2011年11月22日(火) 03時21分36秒

●「アントキノイノチ」

テーマ:●映画【悲しい】

20日(日)、映画「アントキノイノチ」を観る。


月影の舞



監督は、第61回ベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞と
NETPAC(最優秀アジア映画)賞をダブル受賞した
「ヘヴンズストーリー」瀬々敬久監督で、
この作品では、
第35回モントリオール世界映画祭でイノベーションアワードを受賞。


原作は さだまさしの小説。




ネタバレを含むので、これから観る方で、真白い心で観たい方は
ここから先は読まないでね。

  ↓

  ↓

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人物設定が小説とはやや違っていた。

複雑にからむ人間関係を映画ではすっきりとさせ、
より、現在の杏平(岡田将生)とゆき(榮倉奈々)の二人に焦点を絞っていた感じ。


吃音のある杏平と「うまく言葉にはできないけど」が
口癖のような ゆきの二人は、互いに一度“死んだ”過去を持つ。
そんな二人が、「遺品整理業」という仕事仲間として出会い、
死に寄り添いつつ、互いの心を寄り添わせ、「言葉」ではなく、心を通い合わせていく。



「おくりびと」も「遺品整理人」も
同じ死者に寄り添う仕事ではあるが、
「おくりびと」では遺族に見守られ、手厚く葬られる人が多いのに対し、
「遺品整理人」が関わる人は、死後何日も気づかれない孤独死や
 家族と絶縁した状態の人が多い。


様々な死の現場を通し、その遺品から、死者の生きざまが見える。
残された品物が、その人の人生を語る。


しかし、どんなに愛する人、愛される人がいても、
人は逝く時は独りなのだ。


一番泣けたのは、柄本明のシーン。

痴呆が始まった妻が、夫に迷惑をかけたくないと、
独りで施設に入所し、施設で死を迎える。

その遺体を引き取りに来た夫が、
「勝手に一人、出ていきやがって」と終始 怒りを見せているが、
ベッドの下から、古い電話機が出て来て、
その留守電を再生すると、夫の声が入っていた。

その時、夫は初めて、妻の想いを知り、電話機を抱きしめて泣く。
もう、ここはせつなくて、辛くて おんおんと泣いてしまった。


ラストは、原作と違って、映画ならではの終わり方に
していたが、これはちょっと不満。
でも、やっぱり泣かされて、せつなくて、それでいて、
希望の光が感じられる。



やっと本当に解り合える人にめぐりあい、
自分らしく「生きられる」場所を見つけ、生きていこうとしたのに……。


だけど、その死は無駄じゃない。
アノトキのアノ命やあの死が、彼女の人生にとって、無駄じゃなかったように……。



月影の舞
「アントキノイノチ」パンフ



杏平の心が壊れて行く高校時代と
杏平の心が癒されて行く現代とで構成されている。


小説を読んだ時、現在と過去(回想)の配列のバランスが良く、
すんなりと物語に入りこめたので、
映画ではどう表すのか、気になっていたが、
絶妙なバランスだった。


インタビューで瀬々敬久監督は次のように語っていた。
  ↓


Q:ストーリーの構成についての質問です。
 フラッシュバック(回想)が入る構成を取り入れていますが、
 どういったところに配慮して構成を考えましたか?

■瀬々監督:この映画では岡田さん演じる高校生の話が、
 現代に挿入されてきますが、それは回想ということではなく、
 過去も現在も同時に今この場で行われているような映画体験になるように
 組んだつもりです。
 回想は、過去を思い出しているのではなく、現在も過去も同時に
 スクリーンで展開しているように作ってみました。



なるほど、と思ったのは、高校時代と三年後の現在も杏平の髪型を
全く同じにしていたのは、そういう意図があったのかな。



杏平の父親役に吹越満、江口のりこ等、
園子温監督の作品にはおなじみの役者がたくさん出演しているが、
個性が光っていたのが杏平のクラスメイトで、目の前で自殺する男子を
演じた染谷将太。

今度公開の園子温監督作「ヒミズ」の主演だ。

瀬々敬久監督は「ヘヴンズストーリー」で、山崎ハコを
若年性アルツハイマー病にし、
今回の映画では洞口依子を施設にいる病弱な母親にしている。


いやあ、岡田将生は端正な顔立ちだね。
せつなげな顔もとびきりの笑顔も泣き顔さえも絵になるね。
冒頭のオールヌードはファン 生唾もの!


この映画のために書き下ろしたという主題歌、

「GReeeeN」の「恋文~ラブレター~」もよかった。


  ♪ また明日ねって言って笑うアナタに
    こんなにも好きだと気付く
    初めて出会えた あの日から増えていく気持ちです




まあ、「恋文」と言えば、私テキには、
由紀さおりか中島みゆきなんだけど。



★原作の小説「アントキノイノチ」の感想
http://ameblo.jp/tsukiakarinomai/entry-11004068165.html



★「遺品整理屋は聞いた!  遺品が語る真実
 ~消せなかった携帯の履歴、孤独死のサイン、女の遺し物…」
http://ameblo.jp/tsukiakarinomai/entry-10377272575.html



★「DEATH SWEEPER デス・スウィーパー (1)」
  きたがわ翔:著/角川書店/2007.12.26/609円
遺品整理業をモチーフにした漫画
http://ameblo.jp/tsukiakarinomai/entry-10066212286.html


★瀬々敬久監督の「ヘヴンズストーリー」感想
http://ameblo.jp/tsukikagenomai/entry-10921542992.html
京都シネマまで観に行った 4時間38分という映画。




月影の舞
ランチはベシタブルカレー



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