旧・日常&読んだ本log

流れ去る記憶を食い止める。

2005年3月10日~2008年3月23日まで。

以降の更新は、http://tsuna11.blog70.fc2.com/で。


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先日、bk1で3000ポイントを頂いて、何を買おうかと考えては、うっとりしています。

「パトリシア・コーンウェルの食卓」と「夢織り女」がいいなぁと思ったのですが、amazonでは取り扱っているのに、なんとbk1では「現在お取り扱いが出来ません」なんですよ。むー、残念。

「空の名前」にしようかなぁ。この際、「千夜一夜物語」?と思ったけれど、こちらは文庫なのに一冊1470円で、全11巻だそうな・・・。

そんなわけで、今、気になっている欲しいものリスト(というか、私の物欲リスト)。
うーん、もっと良い物があったりするのでしょうか。

パトリシア コーンウェル, マーリン ブラウン, 相原 真理子
パトリシア・コーンウェルの食卓

ジェイン・ヨーレン, 村上 博基
夢織り女

高橋 健司
空の名前

古沢 岩美, 大場 正史
バートン版 千夜一夜物語 第1巻 シャーラザットの初夜
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エロTB、粛々と削除しているのですが、記事書いて数十分後には必ずついてますねー。で、今日もまた「別冊ネットアイドル」から、飛んできたわけですが、今度は「増刊別冊ネットアイドル」だそうな。不評の嵐だというのに、どの辺を増刊したのでしょうか。ちょっと気になってしまいました。笑 (勿論、見には行きませんが)
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ダイアナ・ウィン ジョーンズ作、西村 醇子訳
 「アブダラと空飛ぶ絨毯―ハウルの動く城〈2〉」

ハウル2とあるけれど、今度の主人公は、ラシュプート国のバザールの若き絨毯商人アブダラ。アラビアンナイトの世界を下敷きにした、「魔法使いハウルと火の悪魔」の姉妹編となる物語。

ダイアナ・ウィン ジョーンズ, Diana Wynne Jones, 西村 醇子
アブダラと空飛ぶ絨毯―ハウルの動く城〈2〉

表紙の絵がとても綺麗なので、大きな画像を載せました。真ん中の空飛ぶ絨毯に乗る寝巻き姿のアブダラ、右下のイカを咥えたイヌ、更にその下の青い瓶、月の光、夜の庭園、空中の城。この美しい絵そのままの世界が展開される。

アブダラは、インガリー(ハウルソフィーが住む)からはるか南に下った地、スルタンが治めているラシュプート国のザンジブ市のバザールに住む、若き絨毯商。バザールの隣人は、揚物屋のジャマールとその飼い犬

ある日、アブダラがいつものように、店内で空想の翼を広げていた所、「空飛ぶ絨毯」を売りたいというお客がやって来る。「空飛ぶ絨毯」を手に入れたアブダラは、絨毯のお陰で美しい箱入りの姫、<夜咲姫>と知り合うが、<夜咲姫>は彼の目の前で魔神(ジン)・ハスラエルに攫われてしまう。アブダラは怒ったスルタンの追跡を受けながら、魔神(ジン)から<夜咲姫>を助けるために、旅に出ることになる。

アブダラの旅のお供は、瓶の口から出る紫色の煙、気難しい精霊のジンニー。一日一回は願いを叶えてくれるというのだけれど、彼の叶え方はいつだって強引。かえって状況が悪くなったりもする。

「この瓶の持ち主となった者は、毎日ひとつずつ願い事が許され、ぼくはいやでもそれをかなえてやらなければならない」

さらに、ジンニーに引き合わされた、ストランジア人の兵士、なぜか彼らにくっ付いて来た<真夜中><はねっかえり>という二匹の猫を連れて、旅は続く。

全ては、その時そこに見えているものだけであるとは限らない。

ザンジブのならわしにより、美辞麗句を連ねる事が出来るアブダラ。お世辞が大好きな「空飛ぶ絨毯」も面白いし、ほとんど何にだって逆毛をたて、気に入らない時には大きくなる猫の<真夜中>も不思議。かつてはいい魔神(ジン)だったハスラエル、その弟で甘ったれのダルゼル、臆病でへそ曲がりのジンニー

