●「複製された男」

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月曜日(9/29)、ソレイユにて、
「複製された男」を観る。
 
自分と全く同じ男に出逢う男。
でも、ドッペルゲンガーでもクローンでも
なさそう。

怪しげな秘密クラブ。
ミステリーかと思って観たら・・・。

あれこれめぐらした思考を全て
スコーンとかっ飛ばして、
ぶった切り、衝撃的ショットがチラリと見える
ラスト。

そう、観る者に全てを委ねてしまうというような
映画だった。
監督の意図はあるものの、様々な解釈ができ、
後から伏線をつないで、そういうことかと思える。

だから、観終わってパンフレット読んだり、
公式サイトのネタバレを読むと、
そうキタカ! と納得。

エロいシーンもあって、そこに目を奪われつつも
伏線になるようなポイントを見逃さないようにしてたのに、
そんなことおかまいなし。

同じ男優が演じるので全く同じ姿カタチなのに、
性格の違いが表されていて、おもしろい。

光と影。理性と欲望。
ノーマルとアブノーマル。

身体つきも腹の傷も同じだけど、
抱かれた女は「違い」を指摘!

女は鋭いね。
早漏と遅漏とかの違いじゃなくってよ。

 
 

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●「赤い影」

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映画ツウの方に“エロいシーンがある映画”として
ススメていただき、DVDで「赤い影」を観た。

1973年のイギリス・イタリア合作映画。

原題は「DON'T LOOK NOW」(「いま見てはいけない」の意)」
原作はヒッチコック作品「レベッカ」、
「鳥」で知られるダフネ・デュ・モーリアの中篇小説。

後続のサイコスリラーものに影響を与えたと
思われる かなりカルトな作品。

サイコスリラーというか、ホラーというか、
ショッキングな映画だった。

なんの予備知識を入れずに観ると、
うぎゃあ~という驚きとその後の落胆で、
茫然とすると思う。

邦題にあるように「赤」が印象的に使われている。
フラメンコカラーでもある「赤」は情熱的とか
高揚させる色彩だが、この映画では「血」や
不吉な予感をさせる。

「水」も重要なモチーフとなっていて、
運河、池、雨など、水モノが象徴的。

水の都ベニス。
ベニスの古い街並が美しく幻想的なんだけど、
ラスト近くなると、かなり不気味に感じる。

かなり難解な映画であり、思わせぶりなカットが
たくさん出てくるし、登場人物全てが、
何か含んでいるような感じに見える。

後で、その“伏線”に納得してしまうのだが、
さらりと見ていると見逃してしまうかも。


で、“エロいシーン”は、
確かにエロかった!

といっても、設定としては主人公夫婦の営みなので、
ノーマル。
でも、執拗に長い。
濃厚という感じではないのだが、愛ある交わりを
感じて、とてもリアルな感じ。

ただ、ベッドでのマグワイと二人それぞれの着替えの
シーンがカットバックされ、いやらしさというよりも、
深い意図を感じる。
後で監督の解説の意図を聞くと、原作にはないシーンで、
より意味があることを知り、納得。

「トラウマ映画館」の著者でもある
映画評論家・町山智浩が「アメリカ映画特電」の
ポストキャスティングでも、この映画のことを
語っているのも教えてもらう。
アメリカ映画じゃないけど~って語り始めるのがおかしい。

イヤラシイシーンのある映画としては、
この映画がやはりあげられるらしい。

 

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●「渇き。」

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月曜日(7/1)、映画の日なので、
「渇き。」を観る。

  
 原作を読んで、これをどう映画化するのか、
興味津々で観たが、凄かった。

園子温監督もつきぬけ度も半端じゃないが、
この中島哲也監督のつきぬけど度も豪快。

「告白」の静かな狂気と
「嫌われ松子の一生」のポップさを合わせ、
より個性的にした感じ。

原作も現在と過去が交互に章で分けられるが、
映画も過去と現在が交錯し、
その上に、現実と妄想が入り乱れて行く。

ダークな内容とは裏腹なおしゃれなオープニングとか、
過去の少年のシーンでのCG映像とかは、いい感じで、
好きなのだけど、あまりに斬新な映像効果は、
ちょっと頭がくらくらしたりして、
映画というより、映像だなと思ったりする部分はあった。

