旧・日常&読んだ本log

流れ去る記憶を食い止める。

2005年3月10日~2008年3月23日まで。

以降の更新は、http://tsuna11.blog70.fc2.com/で。


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喜八さんから、「映画バトン 」を頂きました。早速、いってみます。

1.初めて映画館でみた映画
母に連れられて行った、ディズニーの「ファンタジア」か、アニメ映画の「北極のムーシカミーシカ(1979)」が最初だと思うんですが、この頃母に連れられて見た映画で、印象に残っているのは、実は映画そのものよりも、凍らせて持っていったパックのジュースの事だったりします。これでいいのか、情操教育!(一応、上映された年を調べてみたのですが、「ファンタジア」は分からなかったし、「北極の~」なんかは、三歳離れた弟と一緒に行ったとは思えない・・・)
きちんと覚えているのは、「E.T.(1982)」。ピアノの発表会の後に、母に内緒で父が連れて行ってくれました。


2.最後に映画館でみた映画
先週の土曜日に見た、「ハリー・ポッターと炎のゴブレット 」。
ハリポタはなぜか、直ぐ観なきゃ!という気になります。イベントだから?

3.心に残りつづける映画

「ニュー・シネマ・パラダイス」。音楽から、何から何まで、大好き!
でも、「完全版」よりも、普通のバージョンの方が良いように思います。
大学時代にリバイバル上映されていたのを、映画館に観に行った事もあります。
せまーい映画館で、終わる頃には啜り泣きがあちこちから漏れてきて、妙に一体感があったのを覚えています。

4.愛する人とみたい映画
うーん、うち、夫と映画の趣味が合わないんですよ。ということで、勝手に質問をスライド。「ハリー・ポッター」で予告編を見て、「観に行こう!」と言っているのが、「Mr.&Mrs. スミス 」。ああ、ミーハーだなぁ。でも、こういうノリの映画も好き。何も考えず、ただ楽しい♪ 

5.ホラー
ホラーは苦手。「フェノミナ」や「サイコ」くらいでギリギリです。でもこれって、「ホラー」の定義に合致してます?
「フェノミナ」は、中学生の頃にビデオで見たのだけれど、ジェニファー・コネリーが美しかった~(でも、虫は怖いです、うん)。

そういえば、映画館で「ホラー」を見たことがありません。多分、これまでに映画館で見た一番ホラーに近い映画は、「世にも不思議なアメージング・ストーリー」です。ああ、ヘタレ・・・。

6.バトンをまわす人
映画好きの方は、既にやっておられるのでしょうか。出来ましたら、トラバで教えてくださると、嬉しいです。やってみてもいいぞー、という方がいらっしゃいましたら、是非是非お持ち下さいませ♪
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奥田英朗「イン・ザ・プール」

2005年春にドラマ化されたのを、つらつらと流し見していて、これが結構好感触だったので、図書館で借りてきた。ちなみに、ドラマ化の際のキャストは、トンデモ精神科医伊良部に阿部寛、相棒のセクシー看護師・マユミは釈由美子。阿部ちゃんは色白でも肥満でもないよー、と思うけれど、それを除けば残りは全てドラマの空気感(逆に言ってしまうと、ドラマで見たものは、読まなくても大丈夫なくらい)。軽く、楽しく読める。

「伊良部総合病院」の地下一階には、「神経科」が存在する。
総合病院自体は、白壁の清潔そうな建物なのだけれど、「神経科」は閑散としていて、如何にも怪しげ。そして、ここに常駐しているのが、注射フェチのトンデモ精神科医伊良部。患者は大抵、階上のまともな科から、匙を投げられ、回されてきた者たちばかり。彩を添えるのは、セクシーな看護婦マユミだけれど、彼女もまた無愛想この上ない。伊良部は病院の跡取りであるために、何とか仕事を与えられているように見える・・・。

■イン・ザ・プール
患者:大森和雄
職業:出版社勤務
症例:心身症(不定愁訴)
治療:一緒に泳ぐ!

