月灯りの舞

自虐なユカリーヌのきまぐれ読書日記


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金曜日(4/10)、京都2日と札幌5日の
ちょっと長い旅から帰宅。



飛行機の中で一気読みしたのは、
「彼女の血が溶けてゆく」浦賀和宏 著。


医療ミスという事故か、故意の事件かの
謎を探る医療ミステリーだが、
読み終わり、タイトルの意味にうなる。


綿密な構成と入り組んだ人間模様を
巧みに配置して、真実へと導く。

現実的ではなく、ややご都合主義的
ではあるが、ページをめくる手を止める
ことができない。


死因より、その病気の原因が気になる。
いくつかの病気が出てきて、怖い。
愛のために人は何を犠牲にできるのか。

終結したかに思え、安堵の後にまた
どんでん返し。
謎が解き明かされるのはスッキリするが、
知らなければよかったとも思う。


悲しく、せつない。
読後感はよくない。



彼女の血が溶けてゆく (幻冬舎文庫)/幻冬舎
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実際の事件は感情に左右されるものだけど、
ミステリの架空の世界は理論的。
そして、こんなムック本。


「完全版 密室ミステリの迷宮」
有栖川有栖 (著)
洋泉社MOOK/2014.4.23/1400円



『図説 密室ミステリの迷宮』の完全版。
「密室」を様々な角度から斬り、とことん解剖。


ミステリのプロからのアンケートを集計した
「本当にすごい密室」は、各作品を
ストーリーや登場人物
と共に密室現場の見取図付きで解説。

密室トリック仰天映像、ミステリの進化論、
密室談義など盛りだくさんで、
密室にロマンを感じる密室好きにはウハウハ。


本格ミステリばかり読んでいた時期があるので、
密室モノは奥深くて、大好き。

だけど、まだまだ知らない密室ものは沢山ある。
最近、軽いミステリしか読んでいないけど、
また本格モノが読みたくなるなあ。


完全版 密室ミステリの迷宮 (洋泉社MOOK)/有栖川有栖
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お盆も近いので、こんなタイトルの
トリックミステリーに引き寄せられた。
謎が気になり、一気読み。

「十三回忌」
小島 正樹 (著)
双葉社 (双葉文庫) /2013.7.11/¥695


月灯りの舞

自殺とされた資産家夫人の不審死。
彼女に呼び寄せられるかのごとく、法要のたびに 少女が殺される。
一周忌には生きながら串刺しにされ、
三回忌には首を持ち去られ、
七回忌には唇を切り取られていた。
そして迎えた十三回忌、厳戒態勢の中、 またもや事件が起きた―。
          <裏表紙より>


広大な敷地と渦巻く人間模様。
屋敷の見取り図と家系図が表示され、
ミステリファンの心をくすぐる。

法要毎に殺される少女は、
金箔のはられた成り金趣味の“守りの木”に
串刺しにされたり、
斧で首を切られ、木にくくりつけられたりと、
横溝正史の世界観を思わせる。

大胆なトリックは、リアリティには欠けるけど、
読み物としては最後まで惹きつけられる。

正妻と愛人を一緒に住まわせたり、弟が死んだら弟の嫁を
もらったりという、ちょっと今の時代にはそぐわなく、
女性にとっては共感しがたい部分も多いが、
せつない部分もあったりして、ドラマ部分も楽しめた。

中途半端に刑事の人間関係を提示していたが、
警察の人間ドラマは削って、もっと探偵メインの
話にした方が、おもしろいかなとは思う。
ちょっと探偵の影が薄かったかな。

巻末に島田荘司が「電脳王国の住人、小島正樹との思い出」
と題して、著者との出会いからデビューに向けての
エピソードが語られているが、これがとても興味深かった。

著者は島田荘司読者が作る電脳王国の人だったのだ。
そして無名だった彼を島田が共著というカタチで
デビューさせていき、この著書がソロデビュー作。

十三回忌 (双葉文庫)/小島 正樹
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旅のお供の文庫本。
先を気にさせる展開で、
大阪行きのバスの中で一気読み。


