旧・日常&読んだ本log

流れ去る記憶を食い止める。

2005年3月10日~2008年3月23日まで。

以降の更新は、http://tsuna11.blog70.fc2.com/で。


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「かぼ、かぼ、かぼちゃ♪」 などと言いながら、カボチャの写真を載っけてから、早二ヶ月弱。

予想通りといいましょうか、ハロウィーン当日の今日この日まで、やっぱり私はこのかぼちゃ、飾りっぱなしでしたよ。笑 しかし、月日の過ぎ去るスピードの早さといったら・・・。今度はこんなこと言ってる間に、年が明けてしまいそうで不安です。

右は、かぼちゃプリンの空き容器。無駄に立派だよなぁ、と思う。笑 この後、どうしよ?

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帚木 蓬生
アフリカの瞳

アフリカのとある国で暮らす日本人医師、作田信(サクダシン)。妻パメラとの間には、一人息子のタケシもおり、シンはこの国に骨を埋める覚悟をしている。市立病院に勤めるシンであるが、長年にわたって当直明けにはタウンシップにあるサミュエルの診療所を手助けしている。

恐らくは南アフリカ共和国がモデルとなっていると思われるこの国は、長年にわたるアパルトヘイトから解放されたものの、今度は貧困とHIVがこの国を襲う。諸外国からの考えなしの援助はこの国の育ち始めた産業を壊滅させ、貧困と無知がHIVの感染者を更に広げる。

しかしながら、この国には輝く瞳がある。明るい性質がある。日本ではずっと気になっていた、シンの顔の痣が全く気にならなくなるくらいに・・・・。この国では、生も死も色濃くうつる。

目次
1  あなたへの信頼 それが
   私たちを強くするのです
2  あなたは私たちを見つめる
  月の光となって
3  山の頂きで 谷底で
   私はあなたを称えるでしょう
4  鳥が木々の間を飛びまわる
   夏に挨拶をしながら
5  溢れ出る私の涙
   大河になって谷を下れ
6  私は燃える
   逃げ場もなく 燃え尽きる
7  私たちの家はここにない
   星のように遠い所にある
8  高い塀の向こうに肥沃な土地がある
   汲めども尽きぬ井戸と かぐわしい花畑
9  そこに私たちはもう帰らない
   父祖が死んだ土地だから
10 私たちに大地を 時を 石を
   風を語って下さい
11 この静寂のなかで
  私たちは今こそ歌うべきだ
12 鳥も 兎も 風さえも どこに行くのか知っている
   しかし私たちはどこに行けばいいのか
13 聞かせて下さい あなたの声を
14 違うと言おう 違うと
   NOこそ私たちの合言葉
15 死の谷を歩く
   私は怖くない あなたがともにいるから
16 私たちは歩く
   道の先にあなたが見えます
17 強く歌うには友がいる
   ひとりで歌う声はあなたに届かない
18 私たちには夢がある 私たちの眼を開かせ
   世界を見つめさせる夢が
19 ともに種をまき 刈り入れよう
   私たちの汗と血は未来に向かって流れる

(ふふ、なっがいけど、全部書き出してしまいました。読んでる間、ずっと、これ並べたかったんだよねー。ジャガランタの花とともに、この音楽のような章のタイトルがとても良いと思う)

この国では、国産の抗HIV薬ヴィロディンが妊産婦には無料で配られている。母子感染を防ぐためだ。ところが、HIV検査で陰性とされた赤ちゃんが、相次いでエイズ発症が原因と見られる様子で亡くなっていた。無料であるとはいえ、この薬を貰うために、妊婦たちは様々な労苦を耐え忍んでいる。この薬はまさに、彼女たちの命綱なのだ。また、欧米の薬に比べ安価であるとはいえ、無料配布とはならない妊産婦以外の患者たちも、必死の思いでこの薬を飲む。薬の効果に疑問を持ったパメラは、シンの助言を受けつつ、カヤ・ニールの仲間達と共に、ヴィロディンの追跡調査を始める。

一方、サミュエルの診療所を手伝うシンの元にも、劇的な症状を呈して亡くなったエイズ患者が運び込まれた。亡くなった娘、ブユは、ある白人女医のもとで治療を受けていたらしい。テンバが言うには、そこ、スティンカンプ女史のクリニックでは、赤い薬を貰う代わりに、日当が貰えると言うのだが・・・。これは、製薬会社の非合法の大規模な治験の一種なのか?