「会社依存症とかボランティア依存症だとか無農薬野菜依存症とか、人間にはいろいろな依存症があるけど、水泳なんてのはもっとも害がないんじゃないかな」

心身症は神の采配、抗わないこと。『なすがままに』が一番いい。

■勃ちっ放し
患者:田口哲也
職業:中堅商社勤務
症例:持続勃起症または、陰茎剛直症
治療:感情を爆発させる

伊良部は、自分がこれまで出会ったことのない変人中の変人だ。彼にはきっと悩みなどないのだろう。欲望の赴くままに行動し、わめいて、笑って。
五歳児に悩みがないのと一緒だ。

人間には修羅場の経験が必要で、それがまた生の実感に繋がる。
たまには、体中を熱い血が駆け巡る体験が必要なのかも。

■コンパニオン
患者:安川広美
職業:コンパニオン
症例:被害妄想
治療:肯定してあげる

「眠れない人に眠れって言っても無理でしょ。眠れないなら起きてればいいって言えば、患者はリラックスするじゃない。結果として眠れる」

思いっきり肯定して、寄り添ってくれる人がいれば、何とかなってしまう事もある。

■フレンズ
患者:津田雄太
職業:高校二年生
症例:ケータイ中毒
治療:ただダベる

伊良部の無邪気さがうらやましかった。それはもしかすると、今の世の中ではもっとも強い武器のように思えた。

セクシー看護師マユミの理想のタイプは、”大勢で遊ぶのが苦手だから”、「友達がいない奴」。孤独はさみしくはあるけれど、それは決して怖いものではない。

■いてもたっても
患者:岩村義雄
職業:ライター
症例:強迫神経症
治療:確認行為の習慣化&ライバル医院に嫌がらせ?

「ルポライターは天職じゃん」「楽天家じゃ務まらないわけだから」

人を深刻にさせない精神科医って、名医なのかもしれない。
心配する人と、させる人で成り立つ世の中。でも、心配ばっかりしているのは、天職に役立つものとはいえ、ちょっと損した気になりそう。
****************************************
ストレスは人生についてまわるもの、無理やりではなく別の事に目を向けさせる伊良部は、やっぱり名医? 深刻な悩みは難しいものだと思うけれど、脱力出来た時点で、悩みの大半は溶け去っているのかもしれない。行く度に注射されてしまうのは、嫌だけれどね。

奥田 英朗
イン・ザ・プール

*臙脂色の文字の部分は本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。
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バオバブの危機を叫んでいた所、rizwordsさんにブルーミングスケープ というサイトを教えて頂きました。
--------------------【何となく注釈】----------------------
rizwordsさんはブログ「想像妄想空疎空想うそ日記」
で、いつも面白いお話をお書きになっています。真面目な顔で、日常からちょっとズレているような味わいがいいですよ~。
cotan の写真も美しいです。「動く城っぽい雲」も楽しい♪
---------------------------------------------------------
で、教えて頂いたアドレス のQ&Aを見るところ、「バオバブは12月頃から5月くらいは葉っぱを落として休眠状態になる」みたいです。
なので、葉っぱが黄色くなって落ちてしまっても、完全に枯れてしまったわけではなく、暖かくなった頃に再生するようです。

でも、5月まで無事でいられるのかちょっと不安(根ぐされ、注意!)。あと、写真のバオバブの苗がやたらと元気そうなのが、気にかかる所です。うちのは、元々あんなに葉っぱがありませんでしたよ・・・。うーむ、大丈夫かなぁ。

rizwordsさん、情報をお寄せくださり、ありがとうございました!
バオバブ仲間の方、頑張って冬を乗り切りましょうね~。

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ロムインターナショナル
激動の世界史に出会う―歴史をぬりかえたドラマ88
東京書籍

目次
第1章 【世界文明】発祥の舞台を歩く
第2章 降盛をきわめた【王朝】の時代を歩く
第3章 異文化が交錯した【交易・宗教・芸術】の舞台を歩く
第4章 人々に崇められた【神々の聖地】を歩く
第5章 史実の流れを伝える【古都】を歩く
特集1 歴史の巨人たちはどこで何をした?
特集2 グローバル時代の幕開け
コラム

特集1では「傭兵ピエール」 のジャンヌ・ダルクのオルレアン、第3章では「シナン」 のトルコ、イスタンブール、第2章では「三つの都の物語」 のローマ、及び特集1のレオナルド・ダ・ヴィンチ、コラムローマ道の中の「アッピア街道」など、ちょうど自分が読んでいた物語の舞台を写真で見て、知ることが出来た。というわけで、世界史の知識がからっきしない自分には、有り難い本でありました。

私は幾分ミーハー的に読んだのだけれど、写真とコンパクトな解説がついており、なかなかに分かりやすい作り。またもう少し、色々な土地を舞台とした物語を読んでみたり、実際にその土地を訪れたりすることで、より深く理解できる箇所があるのかも、とも思った。