バイオレンスなので、エログロシーンは強烈。
変態性に関しては、ライター業で培った変態免疫が
あるので、大丈夫だけど、暴力のシーンは、
痛さ、辛さ、苦しさで、何度か、目を覆ってしまった。


コミュニケーションを「暴力」でしかとれない
元刑事のロクデナシ親父 藤島を役所広司が
怪演。
ワイルドという言葉では語れないほどの
圧倒的存在感とタフさと凄まじき狂気。

人は感情や情があってこそ人間であり、
情を無くしたらヒトでしかないのか。
感情を無くしたヒトは、残酷になり、人を傷つけることも平気。
だけど、感情があふれ過ぎ、愛しすぎてるからこそ、
傷つけてしまうこともある。

この ねじれた愛のカタチは痛いほどわかる。
傷つけあうことでしか愛を確かめられないことも。
いつしか主人公のに自分を重ねていた。
だから、ラストには胸がしめつけられた。



 

「渇き。STORY BOOK」
シナリオと、原作者の書下ろし小説掲載。
監督と原作者対談もとてもおもしろい。

シナリオの柱に現在は○、過去は●として
表記されている。

登場人物たちのはいけい状況などを映画では
あまり説明していない。
脚本の段階では書かれていたらしいが、現場で
削除してしまった部分が多く、あえて、見せないように
したと監督が語っていた。
娘 加奈子の性格までも映画では曖昧にしている。
説明せずとも役者の存在感と監督の演出で
伝わってくるものは多い。

 
原作本。
中盤まで一気読みさせるスピード感。
ミステリーとしての要素がひきつけるが、
全貌が見えてきたあたりから、読むのが辛くなったが、
最後まで見届けなければと、かみしめて読み終えた。


 

 

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●「凶悪」

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水曜(11/6)夜は、ソレイユにて「凶悪」を観る

月影の舞


原作も関連本も読んではいたが、映像で観ると
改めて、この事件は衝撃的で、観終わって、
言葉を失う。
...
「そして父になる」ではファンキーで子煩悩な父親を
演じたリリー・フランキーが、
人の命を金に変える冷酷な影の殺人者“先生”を演じ、
「あまちゃん」では小粋な板さんを演じた
ピエール瀧が、凶暴な殺人実行犯の死刑囚となっている。

この二人の怪演ぶりが、凄まじいというか、凄いし怖い。
目つきといい、雰囲気、不敵さ、洋服のダサさぶりが、
正に憑依型役者。

しかし、この悪の二人以上に凄みがあったのが、
事件を追う 正義のジャーナリストの藤井を演じた
山田孝之。

闇に葬られていた殺人事件を執念で取材し、
ペンの力で、警察を動かすという行為は胸がすく思い。

命を持って償う死刑と、生きて償う無期懲役とで、
どちらがいいのかは答えはでないが、
死刑囚が、刑務所でキリスト教に入信し、
短歌を詠み、生きている実感を感じると発言することで、
藤井が「てめえが生きてる実感なんか感じんじゃねえ!」と
怒るところは、複雑な想いがした。

同じく実在の事件をモチーフにした園子温監督の
「冷たい熱帯魚」を観ていたので、それに比べれば、
死体解体とかグロい描写は控えめ。
それでも、若松孝二に師事した白石監督は、
バイオレンスとエロスが効いている。

陰惨な実在の事件であり、暗く、重く、
社会派ドラマだが、映画としてはエンターテイメント
として作られていて、現代と過去が交錯する
構成力のおもしろみ、悪人悪行の中の魅力、ユーモアが
ほどよく活かされていた。

稀なる殺人者の怖さを見せつけつつも、
年を老いていくことの辛さ、普通の人に潜む残虐性も
見せられ、むしろ そちらの方の怖さに暗澹たる気持ちに
襲われる。

★園子温監督の「地獄でなぜ悪い」の予告を観た。
私は待ち切れずに、先月 京都で観たけれど、
ようやく、高松 ソレイユで上映になるね。
堤真一ファンは観るといいかも。


月影の舞
「凶悪」パンフ



月影の舞
「凶悪」原作

●【大阪②】「マニアック」

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大阪2日目(7/8)。
梅田スカイビルに向かい、何の迷いもなく、
エレベーターで四階へ向かうが、降りた途端、「あ!ちゃう」

テアトル梅田だとばかり、思い込んでたら、
そこは、梅田ガーデンシネマやん!