ラストの学会の様子は圧巻。ほんとはこんなに上手くはいかないのだろうけれど・・・。

アフリカのエイズ治療のために世界各国から寄せられたその資金は、先進国での高速道路五キロメートルの建設費と同じ程度の額、など刺激的なフレーズが沢山。欧米の製薬会社は、既に抗HIV薬の資金回収が終わっているにも関わらず、コピー薬の製造も輸入も長らく認めようとはしなかったらしい。WHOにより、やっとコピー薬の製造と輸入が認められても、それは正規の薬価の十分の一。勿論、貧しい人々の手に入るような値段ではない・・・。文中にも度々書かれていたけれど、対テロに回される費用の幾分かでもそちらの資金に回す事が出来れば・・・、と思う。

 ← 全く気付かなかったのですが、これが前作で
               今作に繋がってたみたいです・・・・。
               順番無視して読んじゃったらしく、ちょっとショック。汗
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森福 都 吃逆

時代は宋朝。第二百七十四位で科挙の試験に合格した私こと陸文挙は、合格はしたもののそれは第五甲という下位での合格であり、これでは仕官さえ儘ならない。ところが、陸には奇妙な特技があった。それは、吃逆(しゃっくり)と共にやって来る白昼夢とも言うべきか? しゃっくりをするた度に、彼には奇妙な光景が見えたり、とんでもない思い付きが浮かんで来るのだ。

さて、彼の奇癖を知った周季和という男から、『閒話小報』なる小冊子の偵探としてスカウトされた陸。陸は周とともに、開封の都を騒がす噂の謎に迫り、いつしか付いた渾名は「吃逆偵探」。進士様の箔を借りた『閒話小報』であるが、編集人である周季和の切れ者ぶりは凄まじく、実際はどちらが「偵探」なのか分からなかったりもするのだが・・・・。

勿論、男ばかりが出てくるむさ苦しい話ではない。物語を彩るのは、陸が惚れ込む、珠子楼の看板厨娘、宋蓬仙。陸の想いを知ってか知らずか、宋蓬仙と周季和には浅からぬ因縁があるようでもある。陸の想いは、蓬仙の想いは果たして実を結ぶのか?

目次
綵楼歓門
紅蓮夫人
鬼市子

「綵楼歓門」
男女の投身現場に偶然にも居合わせた陸。それを知った周季和から、偵探役を請われた陸は、周とともに投身の謎に迫る。この男女の投身事件には、それ以前にあった二人の妓女の投身にも関係しているようで・・・。
吃逆偵探として名を馳せた陸は、開封府知事の劉公に面会叶い、司理参軍として念願の仕官がかなう事になる。しかし、これもまた、実は周季和の引いた絵の中にあったのかもしれない。

「紅蓮夫人」
天子が鑑賞する水上演芸、「水百戯」に抜擢されるのは非常に名誉な事。梁大礼使による大選抜会に召しだされた、若手絡繰師の干敏求が操る絡繰人形は、「紅蓮夫人」という名の妖艶な人形だった。ところが、人形とともに、蓬莱島の雲輝亭に唯二人、取り残される事を望んだ梁大礼使が、何と刺殺されてしまう!
どこか尋常ならざる色欲を持っていたと評判の梁大礼使、彼は人形の唇を貪り、あまつさえ人形に挑みかかったのか。梁大礼使を殺したのは、人形の首から弾け飛んだ鉄線なのか? 常とは違う様子の周季和に、心を痛める宋蓬仙。そうとなれば、勿論「吃逆偵探」陸文挙も黙ってはおられないわけで・・・。
母親の影響ゆえか、悪女であればある程、心惹かれてしまうという周季和。泥土の中から必死に頭を擡げる蓮のような「紅蓮夫人」が哀しい。

「鬼市子」
鬼市子とは幽霊市のこと。冥界での必需品を整えるために、亡者同士が取引を行うとされる場所。五更の街鼓前から露店が立ち並び、夜が明ける頃には畳まれるという、旧鄭門の前で行われる市を、周とともに訪れた陸文挙。それは、盗品や世にも不思議な珍獣の宝庫であるという、市の風聞を確かめるためであった。
さて、周季和一筋であるかと思われた宋蓬仙に、籠物商の男、賀延賢という影がちらちらと見え、陸文挙は気が気ではないが・・・。
また、都の名物夫人、王夫人の死から始まった事件は、思わぬ余波を引き起こす。その昔の皇后、郭后の死や、呂宰相、陸の上司である劉公をも捲き込んだ噂となる。

