砥石の硬さ | 包丁研ぎ師月山の包丁研ぎ磨ぎブログ

包丁研ぎ師月山の包丁研ぎ磨ぎブログ

人として包丁研ぎ師としての日常や発見、気づきなどを書いています。

目指すは包丁研ぎ世界一。みなさんに少しでも刃物に興味を持っていただければ幸いです。

高級鍛造刃物販売、修理研ぎをする三代目です!

http://www.tsukiyama.jp/

今日はすごい雨ですね( ̄▽ ̄;)

さすがに夕方からお店を閉めてしまいました。



昨日は某高校生から電話がありました。

「行きたいのですが、和包丁全く使ってないので切れ味は落ちてないのですが、行く意味ありますか?」と(^_^;)

なかなかな質問です(笑)

僕もプロですから「まぁ研がなくても他に教えてあげられることもあるからよければ来てください。」と言うと「行きます。」というので講習がスタートしました(^_^;)



まずは包丁の見方を教えました。

鎬の見方、刃線の見方、歪みの見方です。

これが見れるようになればだいたいどこがダメで、どう研げばいいのかがわかるようになります。

これで刃物の良し悪しもわかりますからね。

またぺティだけ研ぎたいと言ったので研がせて、上手くできない場合は研いで見せ、切れ味の違いも確認してもらいました。



そんな中、「砥石って硬い方がいいんですか?軟らかい方がいいんですか?」という質問をされました(@ ̄□ ̄@;)

なかなか難しい質問ですね(^_^;)

何故なら両方必要だからです。



硬い砥石は研磨力が少し低い分、砥石が凹みにくい。

確実にムラなく仕上げるならメチャクチャ硬い砥石で削るのがいいと思います。

しかし非常に時間がかかり、使用に技術がいります。

逆に軟らかいと研磨力は強くなりますが、砥石の減りが早い傾向にあります。

ですから砥石と上手く付き合い、頻度多く面直しをしないとダメなのです。

上手く研げたと思って硬い砥石で研ぎ直すと、砥石が減ったために当たらないところが当たるようになったりしているだけなのです。

ただ研ぎ当たりはよく、使っていい印象が強く出やすい砥石だと思います。



今僕が使っている人造砥石は荒砥以外すべて特注品のビトリファイド製法の硬い砥石です。

軟らかい荒砥でいらないところを大体削ったら、あとは地道に硬~い#600で完全に歪みを取るまで研ぎ続けます( ̄▽ ̄;)

もちろん仕上げによってはもっと楽な方法で研ぎますが、特に和包丁の切り刃を鏡面にするのであれば、この番数で地道に歪を取ります(>_<)

ですからすべては荒砥と次の砥石での形作りが、最終的な仕上がりに直結するとも言えるのです。

ちなみに荒砥の#120、#220、#320で形を作り、#600→#1000→#1500→#3000→#5000→・・・と仕上げるパターンと#3000から天然砥石で仕上げるパターンとあります。



技術があれば仕上げに使う砥石は天然などの硬くて研磨力がない砥石を勧めます。

何故なら切れ味はバリ(かえり)取りに大きく左右されるからです。

仕上げがよく研げるとバリを多く出すため、切れ味が出にくくなってしまうケースが多いと感じるからです。

逆に仕上げは適度に研磨できるものにして、硬い仕上げ砥石をバリ取りに使うのもいいかもしれませんねd(⌒ー⌒)!



ただ間違ってはいけないのが、これらの話は極論です(^_^;)

通常家庭で包丁を切れるようにするなら#1000と#4000の砥石があれば充分ですし、和食の料理人さんでもあと荒中砥と柳刃用に#8000の仕上げがあれば満足できると思いますd(⌒ー⌒)!

要するにどこまでこだわるかですね!



明日は今日の分もしっかり仕事します(^_^;)

さぁ明日もがんばるぞ!!