要塞としての機能を持つ「海上にそびえ威容を誇る修道院」モン・サン・ミッシェルの写真などには驚き。世の中には色々な場所があるものなのだなぁ。日本には「城」はあっても、「要塞」はあまりないように思うので、ちょっと新鮮でした。

2002年の本ではありますが、旅に出る人のためのアクセス情報&現地概況」もついています。
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植物との相性という意味で、確実に「茶色」な気が致します。しょんぼり。


■こちら、瀕死のバオバブ。葉っぱが黄色で今にも落ちそう。

■こっちは母から貰った寄せ植えのアップ。

こちらはすくすくと元気に生育しています。・・・植えたのが母だから?

(あまりの勢いの良さに、一部、王子さま鉢に植え替えしました)


■おまけのポトス。

下の方で、わけが分からん物が成長しています。
・・・部屋の中で育てているというのに、これは一体何事でしょうか。雑草?

自分と植物との相性について、一頻り考えてしまったことですよ。
嫌になっちゃうよなー(と、ちょっと愚痴る)。
バオバブについて、何か良い情報がございましたら、是非教えてくださいねー。

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塩野七生「三つの都の物語」

緋色のヴェネツィア
銀色のフィレンチェ
黄金のローマ

「読者に」とされたあとがきを読むと、この三部作の真の主人公は、人間ではなく都市(また、それぞれの初出タイトルは、順に「聖マルコ殺人事件」、「メディチ家殺人事件」「法王庁殺人事件」とのこと)。

トルコ帝国の首都となったコンスタンティノープルと関係を持たざるを得なかった、十六世紀初頭のヴェネツィア、君主国に変わりつつあった同時期のフィレンツェ、最後のルネサンス法王といわれたファルネーゼ法王下のローマ・・・。最盛期を過ぎて、優雅に衰えつつある時期の三つの都市が題材とされる。

この本において特筆すべき事は、塩野氏がこの三部作で、初めて主人公二人を創作するという手法を選んだこと(とはいえ、私はこの本が塩野氏初体験なのですが)になるのだと思う。男女二人の主人公にこの三都市を旅させ、また生活させることで、ルネサンス時代を代表するこの三都市を描いたのだという。主人公二人以外は全て史実によるもので、この三部作は「史実のパッチワーク」であり、常に念頭から離れない「事実は再現できなくても、事実であってもおかしくないことは再現できる」ということの実験例とも言えるのだそう。

ノンフィクション的色彩が強い塩野氏の作品の中では、かなり自由に描いておられるとのことだけれど、例えば歴史小説の系統でいっても、三作品を読んだ佐藤賢一氏(イタリアとフランスという、取り上げておられる国の差もあるけれど)と比較しても、エンターテインメント色は弱く、また読む側にもある程度の知識が必要とされるように思う。

塩野氏が創作した、ヴェネツィア貴族マルコ・ダンドロ、悲しい生涯を秘めた高級遊女、オリンピア。二人とも大変に魅力的であるし、ヴェネツィア貴族の生き方、当時の都市、当時の慣習、政治哲学なども色々興味深いのだけれど、私が読むにはまだまだ自分でこなすことが出来ず、硬い物を無理やり咀嚼しているような感じだった。

「緋色のヴェネツィア」は、ヴェネツィアの元首アンドレア・グリッティの私生児であり、トルコの宰相イブラヒムに深く食い込んだアルヴィーゼ・グリッティを中心に描かれる。そう、「シナン 」ではトルコ側から描かれた史実が、今度はヴェネツィアの側から描かれるというわけ。というわけで、これに関しては、何とかついていくことが出来たように思う。
ただし、ヴェネツィアの貴族、政治に関しては、初めて聞くことばかり。良く出来た制度だなぁ、と感心致しました。外交なくしては立ち行かない、ヴェネツィアという国の強かさ、バランス感覚、情報の重要性が興味深い。
*******************************
さらに「読者へ」によると、いつか余裕ができたら、この三部作の続編を書いてみようか、とのこと。マルコ・ダンドロはまだ四十代に入ったばかり。今後は大使にでもして、十六世紀半ばのヨーロッパ諸国をまわらせてみましょうか」とのことであります。私もこの続編が読めたらなぁ、と思う。それまでに、この文章を噛み砕く力、周辺の知識を養っておこうかと思います・・・。

塩野 七生
三つの都の物語
 ← 三作をばらした文庫もあるようです
 いずれも、朝日文芸文庫より
*臙脂色の文字の部分は本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。
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明るさ、光は影を潜め、闇は更にその色を深めた。

って、ところでしょうか。
(後、映画音楽も、ジョン・ウィリアムズから変わった??)