全ては隠されているけれど、「悪いやつでいるのも楽しかったんだよ」というのも分かる。自分の型に囚われることなく、乱暴でも好き勝手が出来るのだもの。最後は大団円でめでたし、めでたし。全ては収まるべきところに収まるのだ。

実は、「魔法使いハウルと火の悪魔 」はあまり好みではなかったのだけれど、こちらの「アブダラと空飛ぶ絨毯」は、とても楽しく読むことが出来た。本当のアラビアンナイトをきちんと読んだ事がないので、その世界とはまた違うのかもしれないけれど、魅力的なアラビア風の世界にうっとり。ま、私はソフィーに同族嫌悪を感じていたので(長女で自意識過剰で頑固者)、ぎゃんぎゃん騒ぐソフィーの出番が、表面上だけでも少なかったのが、大きかったのかもしれないのですが。
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吉田 秋生
ラヴァーズ・キス
小学館文庫

vol Ⅰ 悪い噂
vol Ⅱ 冷たい月
vol Ⅲ Je te veux
vol Ⅳ 好きやねん
vol Ⅴ 彼女の嫌いな彼女
vol Ⅵ TEMPEST
エッセイ 有吉玉青

色々なキスの形。

時系列は同じだけれど、それぞれの立場から描かれる。彼らの想いは、Ⅰ、Ⅱを除けば全てが哀しい片思い。でも決して暗くはない。「もう出会ってしまった」のだから、仕方がない。想いをごまかすことはしない。好きになったその気持ちを大切にする、高校生の物語。舞台は海が身近な鎌倉。

Ⅰ・・・里伽子と藤井朋章の出会い
Ⅱ・・・里伽子と藤井朋章の恋
Ⅲ・・・鷺沢高尾の藤井朋章への想い
Ⅳ・・・緒方篤志の鷺沢高尾への想い
Ⅴ・・・依里子の美樹への想い
Ⅵ・・・美樹の里伽子への想い

 鷺沢高尾:藤井朋章の後輩の男子生徒
 緒方篤志:鷺沢高尾の後輩の男子生徒
 依里子:里伽子の妹。緒方篤志とは親友
 美樹:里伽子の親友

それぞれのベクトルが少し変われば、幸せなカップルになれるかもしれないけれど、彼らはそんなことはしない。

東宝
LOVERS' KISS ラヴァーズ・キス

以前、ケーブルでやっていた、これの映画版を見たことがあるのだけれど、何の気なしに見始めたまま、ついつい全部を見てしまった。映画はこの漫画の空気を、上手くあらわしていたように思う。吉田秋生さんが描く人物の方が少し大人っぽいし、キャラクターの性格は一部異なっているけれど、漫画の重要な要素はきちんと抽出されていたように思う。依里子役の宮崎あおいちゃんが、キュートだった。
***************************
ブックオフで、これが105円で売っていて、更にその他「前略・ミルクハウス」「ソルジャー・ボーイ」も105円になっていたので、嬉しくなって購入してしまった。でも、「前略・ミルクハウス」は文庫の3巻だけが抜けているので、どこかで補充をしなくてはなりません。
コミックスで後生大事に持っているものの文庫版が、105円で売っていたりすると、スペース的にも魅力的ですね、しかし。コミックス20巻分が、文庫では10冊になって、しかも大きさもすっきり収まるのだものなぁ。ちょっと考えてしまう。
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◆朝の風景

昼からの天気は冴えなかったけれど、朝の空はとても綺麗でした。

◆嬉しかったこと
tujigiriさんに、bk1の書評システム(送った書評が「今週のオススメ書評」コーナーに掲載されると、ポイントが貰える)を教えてもらいました。
 ■tujigiriさんの記事はこちら→「本棚からぼたもち
(これ、タイトルも言いえて妙ですね。笑)

ブログ記事の焼き直しを五本ほど送った所、私も3000ポイント貰えました!わーい、何を購入しようかな~。来週は誕生日なので、ちょっと早い誕生日プレゼントを貰ったようで、嬉しいです。
tujigiriさん、教えてくださってありがとう~。

掲載されたのは、恩田陸さんの「禁じられた楽園」の書評 です。
(でも、ブログに載っけたのと、ほとんど変わりませぬ。汗)
また送ってみようかしらと、すっかり捕らぬ狸の皮算用になりそうな、ワタクシでありました。
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佐藤賢一「カルチェ・ラタン」

