つな
おすすめの100冊(amazon)

(bk1)

にほんブログ村 本ブログへ





Google

WWW を検索
ブログ内検索

フィードメーター - 日常&読んだ本logあわせて読みたい
2005-03-19 08:43:17

自分の尺度を持つ/「池袋ウエストゲートパーク」

テーマ:文春文庫
「IWGP」といえばドラマも有名で、度々深夜に再放送されている。
私も深夜の再放送でまずこのドラマを見て、恐る恐る原作を手に取った。あまり期待せず読み始めたけれど、これが面白かった。

新刊は5巻まで出ているけれど、文庫化されているのは「池袋ウエストゲートパーク」「池袋~Ⅱ 少年計数機」「池袋~Ⅲ 骨音」「池袋~外伝 赤・黒(ルージュ ノワール)」まで。でも、比較的速いペースで文庫化されていると思うので、文庫化されるまでは我慢の子。
ちなみに、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲは文春文庫から、外伝は徳間文庫から出版されている。外伝では羽沢組のヤクザ・サルが活躍。文庫の違いからも、本編外伝の性格が分かるのかもしれない。

ドラマを見たことのある人なら、このエピソードをつないでこうなったんだ、と考えながら読むのもまた楽しい。原作の方がマコトは物事を面倒くさがらないし人情家、逆にキング・タカシはもっとクール。ドラマのタカシは、かなりエキセントリックで愛らしくもある。キング・窪塚君は、原作とは少し違っているけど、とても魅力的なタカシだった。私は原作の加奈とのエピソードが好きだったから、ドラマ版で名前のみが出てくる設定になっているのは少し残念だった。回を重ねていくごとに成長していくマコト。なかなかにいい男なのだ。自分の事を良く知っていて、自分が出来ることを理解しているのだと思う。

作者の石田衣良は、実は順当な道を辿った人ではない。一年留年して大学を卒業(大学時代ごく軽い対人恐怖症になったりもしている。ちなみに留年は単位の数え間違いのため)。卒業後も就職はせず、20代の前半はフリーター生活を選ぶ(地下鉄の工事、アパレルの倉庫で受注商品の発送、ガードマン、家庭教師のアルバイトや、株でこつこつ稼いだりなど)。その後、コピーライターを経て作家になった。

雑誌「ダ・ヴィンチ」のインタビューでは「いい仕事をしている人は皆、苦しみに向き合って一度は果てまで行って帰って来た人だ」と語り、その中で、世界を計る基準をこつこつと自分でつくる。世の中は例外の連続だから、自分でつくった世界観以外は使い物にならない」と続けている。

だから、一見遠回りだと思える道のりも、実はそうではなく結局は近道になるのだ。

石田氏はこういう考えや経歴を持っているので、若く、生き方に迷いもがいている人間を描くのが上手いのだと思う。けれど、大人の物語、特に大人の女性を描くのは苦手なように思う。これに関し、自分の尺度が出来ていないのではないかと感じる。
大人の物語ではないけれど、秋葉原のオタクたちの物語、「アキハバラ@DEEP」も、IWGP程の良さは感じられない。主人公であるオタク達に関する理解が多少浅薄なのだと思う。

石田衣良という人は、彼の中での理解度というか尺度によって、作品の出来が随分ブレるように思う。TVでよくお見掛けするけれど、アウトプットだけではなく、インプットも怠らないで欲しいと切に願うのだ。私が言うのも何だけれど、書くテーマに関して責任をもって、きちんとした世界観を展開して、わたしたち読者に見せて欲しい。 
以降読んだ、石田氏の作品についてはこちら。
☆「4TEEN
☆「池袋ウエストゲートパークⅣ電子の星
☆「池袋ウエストゲートパークⅤ反自殺クラブ

*石田衣良氏の経歴及びインタビューは、雑誌「ダ・ヴィンチ」2003年12月号「石田衣良解体全書」から引用しました。インタビューは多少の意訳を行っています。



著者: 石田 衣良
タイトル: 池袋ウエストゲートパーク

コメント

[コメント記入欄を表示]

1 ■なんとなくわかります。

tsuna11さんの意見、わかる気がします。私も『IWGP』は3冊読んでいますが、『娼年』を読んだときは「?」と思いを感じましたので。
tsuna11さん如何です?

2 ■編纂者さん

分かってもらえました?長文ですみません。『娼年』は「作者がいいと思っていること」が「私がいいと思っていること」に重ならなかったので、私も「?」でした。女性が求めてるのは、「全てを掬い取ってくれる」存在ではなく「色々な世界の存在を感じさせてくれる」存在ではないのでしょうか。少なくとも私が年下の男性に求めるのはそっちです。あと、「昼間の世界に戻してあげて~」と思いました。掬い取ってるだけじゃ、そのうちビショビショになっちゃいます。ちゃんとお外で干さないと!

3 ■こんにちは♪

トラバありがとうございました(^o^)
IWGPってもとは小説だったんですね。
ドラマも見ていないので、これを機会に
僕も読んでみたいなって思います☆

4 ■きっちんさん

長文を読んでくれてありがとうです。
若い人は読んでみるといいと思いますよ~。ドラマも結構好きです。
「69」紹介されてましたけど、私もあの本好きなので、そのうち挙げようかと思ってます。

5 ■きっちんさん

も一つ。
トラバの件は、私が何の対応策も取らないうちに、いつの間にか「双方向」になっていました。私にとって、やっぱりまだ謎です・・・。

6 ■あぁ・・・

確かにそうかも。
「例外の連続だから、自分の世界観以外は役に立たない」って
とてもわかる気がします。
マコトも自分の基準を持っていて
その中で楽しく生きているんですよね。
だから見ていて気持ちがいいのかも。