そもそも「ハリー・ポッター」に関しては、ノリで映画「ハリー・ポッターと賢者の石」を見に行って、それが意外な面白さだったので、原作本も読み、そのままハマったのでした。

そういう映画、映像ならではの驚きや楽しみは、巻を重ねるにつれ薄れているように思う。「賢者の石」の映像の、キラキラとした明るさ、喜びは既にない。「ハリー・ポッター」という物語の構成自体が、最初は間口を広く、段々その世界を狭め、深めているので仕方がないことなのかもしれないけれど(って、これ、ほとんどペトロニウスさんの考察ですね。ここ にリンク。そして、登場人物たちの内面の世界が重要になってくるし)。

今回は、更に上下巻分のボリュームを、映画の尺に合わせるということで、映像の楽しい遊びの部分があまりなく(てか、第一の試練のドラゴンって、原作ではあんなに苦労してないよねえ?その他にも長く強調された部分と、自分の好みとがいまいち合致しなかった。あ、でも久々登場のマートルは地味に嬉しかった)、筋を取り回すだけで手一杯の印象を受けた。ああ、私、ヴィーラとか見たかったんですが・・・(ドビーとウィンキーもなかった事にされてるし)。

キャストは好きだし、彼らはほんとに上手いなぁ、と思うんですが、これからますます映像化は苦しくなるのだろうなぁ。ま、今後もきっと見に行くと思うんですけれど。あ、どうでもいいけど、クラムはえらくハンサムでしたね。
あんなかっこいい設定でしたっけ?

一言:ロンのドレスローブ最高!(ああ、なんてピンポイント)
   ダンスパーティー会場における、情けないハリー&ロンのコンビも

ところで、前作ではあまり感じなかった、ダンブルドア役の変更。どうも私は駄目でした(ああ、感想書きながら、駄目出しばっかり。でも、私、「ハリー・ポッター」は映画も小説も、両方とも好きなんです)。この段階の本の方では、ダンブルドアはあまりおたおたしていなかったと思うんですが、演技に重み、深みがないように感じました。忙しないよ。

*公開間もないので、色で伏字にしたつもりなのですが、携帯など見えてしまう環境からアクセスされている方、ごめんなさい(というか、色あわせも今ひとつ上手くいきません)。
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アガサ クリスティー, Agatha Christie, 深町 真理子

さあ、あなたの暮らしぶりを話して―クリスティーのオリエント発掘旅行記

クリスティー、中近東に暮らす!

ミステリーの女王、アガサ・クリスティーには、考古学者マックスの妻としての、もう一つの顔があった。これは、クリスティーが考古学者の妻として、第二次世界大戦前に赴いた、シリアの土地で見た美しい風景、出会った人々、体験したユーモラスなエピソードを、愛情及びユーモア溢れる筆致で描いたもの。扉の解説によると「愛すべき旅行記であると同時に、戦前の輝かしい時代へのノスタルジーであり、実り多かった夫妻の結婚生活をも垣間見せてくれる」ということになる。

目次
『テルの上にすわってた』
まえがき
第一章 シリアをさしていざ行かん
第二章 予備調査の旅
第三章 ハーブル河とジャフジャーハ河
第四章 チャガール・バザールでの最初のシーズン
第五章 シーズンの終わり
第六章 旅の終わり
第七章 チャガール・バザールでの生活
第八章 チャガールとブラーク
第九章 マックの到着
第十章 ラッカへの道
第十一章 ブラークよさらば
第十二章 エイン・エル・アルース
エピローグ
訳者あとがき

最初の『テルの上にすわってた』は、夫妻の出会いを『鏡の国のアリス』<白の騎士>調にうたったもの。テルとは、以後御馴染みの言葉となるのだけれど、西アジア一帯に見られる丘状の遺跡で、集落の石材や日干し煉瓦などが堆積した遺丘のこと。