綵楼歓門あたりは、「吃逆」の出番があまりにも多いため、ん?と思われる向きもあるかもしれませんが、紅蓮夫人からはきっとこの物語に引き込まれるはず! ここに至っても、うーむ、今ひとつ、と思われても、これは是非、鬼市子まできっちり読んで欲しい物語。あちらこちらに散りばめられたピースがぴたぴたと嵌まる様はまさに快感。こういうのに弱いんだよな。陸文挙が見た白昼夢、白い猿がするすると木を登る様子も印象深い。

どこまでもお人よしの一途な男、陸文挙、眉目秀麗であるけれど、どこか幸薄そうな周季和。どちらに肩入れして読むかは人それぞれだとは思いますが、私は最後に至って周季和の魅力にヤラれました。んふふ、こういう陰のある色男もいいよなぁ。続きも読みたいところなんですが、続編はないのですかね? 陸文挙の思いは果たして届くのかなー。

 ← こちらは文庫
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西條 奈加
金春屋ゴメス  

第十七回日本ファンタジーノベル大賞受賞作であり、どうも評判が良いらしいこの作品。かつ、これ、表紙が魅力的でしてね。どう? ちょっと生意気そうな今時の若者が、腕時計に携帯を小道具として、きりりといなせな着物姿で表紙におさまる。実は、この「腕時計」と「携帯」を身につけているのは、作中の設定からすると、ほんとはおかしい。ま、でも、雰囲気を出すための作画なんだろうなぁ。

さて、月にも人が住まうというこの時代、日本の中には鎖国状態を貫く、「江戸」の国が存在したのです。江戸は、北関東と東北にまたがる、東京、千葉、神奈川を合わせた広さに相当する、一万平方キロメートル足らずの領土を持つ国でした。御府内と呼ばれる中心部は、十九世紀初頭の江戸を忠実に再現しており、人口約七百万人のうち、百万人がこの御府内に生活しておりました。

この「江戸」は鎖国を敷いていることから、一般人が気軽に行き来したり、ビジネスや観光目的の短期入国も認められていないという、日本人にとっては「近くて遠い国」でありました。また、電気も時計もない、まさに江戸時代と同じ生活に拘るため、「変わり者の国」としても知られておりました。

そんなこんなで、鎖国制度を敷く江戸の永住ビザを取得するのは、非常に難しいことでありましたが、何の因果か、この物語の主人公、佐藤辰次郎は一発で入国を許可されてしまいました。実は勿論、これには裏があるわけで・・・。

江戸に着いた辰次郎が身請けされ、暮らすことになったのは、一膳飯屋・金春屋。とはいえ、彼が手伝うのは、表の飯屋ではなく、裏金春。泣く子も黙る裏金春。そこに鎮座ましますのは、さながら巨大な鏡餅のような輪郭で、人間離れした怪異な風貌を持つ馬込寿々!(ゴメス)(いや、随分な言われようだけどさ。「そそけ立った髪」とかもすごいよな)

実態は、長崎奉行の出張所である裏金春。あ、長崎奉行とは鎖国時代の出島があった長崎の奉行ということで、つまりは外務省のようなものらしい。辰次郎は、甚三、木亮、寛治などの兄貴分たちと共に、江戸の町を走り回ることになる。

そして、そう、肝心の事件。辰次郎が江戸に一発入国出来たのは、実にこの事件のためであった!
過去起きた事件における唯一人の生き残りである辰次郎は、さて、首尾よく記憶を取り戻すことが出来るのか??

そうだなー、設定は滅茶苦茶面白いし、キャラもいいんだけど、この設定だったらもっと面白く出来たのでは?、と残念に思うことも多々。せっかくのキャラや設定が生きてない気がする。江戸の生活を説明する時、時々「お勉強」チックになっちゃうし、キャラもこうだ!と書いてあるだけで、それが何らかのエピソードから、すんなりと納得出来る感じではないのだよね。要は、まだこなれてない感じ? この「事件」も一作引っ張るには、ネタとしてちょっと苦しいような気がする。これだったら、短編でどんどん事件を解決してった方が、いいんじゃないかなぁ。うーむ、惜しい!