慌てて、タクシーを拾う。
陽気なタクシーの運転手さん、「1メーターで行けるで」と近場なのに快く、
いろんなおしゃべりをしてくれたけど、豪快な運転で、危うくぶつかりうに!

なんとかテアトル梅田に着き、「マニアック」を観る。


月影の舞

ショッキング・バイオレンス・スリラー。

淫乱な母親のせいで、トラウマができ、

歪んだ性的欲求に囚われ、マネキンしか愛せないマネキン屋が、猟奇的事件を重ねる男。

そんな彼と、マネキンの写真を撮り、アートな作品にする女が出逢う。

そんなに直接的にグロい見せ方は、していないけど、
見ていて、痛くて目を覆いたくなる個所は、あった。

マネキンが出るが、人形愛というのとも、

ちょっと違うアプローチ。

だから、余計に闇が、深い。

妄想とリアルの描写が、絶妙で、なぜマネキンなのかが、見えてくる。

彼は犯罪者であり、その残虐な行為は、恐く、

許せるものではないが、彼の苦悩や淋しさには共感してしまい、

ラストに行くほど、せつなく、悲しい。

あまり予備知識を、いれずに観たが、後で、パンフを読むと、リメイクだった。


1980年オリジナル版のポスターにあるコピーが、
「女を殺して、女の何をコレクトするのか?」
ナニ、この煽り。
笑ってしまう。

ちなみに、今回の作品コピーは、「傷つけなければ、愛せない」


こういう映画の後だけど、ランチはお肉。
鶏もも肉のロースト、じゃがいものリヨン風添え。

月影の舞



●「藁の盾」

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公開初日の金曜(4/26)、 「藁の盾」を観る。


月影の舞


初日に はりきって観るのもどうかと思うが、
犯罪心理、異常者に興味がある私にとっては、
この映画は予告を観た時から気になっていた。

気ままに感想をつづり、ややネタバレも含むので、
これから観る人で真白い心で観たい人は
ココから先は読まないでね。
長文だし。


原作はあえて未読で、映画のラストを楽しみに
スリリングを味わった。

まずは 鉄ヲタかっ!

って言う位、新幹線が大活躍する派手なアクションと
大掛かりなロケに圧倒される。
お金がかかっているなあとか、コレ、日本での撮影は
無理だなあとか、いらぬことを思うほど。

ダークな韓国映画のような 容赦のなさ、救いのなさ。
これでもかというほど、“異常者”は観客を苛立たせ、
殺意を抱かせる。

藤原竜也演じる犯罪者の“クズ”っぷりには、
最後の最後まで気が抜けない。
徹底している“異常者”っぷり。

金で魂を売る人々のなんと多いこと。
アンタも君までもかっ!と。
それは例え家族のためであっても、
いとも簡単に人を殺す事を“実行”しようとする。

金のためであれ、復讐という感情であれ、殺意を抱くのを
留めるのは、理性ではなく、その人自身の「プライド」でしかない。

周り全てが敵で、移送する仲間五人の中にも
裏切りものはいて、ノンストップで次から次へと
様々なことがふりかかり、ほんの少しの予断も許されない。

最後まで皆が「悪」に見える。
しかし、「“善”のためなら“悪”をも殺す」という
のが はたして悪なのか善なのかもわからなくなってくる。

松嶋奈々子は笑顔を封印し、非情なまでのSPを演じる。
この松嶋奈々子をもってしても、オバサンよばわりするクズ。

児童ポ○ノや虐待に厳しい今、この映画、最小限のショットと
台詞で、クズの少女への冷酷非道っぷりを示している。

心を殺し、情を排除してしまったものはどこまでも冷酷だが、
愛や情にあふれるものが最後は強いのかもしれない。

山崎努の老いぼれっぷりは演技だよね。
でも、さすがに、存在感のある悪役ぶりだった。

大沢たかおは やはり、かっこよかった。
腕力が強いと言うよりも精神力の凛とした強さ。
自分との葛藤の中で戦い続けた。

甘さのかけらもなく、全編ビターテイストだが、
最後の最後に少しだけ「希望」が見え、
大沢たかおの笑顔に救われる終わりではあったが、
ズッシリ、どよんと胸に重くのしかかり、
後味のよくない映画だった。