時は16世紀、舞台は学問の都、パリのカルチェ・ラタン。主人公は、今ひとつ世慣れない、童貞のパリ夜警隊長ドニ・クルパン。ドニは親の威光で夜警隊長に就任した、裕福な商人の次男坊。

この物語は「ドニ・クルパン回想記」という体裁をとっていて、巻頭と巻末には、ドニ・クルパンの子孫による序文や、「ドニ・クルパンとその時代」と題する佐藤賢一氏の解説文が載せられている。巻頭と巻末はちょっと堅苦しくもあるのだけれど、始まってしまえば、中世のフランスが生き生きと描かれる。

ドニ・クルパンは親の七光りで隊長になっただけあって、部下である隊員たちにもなめられてばかり。もともと彼はあまり優秀な方ではなく、学生時代の家庭教師、マギステル・ミシェルには「泣き虫ドニ」などという不名誉な渾名を進呈されている。

夜警隊長であるドニは、彼の管轄内で起こった事件を解決しなくてはならない。ドニは名探偵ばりの頭脳を持つ、マギステル・ミシェルに助けを求め、彼を職務に引っ張り出す。ミシェルは、眉目秀麗、頭も切れるが、女たらしの破戒僧。ドニがミシェルに泣きついた日も、彼は印刷屋の美貌の未亡人、マルトさんの所にしけこんでいると思われた。

ドニとミシェルはコンビを組んで事件を解決していくが、一つ一つは関係がないように見えた事件は、実はパリを揺るがす大きな一つの事件に収束していく。

これは「泣き虫」ドニの成長物語でもあるし、この時代の神学の砦であるカルチェ・ラタンを舞台としているだけに、カトリックとプロテスタントの対立が描かれ、宗教改革の嵐が吹き荒れる、この時代の学僧たちの青春群像であるとも読める。神の時代ではなく、人間の時代が来たときに、マギステル・ミシェルは、ジョン・カルヴァンは、フランシスコ・ザビエルは、イグナチウス・デ・ロヨラはどう行動したか?

最初は女たらしで、ドニに皮肉めいた警句を繰り返し、傍若無人に振舞うマギステル・ミシェルを、ドニの身になってちょっと恨めしく思いながら読んでいた。しかし物語が進むにつれ、ミシェルの本質が、研ぎ澄まされるように浮かび上がってくる。ミシェルの真実は、強く哀しく清廉であるように思う。

「エッセ・エスト・デウス(神は存在なりや)」

佐藤氏の本はこれでようやく二冊目なのだけれど、現実に生き、包容力があって強く、しかしながら弱い女性、悪ぶっているけれど、純粋な心、真っ直ぐな精神を持ち続けている男性がいいと思う。

「マギステル・ミシェルの鉄則、その一、女は何度でも生まれ変われる」

男に殺してもらえるから、男にその辛い過去を清算してもらえるから、女は何度でも生まれ変われる。そして、その時、男はその女の「小さな神」となる。ラストは、「ドニ!よくやった!」と声を掛けてあげたい気分になる。

 ← 私が読んだのはこちら
佐藤 賢一
カルチェ・ラタン
 ← 既に文庫化されているようです

*臙脂色の文字の部分は、本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。

☆関連過去記事
「王妃の離婚」/結婚とは、人生とは

中世の異端の話としては、こちらも面白かった。
ゴシック歴史ロマン/「グノーシスの薔薇」
十五世紀末から十六世紀初頭のルネサンス爛熟期に、教皇レオ十世(ジョヴァンニ・デ・メディチ)に仕えた小人、ジュゼッペ・アマドネッリ(ペッペ)の手記という形をとった物語。
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ベルメゾン「ベルギービールの会」を購入してしまいました。

もう、夏も終わったというのに、ビール。
こんな大きなコップを収納する所なんてないのにコップ付。汗

ビールは、軽くて甘かったです。
次が届くまで、私は味を覚えていられるのだろうか。汗


■今回のビール: ブルージュ・トリプル
輝くばかりのゴールド色に、まろやかな麦芽の風味が漂うブルージュの地ビール

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倉橋由美子「倉橋由美子の怪奇掌篇」

目次
ヴァンピールの会
革命
首の飛ぶ女
事故
獣の夢
幽霊屋敷
アポロンの首
発狂
オーグル国渡航記
鬼女の面
聖家族
生還
交換
瓶の中の恋人たち
月の都
カニバリスト夫妻
夕顔
無鬼論
カボチャ奇譚
イフリートの復讐

