してくれた物語でした。がむしゃらでひたむき、切実で痛い、という感じ・・・。
ここ、コメント欄が賑わってたから、皆さんの意見が読めて面白いですね。笑 読んだときの興奮を思い出しました。
恋愛の穴的説明は、既に使い古されて、ある意味、陳腐になってしまった表現に、新たな力を吹き込んだようにも思います。
この後、トラバお返ししますね。

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