時代劇マニアで、実に二十七回目の応募で江戸に入国した松吉、江戸が二十九国目、旅行マニアの奈美。いわば、辰次郎と同期入国であるこの二人は、次作でも活躍しそうな感じ。なんだかんだいって、次作も読むとは思うので、こちらはもう少しこなれている事を期待しています。評判が良かっただけに、ちょっと期待し過ぎちゃったかなぁ。

 
西條 奈加
芥子の花    ← こちらは、二作目

☆その後、読んだ「芥子の花」の感想はこちら → 
「芥子の花」/金春屋ゴメス第二弾!
二作目では、一作目で残念に思っていたところが、ぐっとよくなって、非常に面白く読みました。続きも楽しみ♪
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これまでは特定の記事にのみ連続して付いていたので、その記事のトラバを停止することで対応していたんだけど、今日のトラバはほんと無差別・・・・。その数、実に40数件。汗

アメブロは英文のみのトラックバックを拒否する機能を、付けてくれる気ないんでしたっけ???

うーむ、明日の朝見たら、また沢山付いていたりして・・・・(お見苦しくて、ごめんなさい)。


ところで、言葉の順序として、「英文スパムトラバ」と「英文トラバスパム」のどちらが正しいのか、いつも疑問に思うであった。

【追記・10/21】
結局、500件近いトラバが付いてました・・・・。涙

トラバがつくと、メールが来る設定にしてあるんだけど、開けたとたん、「あーもーーー!!!」でした(げんなり)。

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京極 夏彦 邪魅の雫

心の中に、ぽつんと一つ落ちる黒い染み。黒い思い。
白いカンバスに、たった一つ付いた、けれど取れない染み。
それは邪悪な思い。邪な思い。

そういった感情と全く無縁の人はきっといない。けれど、通常はその染みをなかったことにして、またはその上に何か違うものを塗り重ねて、そして生き続けている。―少々後ろめたく思いつつも。

しかし、ここに邪悪な雫があったらどうだろう。美しいその雫は、たった一滴で人を殺す。もしも自分の世界に「それ」が持ち込まれたならば、自分の信ずる正義のために、若しくは自分の世界を壊すために、自らの世界を完結させるために、「それ」を使いたくはならないだろうか・・・。透明な雫の入った小瓶。それは、美しくも邪悪な一滴の集まり・・・。

東京、平塚、大磯で、人が死ぬ。連続しているようでもあり、非連続でもあるようなこれらの事件。警察の捜査は混乱を極め、京極堂シリーズのいつもの登場人物たちを、雪だるま式に捲き込んで、事件はますます錯綜する。一つの事実が判明しても、それは事件の解決の糸口にはならない。でたらめなこの事件においては、それはただ謎の羅列でしかない。

常にない様子の榎木津(だって、楽しそうではないのだ!)、最後に真打として登場する京極堂ではなく、此度活躍するのは、探偵助手の益田に、陰気な小説家・関口、木場修の巻き添えを喰って、派出所勤務中の青木といったところ。

いつも軽薄であることを、上滑りすることを心がける益田、常に世間に対して後ろめたい思いが抜けず、「犯人顔」と揶揄される関口が、この物語の語り手としては相応しいのかもしれない。なぜなら、これは「世界」と「世間」と「社会」の物語であるから。たびたび気鬱の病に襲われ、ただ自分に関係しているというだけで、人の存在が重いのだ、と語る関口の世界と世間、社会とのずれ。上滑りでもしてないと遣っていられない、立っていられない、社会と接続する術を持たない益田。彼ら二人こそがこの物語には相応しい。

京極堂は語る。世界は個人の内部の世界と外側の世界の二つに分けられる。言葉は内側から発せられて、外側に向かうもの。内側においては全能である言葉が、外に出た瞬間に世間という膜に吸収され、大した効力を持たないものとなる。それは既に社会にも届かず、勿論世界になど届く訳もない・・・。