どれもごく短い幻想的なストーリー。目次を見ても、なかなかに妖しげなタイトルが並んでいる。秋の夜長に如何でしょうか。

私が好きなのは、「首の飛ぶ女」「事故」

「首の飛ぶ女」は、夜毎、恋しい人の下へ首を飛ばす美少女の物語。語り手である「私」の父の友人Kは、戦地から引き揚げる際に、中国人の女の子を連れ帰ってきた。美しく成長した彼女は、実は飛頭蛮と呼ばれる種族の一員であった。この種族は、夜中に頭が胴を離れて飛びまわるという、変わった習性を持つ。Kと彼女との関わり、また生前の「私」の父との関わりとは。

首を飛ばすって随分野蛮な話に聞こえるけれど、そこは倉橋由美子さん。美しいです。美少女の首が窓の外にやって来たら、やっぱり家の中に入れてあげて、お話したくなるのだろうか。

「事故」は、突発性溶肉症にかかってしまった小学生、山口勉君のお話。ある秋の夜長、つい湯槽の中でうとうとしてしまった勉君は、すっかり骨だけの姿になってしまう。

起きたら虫になっているのも困るけれど、骸骨になってしまうのも困るよね。でも、すかすかして、気持ち良いのかも(冬は寒いか?)。


そういえば、「読書感情文 」のぐたさんの所で紹介されていた、「おとぎ話占い」自分の診断結果、「かぐや姫」の記述に違和感を覚えたのは、この本の中の「月の都」の荒涼としたイメージが頭にあったからかもしれない。確か、倉橋由美子さんのその他の短編でも、「かぐや姫」は結構冷たい性格に描かれていたように思う。

その他、「アポロンの首」は、別の物語「ポポイ」 (美少年の首を飼うというお話)の元になっている。

倉橋 由美子
倉橋由美子の怪奇掌篇

■おとぎ話占いはこちら
■ついでに、「かぐや姫」の性格分析。
 
かぐや姫のあなたは、心の優しい穏やかな人。人との調和を大切にし、良くも悪くもとびぬけることが好きではありません。人には親切で、けんかや言い争いは嫌い。少々気に入らないことがあっても、騒ぎ立てずにがまんしてしまいがち。とはいっても、意志が弱いわけではなく、本当はとても頑固。人のアドバイスを聞くことは聞きますが、それで自分の考えを変えることはありません。凝り性のところがあり、自分の仕事が好きな分野にはまると、思う存分力を発揮できます。

「とても頑固」しか合ってない所が、悲しいなぁ。

☆関連過去記事「夢の通い路」/ 異世界との交歓
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週間スピリッツ「魂語録」というコーナーがあって、過去の掲載作品の中から、印象的だった台詞などを再掲載している。

今週分の内の一つが、とっても懐かしかったので、載っけてみる。

「好きっていうのはね おやつを分けてあげられることだよ。」

これは「バケツでごはん」の子豚・タボンの、好きって、どういうことか分かる?」の返答なのだ。大切なものを分けてあげられるっていいね。分けてあげられる相手がいることも。

玖保 キリコ
バケツでごはん (1)


スピネット における、魂語録の定義はこちら
 スピネット上の、魂語録の採録集はこちら

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重松清「きよしこ」

主人公は吃音の少年。カ行とタ行、濁音で始まる言葉は、殆どの場合どもってしまい、上手く発音することが出来ない。「カ行」で始まる友達になれそうな少年の名前も呼べないし、授業で答えが分かっても手を挙げられない。面白いことを思いついても、言葉に出すことが出来ない。呑み込んだ言葉や思いを、常にその身に抱えて生きる。

そんな彼の名前は、何の因果か、彼が必ずどもってしまうカ行の「きよし」。父親の仕事の都合で、転校続き、苦手な自己紹介を繰り返す少年時代を過ごす。これは「きよし」少年が、その少年時代に出会った人たち、出来事を綴った物語。

「きよし」少年は、重松清さん自身の分身。これは重松さんが個人的に手紙を貰った、同じように「うまくしゃべれない子どもである、「君」に向けた「個人的なお話」でもある。

