愛する人の「犬になりたい」と願うのがМ女。
SМの大家である団鬼六先生の最後の本は、
本当の犬との愛の日々。
「愛人犬アリス」
団 鬼六 :著
ブックマン社/2011.7.22/1429円
女なしの老年の夕映えの世界、
それもまた美しいかもしれぬと思えてきたのだ。
<帯より>
今年の5月6日に79歳で永眠された団鬼六先生。
団鬼六先生が亡くなる一週間ほど前に書いた
絶筆原稿は、官能小説ではなく、愛犬アリス
とのことを書いたエッセイだった。
老人となった鬼六先生が老犬となったアリスとの日々を
綴り、それに二人(人間と犬)の写真が添えられ、
本妻や娘の原稿も二人の事を語っている。
アリスは血統書付きのラブラドール・レトリバーで11歳
の牝犬。
広尾の有栖川宮記念公園前のペットショップで買ったので
「アリス」と命名されたという。
映画にもなった「犬と私の10の約束」という本を
読んだ 犬好きの鬼六先生は、その最後の十章に
書かれた言葉にとても感銘を受けたという。
「私が死ぬとき、お願いです。そばにいてください。
どうか覚えていてください。
私がずっとあなたを愛していたことを」
●映画「犬と私の10の約束」 感想
http://ameblo.jp/tsukikagenomai/entry-10080323453.html
犬嫌いの本妻が、ピンクの犬小屋をしつらえたのに、
鬼六先生の横でしか寝なかったというアリス。
鬼六先生の一挙一動に神経を集中させ、どこにいてもついくるという
アリスは居酒屋、酒場、寿司屋にまでお伴したという。
鬼六先生は
「こんなに俺は女に愛されたことはないんじゃないか、
俺がいなければこいつは生きていけないんじゃないかと思わせる
ところで、愛人以上の愛人犬になった」とアリスを語り、
「いろいろな人間に裏切られた事やこれまでの度重なる失恋などを
思い起こすと、何だか犬だけが最も信頼できる生物に
思われてくるのだ」とも書かれている。
鬼六先生はアリスは
「ひたすら私のそばにいる事だけを望んでいるのだ」
と、何でも食べさせ、排泄にも甘かったようだ。
そして最後の鬼六先生の言葉。
「快楽主義者に飼われた犬は規制される事なく自由だが、
それが一因で寿命を縮めるかもしれぬ。
しかし、それでいいではないか。
精神の自由が寿命を延ばすかもしれないし、
どちらが正しいかわからないが、
どうせ賭けなら好きなように生きような、
と今日もアリスの茶色の柔らかい毛に頬を寄せるのだ」
第六章「別れの日」は鬼六先生の娘さんが
「父を送った」一日を綴っている。
体調が悪化し、死を覚悟した鬼六先生、
その別れを悟った時のアリスの様子などは
涙なしに読めない。
写真に添えられた鬼六先生の手書き文字、
巻末に添えられた生原稿のコピー。
快楽主義と言われ、破天荒に生きた鬼六先生だが、
最期まで書き続けた鬼六先生の作家としての姿勢、
周りの人や生物へののあふれる想いにも
胸が熱くなる。
-----------------------
今秋に「月蝕歌劇団」が《団 鬼六 追悼公演》として
『団 鬼六・悦楽王 ―「花と蛇」の作家鬼六』を
上演する。
月蝕歌劇団は去年、私が“Мのバイブル”とする
「家畜人ヤプー」の壮大な物語を「演劇」というカタチで
見せてくれ、大いに堪能した。
今度は鬼六先生の世界をどう「舞台」で見せてくれるのか
とっても楽しみである。
緊縛師も出演されるというので、縛りの美学もナマで
堪能できるかも……。
この本の企画が来てから撮った
桜の下の鬼六先生とアリスの写真。
かなり痩せられている。
(本紙より)
鬼六先生の本妻公認の最後の愛人だったさくらさん
の写真も掲載。
アリスとさくらとの日々は短く、
24歳の若さで自殺してしまったさくらが亡くなり、
アリスを「愛人犬」と呼ぶようになったという。
★「最後の愛人」団 鬼六:著(無双舎文庫/2010.6.2)
http://ameblo.jp/tsukiakarinomai/entry-10575167410.html
- 愛人犬アリス/団 鬼六
- ¥1,500
- Amazon.co.jp
- 最後の愛人 (無双舎文庫)/団 鬼六
- ¥578
- Amazon.co.jp
- 快楽なくして何が人生 (幻冬舎新書)/団 鬼六
- ¥756
- Amazon.co.jp
- 悦楽王/団 鬼六
- ¥1,575
- Amazon.co.jp
























