●「冷酷 悪漢映画100」

映画秘宝の必須シリーズの最新7号は、「冷酷 悪漢映画100」。


月影の舞


苦手な人には、表紙だけでも怖いかも。
表紙にイラストが載ってる有名な悪役から、レアな悪役までズラリ。

絶対関わりたくない怖い人から、魅力的な悪役まで登場。

観ていない映画が多いけど、どんな悪党ぶりか、観たくなるなあ。








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シナリオ「愛ルケ」

シナリオ「愛ルケ」


先日、二回目の「愛ルケ」を観る。


豊川ファンとしては、二回目は、
豊川さんをじっくり堪能するという見方。


だから、さすがに一回目ほどは
号泣しなかったが、やはり泣きドコは同じ。


娘が捕まった菊治(豊川さん)に逢いに来る
シーンは、泣けた。
不倫の末の殺人という罪を犯した父を
「お父さんは悪くない」とかばい
父のために泣くシーン。



現実的にはそんなことをした父を
許せるだろうか?
自分の生活も脅かされることになる父を
受け入れることができるだろうか?

私なら、悪いことは悪いと客観的には思うけど、
気持ち的には、やっぱり受け入れると思う。
それだけ父への想いは深い。



それは、父が私がどんなことをしても
受け入れてくれた深い愛があったから……。
まさにそれは無償の愛であり、盲目的な愛
なのだろう。


私も人を本気で愛する時は、
相手とがどんなことをしても受け入れる覚悟だ。
でも、たぶんそれが重くなりすぎ、疎ましがられるか、
図にのせて、ダメにしてしまうかでロクなことに
ならないのだが……。


で、今月の「シナリオ誌」三月号
待ってましたの「愛ルケ」のシナリオが掲載。


シナリオ三月


映画を二回観たので、セリフはほとんど入ってるが、
活字で台本を読むとまたより鮮明にセリフが入る。
これで、愛ルケごっこもできる。


映像がとても美しかったが、やはり「ト書き」が細かい。
いろんなところでも書かれていたが、
「鏡」の使い方が効果的。
そういう映像のこだわりがト書きからすごくうかがえて
勉強になった。


でも、シナリオ読んで、ものすごくカットされている
シーンが多いことがわかった。
特にイメージシーンみたいなの。



映画は本当に冬香と菊治は、ヤってるシーンばっかり
なんだけど、シナリオではいろんな会話をしている
シーンがけっこうあったのねー。
菊治の講義シーンとか、作家らしく、いろんな作品の言葉を
引用したり、互いに「カラダ」ではなく「言葉」で
愛を語るシーンもけっこうあったのだ。



映画では、カットされているシーンで、
冬香は菊治の肉体だけに溺れたのではなく、
本の好きな冬香は、本当に菊治の作品に惹かれ、
彼の才能を好きだったことがわかるセリフやエピソードが
いっぱいある。

映画では、そういうメンタルな部分を
一切排除して、セリフを刈り込んで刈り込んで、
映像だけで見せてる。
二人の愛の高まりを「言葉」ではなく「カラダ」だけで
表していったのだね。


いつも思う。
「心」と「体」の割合ってどのくらいだろうと。
その人の「心」が好きなのか「体」が好きなのか。
もちろん両方好きなんだけど、相手は
どうなんだろうって……。


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本「続・エーガ界に捧ぐ」

「続・エーガ界に捧ぐ」
  中原昌也:著
  扶桑社/1600円/2005.6.10

エーガ界

「いま日本で最も信頼できる映画評。
エーガ界への最良のガイドだ」(浅田彰氏)
週刊SPA!好評)連載の映画時評、
「エーガ界に捧ぐ」最新刊、待望の単行本化!
<帯より>


リリーフランキーのイラストがまた、
いい味だしてて、好き。
とにかくおもしろい映画評。
全100本一挙掲載。

自分が観た作品が多く掲載されていたせいか、
よりおもしろく読めるし、こうやって紹介すると
ほんとにおもしろそうに感じるなあと
レビューの書き方の勉強にもなる。

映画データのメモと、あわせて見比べてみると
いい映画のデータもあるのがいい。


対談は著者とりりー・フランキー、高橋源一郎、
高橋洋、青山真治。

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本「青春映画グラフィティ」

「青春映画グラフィティ
  スクリーンにみる愛のかたち」
  名田貴好:編
  集英社文庫コバルト・シリーズ
  1980.7.15/380円 


青春グラフティ


誰しも青春映画といわれると頭に浮かぶ作品を
一本は持っています。映画とか音楽とかの
価値は“思い入れ”できまるものです。
人がどんなに愚作だといおうと、アナタ自身
にとって大傑作、忘れ得ぬ名作ということになります。
自分の目を信じることです。
ここで紹介する50本の映画の中に、座右の青春映画は
ありましたか。
ない人にはこの本が少しでも役立つことを祈ります。
            <表紙折り返しより>



