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2005-05-30 07:51:50

ヘッセ/「ヘルマン・ヘッセを旅する」

テーマ:世界文化社 
ヘッセって読みました? 私は家にあった旧字体の本で読んだのが、最初だったと思います。「デミアン」「知と愛(でしたっけ?「ナルチスとゴルトムント」というタイトルだったような気もする)」「荒野の狼」なんかが好きでした。一方、学校で読まされた、「車輪の下」は全く面白くありませんでした。最初に「車輪の下」を読む人は可哀想だなあ、と勝手に同情していました。

ヘッセの本は大抵の場合、強い自我が描かれているように思うのですが、それが挫折の後、再生を果たしていないと意味がない。そういった意味で、「デミアン」なんかが好きで、「車輪の下」が嫌いだったのだと思います。今、両者とも手元にないので、ちょっとうろ覚えですが、「堕ちよ。その後に這い上がれ」というのは、「デミアン」坂口安吾「堕落論」などに共通した精神だと思います。

で、今日はこちらの一冊。

写真・文 南川三治郎「カルチャー紀行 ヘルマン・ヘッセを旅する」

構成はこうなっている。

第一章「カルフ」~生誕の地~
第二章「ガイエンホーフェン」~執筆活動へ~
第三章「モンタニョーラ」~安らかな日々~
●絵画集「ヘッセの水彩画」
●アルバム「ヘルマン・ヘッセ グラフティ」
●「カルフ」ヘッセ所縁の地案内マップ
●「モンタニョーラ」ヘッセ所縁の地案内マップ

扉によると、『車輪の下』、『青春は美わし』などで知られるドイツの代表的な作家ヘルマン・ヘッセ所縁の地カルフ、ガイエンホーフェン、モンタニョーラを訪ねその足跡を精緻にたどる写真紀行とのこと。



美しく自然豊かなドイツの町、終の住処カサ・ロッサ、ヘッセの人生に関する記述。写真紀行だから直ぐに読み終わるかな~、なんて思っていたのに、非常に読みでがあり、意外と時間をとりました。自然や庭仕事を愛しながらも、放浪生活にも憧れるヘッセ。とんでもなく強い自我に生涯苦しんだ人なのかなあ、と思っていた。でも、ここに載せられている水彩画はとても穏やか。美しい風景、庭仕事、そんな生活の中で紡がれた物語だったのだと初めて知った。あ、ヘッセの顔、気難しそうではありましたが、中々端正なお顔でありました。


カルフに住むヘッセ研究家ウリ・ロートフス氏の言葉。
「ヘッセの生涯を顧みると、ヘッセのあまりにも激しい生きざまとそれを克服する勇気に感服せざるをえません。度重なる危機を乗り越えた末、辿り着いた晩年の豊かな境遇に感嘆させられるのは私だけではないでしょう。ヘッセは人生半ばからとても偏屈な人間性を持ち強靭な精神を持つ人になりました。それにもかかわらず、愛について、人生について、時には田園生活を送る中で、孤独に、孤高に、自身を探求し続けて生き抜いたといえるでしょう。」

ヘッセの次男ハイナー・ヘッセ氏の言葉。
「土と交わることは父にとり、書く事からの気分転換でした。ガーデニングは父にとって作品のための活力と構想を練るための時間だったのです。父は自然の中にある美しいものをいつも私に見せて『草むしりは退屈だっていうだろう?違うんだ。瞑想するにはもってこいだよ。無心にやれるから手は忙しいけれど、心は空いている』とね」
 
著者: 南川 三治郎
タイトル: ヘルマン・ヘッセを旅する―カルチャー紀行

*臙脂色の文字の部分は本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡下さい。

コメント

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1 ■どういうわけか

ヘッセは一冊も読んだ事がないのです。縁がなかったとしか言いようがありません(笑)。
何より、学校の図書室になかったというのが大きいですね。あれば読んでいたはずですから(笑)。

2 ■>とらさん・ヘッセ

私の幼少時の読書は、「親の本棚」「学校の図書室」「祖父母の家の世界文学全集」「教会に置いてあった伝記」から成っておりました。このラインナップを見てもお分かりかと思いますが、ちょっと「良識ある」ものに偏っていたかも。笑 そういえば学校で借りて、今覚えているのは、「ルパン」、「ホームズ」、「赤毛のアン」、椋鳩十くらいのもの。ヘッセがない、ということもあったかもしれませんね。
「デミアン」が一番好きでした~。

3 ■おなじおなじ!

私も中学に入るまではカンペキにそうでした。
親の書棚、買ってもらった「わずかな」本、学校にあるもの、学校帰りによる事が唯一許されていた区立図書館が頼りだったのです。
なので、ほとんどのSFは中学に入って以降に読みました。(もっとも、家や学校などにも少しありましたからもともとSFは好きだったのですが)。
手当たり次第に何でも読むのは、図書室図書館のおかげだったと思います。

4 ■>読書遍歴

私も一時期、かなり「手当たり次第」でした。教会で読んでた「伝記」などは、面白くないと思いつつ、とりあえずそこにあるから読んでましたねー。本に餓えていたせいかと。
未だにそこに本があるとついつい眺めてしまい、夫の実家の本なども、ほくほくと借りてきてしまいます。
SFは少しは読んだ気がするのですが、なぜかあまりハマらなかったようです。これから少し読んでみようかなあ。私のSFって「クラッシャージョウ」とか「ダーティーペア」どまり。これはSFではなく、スペースオペラ?汗

5 ■SFですよ~

スペオペもSFのうちです(笑)。
で、教会にある伝記というと、聖人伝? 黄金伝説、とかでしょうか。
荒唐無稽とか言われますが、あれはあれでけっこう面白いなあ、と思ってるんですよ。

6 ■>伝記

今はカトリック信者なのですが、当初はプロテスタントの教会にいっておりまして。 だから割と普通の伝記でした。田中正造あり、ルターあり、あ、伝記ではないけど塩狩峠も読みました。この頃、カトリックは贅沢者で、悪だと思ってました。笑
お、スペオペもSFでいいのですね♪ かっこいい若者たちが大暴れ、という設定が好きだったのかも。

7 ■ヘッセは

ヘッセは「車輪の下」から入ってしまった
まさに可哀想な人です。(笑)
ということで、思い切り挫折。
それ以来、ヘッセの作品には手をつけずにいました。
でも、面白いのもあるんだね。
今度、リベンジしてみようかしら。。。

8 ■>みわさん

「車輪の下」が面白くないことは、力強く請け負います。笑 何で学校ではあの一番面白くないのを、お薦めするのでしょうか。
いいものもありますよ。でも、人に本を薦めるときに、ちょっと弱気になってしまうワタクシ。面白いと言って頂けるといいのですが・・・。「デミアン」「知と愛」辺りは、多分面白いかと。

9 ■はじめまして

トラックバック、ありがとうございました。
『車輪の下』、確かにめいっちゃう話ですよね。私は好きなんですが。
どれだけ主人公にシンクロできるかによるのでしょうか。

10 ■>フーシェさん

TB返し、ありがとうございます!
当時、高揚させてくれる本を求めていたのかもしれません。今読んだら、「車輪の下」もまた違う感想を持つのでしょうか。

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