石田さんの作品は少年物ばっかり読んでいるから
大人がでてくる物語ってあんまり印象がないんですよ。
石田さんがもっといろんなものを吸収して
大人になったら?いい本が書けるのかしら。
あと、女性関係も?(笑)

7 ■>みわさん

マコトはすごく地に足が付いているというか、浮ついたところがないですよね~。その中で自分のポリシーはきっちり守る。マコト、かっこいいですよね。笑

そう、石田さんの作品は大人の恋愛物もあるけど、どうもそれらは・・・なんですよねえ。笑 みわさんはどうすか? 「女性」も苦しいように思うのです。笑<もっとお勉強してもらうべき?笑
トラバ返し、ありがとうでした♪

8 ■お久しぶりです~

すっかりご無沙汰してます。
なかなかblog徘徊する時間がとれなくて
自分の更新でていっぱい・・・って感じです。
産後の肥立ち?はいいですよ~。
順調に回復して、息子もスクスク育っています。
たった2ヶ月で体重が倍ってどういうことよ!!って感じ。
かなり重たいので、抱っこするときに腕が痛いくらい。(^_^;)

まこと、いま3作目を読んだんですけど・・・。
だんだんオッサンになってきてません??

9 ■>みわさん

トラバ返し&コメントありがとう~。
(てか、これ、以前もトラバしていたのね(笑)。すっかり忘れてましたわ、ゴメンナサイ)

うんうん、ブログ徘徊の時間を捻出するの、きっと大変なことでしょう(母子ともども「肥立ち」良好とのこと、良かった♪)。私はみわさんとこ、チェックしていますので(笑)、同じ本の話があったら、すかさずトラバさせて頂きます♪

あー、マコトのオッサン化。笑 つか、寅さん化してるよなぁ、と思いました。4作目、5作目もそういう感じでしたよー。とがったところが少なくなって、丸くなりましたよね。笑 最新刊はまだ読んでません。どうなんだろう、ますますオッサンになっているのでしょうか。笑

10 ■こんばんわ^^

今更ながら、読みました。
結構面白かったですね。
苦労されてる方なんですね、石田さん。

ドラマは見ていないんですが、印象が強烈で、マコトは長瀬君しか浮かびませんでした。
他のメンバーはキャストは知っていますが、役は知らないので、普通に読んでいましたが^^
面白かったです。
他のシリーズも読んでみます。

11 ■>苗坊さん

なかなか、いいでしょ?、このシリーズ。笑
マコトが段々寅さん化していきますが(笑)、私は好きなシリーズです♪
石田さんの色々な経験は、小説に生かされているようですけれどね~(株の世界を書いた、「波のうえの魔術師」でしたっけ。これまた長瀬くんで、ドラマ化されてましたっけ?)

ドラマも面白いですよー♪ 少々イメージが違うところはあるんですが(キング・タカシとか)、どちらも魅力的だと思います。

トラバ、ありがとうございました。ブログの上に乗っけてるのですが、ここんとこずっとライブドアブログの方にトラバ出来ません・・・。涙 トラバ返し出来なくって、ごめんなさーい。

コメント投稿

コメント記入欄を表示するには、下記のボタンを押してください。
※新しくブラウザが別ウィンドウで開きます。

一緒にプレゼントも贈ろう!

トラックバック

この記事のトラックバック Ping-URL :

http://trb.ameba.jp/servlet/TBInterface/10001217728

  • 1 ブログタイトル:delusive pen
  • 記事タイトル:『少年計数機』
  • 記事概要:昨日で最終回だったんです…深夜再放送の『池袋ウェストゲートパーク』。 今日から何を支えに夜更かしすればいいんだろう…(泣) 著者: 石田 衣良 タイトル: 少年計数機―池袋ウエストゲートパーク〈2〉 昨日100円で持ち帰ってきた5冊の
  • 2 ブログタイトル:活字中毒
  • 記事タイトル:池袋ウエストゲートパーク / 石田衣良
  • 記事概要:池袋という土地柄に対するなんとなくの偏見なのか、見ていないのにドラマの印象なのか・・・。「暴力的」というイメージが多かったIWGPなので、なかなか手に取ることができませんでした。でも、読んでみてよかった。暴力というより石田さん得意の少年たちの話だったんですね
  • 3 ブログタイトル:活字中毒
  • 記事タイトル:少年計数機 ~池袋ウェストゲートパークII / 石田衣良
  • 記事概要:池袋ウェストゲートパークの2冊目になります。今回のタイトルになっている「計数機」って知ってました?私は存在は知ってましたけど、名前は知りませんでした。漢字の通り、物を数える機械(例えば銀行にあるお金を数えてくれたりする機械とか、道端で人数数えるのに使ってる
  • 4 ブログタイトル:苗坊の読書日記
  • 記事タイトル:池袋ウエストゲートパーク 石田衣良
  • 記事概要:池袋ウエストゲートパーク 「池袋ウエストゲートパーク」 工業高校を奇跡的に卒業して以来、プーをしている真島誠は、森正弘と水野俊司と共につるんでいる毎日だ。 池袋ウエストゲートパークで、ヒカルとリカに出会い、5人で行動する事が増えていった。 近頃、ラブホテル
  • 5 ブログタイトル:"やぎっちょ"のベストブックde幸せ読書!!
  • 記事タイトル:池袋ウエストゲートパーク 石田衣良
  • 記事概要:池袋ウエストゲートパーク この本は 「じゅずじの旦那」のjuzjiさん 「活字中毒」のみわさん にオススメいただきました。 ありがとうございました! ■やぎっちょ書評 さて。香港にいながらにして池袋の情景を思い浮かべるあちき。実は池袋西口から徒歩圏内に2年.
powered by Ameba (アメーバ)|ブログを中心とした登録無料サイト