●「真夜中の五分前」

土曜日(1/24)は、イオンシネマにて、映画のはしご。

1本目は「真夜中の五分前」。
 
 

いつの時代かわからないような、
レトロな雰囲気の街並はオール上海ロケ。
 
少し暗いトーンの画像だけに、光の効果が
美しさとはかなさを表しているよう。

謎解きミステリーとして宣伝しているけど、
ミステリーとして観たら、肩すかし。

でも、観念的というか、情緒的でよかった。

ゆっくりと進んでいき、静かなトーンの映画。
主役の「良」を演じる三浦春馬がすごくいい。

どこか淋しく、人とつながることをおびえているような。
でも、つながってくる人を愛おしく、そっと
包むようないとしさ。

そして、観る人に委ねるラストは、
もどかしさを感じる人は多いかもしれないけど、
より「愛について」を考えさせられる。

AとBがいて、なぜAを愛するのか。
なぜAじゃないといけないのか。
外見は全く同じ双子だったとしても愛するのは
どちらかになる。

愛というのは、人のどこの部分で感じ取るものなのか、
とても考えさせられる。

他者は自分の何を愛するのか。
本当の自分を愛してくれているのか。

過去や他者にとらわれず、「自分」の「今」を生きることを
つきつけてくれる。

 

土曜日(1/24)、2本目の映画は「恋とオンチの方程式」。

我らが、香西さんが脚本・監督の映画。
とても彼女らしい、乙女で、おもしろく、
いろんなことを盛り込んでいる映画だった。

ご当地ものということで、なじみの場所が登場するので、
逆にリアリティにかけてしまうのだけど、
おとぎ話的に観て、楽しめた。

きっちりとした王道の映画。

先に見た「真夜中の五分前」とトーンは全く
逆なんだけど、「本当の自分をみて」という
想いはシンクロしていたのが不思議だった。


 

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●「天才スピヴェット」

水曜(1/7)、レディースディなので、
ソレイユ2にて映画のはしご。

一本目は「天才スピヴェット」。
3Dメガネで鑑賞。

まさに総天然色飛び出す絵本!という感じ。
独特の世界観を放ち、ポップでキュート。

正に主役をスピヴェットを演じた
少年カイルの天才子役ぶり、
いやもう子役というより立派な俳優として、
最高の演技に魅了される。
彼在りきの映画だろう。

原作では12歳という設定だそうだが、
彼に合わせて映画では10歳にしたそう。

果てしなき大草原から、貨物列車での冒険。
コメディにアドベンチャーにアクションも
加わって、楽しませてくれる。

しかし、そこはかとなく漂う、せつなさと
淋しさには胸が痛む。
愛がなくても子どもをできるが、
愛がなければ子どもを育てられないのではない。
家族って何だろうって考えさせられる。
存在を否定されたり、無視されることは
子どもにとって虐待以上に辛いことかもしれない。
天才少年だって、まだ子どもだ。
やっぱりぎゅっと抱きしめ欲しいのだ。


【写真①】
チラシ。
このスピヴェットはスピーチのシーン。

【写真②】
パンフレット、表紙は地味。

【写真③】
水曜ランチは、弟と洋食屋さん。
私はレディースランチで
ステーキ。デザート付。
弟は「おとなランチ」

 

 

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●「ぶどうのなみだ」

水曜日(1/7)、ソレイユ2にて、今年2本目は
「ぶどうのなみだ」を観る。
 
北海道発信の映画だけに、北海道の大自然の
美しさを存分に映像で見せている。

気候、風景、産物等 北海道の魅力を盛り込み、
ぶどうとワインのモチーフをうまく活かしていた。

最初は、不条理劇の舞台を観ているような
違和感があり、作品世界に入り込みにくかった。
そして、笑わず、悲しみを抱えたままの
大泉洋の抑えた演技に、息苦しくなった。

でも、過酷な冬があってこその雪解けの春の柔らかさが
活きるように、人の苦しみも乗り越えてこその
笑顔が素敵だった。

兄弟や親との確執等、描かれていないところが
気になったが、ヒューマンドラマではなく、
ファンタジーとして観るなら、それもありか。

ぶどうとワインのモチーフ、美しい風景が
ストーリーと合わさり、

大粒の雨が、いつも悪いことを連れて来る兆しだった
二人に、最後に雨が降りしきるシーンは、とてもよかった。

ワインの貯蔵シーンが、
いかん! 「マッサン」の
ウィスキーシーンとかぶってしまった。


染谷将太がとってもナチュラルなかわいい役。
染谷将太をこんな風に使うなんて!!
うらやましすぎるぅぅぅ。
きっと最後に何かしでかしてくれるのではと
思ってしまったが、何もないよねー。
だよねー。