自らの世界と外側の世界、世間、社会と接続する術を持たない者たちは、一体どうすればいいのだろうか。自分の内部の世界と、外側を繋げるのは、時に難しいものとなる。そう、たった一人で世界と対峙しているような、あの榎木津のような男を除けば・・・。青木を諭す、老刑事、藤村がいい。人には出来ることと、出来ないことがある。わしらに出来るのは、目の前のことだけ。目の前に何も見えないと、余計な大義名分が幅を利かせ始めるが、それは驕りだ思い込みだ。今やるべきことは、目に見えるところ手の届くところに犯人を引寄せること。

そうして炙り出された犯人は、ただぼわぼわと自らの世界を膨張させた人間だった。しかし、その世界は決して世間と、社会と互角に渡り合えるものではない。世界を語り、世界を騙る、漆黒の男、京極堂は、いつものように事件を解体し、また構築し直す。

京極堂の今回の語りにおいては、不思議である、怪異であるという解釈をするのは、古代、その世界の王、権力者にしか許されていなかった、というところが面白かった。個人の世界においては、どう解釈してもそれはその者の自由であるけれど、それを公言することは、その昔は罪であった。江戸期、明治、現代(大戦後の昭和)と時代が進むにつれて、解釈は下の者へと降りていった、という辺りには、「後巷説百物語 」を思い出したりね。

「絡新婦の理」もそうだったけれど(勿論、登場人物、シチュエーションその他は異なりますが)、最初と最後の部分がかちりと嵌まるのは、やっぱり快感。最後まで読んで、また冒頭に戻ると、哀しさが際立つように思った。でもさ、基本的に、京極堂って女性には優しいよね。笑 関口なんて、何もしてないうちから、いつも罵倒されてるっていうのに・・・。いや、あの糞味噌ぶりも、また心地良いんだけど。
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千葉県立中央博物館
カエルのきもち
晶文社

この表紙のカエルの何とも言えない愛らしさ♪ カエルのつぶらな瞳には、田植えをする人と、虫取り網を持った子供たちが映っている。

ぐるぐる さんちのカエルたちを思い出して、ついつい、借りてきてしまいました。
(ぐるぐるさんの「撮りっぱなしの写真館」の、 「両生類・爬虫類」カテゴリーにリンク
超キュートなカエルたちが、満載なのです♪ )

目次
まえがき
ガマ博士のあいさつ
1 人はカエルをどう見ているか
2 カエルってどんな生きもの?
3 カエルとのかかわり
4 カエルの身に起きていること
ガマ博士お別れのあいさつ
あとがき/「カエルのきもち」展の記録

「人はカエルをどう見ているか」「カエルの顔」で気になるのは、はっしとこちらを見つめる、カエルたちの顔顔顔・・・・。ここに写っているカエルたちは、日本のものなので、それ程毒々しくもないけれど、「カエルってどんな生きもの?」の、「カエルの歴史をたどる」「世界のカエル」では、かなり不思議なカエルたちが・・・。

ユビナガガエル、カメガエルなんて、丸々とした体に手足がちょこんとついているようにしか見えない・・・。うーん、これで飛べるのかしらん(跳ねないカエルもいる、とのことなので、これがそれなのかなぁ)。ま、「今、全世界に生息しているカエルは四千種あまり」ってことなので、その形、生態が異なっていても、全く不思議はないのかもしれない。

体重三キロを超えるカエル(西アフリカに生息するゴリアテガエル(ゴライアスガエル))とか、上から見ると枯葉そっくりのカエル(ミツヅノコノハガエル)、黄色と黒のカエル(キオビヤドクガエル)、まるでX-MENのミスティークのような青いカエル(コバルトヤドクガエル)など、不思議なカエルがいっぱい~。軽い図鑑としても楽しめた。

これ、カエルグッズのコレクターや、カエルに魅せられた人たちの座談会なども載っていて、まさにカエルに対する愛溢れる一冊でした。

水田も減ってしまうし、道路で轢かれるカエルも多いそうだけれど、やっぱり、この愛らしいカエル、ずっと一緒にいたいよね。ま、大人になった今でも私が触れるのは、多分、ちっちゃいちっちゃいアマガエルくらいなんだけど・・・。
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古川 日出男
アラビアの夜の種族

物語はそれを聞くことを望む者の前に姿を現し、物語は語られることで不滅の存在となる。そして、物語を識った者は、その者自身が一冊の本となり、またその者自身の物語をも含んで、物語は続いていく。これは、そんな物語。きっと永遠の物語。