古い。
色褪せ具合もさることながら、本の価格も安い。

だけど、中に紹介されている青春映画は名作中の名作
ばかり。なつかしい。

PART1は「青春映画の系譜」
1952年からの青春映画の一覧表が掲載。
その年ごとに代表的な映画についてや
時代背景、代表する俳優などについても語られている。

PART2は「青春映画カタログ50」
四ページで一本の作品について50本の作品が
紹介されている。
70年代からに80年代にかけてのなつかしい
映画たち。


PART3は「青春映画スター50」
代表するスターが一ページに一人、50人が紹介
されている。
プロフィールや代表作など。

PART4は「青春映画音楽ベスト20」

本「日本のみなさんさようなら」

「日本のみなさんさようなら」
リリー・フランキー:著
1999.6.14/1400円/情報センター事務局

リリー みなさん


これは映画評ではありません。
連載時から話題騒然のぴあ「あっぱれB級
シネマ」待望の単行本化。
99年最も注目されるリリー・フランキー
のスピード&チャージな文章と入魂のイラストで
味わう徒然なるコラム5年分。
読めば新しい視界が広がるスーパークールな
邦画鑑賞法。    <帯より>

文春文庫で文庫化されているが、
これは、オリジナル版。
正方形に近い版型で、オレンジ色なのが
かわいい本。
でも、かなり前の本なので背表紙が
色褪せている~。



帯にも映画評じゃないって書いてるけど、
まさに「映画の本」というより、
これって爆笑コラムって感じ。

でも、映画をただぶった斬るとかじゃなくて
へんな愛情を感じたりする。

邦画の紹介本でもあるのだけど、
映画について全く関係ないことだけ書いてあったりするし、
映画について書いてるんだけど、全くそんな映画じゃ
ない書き方だったりで、リリーさん流の毒やら笑いが
楽しめる。

リリー つりばか

「釣りバカ日誌」も“エキセントリック・フィッシング・ムービー”

と称し、主人公を“とにかく釣りのことと、ファックすることしか

考えてない男”と言い切り、妻にいたっては“肉奴隷のごとく”

と言っている。



見開きで、一つの映画について書いている。
左が映画のイラストとデータベースで
右がコラム。
このイラストがまたおもしろい。
リリー カてぃんこてぃん

これは「愛の亡霊」の藤竜也。

チンコの固そうな男だと、言い、“チンコ成金”という。

リリー しおり

しおりにもリリーさんのイラスト。

裏表紙の帯はちゃんと後ろ向きになってる。

本「2(ツー)映画の謎と真実」

「2(ツー)映画の謎と真実」
  冬門稔弐・柚木浩・松永大成:著
  小学館/1999.4.20/1,680円

2映画の謎と真実

「2映画」とは続編、シリーズ映画の総称。
パートⅠ、Ⅱなどと表記される映画もまとめて
「2映画」と呼ばれる。 <表紙より>

ちょっと古い本なので、取り上げている作品は
ちょっと古いのが多いのだけど、
すごくおもしろかった。
久しぶりに読み応えのあった映画本。
コネタも多くて、情報のボリュームがすごい。
この本の2が読みたいと思うもの。


映画の続編はつまらないとよく言われるが、
著者は続編を「旧友たちに再会できる貴重な場」
としてとらえている。

まずは「第1章 2映画の6つの基本パターン」
2映画の分析をする。
もっとも多いのが「舞台変更型」で、一番シリーズ化
しやすいパターンであり、展開の可能性が無限大となる。
都会に行ったり、田舎に行ったり、宇宙や異次元など
新舞台は限りなく設定される。