 

 

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●「イン・ザ・ヒーロー」。

水曜日(10/1)は映画の日なので、
映画のはしご。

1本目は、「イン・ザ・ヒーロー」。
 
“ブルースリーは俺のヒーローだ!
俺も誰かのヒーローになりたい”

主人公は、アクションスターを
夢見て、そう言うが、彼はスーツアクター。

映画の撮影所、ヒーローアクション、
スタッフへの愛を感じる人間ドラマ。

人物の成長もあり、アクションも凄くて、
いい映画だったけど、
ちょっとテンポが悪かったかな。
それと、クライマックスの見せ方が残念。

でも、映画バカな人たちや、夢を追っている人
たちを見ると自分を重ねてしまう。

私も初めて自分のシナリオで
作った映画がアクション映画だったから、
余計に共感できた。

●「マレフィセント」

月曜日(7/7)、映画のはしご2本目は
「マレフィセント」を観る。
 
ディズニー創立90周年記念作品ということで、
映像美の美しさと豪華さ、
衣装の独創性には目を奪われる。

そして、マレフィセントを演じる
アンジャリーナ・ジョリーの
カッコイイこと。
時にぞっとするほどの冷酷さを感じさせるが、
とてもチャーミングな面も見せ、妖精なんだけど、
とても魅力的な“女”として描かれている。

だから、本来「悪役」であるはずの彼女なのに
観ている人は共感してしまうであろう。
視点を変えるだけで、こんなにも物語に奥行ができ、
深い話になるとは、


おとぎ話は善悪がはっきりしているが、
人間は、善と悪の両方を持っていたり、
そこが曖昧だったりする。
それが人間のもろさであり、愚かなところかも
しれない。
たせから、ダークファンタジーかと思ったら、
けっこう人間クサい人情ドラマの要素があった。

ツイッターとかでは、百合と言われてるみたい。
確かにオーロラ姫とマレフィセントのやりとりに、
きゅんとくるシーンはあるが、
私はステファンへの純心な想いをずっと抱えて
いたのではないかとも思う。
ステファンとの戦いの後のシーンが、
とてもせつないんだもの。


「マレフィセント」パンフ。

アニメ「眠れる森の美女」との比較も
おもしろい。


 
「DVD&ブルーレイでーた」7月号は
「マレフィセント」が表紙で、
特集は、
「AI人工知能が登場するSF映画」で、
「『トランセンデンス』にみる人工の可能性と
危うさ」や「AIが登場するSF映画20選」。


 

●「そこのみにて光輝く」

水曜日(7/2)、ソレイユにて
「そこのみにて光輝く」を観る。

  
 良い映画ではあったが、
生きていくことの辛さを感じさせ、
生きていく上での性を突きつけられる。
どよ~んとしてしまうが、
胸にじんとくるものはあった。

テーマも重く、全体的にグレーのトーンで、
夏の映画なのに照りつける太陽もなく、
どこか寒々しく、この世の果てのような感じ。

でも、すべてが最後のシーンを輝かせる
ためなのだろう。

全てを無くして、全てをさらけ出して、
何もかもが壊れてしまっても、
たった一つの光があれば、それは幸せなことで、
生きていくのに値することなのか。

姉を思う弟と弟に寄りそう姉。
そこにはとても共感して、涙がうるむ。

弟のキャラがとてもいい。
あいくるしく、救われる。

女性監督ならではの視点なのか、
男性を撮るアングルがとてもエロティックだった。

男性のお尻がアップになり、高速で動いた時、
うわっ、綾野剛ヤルなあ~と思ったら、
高橋和也のお尻だった。

シリアスなのだけど、この高橋和也が出るところは
思わず笑ってしまう。
あまりにイヤな奴で、ヤルことしか考えていないような
奴だから。
でも、千夏(池脇千鶴)が、達夫(綾野剛)に抱かれるシーンと、
中島(高橋和也)との対比がおもしろい。