「彼女は存在しない」
浦賀 和宏 (著)
幻冬舎文庫/2003.10.10/686円


月灯りの舞

あらゆる伏線がひとつの地点に収束するとき、
物語は悲痛な終幕を迎える。
           <帯より>


タイトルからも想像できるように、人格障害モノ。


亜矢子の兄の視点と
人違いで由子と出逢った香奈子の視点で、交互に語られる。
亜矢子と由子は同一人物。


二人の男が死に、二つの視点が近づき、交わる時、
三つめの惨劇が起きる。


展開とオチの予想はつくのだけど、
その構成がおもしろく、続きを急がせ、
三つめの事件には絶句してしまった。
あまりに大胆すぎて、驚き、悲しい。 


この“トラウマ”はかなり心が痛み、
後味がいいものではないけれど、
ストーリーとしてはおもしろいし、
伏線が集結していくところはドキドキさせるけど、
ミステリとしてはちょっとユルイかな。


「だって多重人格モノものですもの」
という逃げ場があるから、仕方ないとは思うけど、
少しうやむやで解りにくいところはあるかもね。


心の病というものは、カウンセラーが100人いると
100通りの診断があると言われるし、多重人格は立証が難しい。
それだけ人の心は深く、人を個としてしらしめる
「人格」というものは複雑なのであろう。


記憶モノを読むといつも思うが、
その“記憶”は本当にその人自身の過去の“事実”なのか、
誰かの“思い出”とすり変わっていないか、
何かから得た“情報”を刷りこんでいないか?


人は辛い想いをしたら、心が壊れないように記憶を
末梢したりするが、「エターナルサンシャイン」のように、
今が暗くなるから、幸せな想いを末梢しようとすることもある。


中島みゆきも歌っている。


♪ 忘れっぽいのはすてきなことです
  そうじゃないですか

  悲しい記憶の数ばかり 飽和の量より増えたなら
  忘れるより他ないじゃないですか
                「傾斜」より



思い出にすがるのも、イヤ。
未来を夢見るのももうイイ。
ただ刹那を楽しめればイイ。


彼女は存在しない (幻冬舎文庫)/浦賀 和宏
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映画を観たので、原作を読んでみる。
カバーが映画化記念バージョン。

「藁の楯」
木内 一裕 (著)
講談社文庫/2007.10.16/571円


月灯りの舞
センテンスが短く、サクサク読めるので、
スピーディではある。
だけど、深みがなく、人物描写が少なめかな。

でもものすごく考えさせられた。

救いがない話である。
でも、著者いわく、現実の方が理不尽であったり、
残酷だったりする。

たった数千円のお金欲しさに、強盗殺人をしたり、
我が子でありながらも虐待し、遺体を埋めて平然と
生活しているものだって実際に存在する。
そんな世の中なら、10億円という金の為という
大義名分で、人殺しをする人などいて不思議はないのか。

では、普通の人間と人間のクズとでは命に差があるのか?

何の罪もない幼い少女を己の欲望だけで、
残虐にいたぶり、死にいたらしめた卑劣な犯罪者を
SPが守り続けることに何の意味があるのか?

この男の為に多く間の命が失われて行くことに
憤りは感じる。
だけど、「殺してくれ」と命じる男に誰も従わなければ
静かにクズは移送されるだけなのに。

原作と映画と比較して、私は映画の方がよかった。
伏線や設定にきっちりと意味があったから。
それは作りものであるがゆえにそうなのかもしれないけれど……。

頑なに“仕事”を全うするSPは、誰のためでもなく、
愛する人に恥じない生き方をしたかったのだと思う。


著者はきうちかずひろ名で「BE-BOP-HIGHSCHOOL」を
描いた漫画家さん。
実写化もされ大ヒットした漫画だけど、もう漫画は
原作しか書かないそうだ。

全く関係ないけど、
学ラン漫画と言えば、「嗚呼 花の応援団」(どおくまん)も
日活で実写化されたっけ。

青田赤道ファンだったので、リアルで観に行ったが、
なぎらけんいち演じる応援団OB薬師寺先輩がハマリ役だった。
手元に「どおくまんてんこもり」があった。

月灯りの舞

藁の楯 (講談社文庫)/木内 一裕
¥600
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大阪に行った時、書店のポップが賑やかだったので、
“ポップ買い”した ミステリらしいミステリの文庫本。