月影の舞

原作小説は漫画家だった木内一裕氏で映画監督でもある。
パンフによると、自分が撮りたかった企画だが、
お金がかかるので、小説にして映画化オファーを待ったとある。
「自分が撮るなら、予算が少なくても面白く撮るが、
 人に撮ってもらうなら、予算が潤沢にある大作で本気の
 企画でないとOKを出せない」とも語る。

やはり原作から脚本の段階でかなりアレンジされているらしく、
原作者としては、葛藤の末、三池監督に
「とにかく新幹線を出して、すごい映像を見せて」ことを
重要ポイントにあげたとのこと。

映画を観終わったりので、
物語の中に救いや希望が必ずしも必要ではないと語る
原作者の救いのない原作小説を読もうと思う。

●「悪の教典」

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1/3。
今年の劇場での初映画は「悪の教典」。


月影の舞

グロいシーンも多く、新春早々に観る映画ではないのだけど、
「仁」の再放送で、号泣し、改めて、森下佳子の脚本に
感動していたら、「悪の教典」も森下佳子が脚本協力して
いるとのことでヲタ君と一緒に観た。


園子温監督の「ヒミズ」コンビの染谷将太と二階堂ふみが
出ているというのもあって、観たかった。
二階堂ふみはヒミズとは打って変わって、抑えた静の演技で
染谷将太も難しい役どころを演じきっていてよかった。


原作がしっかりしているのもあって、ただのスプラッターものや
サイコキラーものに終わることなく、作品として興味深く、
かなり突き抜けていた。


伊藤英明の怪演も見事だし、やたら全裸を見せるマッチョなカラダも
素晴らしい。

個性的な教師達も見応えある演技で、それぞれに見せ場があった。

パンフも読みごたえがあって、大変な撮影の様子や、サイコパスに
ついての見解も書かれていておもしろかった。


月影の舞

パンフレット

音楽がものすごく効果的で、いい味わいを出していた。


三文オペラの劇中歌「モリタート」の怖いほどの迫力。
と、それをジャズにアレンジした「マック・ザ・ナイフ」は
ビッグバンド編成でわざわざニューヨークで録音した
こだわりぶりだとか。


【2013-1】

●「プロメテウス」

テーマ:
8/18(土)は、映画のはしご。
まず1本目は、 「プロメテウス」。

月影の舞


冒頭の“白いヒト”が現れて、水の中へ消えていく
シーンだけで、映像技術の素晴らしさと、
人類の“起源”を匂わせるかのようなDNAモチーフ
のようなモノの不可思議な美しさに引き込まれる。

飛び出すだけの効果ではない、奥行きの深い3Dの
威力も感じられる映像美と人類の空想を形にする
技術力の凄さには圧倒される。

し、し、しかし……。

ややネタバレにふれ、やや毒を吐くので、
これからご覧になる方で真白い心で観たい方は
ココから先は読まないでね。

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期待しすぎたから、最後にガクッときたわけではなく、
3分の2までは、一瞬も目が離せないくらいに
物語の展開にのめりこみ、知的SFモノ路線だと
私が勝手に思ってたんだけど、エイリアン系だった……。

ラスト近くの「宇宙戦艦ヤマト」的展開には
かなりうるうると涙がこみあげて感動しかけたが、
待ち望んでいた答えは提示してはくれなかった。

だって、古代遺跡のメッセージからの共通とか、
「人類はどこから来たのか」とか「死」とはって、
テーマをこれでもかと前フリしてるから、
少なくともそれらの探究心を満たしてくれるのかと
思ってたのに……。

グ、グロイ……。
体当たり演技の女優の“切腹”シーンは、お見事では
あるが、女性として正視するのには忍びない。
ハラキリマニアには大興奮のシーンであろう。

冷凍スリープで眠った宇宙船「プロメテウス」の
乗組員の科学者チーム達のキャラ立ちが、
中途半端だと思ったら、最初に死ぬ役、種付け役等と
役割だけの人になっていた感があったのが残念。