その次に多く見られるのが「定位置後史型」
主人公同一で舞台は同じで、Ⅰの世界そのままの
延長上。
「その後」の王道である正統派。



マニアックなのが「完全直後型」
Ⅰのラストからタイムラグなしにそのまま
スタートするので、前作のラストがプロローグ
となっている。
これの代表作が「バック・トゥ・ザ・フューチャー
PARTⅡ」「同 Ⅲ」だろう。
続編の構想があまりにふくらみすぎたため
パートⅡとⅢを同時に撮ったというのは有名な話。

かなり無理があるのが「主人公変更型」。
著者は「太っ腹な資本主義追求姿勢が反映」と言う。
双子の兄弟だ、隠し子だと、無理な設定などなんでも
あり。
前作のサブやライバルが主役になる場合もある。
前作の俳優が出演拒否だったり、本当に俳優が
死んだりしているとこの裏事情があるものもある。

存在としてのパターンは「タイトル豹変型」もある。
あえて前作とは異なるタイトルをつける。
前作の名に頼ることがマイナスになる場合だとか、
前作を見ていないとわからないと思われるからだとか
巧妙に隠されることがある。

冒険もの歴史ものに多いのが「前史型」
時代を遡り、物語がより深くなっていく。

「第2章 SAGAで楽しむ映画」では
有名パターンの映画をとりあげ、主人公の
人生の遍歴に深く切り込んでいる。
そして、その作品の「SAGA」という
切り口で語っていく。

50年代アメリカンポップスで彩れらる
能天気な青春映画「グローイングアップ」も
とりあげられていておもしろい。
このシリーズ第8作まであったのだ。
しかもイスラエル映画だった。


「第3章 あの愛すべき主人公たちは…」では
主人公たちの愛の行方や主人公たちの
消息を追っていく。
同窓会気分というか、「あの人は今!」な感じ。

「第4章 2映画の謎と真実」では
いろいろな映画のこぼれ話。
テレビや本になったものや別映画になったもの
などトリビア的な話。

「うそ2」話もおもしろい。
2映画に見せかけて、全く別物の映画についてだ。
パロディ系だったり、ただキャストの知名度に
あやかるとかね。

本「ミステリー映画を観よう」

「ミステリー映画を観よう」
   山口 雅也:著
   光文社(光文社文庫)/2005.11.10/560円

ミステリ映画

まるで大人の玩具箱をひっくり返したような、
ただごとではないお宝のかずかずにただ呆然!
こんな面白そうな映画がなぜ日本未公開なの?
ミステリー界の鬼才が秘蔵の品々を一挙公開。
            <裏表紙より>

ミステリー映画のレビュー本ではなく、
マニアなミステリーグッズ紹介本。


トイ&ホビー編、本&雑誌編、音楽編、
映画編に分かれてあり、それぞれ
写真入りで紹介されている。

さすがミステリー界の鬼才であり、
コレクトマニアである著者の紹介するものは
レアなものがいっぱい。


写真も豊富で見ているだけでも楽しい。

映画関連グッズというとポスター、チラシなど
紙物が多いのだが、フィギアやキャラクターグッズ
なども多数掲載されていて、おもしろい。


ヒッチコックの「サイコ」のアクションフィギア
などはそのアクションする部分が笑える。

監督関連ものでは、やはり、ヒッチコック関連
ものが多いようで、最強のキャラクターみたい。

「ミステリー映画を観よう」は、15回に
分けて、映像化されたさまざまなミステリ映画を
解説、紹介している。
結末にふれるものについては事前にコメントが
あるので、ネタバレがだめな人にも安心して読める。
でも、マニアックな映画が多く、比較したり、
予備知識的な情報も満載。

本「映画の話術」

「映画の話術」
  淀川 長治:著
  朝日出版社/1998.7.20/1200円

映画の話術

ファーストシーンは『シェーン』から
話し方の妙で見せる『駅馬車』
『奇跡の人』は教え方がうまいね
怖い、コワーイ『裏窓』
『疑惑の影』は一級のサスペンス
『鳥』の恐怖の魔術
など、映画について語った講演録。


淀川氏が約四十年に渡って企画委員を努めていた
都民劇場映画サークル特別講演会「映画の話術」
の最後(1998年)の講演録。

淀川氏は映画は「話し方」だと言う。
映画はテーマだというが、本当は映画で一番大事
なのは話し方。

講演録なので、独特の繰り返しややさしい語り口調で、
映画について書かれている。
本当にこの方はどんな映画に大しても愛情を
もって語られる。
堅苦しくなく、本当に映画を観ながら、説明してくれてる
ようで、場面が思い浮かぶ。