「模倣の殺意」
中町 信 (著)
東京創元社 (創元推理文庫) /2004.8.13/740円

月灯りの舞

七月七日の午後七時、新進作家、坂井正夫が青酸カリによる
服毒死を遂げた。
遺書はなかったが、世を儚んでの自殺として処理された
                <中表紙より>

この本について語るとネタバレしてしまいそう。
そう、これは叙述トリックもの。

死んだ作家の恋人とルポライターの二人の章が
交互に出て来て、最後に読者に謎をつきつけて、
真相が明かされる。

愕然とするか、唖然とするか……。
とにかく心地よく騙されてみて、くやしがろう。
そして、緻密な構成力に圧倒され、
大胆すぎる発想に、しばし、思考停止。

何の予備知識もいれずに読んだが、
ケータイがないとか、物価が昭和だなとか思ってたら、
「国電」という言葉が出て来て、びっくり。

この作品は 71年に江戸川乱歩賞の長編ミステリで
最終まで残った 四十年も前のもの。

その時のタイトルは「そして死が訪れる」だったが、
73年に「新人賞殺人事件」と改題され双葉社より刊行。
87年には徳間文庫で復刻し、2004年に創元推理文庫の
今の形になり、この本は2013年に出た20版モノ。

凄い変換をたどった作品で、その都度、ヒントになる
箇所が削られ、より謎解き度合が増している。

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京都の旅のお供の文庫本。
第10回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞受賞作。


「僕はお父さんを訴えます」
友井 羊 (著)
宝島社/2013.3.6/648円


月灯りの舞

何者かによる暴力で、愛犬リクを失った中学1年の少年が
犯人捜しを始め、実父を民事裁判で訴えるという
法廷ミステリー。


帯に 乙一の推薦文があるように、独創的な展開と
意外な大ドンデン返しが楽しめる。


少年の同級生の美少女は推理マニアで、探偵役だし、、
近所の司法浪人生は、弁護士役と、個性的キャラも配置して、
飽きずに読ませる。


未成年者が裁判を起こすまでが丁寧に描かれていて、
とても勉強になるし、ミステリとしての謎解きは凄いと思う。


嘘をつかない父がなぜ嘘をついたのか?
誰が最後まで嘘をつき続けているのか?
本当のことを知る為につく嘘の重みは?

そんなことをいろいろと考えさせてもくれる。


でも、後味がよくない。
ちょっと哀しすぎる。


弱者は法によって守られるべきだし、真実を知りたい。
だけど、暴かねばよかった真実もあるし、
知りたくなかった現実もある。


犬好きさんはきっと辛くて読めないだろうな。


僕はお父さんを訴えます (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)/友井 羊
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友が「おもしろい」とつぶやいていたので、
読んでみたいっ! と思ってたら、
古書店で 目に飛び込んできた。


文庫で出ているのだけど、この装丁がリアルなので、
単行本で買う。


まるで自分が今、出血したかのような血痕。


「シューマンの指」 (100周年書き下ろし)
奥泉 光 (著)
講談社/2010.7.23/1600円


月灯りの舞

最初に謎を提示しておくのだが、8割が音楽小説かと
思うほどのシューマン論やピアノの話が語られるが、
ミステリである。


かなり専門的なので、音楽の素人にはやや難しいが、
比喩や装飾など、文章の美しさにも惹かれ、
登場人物の「謎」の魅力に撮り憑かれる。


ミステリ本だと、割と簡潔な表現の文章が多いが、
この本は詩的であったり、文学的で、
謎解きの面白さよりも文章そのものを楽しめる。


前半は丁寧で深く語られ、やや哲学的であるが、
「事件」後はスピーディで先をめくらせる。

ラスト近くの「真実」に関しては、ミステリとしては、
賛否両論分かれるところだが、
私は この展開は好きだった。


ああ、やっぱりという感はするものの、
見事にその「幻」の中で酔わせてもらった。


読み終えて、シューマンの「幻想曲」を聴きたくなる。
でも、せつない話。



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テーマがとても興味深く、映画化されるというので読んでみた。