系統は全然違うけれど、物語の中に内包される物語、という点では、恩田陸の「
三月は深き紅の淵を 」を思い出した。

これは、一冊の稀書を巡る物語。

ナポレオン・ボナパルトに侵攻される直前のカイロ。イスマーイール・ベイに仕える、一人のマムルークの若者、アイユーブが夜毎暗躍していた。イスマーイール・ベイは、二十三人いるベイ(知事)たちの間で、現在三番手のベイ。一番手、二番手の、ムラード・ベイとイブラーヒーム・ベイは、煌びやかで美々しいマムルーク騎馬隊の能力を、露ほども疑わないが、しかし、イスマーイール・ベイただ一人は、「騎士道」が廃れた近代戦をおぼろげながらも知る。美が即ち強さそのものである、騎士道の世界は、西洋では既に終焉を迎えた?

命ぜられる前に、常にイスマーイール・ベイに先んじて策をとるアイユーブが、近づくフランク族の脅威に対してとったのは、一冊の稀書。それは類稀なる書であるという。読み始めた者は、その本と「特別な関係」に落ち入り、うつし世のことを全て忘れ去る、別名「災厄(わざわい)の書。これをあのフランク人に、献上しようというのだ。そう、公式(おもて)の歴史には決して残らず、非公式(うらがわ)の歴史にのみ、語られるこの書を・・・。それは誰も知らぬ刺客となる・・・。

「災厄(わざわい)の書」を語るのは、夜(ライラ)とも呼ばれる、夜の種族(ナイトブリード)、ズームルッド。その声は甘い蜜の舌で語られ、夜毎語られるその言葉を、流麗な書体を操る書家と、助手のヌビア人の奴隷が余さず写しとる。そして、物語を聞く、アイユーブと書家、ヌビア人の奴隷もまた、夜の人間となった・・・。

語られるのは砂の年代記。砂漠の歴史。「もっとも忌まわしい妖術師アーダムと蛇のジンニーアの契約(ちぎり)の物語」と呼ばれるその物語には、複数の挿話が織り込まれ、その一遍一遍は主人公を異にする独立した物語である。しかし、語りが進むにつれ、それは巨きな物語に収斂する。別名、「美しい二人の拾い子ファラーとサフィアーンの物語」「呪われたゾハルの地下宝物殿」としても知られるこの物語の運び手は、わずか少数の選ばれた語り部、聖なる血を秘めた夜の人間のみ。そう、まさにズームルッドのみが、この物語の運び手である。

語られる物語は、二十数夜にも及ぶ。夜の物語にとっぷり漬かった後、夜が明ければ、待つのはカイロの危機的状況。ズームルッドの語りが佳境を迎えるにつれ、カイロの状況はますます悪くなる。すっかり夜の人間となった書家とヌビア人の助手は、カイロの危機的状況も知らずに、美食と美しい物語に耽溺し、充実した時を過ごすのだが・・・。アイユーブの計略は、さて、実を結ぶのか?

夜の間に語られる、長い長い物語をとっぷりと楽しんだ。アラビア色の溢れる艶やかなこの物語は、読んだことないんだけど、「千夜一夜物語」的でもあるのかな、と思ったり。純粋な人間としては、完璧の極みに辿り着いた、呪わしく醜い呪術師、アーダム。無色(いろなし)の皮膚(はだ)を持つ麗容の魔術師、ファラー。無双の剣士、美丈夫のサフィアーン。彼ら三人の物語が混じり合い、撚り合わされる様は圧巻。

これは彼ら三人の愛の物語でもあって、ファラーがひとり、人外境(ジンニスタン)に留まることを決めたのは切なくもある。美が善である世界において、醜く生まれ付いてしまったアーダムの純情、彼の報われなかった想いもまた切ないし、サフィアーンの純真無垢さはこれは救い。三者三様の世界が、色鮮やかに立ち上がる。

そうして、物語を聞き終わったアイユーブは、今度は彼自身が一冊の本となり、アイユーブの人生が語られる。ラストはある日本人作家の物語へと、舞台は移る。そうして、物語はきっと続いていく。ズームルッドから糸杉に、語り手が変わるように・・・。

語り手と聴き手がある限り、物語は存在する。物語は不滅だ。

目次
聖還暦(ヒジュラ)一二一三年、カイロ
 第一部 0℃
 第二部 50℃
 第三部 99℃
仕事場にて(西暦二〇〇一年十月)

・マムルーク(Wikipediaに
リンク
・ナポレオンのエジプト遠征について(Wikipediaに
リンク

←長いな~、と思いながら読んでいたら、文庫では三分冊されていました。

いやー、しかし、こういう物語はこの「長さ」も魅力の一つですなぁ(っても、読むのがそう遅い方でもないと思われる自分が、一週間びっちり読んでました。ま、一日の内で、純粋に読書に当てられる時間も、そう多くはないけど。にしても、な、長い・・・)。「物語」を愛する人間には、たまらない本だなぁ、と思いました。面白かった! 