特に「話し方が上手い」映画をあげ、そのシーンを
説明している。

淀川氏の独特の話し口調は「他人という言葉を
もたない」という発想からだという。
「みなさんが他人と思ったら、こんなしゃべり方は
しませんよ」と言っていた。

そして、淀川氏は、映画から三つの守り言葉は得た
という。
「苦労来い」と「他人歓迎」と「私はまだ嫌いな人に
会ったことがない」の三つ。
だという。

あとがきでは、映画の見方は「感じる」こととのべている。
映画は気のきく人になる最良の教科書です。
四角四面に行儀正しく生きることのナンセンスをも
映画は教えてくれるでしょう。と。

最後の講演なので締めの言葉に「ここでみなさんと
一生のお別れですから……」と述べ、「あのつまらない
言葉を一言、生の人間で申させてください。
それでは、みなさんサヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」

このサヨナラは重いね。
なんか、涙ぐんでしまった。

本「ヒッチコックを読む」

「ヒッチコックを読む」
  筈見有弘 他:著 
   フィルムア-ト社/1980.7/1,890円

ヒッチコックを読

やっぱりサスペンスの神様!

たとえば断崖の手と手や大きな人影や
テムズ川の全裸死体や眼鏡に映る殺人や
犯人に間違えられた男や花火の下の請い
知的で紳士的な犯罪者や同性愛や
密室や列車や飛行機や……
どれもこれもみんな「映画」そのものの
躍動なんだ
           <表紙より>



「快楽の園」を第一作として発表してから、
「ファミリープロット」は最後の作品として
手がけるまでの全仕事に焦点をしぼって編集した本。
各作品のストーリー解説、および数名の執筆者による
ヒッチコック研究とヒッチコック賛によって構成
されている。 

作品紹介はとても詳しく、写真も一作品につき何点か
掲載されている。
「ヒッチコックパターン」として、作品ごとに“殺人の手口”
“小道具”などを一覧表にしたものがよかった。

「ヒッチアラカルト」では、いくつか単語をあげ
それにまつわる作品をあげ、ヒッチ作品における
その意味などを語っているのも興味深い。
“フェティシズム”とか“メガネ” “母親”など。
 

和田誠の「ヒッチコック賛歌」は映画を撮るもの、
シナリオを勉強する人にとっては大変勉強になる
内容である。
ヒッチ映画の素晴らしさを語るだけでなく、
技法や手法についても詳しく語られていて
興味深い。

ヒッチコック研究本はけっこうあるけれどこれは
かなり内容盛りだくさんであろう。

本 「淀川長治のシネマトーク」

「淀川長治のシネマトーク」
淀川 長治:著
 マガジンハウス/2,310円/1999.8.19

淀川シネマトーク
1989年秋から99年秋までの9年間に、
雑誌『anan』に掲載されたものから196本を厳選。
そのときの新作映画や、古い作品の回顧上映なども含め、
淀川長治が若い大衆に向けて語る。
淀川先生が最も愛し、重要視した観客---
映画に詳しい“通”ではない、「普通の映画好き」に語る。
             <はじめに より>

「娯楽大作は愉し」「男と男のいる映画」
「純愛、激愛、恋の映画」など16の章にジャンル分け
されている。
本のタイトルの「トーク」通りに「聞き書き」を
しているため自然体の会話文で語られていて、
まさに淀川節を耳にしているような感じ。

各章には淀川氏の映画への思いや愛、映画観
などが語られている。

例えば第七章「映画の文章、映画の目」のところ
では、
“僕は映画でないとできないものが好きなの。
だから、どっちかと言ったら、舞台劇のように
撮る監督はあまり好きじゃない。
本当の映画というのは音楽みたいなもの。
フィルムのシンフォニー、フィルムのジャズ”


どの映画も「これはすごい」「これは面白い」
「近年観た中で一番」「最近ではよかった」
なんて、どの映画も褒めてるとこが淀川氏らしい。
いったいどれが一番いいのかなんてわかんないし、
どれもいいんだと思う。
もちろん淀川先生の元気な時のリアルタイムの
映画話だから、ちょっと古いんだけど
どれもこれから観てみようと思わせる。