読みながら、あちこち、ほんとにふき出してばかり。クリスティー女史のお茶目な一面がこれでもか、と披露される。面白いよ。

調査隊の一員であり、いつも超然としたマックとようやく打ち解けることが出来た所では、ほっと一安心するし(クリスティー女史ともあろうものが、一介の若き建築技師の、一挙一動にはらはらするとは!)、現場監督のハムーディーの鷹揚さにはほのぼのさせられるし(朝の五時にホテルの部屋にやってくるとは!)、考えうる限り最悪の腕を持つ、運転手アブドゥッラーの描写には笑わせられるし(顔といい、あらゆる点で駱駝並み!)、あくまで穏やかなアルメニア人のタクシー運転手、アリスティードの辛い過去には考えさせられる(たった七歳の身で、家族や他のアルメニア人とともに、生きながらトルコ軍によって深い穴に投げ込まれた)。

また「フォルカ!(えいくそ!)」と叫んでは機械をぶち壊し、彼の信念「エコノミーア(経済的)」のせいで、いつも安物を買っては、夫妻に損失を与えるミシェル、わしのものはなんでもあんたのものですじゃ」(が、非常に抜け目ない)なシーク、とんでもなく不器用なハウスボーイ、マンスールなど、個性豊かな面々は枚挙に遑がない。

さて、そんな個性豊かな面々の描写も面白いのだけれど、勿論この旅(というか暮らし?)の本来の目的である、考古学についての描写も面白い(最初に学術的ではない、と但し書きがあるが)。クリスティーの夫、マックスの関心の対象は、紀元前二〇〇〇年期、ヒッタイト人の盛衰と変遷とに始まり、なかでもとりわけ、ミタンニ族の軍人王朝について、より多くをつきとめたいというのが目的なのだそう。そんなわけで、ローマ時代のもの」というのは、救いがたいほど歴史的に近いのだって。悠久の時の流れを感じます(ローマ時代が歴史的に近いのだって!)。

人っ子一人いないと思われる砂漠で、どこからともなくやって来て静かに語り、また静かに去っていく老人。悪魔崇拝を非難されるイェジッド族(イェジット族の土地は、本当に美しいのだそう)。クルドの女とアラブの女。アラブの女は例外なく控えめで内気であるが、クルドの女たちは、男性と対等か、対等以上であることを疑っていない。
アッラーの神の思し召しのままに(インシャッラー)”という言葉が飛び交い、“評判”“面子”を重んじるアラブ社会(そして、”評判”のためには、常に思わぬ出費が必要となる)、イスラム教とキリスト教(時には更に悪魔崇拝までも)が対立する混沌とした社会を、またそこで暮らす自分が信ずる所を行く、ある意味で単純で明るい人々を、クリスティー女史が非常に愛したことが伝わってくる本。
*******************************************
クリスティーが、駐在フランス人社会の奥さま言う所の「ル・キャンピング(というか、単にテントの中で寝るということだけど)や、土器の修復をしたり、拷問室のようなところ(その中に入ると、座る事もできなければ、立つ事もできない!)で写真の現像を行っていただなんて、想像出来ますか? 時によってはそんな暮らしの中で、描かれたミステリーもあったわけで・・・。裏話を聞いている様で、面白かった。

直接関係ないのだけれど、「シナン 」を読んで興味があった、ハギア・ソフィア寺院(アヤ・ソフィア)についてのクリスティーの評が、短いけれどちょっと面白かった。クリスティーは「悲しいかなわたしは、いまだかつてハギア・ソフィア寺院に感銘を受けたことがない。審美眼が欠けているのかもしれないが、しかし、事実は事実。いつ見ても、決定的に寸法がまちがっているように思えてならない。われながらひねくれたものの見かただと思うから、それを恥じて、わたしは口をつぐんでいる」そう。アヤ・ソフィアを見た人はみな、感銘を受けるらしいんですが・・・。

また、しょっちゅう出て来たお菓子「ターキッシュ・ディライト」は、以前喜八さんのところで 、「ナルニア国ものがたり」の中で、白い魔女がエドマンドを篭絡するための、魔法のお菓子として使われたと教えて頂いたもの。
イギリス人にはメジャーなお菓子だったのでしょうか?

