中道勝夫、二十七才。 | 素人の乱5号店・店主日記

中道勝夫、二十七才。


素人の乱5号店・店主日記-image 先日、近所のおばちゃんから電話がかかって来た。不要なものがあるということで、出張買取の依頼。
で、行ってみると、古いレトロな雑貨などがたくさんあった。そのおばちゃんも「これ、素人の乱さんっぽいでしょ~」という。確かに昭和レトロっぽいものがたくさん!

そんな雑貨の山の中に、「月刊こうえんじ」という謎の古い冊子を数冊発見! 本当は書籍類は扱ってないんだけど、面白そうだったのでもらって来た。

で、中を見てみると、まあお店の紹介とか、地域の歴史についてのコラムとかが載ってる、いわゆる普通のタウン誌。
そんななか、対談コーナーがあり、雑誌の編集長と誰かの対談。他の号では町の長老だったり商店会長なんかとの対談だが、1972年のこの第5号は「中道勝夫、二十七才」とのこと。おお、だれなんだこの人物!?
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何気なく対談を読んでみると、これがまたやたらと面白い!
そもそも冒頭で、編集長の松葉氏が街で見かけた風来坊と対談することになった話から始まり、なんだかわけのわからない話に!

中道勝夫はいきなり飛ばしてて、今のヒッピーはファッションヒッピーで権力者と同じだとか、働くことは体制側を肥やすからなるべく働かないとか、知れば知るほど不幸になるから教育は役に立たないとか、二言めには楯突くこと言いだすと思ったら、戦前だったら特攻隊員に勇んで志願すると思うね、とか言い出す。

最後のコメントがまた飛ばしてて、
「高円寺はいいところだから当分落ち着いてゴロゴロしますよ。ぼくは思うんだけど、日本の今後はますます安定しないで、混乱するんじゃないですか」
で、終わってる。う~ん、すごいオチ! なんだ、この対談!

ま、こうかいつまんで書いちゃうとムチャクチャなことを言ってるだけに聞こえるかもしれないけど、ちゃんと本文を読むとなかなか深いことを話してる。松葉氏(←よく考えたらこの人も誰だかよくわからない。たぶん結構な歳)も街の常識人的な立場からいいところを付いた質問を連発!
今と違って、ひと昔前は、考え方や生き方は違っても年寄りたちが若いやつらのことを「こういう考えなんでしょ?」ってわかってる感じがいい。

そしてすごいのが、この中道勝夫のプロフィールなどが一切書いてないってこと。普通、対談って肩書きとか経歴とか何やってる人とか書いてあるけど、なんにもない。写真と「中道勝夫、二十七才」だけ。
もちろんこれ、ぶっ飛んだ雑誌でもなんでもなく他の記事は超普通の街の情報誌。そんななかに唐突にこんな対談があるってのがまた面白い。
う~ん、意外と昔の雑誌は面白いんだなー。

ところで、誰なんだ、中道勝夫は!!!


【おまけ】
一応、全文載せときます(読めるかな?)。
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