宇宙船のオーナーの登場やその娘とのドラマも
せっかく壮大に前フリした割に、
あっけなく閉じてしまうなど、ツッコミ所は満載。

でも、それもこれも最後のオチに
「ああ。これが言いたかっただけなのね」と納得できたら、
楽しめる映画ではある。


この映画を観て、大好きだった絵本
「いろいろへんないろのはじまり」
アーノルド・ローベル (著), まきたまつこ (翻訳)
を思い出した。
「色」のある世界って大事なんだなあって思う。
色は心を映すから……。

月影の舞
「プロメテウス」ウチワ



月影の舞
「プロメテウス」パンフ

5日。今回の京都のメインは映画のはしご。


まず一本目。
京都シネマで「生きてるものはいないのか」を観る。


月影の舞

鬼才・石井聰亙改め石井岳龍監督の10年振りの長編新作
だもの、昔の石井聰亙ファンとしては、観なくては!


加えて、主役が「ヒミズ」でも主役を演じた染谷翔太だもの、
観なければ!



原作は2008年に第52回岸田國士戯曲賞を受賞した前田司郎の戯曲で
映画の脚本も彼が担当している。


地下三階で人体実験がされているという都市伝説が流れる
大学病院。
その隣の大学が舞台で、大学内で若者たち、それを取り巻く人々が
次々と死んでいくというお話。


芝居を観て、戯曲を読んでいた私は、映画を観終わって愕然とした。
映画が悪いとか、いいとかではなく、戯曲のまんまだったからだ。



この戯曲を石井監督がどう脚色するのかが興味津津だっただけに、
全くなぞらえるとは予想外だった。


舞台用に書かれているため、「台詞劇」になっており、
それぞれのキャラと台詞が計算されて配置されている。
それを忠実に映像表現と音楽を交えて再現していた。



どこかデフォルメされコミカルに見えるキャラ達とはいえ、
「死」からは一番遠そうな若者たちが、「日常」の中で、
あっけなく、次々とワケも解らず、死んでいく。



誰一人、その「死」に抗わず(抗う間がないのもあるが)
それぞれの死に方を見せ、息絶えて、横たわる理不尽さ。



舞台を観た時は「不条理な!」と感じたけど、
映画では、それが真理なのかもと思えた。


全く同じ設定、同じ台詞だからこそ、舞台と映画のそれぞれの
利点を見比べることができて、とても勉強になるし、
映画であることの面白さが後からじんわり広がって行く。



この世の終末というものは案外、こんな風にあっけなく訪れて、
多少の時間差はあれども誰の元にも平等に「死」は訪れるのだろう。



この原作は大震災前に描かれたものであるが、
大震災、原発と続いた後でのこれを映画化することに
意味がある気がする。



●「ドラゴン・タトゥーの女」

テーマ:

水曜日、『ドラゴン・タトゥーの女』を観る。



月影の舞

大ベストセラーとなった、スティーグ・ラーソンの
ミステリーが原作。


2009年にはスウェーデン版で映画化されているが、
今回はハリウッド版。


原作は未読なので、細かい設定とか、人物の関係性が
やや解りにくかったし、
3部作という長編ミステリーの映画化なので、
端折り感は否めなかったが、
謎解きとしては、スピーディでスリリングな展開として
楽しめた。


ただ、残虐なシーンや精神的に痛いシーンもあり、
ちょっと観るのが辛い所もあったのと、
「孤島ミステリー」という縛りがゆるい気がした。



ジャーナリスト ミカエルの正義感と仕事への取り組み方は
とても魅力的ではあったが、“助手”として活躍する

ハッカー リスペットが個性的すぎて際立っていた。

事件の謎を追って行くうちにリスベットの過酷な過去も
少しずつ見えて行き、
彼女がそうやって生きて行かねばならない
真意が痛いほど胸に突き刺さる。



このリスベット役を演じたルーニー・マーラは
2012年アカデミー賞で演女優賞にノミネートされているが、
正に女優魂を見せてくれる。


撮影中はずっと40kgをキープしていたそうだが、
パンクなファッションでも魅惑的に映り、
おしげもなくさられさる裸体シーンの
シャープな肉体には、そそられた。


ミカエルはモテモテなんだが、
原作ではもっとモテモテもらしい。
優しい嘘のつける男なんだと思うが、
最後はなぜこんな乙女チックなシーンにしたのか……。

せつなすぎて、事件の謎より、意外だった。


この映画を観ると、男はみん変態か! と思うところもあるが、
愛ある変態はいいけど、猟奇な変態は怖い。




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