トラバが飛ばない「みすじゃん。」のおんもらきさんの記事にリンク → 
アメブロ、なぜ一部のfc2ブログからのトラバを弾くの~?(困)
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休日でコンタクトもしてない私の目(裸眼視力 0.2)に飛び込んできたのは、薄いピンク色の花、花、花。
あそこにこんな花あったっけ?、何の花だろう?、と近づいてみれば、以前見たのと同じ花で・・・。
一つ一つは、ちーっちゃい花なのに、集まるとキレイなもんなんだなー。
蝶々もひらひらと飛んでいたり。


ちなみに、以前、撮った同じ花の画像がこちら(デジカメ撮影。ああ、輪郭が全然違うよ)。
やっぱり、これは右の方が花開いた状態なんだろうか??
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北森 鴻
ぶぶ漬け伝説の謎 裏京都ミステリー  

支那そば館の謎 」の続編。京都、それもメジャーどころではなく、知る人ぞ知る、裏(マイナー)な名刹、大悲閣を舞台にした、ミステリーの連作集。

目次
狐狸夢
ぶぶ漬け伝説の謎
悪縁断ち
冬の刺客
興ざめた馬を見よ
白味噌伝説の謎

登場人物は前作に同じ。広域窃盗犯としての過去を持つが、現在は心を入れ替え、大悲閣の寺男を務める、有馬次郎ことアルマジロ。みやこ新聞の「自称・エース記者」、折原けい。バカミス作家のムンちゃん。全てを見通し、全てを包み込むような、懐の広いご住職。

前作にて予想されたことではあるけど、お調子者同士の、折原けいとムンちゃんのコンビは時に凶悪。有馬次郎でなくとも、少々頭が痛くもなる。おイタが過ぎて、「冬の刺客」においては、折原けいはとうとう「自称・エース記者」の看板を捨て、みやこ新聞に辞表を出すハメにも陥る。

とはいえ、全体的にライトな作風の本シリーズ。「興ざめた馬を見よ」、「白味噌伝説の謎」においては、裏京都・ミステリーガイドなるシリーズを売り込む、フリーライターとして返り咲き、またしても大悲閣に鼻息荒く乗り込むのだった・・・。

ちょっとした謎、ほんの少しの手掛かりから、有馬次郎が分かった!!!!、となる本シリーズ。その推理については、うーむ、それもあるのかもしれないけど、それだけじゃ分からんだろ、とも思うのだけど、本シリーズはキャラを楽しみ、十兵衛の大将の料理を楽しむべきもの。ちょっとした、京都の豆知識などを仕入れつつ、軽~く楽しむのが良いと思う。で、私はそれを楽しみました。

しかし、「ぶぶ漬け伝説の謎」で知って、吃驚したんだけど、京都ではラーメンに鶏の唐揚げというのが、当たり前の組み合わせとしてあるそうな。関東では見かけないような気が致します。関西でも特に京都だけのことなのかしらん。

そうそう、本シリーズの舞台である、大悲閣。このお寺って、実在しているそうなのですね。前作、支那そば館の謎」の文庫版の解説を立ち読みしたところ、なんと本物の大悲閣のご住職が解説を書いておられました。

更に更に、も一つ気になったシーン。

「どないしたん、折原まるでどこかの民族学者みたいやよ」
「いってくれるじゃないの、ア・リ・マ」
有馬でもなければ、アルマジロでもない。独特の言い回しで耳元に囁かれると、胃の腑から苦いものがこみ上げそうになった。
―悪いミステリーでも、読んだんちゃうか。

って、それはやっぱり、
蓮丈那智シリーズ のことよね。笑 

*臙脂色の文字の部分は、本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。
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