 
パンフ

地味ながら、様々な角度からこの作品を検証。
セリフが聞き取りにくかったところが数か所あったので、
シナリオ採録なのがうれしい。


先月の「映画芸術」447号は
「そこのみにて光輝く」の特集。

主演三人のインタビューでは、いかに役を理解して、
取り込んでいったかの役者の思いが伝わる。

監督、脚本家らの原作者への思いや、比較なども
興味深い。

千夏の衣装のカラーは黒。
同じ黒でも素材とカメラ映りがいろいろ研究されたそう。
露出と恥じらいがちよっとした衣装でも表されていた。


 

●「晴天の霹靂」

日曜日(5/25)、お昼は「晴天の霹靂」を観る。

 

タイムスリップものだけど、設定はゆるく、
人間ドラマの方に比重を置いた作品。

伏線をきっちりはって、
細かい所の符号もきっちりと作り込んでいて、
とてもいい、感動作だったれど、
あまりにストレートだった。

シンプルでオーソドックスなのが悪い
わけではないけど、何かあるのかなと
思ってしまったので、あまりの直球に
ちょっと肩透かし。

でも、やっぱり泣いてしまった。
あざとくなく、台詞で泣かされ、
大泉洋の表情にやられてしまう。
ああ、劇団ひとりに泣かされるとは~。

クライマックスの大泉洋の
マジックシーンもとってもかっこよかった。

タイトルにもなっているが、天気が重要な
ポイントとなっていたり、
季節を感じさせる映像が
とても美しく、心情も表していた。

タイムスリップものは大好き。
バックトゥザフューチャーから
バタフライエフェクトまで。
邦画では、「異人たちとの夏」とか
「メトロに乗って」も思い出した。

しかし、昭和が遠くなったなあーって、
ちょっぴり淋しくなった。
私もタイムスリップして、今は亡き、
若き父に逢いたいな・・・。


「晴天の霹靂」パンフと前売券。
実は予告観てから、すごく観たくて前売まで
買って、楽しみにしてた。
あまり期待しすぎるとイカンね……。


ランチはサラダうどん。

●「あなたを抱きしめる日まで」

5日、ソレイユにて「あなたを抱きしめる日まで」を観る。
 
  
50年前に生き別れた息子を捜す旅にでる母フィロミナ。
 一緒に旅をする元ジャーナリスト。
 実話を元にした話だけに、心に響く物語になっていた。
 
快楽は罪だとされる修道院。
 若いフィロミナが、息子と引き裂かれるシーンは、涙がとまらない。
 
それから50年の時を経て息子を捜しに米国へ旅する。
 少しミステリ要素もあり、現在と過去が、交錯しながら、
真実が、見え、真相にたどりつく。
 
絶望だと思えた結末が、
希望に変わり行くラスト近くは、止めどなく、涙が落ちる。
 
人は罪深いものだが、人は人を赦すこともできる。
 
神は、セックスの快楽を与えるのに、
それを罪だと、とりあげるというような台詞があったが、
快楽の中で宿る命だって、尊いもの。
 
仕打ちを受けても、人を憎まず、恨まず、
ユーモアとロマンを抱え、心に素直なフィロミナを
演じるジュディ・デンチのキュートなこと。
 こんな風に年を重ねていけたら、いいな。
 
息子モノは涙腺ゆるむね。
 しかし、修道院モノといえば、
どうも「聖獣学園」を思い出し、エロい妄想が、膨らんでしまう。
 
この映画では、そんなエロいのはもちろん無いけどね。
 

 
  
 
 

●「小さいおうち」

金曜日(1/31)、「小さいおうち」を観る。
 
 映画を観る前にと、原作を読んでいたが、
原作に忠実で、かなりイメージ通り。

原作では昭和の街並みだとか、いろいろな場所の
シーンがあるが、映画は、
ほぼ昭和モダンの赤い屋根のおうちを中心にされ、
余計なサブストーリーは排除して、
女中タキと奥様 時子の二人をクローズアップ
している。

「着物」をモチーフにした“秘密”の出し方は
上手いなあと感心。
それは原作のものを忠実に映画で再現されていた。

現在と昭和中期の過去が交錯する構成は
「永遠の0」とかぶるが、長さを感じさせず、
見応えがあった。

昭和の蓄音機、洋館、和洋折衷、着物など、
美術的にもよかった。

道ならぬ恋ではあるが、官能的でも情念的でもなく、
とても上品に表現されていた。
さすがは、「家族」を撮り続けてきた山田洋次監督。

女優陣がよかったなあ。
奥様役の松たか子は、笑顔より、すねたような怒った顔が
なんともいえず魅力的で、多くを語らずとも、
彼女の瞳が恋していく「女」に変わって行く所が
見事だった。
表情は、映画ならではの味わい。

