なんだかちよっとエロティックなタイトルだけど、
官能小説ではなく、「人体」の不思議や謎にせまる本。
「体の記憶」
布施 英利:著
光文社 (知恵の森文庫)/2006.7.5/552円
体には30億年の進化の記憶がつまっている。
海底に生息する太古のゆずりのメスさばきと
解剖学への鑑識眼で、気鋭の批評家が体の進化を探る。
「乳房はどう動くか?」「脳の中の怖がり中枢とは?」
「人間以上に進化した生命がつくれるのか?」思わず唸る、
奥深い人体観察記録。解説:茂木健一郎
<裏表紙より>
表紙の題字とイラストは日比野克彦。
著者は東京藝術大学美術学部卒業し、
レオナルドダヴィンチの研究などもされている批評家であり、
東京大学・医学部助手(解剖学)を経て、
現在は東京藝術大学助教授(美術解剖学)。
恩師は養老孟司。
進化の過程においての人体の変化や、脳のことを
エッセイとしてわかりやすく親しみやすい実例をあげつつ
語っていて、サクサク読める。
とても深く高度なことをのやさしい言葉で語り、
映画や本の引用も多く、解剖学医としの体験談など
話題豊富。
何百という「死体」を毎日解剖していた著者だが、
死体がモノに見えることはなかったという。
そして、著者は美大生でもあり、
裸体のモデルを毎日見て、デッサンしたり
彫刻していた時期もある。
著者にとって死体と裸体は常に探究の素材であった。
そんな著者による「裸とヌードの違い」や
「ポルノとエロス」「男と女の違い」などの
話はとてもおもしろく興味深い。
「女のかたち」という項目で、
“若い男は、女の顔に興味が向く。
中年になると胸と尻、
そして老境に入ると足に興味がいくようになる”
という言葉を紹介している。
どうだろう。
それは年齢的なものではなくて、性的志向もあるのかもね。
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