目次
きよしこ
乗り換え案内
どんぐりのココロ
北風ぴゅう太
ゲルマ
交差点
東京

■きよしこ
小学校一年生のクリスマスの思い出。少年の想像上の友達、「きよしこ」との対話がいい。欲しいゲームの名前を言えない辛さ、「ごめんなさい」の「ゴ」が言えない辛さ。

■乗り換え案内
三年生になった少年は、「吃音矯正プログラム」である「おしゃべりサマーセミナー」に、夏休みの半分をつぶして通うことになる。そこで出会った「加藤君」は、少年に何かとちょっかいをかけてくる。

■どんぐりのココロ
小学校五年生になった少年は、転校にはすっかり慣れっこになったはずなのに、今度の学校ではクラスに馴染むのに失敗してしまう。親に心配を掛けないよう、近所の神社で放課後の時間をつぶす内に、出会った「おっちゃん」とのお話。

■北風ぴゅう太
少年は、小学校生活最後の思い出になるお芝居の脚本を任される。担任の石橋先生から出された条件は、次の二つだけ。「クラス全員に台詞を与えること」と、「悲しい終わり方の話にしないこと」。「小学校生活の思い出」といっても、転校を繰り返した少年には、みんなと一緒に積み重ねた思い出はない。

■ゲルマ
中学校二年生の一学期に出会った、ちょっと迷惑な友達、「ゲルマ」の話。ゲルマと、ゲルマの友達ギンショウと、少年との話。どうしようもなく弱いギンショウと、鈍感で無神経で、「友情」を取り違えているゲルマが哀しい。
「ゲルマ」は、ゲルマニウム・ラジオで銅賞をとったことから、自分で渾名をそう変えた。ゲルマの友情は間違っているし、鈍感で無神経だけれど、彼は少年が読書感想文コンクールで書いた、「泣いた赤鬼」に出てくるような少年だった。

「青鬼になるのは難しい。ぼくの友達は、青鬼になりたかったのになれなかった」

■交差点
中学校三年の最後の野球の試合。これまで頑張ってきたレギュラーメンバーの中に、ぽつんと転校生の大野がやって来る。彼が入部したことで、仲間の一人は試合のメンバーから外れてしまう。少年は、小学校では都合五回の転校を繰り返したけれど、中学では父の犠牲により動かずにすんだ。ようやく少年が思い出を積み重ねることが出来た、野球部の仲間の気持ちも分かるし、転校生・大野の気持ちも良く分かる。

「転校生って怪獣みたいなものだと思うんだよな。俺が野球部の平和を乱したようなものじゃん。白石はそういうこと、考えたことない?」

■東京
少年のことをとても好きになってくれた地元の女子大生、ワッチとの話。少年が家族と過ごした最後の日々の話。ワッチは吃音が重くなった少年の「通訳」になるというが、少年は地元のY大ではなく、東京のW大を志望する。少年は、もう、どもらずにすむ替わりの言葉を探すことはしない。欲しいものは、やりたいことは、自分で伝えるしかない。

もう誰も助けてくれない。知らない町で、知らないひとたちと、これから生きていく。


どもってしまうという形でなくとも、子どもの頃って何かの理由で、伝えられないことが沢山あったように思う。子どもは無力だからなのかなぁ。今思えば大した理由でもないし、そんなことで伝えられないのだとしたら、馬鹿げた話なんだけれど。そんな誰の胸にもあるだろう、子ども時代を思い出す、断片のような物語。

今もあまり伝えることは得意ではないし、時に頓珍漢なことを言ってしまったりもするけれど、「きよしこ」の言葉のように、「それがほんとうに伝えたいことだったら・・・・・・伝わるよ、きっと」だといいな、と思う。

 ←私が読んだのはこちら
重松 清
きよしこ
  ←既に文庫化されています

文庫を買おうと思っていたら、図書館で単行本を見つけてしまいました・・・。

*臙脂色の文字の部分は本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。
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右においてるブログペットのcan君。「ひとりだち」に成長しました。
そして、顔の両脇にお花が!(てか、これは耳なのか?)

飼い主はあまり可愛くないのですが、メロは妙に可愛くメルヘンに成長しました。
いや、男の子のつもりだったんだけどなー。笑
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