タキ役の黒木華の初々しさと奥様への忠誠心が
すごくハマっていた。
この人、エキセントリックな役も似合うが、
こういう素朴で生娘みたいなのもいいね。

タキの晩年を演じた賠償千恵子はやはり、味わい深い。
彼女の演技で涙した。
自分の祖母にも重ねてしまって、彼女の泣きながらの台詞
には胸がつまった。

声高に戦争をテーマにかかげてはいないが、
小さななおうちが壊れていくさまは、
とても胸が痛く、戦争という惨さをたたきつける。


ただ、板倉役はちょっとなあ。
この役だけは他の人だったらなあ……。

時子、板倉、タキそれぞれの行いに対して、
不快感を感じる人もいるかもしれないけれど、
観終わって、とても考えさせられる話しだった。

秘密は秘密のままがいいのだ。


 
原作本。
山田洋次監督が原作を読んで、映画化したいと
強く想ったというだけあって、丁寧に描かれていて、
とてもよかった。


 
今週の「婦人公論」2/7に賠償千恵子と山田洋次の
対談「映画界でタッグを組んで半世紀」が掲載。
女優と映画監督して、50年間も共に映画を作ってきた
二人の話。
互いの映画への想い、信頼関係の深さが垣間見える。

 

金曜日、映画「小さいおうち」を観終わると、
とんかつが食べたくなる。
映画の中で、とんかつを食べるシーンがあったからね。

で、とんかつやさんでレディース膳。
ヒレカツとチーズロールカツ。
 
サラダバーにお漬物バーにデザートつき。
 

●「ばしゃ馬さんとビッグマウス」

土曜日(11/9)はイオン宇多津にて、
「ばしゃ馬さんとビッグマウス」を観る。

月影の舞

地味で、ドラマチックでもなく、奇跡も起らないし、
同じようなシーンが続き、静かな映画である。
何かありそうで何もない。...

でも、ある種の層が観ると、激しく心を揺さぶられ、
鋭く胸にナイフを突き立てられる。
グサグサグサって何度でも……。

麻生久美子演じる馬淵サンは、シナリオライターを
目指し、おしゃれもせず、がむしゃらにシナリオを
書き、シナリオコンクールに応募する34歳。

シナリオ学校で出逢った天童クンは、シナリオは
書かないし、コンクールにも出していないのに
人のシナリオには辛口だし、
「脚本家」という名刺を持つは、
自分を天才だと言い放つ、口だけの28歳。

この二人がシナリオを書くことで反発しながらも、
互いに足りない所を補いながら、夢に向かって
いく。

シナリオを書いている人にとっては、
リアリティのある言葉が飛び交う。
私も馬淵サンの言動にシンクロし、一緒に悔し涙を流し、
嫉妬し、罵倒する。

前にも書いたけど、この映画の台詞

「夢を叶えることは難しいってことは解っていたけど、
夢を諦めることがこんなに難しいなんて……」と。

才能がないんだ、頑張ってもどうにもならないことがあるんた、
そんな言葉で自分を戒めたりするけど、あきらめきれない想いは
そう簡単には消えてくれない。

夢を追う話しでも、漫画家とかスポーツものだと、
画的にはもっと華やかなのだろうけど、シナリオというのは
本当に地味だ。
でも、シナリオを書いているパソコンの画面と実際のシーンが
重なって行くところとかは、とてもよかった。

ちょっと馬淵サンの生活にリアリティがなかったりするし、
昔の男の存在が中途半端だったり、決着のつけ方が、残念だったりするが、
「映画」としてなんだか観られず、自分を見ているようだった。

今の私にとっては、一番泣けて、一番元気をもらえた映画
だったかも。

月影の舞
パンフレットは封筒入り。

映画の中で、書き上げたシナリオを郵便局で
コンクール応募先に送るシーンがあるが、
シナリオを書いている人は
この瞬間がとても高揚するのだ。
すごい作品を書き上げたのだという喜びと興奮と、
夢が大きくふくらむ時。

その夢はコンクール発表の時までふくらみ続ける。
だけど、落選したらその夢は破裂してしぼむ。

落選した時の落胆は大きく、苦しい。
でも、その痛みに耐えかね、次に向かえる人にしか
夢は叶えられない。

どんなにいい作品だったとしても、
どんなに必死で努力した
としても結果が出て映像化されないと、
シナリオは紙クズなのだ。