『歌と宗教 歌うこと。そして祈ること』 | 月灯りの舞

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自虐なユカリーヌのきまぐれ読書日記

旅立つものあり、舞い戻るものあり。
病気になるものあり、回復するものあり。
見失うものあり、みつかるものあり。
そんな春が過ぎ、初夏の香り。



前振りとは関係ないけど、
先月末に島根へ行った時の旅のお供の本。


浜田真理子&二階堂和美のライブの前に
読んだのだけど、偶然にもそのライブともリンクしてた。


『歌と宗教 歌うこと。そして祈ること』
鎌田東二:著
ポプラ社/2014.1.7/780円


人間は歌うために生まれてきた。
歌とは命そのものであり、命は歌なのであるーー。
スサノオ神話や古今和歌集、聖書から黒人霊歌まで。
古来より歌は宗教と深い関わりがあった。
世界の宗教と歌との繋がりとは何か。
歌の起源、そして歌の持つ力とは何か。

           <裏表紙より>



著者は、神道ソングライターとしての活動15周年を
迎える気鋭の宗教学者。


歌と歴史の秘密が明かされる。


ヤマタノオロチを退治し、クシナダヒメと結婚した
スサノヲが愛の営みの為の御殿を作った歌が、
日本最古の和歌と仮名序に紹介されている
「八雲立つ出雲」の歌。


「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を」


八重垣のシュプレイコールで意味はないようだが、、
乱暴者が愛を得て歌を歌うことが大切で、
歌うことが秩序と調和を生も出すのだと。


「力を入れずして天地を動かし、目に見えぬ鬼神をもあはれと
 思はせ、男女のなかをもやはらげ、猛き武士の心をも慰むるは、
 歌なり」と記貫之の仮名序も紹介されている。


二階堂和美さんは現役僧侶。
ただ歌を歌うということ以外で、その人の魅力のようなものが、
発散されているのだろうなあ。



島根に一緒に行った二人は、二人とも歌手。
歌うことで表現している人は感受性が豊かで、感情が激しいと想う。
それはとても素敵なことなのだけど、その分悲しみを受けた時、
傷つきやすいのかもしれない。
歌うこと、歌を聴くことで、元気になって、パワーアップして
欲しい。


私は歌を歌えないけど、短歌を詠む。
悲しい時、せつない時にその感情をもてあまし、言葉にする。
そのことで少し楽になったりするのかも。

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