イラストレーター佐々木悟郎氏によるハードカバーの美しい表紙は、amazonでもbk1でも出ないようで、ちょっと残念。

 ← 文庫でも出ているようです
アガサ・クリスティー, 深町 眞理子
さあ、あなたの暮らしぶりを話して


*臙脂色の文字の部分は本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。

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アン マキャフリー, Anne McCaffrey, 赤尾 秀子
だれも猫には気づかない

時は中世。エスファニア公国の名摂政、マンガン・ティーゲは、まだ若き領主、ジェイマス五世を残して、亡くなった。しかしかねてより、自分の魂が肉体から離れる時を悟っていたマンガンは、彼が死を迎える前に、様々な策を弄していた。例えばジェイマス五世が自分の死後困ることのないよう、分別のある助言者や、重臣たちを自らの目で選んでおく等。

さらに、そんなマンガンは、最後にとっておきの護衛を遺していた。その正体はなんと、ニフィという猫!黒煙色のニフィは、立派な狩人で華麗な銀色の縞猫、ミランダから生まれ、まだ幼い子猫の頃にマンガンの背によじ登って、自ら摂政マンガンを選んだのだ。マンガンの行く所には、いつもニフィの姿があり、ニフィはマンガンが多くの職務をこなす間、必ず傍にいた。

「猫というのは賢くて、人間にたよることなく、自分のことは自分でめんどうをみることができるのです。犬はつねに人がかまってやらなくてはいけません。でも猫は、友に値すると思ったら、その人間を受けいれてくれます。いったんそうなると、とても忠実で、かわいそうな人間が、猫にしか求められない友情を必要としているかどうか、敏感に感じとってくれるのです。」

実はこの賢き摂政マンガンが亡くなったのは、エスファニア公国が国境線の微妙な問題でもめている時期。血気盛んでまだまだ若輩である、ジェイマス五世がこの難局に当たらねばならない。南の隣国モーリティアには、自称エグドリル王、通称エグドリル熱心王と、その怖い怖い二人目の妻がいて・・・。

「熱心王」の名の所以は、あちらこちらの土地を「熱心に侵略し、占領した」ことによる。エスファニア公国の方が領地も広く、皇帝からさずけられた伝統ある公国だけれど、うかうかしていると、勿論熱心王に「熱心に」どうにかされてしまうというわけ。ジェイマス五世は、エグドリル熱心王から彼の姪三名を紹介され、その中の一人、レディ・ウィローと恋に落ちる。ウィローはジェイムス五世と思いを通じ合わせたものの、なぜか怯えた様子を見せる。

実は彼女の父親や、モーリティアの主たる人物は、熱心王の恐るべき王妃により、みな殺害されていたのだ。つまり王妃は、王の姪のうち誰かとジェイマス五世を結婚させた後に、ジェイマス五世を暗殺することで、エスファニアを自分のものにすることを狙っていたというわけ。ジェイマス五世の身に危機が迫る!ウィローやジェイマス、周囲の者たち(勿論、ニフィが大活躍!)の協力により、ジェイマスの身は何とか無事であったが、隣国モーリティアでは王妃による更に恐ろしい企みが進行していた。いつまでも王妃の影に怯えて暮らしているわけにはいかない!ジェイマス達一行は隣国へ出発する。

最後は勿論目出度し、目出度し。エスファニアの彼らも、モーリティアの人々も、これからは王妃の影に怯えることなく、きっと幸せに暮らしたことでしょう。

とまあ、話の筋はこのようなものなのだけれど、これはもうニフィ・キャットを楽しむための本。こわ~い王妃が類型的であろうと、ジェイマスとウィローが直ぐに恋に落ちようと、そんなことはどうでもいい「ゆたかな毛をもつ、ひとつの人格である」彼女、緑の瞳で微笑み返す彼女、のどをならす彼女、肩に飛び乗って頬にすりよる彼女、読み終わる頃には、きっと誰もがすばらしい(マグニフイセント)猫、ニフィの虜になっていることでしょう。ミイ!

短毛でふかふかなのもいいけれど、長い毛を梳く楽しみもありますよね~。もしもニフィを見かけたならば、私も是非とも撫でさせて貰いたいもの。アーモンド形の目で、こっちを見て「ミイ!」と鳴いてくれないものかしらん。
しかし、ハードの装丁の方が、深い緑がニフィに良く合って好きなのだけれど、ハードも文庫も、ニフィの毛があまり「ゆたか」に見えないのは気のせい?

 ← 文庫もあるようです


*臙脂色の文字の部分は、本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。
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久々に猫を見かけました。

木の上に乗って、見張りをしているかのような猫。
首から胸にかけて、白い毛がふさふさ♪


こちらの猫はトリミングしなくても、この大きさ。
近寄ってきて遊んでくれました。丸々とした顔が可愛いでしょ?
ついつい、犬にするかのように、「お手」を要求してしまいましたよ
(するわけなかった・・・)。
でも、撫でたらびよーんって、伸びをしていました。
少しは気持ちよかったのかなぁ? ご飯持ってなくて、ごめんね。

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