「完全なる首長竜の日」
乾 緑郎 (著)
宝島社(宝島社文庫)/2012.1.13/562円


月灯りの舞


少女漫画家の和淳美は、「SCインターフェース」を通じて、
意識不明の弟と対話を続けるが、
淳美に自殺の原因を話さない。
ある日、謎の女性が弟に接触したことから、
少しずつ現実が歪みはじめる。
<裏表紙より>


一気読みする面白さ。


きっちりと伏線を張ってくれているので、
オチは読めてしまうので、ミステリ要素としては
物足りなさが残るけど、著者の文章力とかセンスが
とても好きで、ぐいぐい読ませてくれ、
その世界観にずっと浸っていたい感じ。


でも、読後はとてもせつない。
せつなさ好きの私にとっては、痛いほどハマれた。


少女漫画家という設定と弟への想いと叶わぬ恋の
要素はどれも私の中にある感情を刺激してくれ、
主人公と同化してしまった。
私が書きたかったことも書かれていて、ヤラレタ。



「このミス」大賞受賞作、しかも満場一致だから、
やはりおもしろいし、読ませる筆力。
だけど、ミステリファンにはかなり酷評されてるのは
SF要素が強いからか。

映画「ザ・セル」みたいな感じ。


意識でつながるということ、現実と虚構の世界。
これもまた死んだら人の魂や意識はどうなるのかという
死生観にもつながる。


意識の世界をどう映像化するのだろうか、
映画が早くみてみたい。

しかし、綾瀬はるか主演となるとかなりオリジナル要素の
ある脚本になるのだろうなあ。
染谷将太も出るが、どの役だろうか……。ワクワクする。


この作者、劇作家として、小劇場の演劇や舞台の脚本を手掛け、
俳優活動もされていたというから、納得。
ものすごく女性の描写が上手く、楽しませようとする遊び心も
絶妙。

次回作は廃墟のホテルが舞台のサスペンスだそうで楽しみだ。



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初期の頃は大好きだった東野圭吾。
全作読んでいたのだけど、
「容疑者Xの献身」で、ちょっと引いてしまった。
それから量産して、ついていけなくなってたけど、
いよいよ来週 映画公開というので、原作を読む。


「プラチナデータ」
東野 圭吾 (著)
幻冬舎/2012.7.5/724円

月灯りの舞

国民の遺伝子情報から犯人を特定するDNA捜査システム。
その開発者が殺害された。
神楽龍平はシステムを使って犯人を突き止めようとするが、
コンピュータが示したのは何と彼の名前だった。
革命的システムの裏に隠された陰謀とは?
鍵を握るのは謎のプログラムと、もう一人の“彼”。
果たして神楽は警察の包囲網をかわし、真相に辿り着けるのか。
           <裏表紙より>


いやー、ひっぱる、ひっぱる。


犯人は誰かと言うよりもタイトルである
「プラチナデータ」とは何かという謎を
最後の最後までひっぱる。


犯人は一番怪しくない人という定石通りであり、
翻弄はさせるけど、そこの謎解きは意外にも短く、あっさり。
で、逃走劇や誰が味方で誰が同志かという戸惑い劇で
引っ張って、先へ先へと読ませる。



途中、恥ずかしいほどの少女漫画的なシーンもあり、
女子的にはポワーンだけど、ミステリファンとしては、
ちょっと……赤面。
映像化をかなり意識してとのことか。


個人的にはもう一つのテーマでもある「二重人格」に
ついてをもう少し掘り下げて欲しかったけど、
二重人格になるきっかけのドラマも納得でき、
最後にそれをホロリと回収しているところが好感が
もてる。


だけど、後味はあまりよくないね。
真実は全て知らない方がいいもの……。


全てなんて知らなくていい。
優しい虚構がいい。



どの雑誌も表紙はニノで、ツィッターでも
「プラチナデータの公開楽しみ」というのはニノファンばかり。

豊川さんも出てるんだよー。
原作ではカッコイイ役で見せ場も結構あるので、
楽しみぃー。



プラチナデータ (幻冬舎文庫)/東野 圭吾
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